クロホオズキ(冬の黒鬼灯) ~長かったと思う……~
- 2021/01/31(Sun) -
冬の黒鬼灯031

黒鬼灯が色を薄茶色に変えてまだ残っている。
夏は爽やかなライトブルーの花だった。
網目模様の袋の中には実ものぞく。
こうした時間とともに訪れる衰相にはしみじみとした趣がある。

さて一月もゆく。
希望であるはずのあらたしきこの月が長かったと思うのは私だけだろうか。

   一月に何かいいことあったかと空を仰ぐ脚が冷える (奈美あや)

冬の黒鬼灯032

冬の黒鬼灯033

冬の黒鬼灯034

冬の黒鬼灯035

夏の黒鬼灯192

夏の黒鬼灯185
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スノードロップ(snowdrop) ~《女の首》~
- 2021/01/30(Sat) -
スノードロップ031

制作しているのは《女の首》。
モデルはいないが、イメージは20代前半。
7、8割ほどできたところ。
離れて見る。
どうも台座と作品のバランスが悪い。
よくない。
これでは彫刻として成立しない。
ノコギリで切り離す。
出直し。

いったん制作の手を休め、外に出る。
風が強い。

山茱萸の下に小さなスノードロップが一つ立っている。
その周りにはいくつかの芽も土の上に顔を出して。

部屋に戻り、作品を台に再度据える。
今度は前後左右から何度もその位置と傾きを確かめて。
いい。
これでよし、と固定する。
明日からはまたあらたに気持ちを高め集中して進める。

   なにかないかと気の向くままの目にスノードロップ (奈美あや)

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フクジュソウ(福寿草) ~あった~
- 2021/01/29(Fri) -
福寿草の芽031

今、季節的には一番の厳寒期。

覚えている。
以前、信州の学校ではこの間の数日を「寒中休業」にしていたことを。
もちろんもう無くなった、
みんなしもやけになったり、頬を真っ赤にしながら外で遊んでいた。
だいぶ前の話だ。

「何が出てきました」
「何を見つけました」
厳しい寒さが続く中、ラジオにはそんな便りがちらほら届く。
土の中では目覚め、動き出した草花たち。

私も庭に出て目を向けてみた。
あった。
福寿草の芽が落ち葉の中にちょこんと。
まだ一つだけだった。
落ち葉を払った。
それは小さなたけのこのように見えた。

春はたしかに一歩一歩と近づいている。

   土の下ではおしゃべりしているのか福寿草の芽一つ (居山聞涛)  

福寿草の芽032
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アイビー(ヘデラ・ivy) ~体重が~
- 2021/01/28(Thu) -
アイビー035

私はほぼ毎日、入浴の際に体重計に乗ります。

昨年の春、体重が5~6㎏減りました。
病気したわけではありません。
食生活の改善とか、そんな意識をしたこともまるでなくです。
それ以来元に戻らずにいます。

身体そのものはどこも悪いところはなく、いたって元気です。
むしろ足の運びは早く、そして全体の動きも軽くなりました。
腹囲もベルトの穴が2つ移動です。
思い出せば、これは30代中頃から40代前半のの体型に近いような気がします。
原因は今でもわかりません。
でもいいことです。
頭もこのようにもっと引き締まってスリムになるといいのですが。

庭の一角にはアイビーが広がっています。

   一月末若き日ぐるぐる蔦が這う (居山聞涛)

アイビー031

アイビー032

アイビー034
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ナツロウバイ(冬の夏蝋梅) ~夏の気品、冬の思慮~
- 2021/01/27(Wed) -
冬の夏蝋梅6362

ナツロウバイがあるのは庭の北西の端。

六月には薄いピンクをまとうやさしい花。
厳寒の今、それは枯れ色姿の哀愁の実。
夏には品を保つ静かなな佇まい。
冬には譲りつなぐ深い思慮。

知人は台所で50号のキャンバスに絵を描き始めたという。
友人からは青紫の野菊が咲いたとの知らせ。
私は「女の首」に向き合う。

ナツロウバイの背、木曽境には雪の山。

   山頭火の行脚浮かべて雪の山見る   (居山聞涛)

夏臘梅206072

冬の夏蝋梅363

夏臘梅206071

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サイネリア(cineraria)  ~隠忍し春を待つ~
- 2021/01/26(Tue) -
サイネリア031

