ジンチョウゲ(冬の沈丁花) ~さまざまな感慨をもっての歳暮~
- 2020/12/31(Thu) -
冬の沈丁花021

濃い緑色の葉の中に濃紅色の蕾があります。
沈丁花です。
春に香りのよい花を咲かせるために今からこうして準備しているんですね。

さまざまな感慨をもっての歳暮です。

   はらわたの紆余曲折を年の暮  (中原道夫)

冬の沈丁花022

冬の沈丁花023
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ノコンギク(冬の野紺菊) ~おせち~
- 2020/12/30(Wed) -
冬の野紺菊021

宅配便でおせちが届いた。
そしてマスク越しに「良いお年を」と元気な声とともに駆け出していった。
年末は秒を刻むほどの大忙しなのだろう。
こうした方々の働きがあって私たちは便利な生活を享受できる。
感謝である。
以前は時間をかけてせっせと腕を振るってくれていたのだが、近年は東京のデパートから取り寄せるようになっている。

秋のやさしい薄紫の野紺菊。
冬のやわらかな綿姿もまたいい。

   冬菊のまとふはおのがひかりのみ  (水原秋櫻子)  

冬の野紺菊022

冬の野紺菊023

冬の野紺菊024
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レオパ(レオパードゲッコウ・豹紋蜥蜴擬) ~13年目の新年~
- 2020/12/29(Tue) -
レオパ02121

レオパが水場に来ました。
ヒーターを入れてあるので喉が渇くのでしょうか。
赤い舌をペロペロ出して上手に飲みます。
満足といった表情です。
そしてまた寝室に戻っていきました。

ヤモリの一種である彼が我が家にやってきたのは2008年ですので、13年目の新年を一緒に迎えることになります。
人でいうなら、もう後期高齢者ということになります。
でも口元や目は相変わらず幼子のような愛らしさを保っています。
性格はおとなしくて、手もかからず、病気することも一切なく健康で。
家人は一日2~3回は手に持って話しかけたり頬に寄せてスキンシップをしています。
ほとんど反応はありませんが……。

さて、大掃除も新春飾りも済ませました。
初詣はやめ、いつものお寺に幸先参りをして破魔矢なども頂いてきてあります。
静かに新しい年を迎えようと思います。

   智恵借りることも師走でありしかな  (稲畑汀子)

レオパ02122

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レオパ02124

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ホオズキ(冬鬼灯) ~うら寂しき~
- 2020/12/28(Mon) -
冬鬼灯022

朽ちかけた葉と茎に鬼灯の袋。
褪せたり黒ずんだり皮が剥がれ落ちたり。
網目になったものの中からは朱の丸い実が見える。

色も形もうら寂しき姿に変わり。
しみじみとした冬枯れの庭。

心静かにと。
離れて自分を見る。

   冬景の魅了するにも任せけり  (相生垣瓜人)

冬鬼灯023

冬鬼灯024

冬鬼灯025

冬鬼灯026
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ロウバイ(素心臘梅) ~色を持ち始めた冬蕾~
- 2020/12/27(Sun) -
冬臘梅021

ロウバイに蕾がたくさんだ。
そばに寄ってみると、小さな手鞠のように花びらを丸く固めている。
そしてそれは艶やかな黄色をすでに身につけて。
開花は毎年2月の初旬頃。
変わらずに、春浅い庭にいい香りを広げてくれるはず。

   冬木の芽光をまとひ扉をひらく  (角川源義)

冬臘梅022

冬臘梅023

冬臘梅024

冬臘梅026
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ブルーベリー(blueberry) ~冬紅葉~
- 2020/12/26(Sat) -
ブルーベリーの紅葉021

落葉樹の多くは葉を落とし、枝だけになった。
でもその別れを惜しんで粘っているのもある。
ブルーベリーもその一つ。
まだしっかりとついたまま紅葉している。

もうそろそろ君も冬休みにお入り。
そしてまた、春にかわいい白い花を、夏には紫の甘い実を頼むね。

   冬紅葉冬のひかりをあつめけり  (久保田万太郎)

ブルーベリーの紅葉022

ブルーベリーの紅葉023
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中央アルプス南部 ~「自然が師だ」~
- 2020/12/25(Fri) -
南駒岳赤梛岳田切岳