重く
辛く
苦しく
悲しく

でも冬の枯れ野にも必ず緑なす春が訪れるように

明るく
楽しく
喜びの
輝く光の

先人たちが幾多の困難を乗り越えてきたように

耐えて
屈せず
強く
静かに
前を

“人”は互いに互いを支え思いやり寄り添い


玄関にサイネリアを移した。

   寄り添う心を持てと人字一月の雨  (居山聞涛)

サイネリア032

サイネリア033

サイネリア034

サイネリア035
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クリスマスローズの蕾 ~「ああ、何やってんだろう、だめだなあ」~
- 2021/01/25(Mon) -
クリスマスローズの蕾0321

台所で食器などを洗って片付けていた。
終わって元の位置に戻そうとした時、白磁の器を落とし壊してしまった。
対になったうちの一つでよく使っていたもの。
「ああ、何やってんだろう。だめだなあ」

お茶を淹れて本を読んでいた。
一杯目を飲み干して二杯目を注ぐ。
目は本に向けたまま次の一口をと、横に置いた湯飲みに左手を伸ばした時、倒してしまった。
テーブルクロスにお茶が大きな島のように広がる。
「ああ、何やってんだろう。だめだなあ」

日記を書いていた。
ひょんなことでぐちゃっとページに皺を作ってしまった。
いつも丁寧に書いてきて、これまでこんなことなかったのに。
「ああ、何やってんだろう。だめだなあ」

昨日は、そんな「だめだなあ」の続いた日。
失敗は次に失敗しないための学びだ…と、衰えた手と感覚を慰め。
きょうは慎重に。


いくつものクリスマスローズに蕾が膨らんでいる。

   不安列なす朦朧の辛丑睦月 (居山聞涛)

クリスマスローズの蕾0323

クリスマスローズの蕾0322
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ポニーテール(観葉植物トックリラン) ~「The Hill We Climb(私たちがのぼる丘)」~
- 2021/01/24(Sun) -
ポニーテール031

米大統領就任式で22歳の詩人アマンダ・ゴーマンさんが自作の詩「The Hill We Climb(私たちがのぼる丘)」を朗読した。
その未来に向けた力強く希望に満ち、心に染み入る美しいパフォーマンスをCNNの映像で見た。
そして翌日和訳された全文を読んだ。

“嘆きながらも、私たちは成長した。”
“傷つきながらも、希望を抱いた。”
“疲弊しながらも、挑戦した。”

社会について、国家について、政治について問いかける。
平和とは、国民とはと呼びかける。

“慈悲と権力を、権力と権利を私たちが融合させれば、愛が私たちの遺産になる。”
“そして、私たちの子どもたちが生まれ持って得るものが変わるだろう。”
“だから、私たちに残された国よりも良い国を残そうではないか。”

結びの言葉を聞きながら、あの、白黒テレビ時代に、雄弁に語りかけていた同じ国の若き大統領を思い浮かべていた。
“光はいつもそこにある。私たちに、光を見る勇気があれば。”
“私たちが、光になる勇気があれば。”


昨日は雨の日。
外に出ずの一日。
私の部屋にはポニーテール。
同じ場所で10数年の生き方をじっと見られて。

   北風にたちむかうその場所この時間   (居山聞涛)

ポニーテール032

ポニーテール033
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ウメ(梅の冬蕾)  ~あのひとは~
- 2021/01/23(Sat) -
紅梅の冬蕾031

あのひとは。

みない。
きかない。
いわない。

そして。
しない。

なぜ。
できない。
なぜ。
わからない。

ふあんはそこにあるのに。
ずっとがまんしてきているのに。
かなしみは、くるしみはつらさはめのまえにあるのに。
こころにひびくあたたかいことばをまっているのに。

なぜ。
なぜ。
なぜ。

ねえ、どこをむいているの。
ねえ、こっちむいて。


梅に小さな蕾。
紅い色が…。

   冬の芽に希望という形を見る (居山聞涛)

紅梅の冬蕾032

紅梅の冬蕾033
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冬の山(中央アルプス南部) ~この今だからなお~
- 2021/01/22(Fri) -
中央アルプス南部-211

遠くに雪山。

眺める。
だまって。
見る。
耳を傾けて。
冬の山はいい。

この今だからなおのその大きさ。

   眺むればふところ深し冬の山 (居山聞涛)

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中央アルプス南部-213
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ジョウビタキ(尉鶲) ~単独行動~
- 2021/01/21(Thu) -
尉鶲031