家を出て車で数分、左手に中央アルプス南部の山々が見える。
南駒ヶ岳と赤椰岳の下の摺鉢窪カールもくっきりと。
山肌がいくらか露出しており、この時期としては全体に雪が少ない。

どっしり構えて動かず。
ゆったりとした軟らかな面と急な荒々しい線。
「自然が師だ」と言ったロダンの言葉を思い出す。

   雪嶺よ日をもて測るわが生よ  (相馬遷子)

中央アルプス南部023摺鉢窪カール

中央アルプス南部022南駒ヶ岳
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冬の夜空 ~見上げると~
- 2020/12/24(Thu) -
月と土星021

昨晩は自治会の会合があった。
リニア工事から出る残土運搬でダンプが地域を通るということ。
新年会は中止するということ。
ほんやりは規模を縮小して実施することなど。

帰路につき、空を見上げると月と星がきれいだった。
木星と土星と月の接近がニュースで流れていたのを思い出した。
どの二つなんだろう……。

家に戻って、部屋からカメラを向けた。
月はクレーターまで写っていた。
適当に狙いを定めた星はぶれてうまく撮れていなかったが、一筆書きの軌跡のような面白い絵になっていた。

   声にせず告ぐる思ひや冬銀河  (徳田千鶴子)

月と土星022

月と土星023

月と土星024
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凍る ~冬の川~
- 2020/12/23(Wed) -
凍る川020

家の横は川。
庭に立てばすぐ下に。

凍みる日が続き、その一角が凍る。

流れや飛沫が様々な形を作る。
層を厚く重ねて太い氷柱や氷筍に。
草の葉や茎をその中に閉じ込め。
落ちる滴が並ぶ様に。
あるいは湧き出る泡のように。

冬の川のなす造型。
人にはまねできない。

   流れたき形に水の凍りけり  (髙田正子)

凍る川021

凍る川022

凍る川023

凍る川024
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ミニカトレア(minicattleya)~今の一点~
- 2020/12/22(Tue) -
ミニカトレア021

 どんなに過去がよくても、今が駄目なら駄目なんですね。
 反対にどんなに過去が駄目でも、今がよければよいのです。
 つまらない過去をますますつまらなくするのも今の生き方にかかっているのですし、
 つまらない過去を肥料として転じて、みごとな花を咲かせるのも、今の生き方にかかっているのです。
 さらには、とても開きそうもない未来という固い扉を開くのも、今の生き方にかかっているし、
 逆に開かれた扉もしまり、敷かれたレールを消してしまうのも、今の生き方にかかっているのですね。
 古人は「一大事とは今日只今のことなり」とおっしゃいましたが、今という一点の連続が生涯となり、
 また永遠ともなるものであり、
 勝負は、見据えるべきは、どこまでも今の一点なんですね。
                                        ( 青山俊董著 『花有情』冬の章より)

十二月とは思えないような、真冬並みの厳しい寒さが続いています。
庭の甕にも厚い氷が張ります。
でも心だけは氷らさないようにしなくては。

   朝寒(あさざむ)や生きたる骨を動かさず (夏目漱石) 

ミニカトレア022

ミニカトレア023
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シジュウカラ(四十雀) ~「根氣、根氣、根氣、」~
- 2020/12/21(Mon) -
四十雀12121

    「根氣」   武者小路実篤

 根氣、根氣、根氣、
 何事も根氣
 畫をかくことも根氣
 根氣、根氣、根氣、  
           いけない
 かうすればいゝとわかつてゐても
 つい無精をする
 いけない。

ツツピーツツピー、ツツピーツツピー。  
四十雀が来て軽やかに歌ってくれる。

がんばろう。

   暫くは四十雀来てなつかしき  (高浜虚子)

四十雀12122

四十雀12123
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サザンカ(山茶花) ~「ご挨拶を」~
- 2020/12/20(Sun) -
赤い山茶花2021