タラノキの先にジョウビタキがとまりました。
まん丸い目をした人なつっこいかわいい鳥です。

大陸からやってきたのは10月の中旬でした。
それ以来、ほぼ毎日のように家の周りのいろんなところに顔を出してくれます。

ずっと単独行動です。
寂しくないんでしょうか。

「君は寒くないかい」
「素足で脚は冷えないの?」
「どこで寝ているんだい」

   小さなやすらぎ携え鶲来し (居山聞涛)

尉鶲032
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雪と影(梨・薔薇・鬼灯・ローズマリー) ~今季一番の寒さだと~
- 2021/01/20(Wed) -
梨の木の影

昨日は陽がたっぷりのいい天気でした。

白い雪をキャンバスに草木の青い影絵ができています。
少し輪郭のぼけた梨の木の、薔薇の、鬼灯の、ローズマリーの。

そして今朝は-10℃です。
予報通りに今季一番の冷え込みになりました。

新聞屋さんの素早い足音が聞こえます。

   ホームの雪を素手で掬った十八の記憶   (居山聞涛)

薔薇の影

鬼灯の影

ローズマリーの影
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シンビジウム(Cymbidium・“In The Mood”) ~言葉のあや・「スピード感」「緊張感」~
- 2021/01/19(Tue) -
シンビジウム・インザムード0321

 〈知者のごとく思索し、しかしだれもが使う言葉で語れ…ふつうの言葉を用いて、非凡なことを語りなさい〉
これはドイツ文学者のショーペンハウアーが文筆を仕事にする人に向けて述べたもの。

定期購読している月刊誌に言語学者金田一秀穂氏の「巷のにほん語」という連載のコラムがある。
まさに時宜というか世に現在進行形として流布する言葉を俎上に乗せて辛口に論評する。
そして誤用の問題や元来の意味についての本質を歯切れ良く断ずる。

以前、「スピード感」をテーマにした時は次のようになる。(部分の抜粋)

   《速いようにみえるようにしたい》
この頃、「スピード感を持って解決したい」という言い方をよく聞くようになった。なんだか変だ。(略)
「スピード感を持って解決したい」というのは、「速いように見えるように解決したい」ということで、本当に速いかどうかは置いておく、見ている人がどう思ってくれるかを気にしています、という告白である。それでは困る。(略)
「緊張感を保ってしっかりと検討したい」、「緊張感を持って事に当たるように指示した」と言っている大臣はどう思って緊張感という言葉を使っているのだろうか。(略)
   《緊張感はカッコいい》
緊張感は緊張しているわけではない。(略)
しかし、緊張感を持ってと言うと、何やらカッコいいように思える。軽薄である。
ほんとうに素早くやってもらいたい。見せかけでなくやってほしい。手抜きせずにしてほしい。
見てくれは忘れろ。見せ方はどうでもいい。
実質が問題なのだ。それを私たちは見ているのだ。

ざっとこんな感じ。

たとえば具体的かつ、平易で明快な言葉を用いて、誰にも見通しが共有でき、納得できるように。
ときには表情豊かに感情を込め、要点を絞って、暖かさと思いやりを持って向こう側にある目と耳に呼びかけ訴える。

“人の振り見て我が振り直せ”と、自戒しつつ。

   もうだいぶ時が過ぎたと思うほどにまだこの一月 (居山聞涛)

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フキノトウ(冬の蕗の薹) ~ほっとする~
- 2021/01/18(Mon) -
冬の蕗の薹031

ほとんどを家の中で過ごしていました。
ちょっと頭の空気を入れ換えに庭に出ました。
相変わらずヒヨドリが群れています。

先日の雪がまだところどころに残っています。
そして溶けたところを見れば、枯れ葉の中にかたい蕗の薹がいくつかありました。
まだ食べられる形と大きさではありません。
でもこうして寒さの中で膨らむ姿を見ると、うれしくほっとします。
見えるところ見えないところでそれぞれがちゃんとちゃんと前に向かって。

   「元気かい」と冬のふきのとうが声をかける (居山聞涛)

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デンファレ ~一月の雨とヒヨドリと読書~
- 2021/01/17(Sun) -
デンファレ2030

一月としては珍しく雨。
そんな中、窓の外に見える桜には鵯の群れ。
行ったり戻ったり、しきりに枝を移ったり。
濡れるのも気にせず。
大きな声で鳴き続けて。
それは喧噪でもあるが、活気でもある。

私は田中一村を読む。
「彼は一作としておろそかにすることなく、常に全霊を込めて描き続けた」
「独創的な画風は、たゆまずに積み重ねた研鑽の賜物だった」と。

   寒禽よお前に不安はないのか  (居山聞涛)