倉沢さんの奥様から電話があった。
「息子が入籍を済ませました」
「本来なら、皆さんをご招待して結婚式を開くべきところですが、コロナでそれも出来ずに大変申し訳なく思っております」
「つきましては、二人の顔見せとご挨拶に伺いたいと思いますが、ご都合はいかがでしょうか」
旧家のご長男である。
さぞかし華やかで盛大な披露宴になったことであろう。
9時に来訪することになった。

庭の赤い山茶花は人の世に関係なくいつものように。
花粉をこぼしながら、美しく気を張って。

   冬が好きと山茶花が咲いてゐる   (奈美あや)

紅い山茶花2022

紅い山茶花2024

紅い山茶花2023
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初雪 ~新しい景色~
- 2020/12/19(Sat) -
初雪021

一昨日、少し雪が積もった。
これまでちらほらと舞うことはあったが、地を白くするほど降ったのは初めてだった。
そういう意味で言えば今年の初雪といえる。

木の影が青く伸びる。
その横には犬らしき足跡が続く。
磯菊もちょこんとかぶっている。

雪はものの形や景色をやわらかに変える。

   命ありて見る初雪の新しや (樋笠文)

雪と足跡1

雪と足跡2

初雪022
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ホシガキ(干柿) ~自然が作る和菓子~
- 2020/12/18(Fri) -
干柿021

穂波さんが手作りの干柿を持ってきてくださった。
15個ほど入っている袋を二つ。
店に商品としてでも出せそう。
早速ひとつをいただく。
甘い。
やわらかい。
まさに自然が作る和菓子だ。

渋柿は4本あった。
その時は自分でも干柿を作っていた。
皮を剝いて、吊して、揉んで……。
でもいろいろを考え、4本全てを切った。

4年前一つだけ作ったことがある。
木を彫って。
そのときモチーフにしたのも穂波さんからいただいた物だった。
また彫ってみよう……。

   昼過ぎのやや頼もしき冬日かな  (岩田由美)

干柿022

干柿2009 - コピー

干柿2008

木彫干し柿1

木彫干し柿2

木彫干し柿3
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サザンカ(山茶花・朝倉) ~「花は人に見られる為に咲くのではあるまい」~
- 2020/12/17(Thu) -
朝倉021

家の入り口に白い山茶花の“朝倉”がある。
十一月初め頃から咲き出して、今もわずか残る。
全体が白というわけでなく、花芯と外の花びらをほんのり薄桃色に染める特徴がある。
そのちょっとした混ざりがまた心を惹く。

武者小路実篤は書いた。
『人見るもよし 見ざるもよし 我は咲くなり』

そんなことをふと思い出した。

   山茶花に咲き後れたる白さあり  (宮田正和)

朝倉22

朝倉023

朝倉024
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メジロ(目白) ~数え日となりて~
- 2020/12/16(Wed) -
目白0221

このところメジロがよくやってくる。
一羽だけだったり、群れだったり。
昨日は部屋のすぐ横、葉を落とした楓の枝の中に二羽。
番かどうかはわからなかったが、賑やかに声を出しながらくっついたり離れたり。
こちらに向かってガラスに当たったりも何度か。
愛らしくもあり、滑稽でもあり、楽しい。
そんな様子を椅子に腰掛けながらガラス越しにシャッターを切る。

さて、数え日となる。
今一度、やり残していること、しなければならないことを書き出し、懈怠無きよう進めていこう。

   たつぷりと寝て寒禽をまのあたり  (細川加賀)

目白0222

目白0223

目白0224
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キブネギク(貴船菊・秋明菊) ~綿になった~
- 2020/12/15(Tue) -
冬の秋明菊021

十月中旬、貴船菊は桃色の八重の花だった。
それから二ヶ月後、十二月中旬の貴船菊は白い綿になった。

時季(とき)はものの形や色を変える。
そしてあるものを消し、新たにあるものを生み出す。

“ヒト”や“コト”も、いつまでも“同じ”が続くことはない。

ふんわりの中にたくさんの黒い種が見える。

   一切の行蔵寒にある思ひ (高浜虚子)

貴船菊(10月14日)1

冬の秋明菊022

貴船菊(10月14日)2

冬の秋明菊023

冬の秋明菊024
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ル レクチエ(Le Lectier・洋梨) ~きずものだというが~
- 2020/12/14(Mon) -
ル・レクチェ0221