デンファレ2031

デンファレ2032

デンファレ2033
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スイセン(水仙の芽) ~そっと小正月~
- 2021/01/16(Sat) -
水仙の芽031

水仙の芽が顔を出しています。
土のすぐ上にいくつもいくつも。
なんかうれしくなりますね。

たとえばそこにあるのは笑顔や会話。
思いやりと支え合い。
献身への感謝。

そしてきっと春にはたくさんの黄色い花が。

   毅然と希望の言葉がほしい小正月 (居山聞涛)

水仙の芽032

水仙の芽033

水仙の芽034
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ティッシュボックス(外箱のないティッシュペーパー用) ~箱があった方がいい~
- 2021/01/15(Fri) -
DSC05716 (2)

年末のこと。
家人が外箱のないティッシュペーパーを買ってきた。
エコの意識とコストを考えてのことなのだろうか。
通常のに比べて高さも幅も奥行きも二回りほど小さい。
これまで置いてあったティッシュボックスでは大きすぎて役に立たない。
本人はその簡易包装のままで使うつもりらしい(かった)。

見て考え、心で呟いた。
そのままだと見た目がなあ。
やはりちゃんとした箱があった方がいいよなあ。
その方が安定して取り出せるし、使い易いしなあ。
ある材料を使って作るかあ。

制作場にある材料から使えそうな板材を見繕う。
少し余裕のある大きさにして加工する。
ティッシュが中で動かないように固定用の板を取り付ける。
上蓋の取り出し口を彫刻刀を使って地道に空ける。(糸鋸があれば楽なのだが)
ポアステインで着色する。
そして仕上げの塗装。
アクセントに以前に彫った鬼灯を接着する。
商品に比べると見劣りはするがまあまあいい。

「ほら、ティッシュボックスできたよ」
「あら、いつ作ったの。いいねえ。サンキュー」

というわけで今、台所には手作りの新しいティッシュボックスが座っている。
ちなみに私の部屋ではこれまで通りに普通サイズのを使っている。

   あの時代出れるはずもなく成人式  (居山聞涛)

手作りティッシュボックス1

DSC05754 (2)
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メジロ(目白) ~喉も潤った……~
- 2021/01/14(Thu) -
雪とメジロ031

朝から晴れの日でした。
陽を浴びて、前日の雪が少しずつ溶けていきます。
木々からも乗っていたのが落ちます。

そうした露わになった枝にメジロが来てとまりました。
首をちょっとかしげて。
目の前の雪のかたまりに嘴を挿して。
食べたかったのか、飲みたかったのか、いずれにせよ水分が欲しかったのでしょう。
嘴の先には雪がちょこっとついています。
喉も潤ったようで、飛び去っていきました。

私には右肩と左腰に、雪かき後の筋肉痛が少し出ています。
それは痛いとか重いとかではなく、むしろ働いた後の心地よさです。

   目白来て枝の雪食む晴10時 (居山聞涛)

雪とメジロ032

雪とメジロ033

雪とメジロ034
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アセビ(馬酔木の蕾) ~雪が降りました~
- 2021/01/13(Wed) -
雪の中の馬酔木031

雪が降りました。
雪かきをしました。
終わって休憩しました。
でも降りは続き、嵩を増していきます。
また外に出て同じように庭と道の雪かきをしました。
きれいに出来たところでお茶を飲みました。
まだやみません。
さらに積もります。
3度目の雪かきです。
東西両3軒隣の大原さんと松井さんも出てきてやっています。
ガレージの上に積もる雪も心配になりました。
脚立を持ってきて長いスノーブラシーを使って降ろしました。
さすがにちょっと疲れを感じました。
あとは様子を見ることにします。

紅い蕾をたくさんつけた馬酔木も雪をかぶっています。

   うれしくて裸足で歩いた19の雪  (居山聞涛)

雪の中の馬酔木032

雪の中の馬酔木033

雪の中の馬酔木033-1

雪の中の馬酔木034

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雪嶺(南アルプス) ~時折一人で~
- 2021/01/12(Tue) -
南アルプス031

紅茶を買いに出かけた。
帰りに果樹園を抜け、見晴らしのいい高台に出た。
道路脇に車を止める。
そばではリンゴの剪定をしていた。

東には南アルプスが一望できる。
北から、仙丈岳、塩見岳、小河内岳、烏帽子、悪沢……。

私は時折一人でここへ来る。

   聞こえる雪嶺から「そんなこと……」  (居山聞涛)

南アルプス032

南アルプス034

南アルプス033

南アルプス035
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カキ(柿畑) ~うらやまし~
- 2021/01/11(Mon) -
1冬の柿畑

隣には柿畑がある。
干し柿用の渋柿で、秋に家族で収穫をされていた。
しかし、だいぶ残っている。
いわゆる熟柿の状態。
それは冬の鳥たちにとってはありがたい。
昨日もヒヨドリ来て食べていた。
自由な感じがうらやましい。

私は静かに過ごす。

   熟柿食む鵯がいるうらやまし (居山聞涛)

5冬の柿畑 (3)

2冬の柿畑

3 冬の柿畑(2)

4冬の柿畑 (1)
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マリーゴールド(氷中花) ~冷え込む朝の川で~
- 2021/01/10(Sun) -
氷中花031

昨朝は-7℃とかなり冷え込んだ。
最高気温も0℃。

家の横を流れる川も厚い氷を作る。
見れば枯れ姿になったマリーゴールドが閉じ込められている。
人の手は及ばない造形。

今朝も-6℃。

   寒き日や川に落ちこむ川の水 (永井荷風)
 
氷中花032

氷中花033

氷中花034
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フユシラズ(冬知らず・Calendula) ~寒いのが好き~
- 2021/01/09(Sat) -
フユシラズ031

土手に小さな黄色い花があります。
フユシラズです。
蕾もあります。
まだ咲き出したばかりに見えます。
名が示すように、この寒い時期が好きな花のようです。
中に小さな虫がいました。

   歳寒の土手を歩く花がある (居山聞涛)

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アフリカの彫刻 ~プリミティブでシンボリックな~
- 2021/01/08(Fri) -
アフリカ彫刻1

私の部屋にはアフリカの彫刻が3つある。
今から45年ほど前にやってきた。
一つは小さな女性の石像。
もう一つは木彫の座す女性。
さらに木心の黒い部分を男性の頭像にしたもの。
そのそれぞれのプリミティブでシンボリックな造型に惹かれる。
そして表現へのアイディアやインスピレーションを与えてくれそうなインパクトがある。

ピカソも好きだったらしい。
手持ちの本の中には次のような一節がある。
「ピカソも黒人彫刻の熱狂的な愛好者になり、アフリカ各地の立像や呪物や面が彼の家に集められた。」

昨日今年初めての制作に取りかかった。
一皮むけた表現をと思う。

   星冱(い)てて人の心に溺れけり (松村蒼石)

アフリカ彫刻3

アフリカ彫刻2 - コピー

アフリカの彫刻
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七日 ~そろそろ~
- 2021/01/07(Thu) -
部屋の作品1 (2)

のんびりとして七日。

「楽」の上に座りすぎた。
「暖」の中で寛ぎすぎた。

「そろそろ手を動かしたら?」

   清浄の雪しんしんと降る七日かな   (居山聞涛)

部屋の作品2

部屋の作品3

部屋の作品4

部屋の作品5
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サルノコシカケ(猿の腰掛) ~とりあえず取っておこう~
- 2021/01/06(Wed) -
山茱萸に猿の腰掛030

庭を漫ろに。

見上げる山茱萸にも春待つ小さな芽。
3月にはまた黄色い花が、と思いつつ眺める。

その太い幹に見つけたのは猿の腰掛。
1メートルはどの高さに張り出している。
秋まではなかった。
どうやら新しく出てきたもののよう。
そのまま生長するのを見たい気にもなるが、山茱萸を弱らせては困る。
思案の末、落とすことに。

拳を作って何度か叩いたが固くて木から離れない。
部屋から木槌を持ち出し、それで上から力を込めて叩いた。
落ちた。
手に取ってみると、木に繋がっていた部分は木肌を剥がして付着している。
すごい接着力だ。
裏はというと、そこはどら焼きの皮に似る。
スポンジのようかと思い触ってて見るとここもやはり木のように固い。

何かに使うか、あるいは使えるかは別として、とりあえず取っておこう。

   ときなしの餅焼く匂ひ松の内  (鷹羽狩行)

山茱萸に猿の腰掛031

山茱萸に猿の腰掛032

山茱萸に猿の腰掛033

山茱萸に猿の腰掛034

山茱萸に猿の腰掛035
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クリスマスローズの蕾 ~“終息したらお伺いしたいです”~ 
- 2021/01/05(Tue) -
クリスマスローズの蕾031