車が止まった気配がしたので、顔を出した。
軽トラから小松さんが降りてきた。

「やお、こんにちは。洋梨、ちょっとだけど」。
「ウワーうれしい、いつもありがとうございます」
「出荷も今日で終わり、残ったきずものだけどな」
毎年この時期にこうして持ってきて下さる。
「もう少しおいて追熟させてな。これからフーちゃんとスギさんとこにも持って行くで、じゃあな」

袋から出すと、どれも大きくて立派。
きずものとおっしゃっていたが、小さな斑点がチョコッとあるだけ。
素人には気になるほどではないが、これで規格外になるらしい。
なかなか厳しい世界だ。

色が濃くなり甘みが増するのはちょうど年末から新年を迎える頃か。

   あたたかき重さの袋師走かな (奈美あや)

ル・レクチェ0222
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ツグミ(鶫) ~純粋と清貧~
- 2020/12/13(Sun) -
鶫02121

宮沢賢治と高村光太郎の関係について、古い本を取り出して読んでいた。

キュッキュッ、キュッキュッと聞き慣れた鶫の声がした。
立って外を見ると染井吉野に。
越冬のため、北の大陸から海を渡って今年も。
5分ほど動かずじっと。
そして鵯が来ると同時に飛び去った。

賢治は光太郎を尊敬していた。
光太郎もまた詩人としての賢治の才能を高く評価していた。
光太郎は晩年の7年間は、賢治の故郷である花巻郊外の山村に建てた小屋で、一人つつましく暮らした。
ある本の「イーハトーヴォ」の題字も書いた。

純粋と清貧の二人。
欲を食べて虚栄を着ている私……。

   鶫飛び木の葉のやうにさびしきか  (細見綾子)

鶫02122

鶫02123

宮沢賢治研究誌題字
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カマキリ(蟷螂の卵鞘) ~備える~
- 2020/12/12(Sat) -
満天星躑躅に蟷螂021

ドウダンツツジ(満天星躑躅)もほとんどの葉を落とし、枝姿になった。
その中にカマキリのスポンジ状の卵鞘が二つあった。
だいぶ前にできあがったような大きなのが一つと、もう一つはただ今製作中のようでまだ小さく白い。
葉のあるうちには気づかなかったものが、なくなったときこうして見えてきたりする。
枝の先々にはすでに新しい赤い芽がいくつも出ている。
それぞれがすでに来る春へ備えている。
しっかりと前を見据えて。

   励ましのこゑが冬樹のむかふから  (比良晴男)

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トウガラシ(観賞用唐辛子) ~それからおよそ3ヶ月が経ち~
- 2020/12/11(Fri) -
観賞用唐辛子21

今、私の部屋には鉢植えの唐辛子がある。

それは9月13日のことだった。
家人がトウガラシのポット苗を二つ買ってきた。
「畑に植えたい」と。
渡されたのを見ると、それは観賞用の小さめの唐辛子だった。
本人はてっきり普通の唐辛子だと思っていたらしく、それを話すと落胆していた。
「鉢植えにして、部屋の中でその彩りを楽しめばいい。たぶんクリスマス頃までは持つと思うよ」
せっかくのこと、白い陶器鉢に植え替えて、室内で育てることにした。
一つはダイニングに、そしてもう一つは私の部屋に置いた。

それからおよそ3ヶ月が経ち、ここまで順調に生長を重ねて元気な姿を見せてくれている。
そして赤い実と緑の葉が溶け合って、それこそクリスマスカラーに。
ところどころにはまだ白い花も咲き、蕾も見られる。
クリスマスには、これにそれらしいオーナメントでも付けて雰囲気を楽しむとするか。
ちょうど姉からは、いつものように今年もローストチキンを送ってくれるという連絡も入ったことだし。

   唐辛子烏の嘴程赤きかな   (広江八重桜)

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観賞用唐辛子23

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ジョウビタキ(尉鶲) ~ふっくらと~
- 2020/12/10(Thu) -
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ツッツッツッの声は尉鶲。
毎日のように顔を見せてくれる。
とまる木は選ばない。