一昨日、昨日と年賀状が数枚ずつ届く。
私が“年賀状仕舞い”のご挨拶をさせていただいた長い付き合いの方ばかり。
先方は承知しているはずなのだが……。

近年高校教師だったご主人を亡くされ、今は親子二人だけで過ごす40年来の知人からも。
若い頃から努力家で誠実な人柄だった彼女は養護教諭として勤めている。
文末に手書きで“終息したらお伺いしたいです”と添えてあった。
実はこの40年間一度も会ってない。
そんな日が来る日を楽しみに待つとする。

さて五日、今日を仕事始とするところも多いのだろう。

クリスマスローズの蕾も膨らみつつある。

   金色のものの減りたる五日かな  (櫂未知子)

クリスマスローズの蕾032

クリスマスローズの蕾033

Kさんからの年賀状
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『正月飾り』(紙細工) ~時間がゆっくり流れ~
- 2021/01/04(Mon) -
正月飾り031

凧、独楽、竹橇、毬、羽根突き。
昭和の子供たちの正月遊び。
それらは叔父が作ってくださった「正月飾り」の紙細工。
一月のうちは飾っておく。

肥後守を使って竹ひごを削り出し、骨と枠を組み立て……、私も子供の頃は凧を作って揚げていたなあ。
横の羽が大きな音を立て、長い尾が空に振れて。
みんなで集まっての独楽遊びも懐かしく思い出される。

時間がゆっくり流れ、のんびりとして。

   凧百間の糸を上りけり  (河東碧梧桐)

正月飾り032

正月飾り033

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正月飾り035
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シンビジウム(Cymbidium・“In The Mood”) ~「いつかゆっくりお話したいなあと……」~
- 2021/01/03(Sun) -
シンビジウム・インザムード031

高校の同級生から初めての年賀状が届いた。
東京在住の彼はテノール歌手でヴォイストレーナーでもある。
印刷された定番の新年挨拶に加え、手書で「いつかゆっくりお話したいなあと思っています」と。

一昨年の秋に同期会があった折、何十年ぶりかでほんの数分会話した。
そのとき名刺を頂き、イタリアへ留学しオペラを学んだことなどを知った。
高校生の頃は普通の同級生仲間といった間柄で、特に親しかったという訳ではない。
過去に連絡を取り合ったこともない。
そんな彼がなぜ年賀状を送ってくれたのだろう。
でもうれしかった。

私は年賀状仕舞いをしてから数年になる。
それでもまだ送ってくれる人がいて、そのために何枚かは用意してある。
お礼の言葉を添えて返信した。
いろいろ落ち着き、安心して往来が出来るようになったら、連絡を取って会う時間を作ろう。
いつかチャンスがあれば彼のカンツォーネを生で聴きたいものだ。

部屋には“In The Mood”という名のピンクのシンビジウムがある。

   蘭の香にありて己の夜をもてる (瀧 春一)

シンビジウム・インザムード032

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シンビジウム・インザムード034
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デンファレ(二日) ~心を動かし、行い始める~
- 2021/01/02(Sat) -
デンファレ211

静かである。
何もかも。
不思議なことに。
私自身の心も。

今朝、胸の奥に湧き出る水を感じた。

   ゆるやかにとぶ鳥見えて二日かな  (永田耕一郎)

デンファレ212
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正月(一月一日) ~「一足一足……」~
- 2021/01/01(Fri) -
久保田米僊・富士松原 (2)

新春飾りとともに、部屋には久保田米僊の「富士松原」を掲げる。

中腹に雲がかかる冠雪の富士が悠然と構え、その下には田子の浦そして駿河湾が広がる。
左手の岩肌の上に松が見える辺りが三保松原だろうか。
浜辺にはいく艘もの小舟、岩陰には帆を畳んだ船、遠くには霞んで帆掛け船と、長閑な漁村の風景が描かれる。
雄渾な筆遣いと繊細な描写によって、海と山の静かな空気とゆるやかな人の時間が映し出される。

見て、そびえる富士の如く、広き深き海の如く、青きたくましき松の如くにと、自分の来し方を見返し、心新たにする。

さても年改まるも、魔物のような恐禍は人の世を無慈悲に襲い続けている。
いっそう身を引き締め、心鎮め、己を律して「一足一足山をも谷をも踏み越えよ」う。

   年改まり人改まり行くのみぞ  (高浜虚子) 

西尾実「一足一足……」
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