雄一羽が染井吉野の枝に。
黒い顔に銀白の頭、朱茶の腹に三角白紋の翼。
見ればいくぶんふっくらと丸い。
寒気ため羽毛をふくらませているのだろう。

のどかな冬の日。

   良寛の手鞠の如く鶲来し (川端茅舎)

尉鶲02122

尉鶲02123
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ナンテン(南天の実) ~「風景とは」~
- 2020/12/09(Wed) -
南天の実021

  どんな風景も、それは人間の心境である。 (アミエル「人生について―日記抄)

古いメモの中に、アミエルの言葉について岡井隆氏が書いた文があった。

見ている「風景」とは実は見ている人の心象風景なのだ。
「その両方をともに読むことができる人は、それぞれの細部にわたって類似点があるのをみつけてびっくりする」。
あかあかと沈む夕日の中に、人が一日の終わりやら、人生の淋しさやらを感ずるのもそのためなのだろう。

南天の実が赤くなっている。
ところどころ欠けているのは鳥か。
南天の葉も赤くなっている。
整ってきれいな並びだ。

   日向より紅深まりぬ実南天  (松永ゆきえ)

南天の紅葉023

南天の紅葉022

南天の紅葉021

南天の実022
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コブシ(辛夷の冬芽) ~暖かそうな毛にくるまれて~
- 2020/12/08(Tue) -
辛夷の冬芽021

辛夷に冬芽。
暖かそうな毛にくるまれて。
4月初旬のその日がくるまで。
厳しい寒さと向き合い。
ひたすらに。
待つ。

   冬木の芽ことば育ててゐるごとし (片山由美子)

辛夷の冬芽022


辛夷の冬芽024

辛夷の花1
                                  4月の花
辛夷の花2
                                  4月の花
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サザンカ(山茶花) ~明るき日和~
- 2020/12/07(Mon) -
紅いサザンカ021

山茶花も冬の花。
花梨の下にも赤いのが。
花の少ないこの時期には重宝。

  過去が咲いている今
  未来の蕾で一杯な今  
           (河井寛次郎)
只今、この日この時を大事にと。

網戸を張り替えた。
予定した歳暮れの大掃除はおよそ終わった。

   山茶花の明るき日和たまはりぬ  (稲畑汀子)

紅いサザンカ022

紅い山茶花024

紅い山茶花023

紅い山茶花025

紅い山茶花026

紅い山茶花027
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タンポポ(冬の蒲公英) ~たんぽゝと小声で言ひて~
- 2020/12/06(Sun) -
冬の蒲公英021

一輪の蒲公英を見つけました。
庭の南側、日当たりのいいところです。
思わずほっこりと。
蕾も二つあります。
花言葉をあたると、その一つには「真心の愛」とありました。
黄色は幸せ色……。

   たんぽゝと小声で言ひてみて一人  (星野立子)

冬の蒲公英022

冬の蒲公英023
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フユザクラ(大阪冬桜) ~たとえば『哀愁の冬桜』、『秘想桜』~
- 2020/12/05(Sat) -
大阪冬桜021

少し前から大阪冬桜が咲いています。
枯れ色の中、控えめに。
人の目にとまらず、気づかれず。
たとえば『哀愁の冬桜』、『秘想桜』などとでも詠みたくなるような。
そんな寂しく深い思いにさせます。
一人でする庭の冬花見です。

   痛さうに空晴れてをり冬ざくら  (黛 執)

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大阪冬桜023

大阪冬桜024

大阪冬桜025

大阪冬桜026

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ビワ(枇杷の花) ~冬に咲き夏に実る~
- 2020/12/04(Fri) -
枇杷の花021

枇杷は冬に咲く。
小さな白い5弁花が集まりほのかな香りを放つ。
それに誘われて虻たちがやってくる。
蕾は褐色の細かな毛をまとう。
そして厳しい寒さを越えて、夏になるとそれらは黄色い実に。

     忘れゐし花よ真白き枇杷五弁   (橋本多佳子)

枇杷の花022

枇杷の花023

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マユミ(檀の紅葉) ~新しいカレンダー~
- 2020/12/03(Thu) -
檀の紅葉021

檀が紅葉している。
葉は穴が開いていたり、輪郭を失ったり。
その、果てに向かう姿に感傷を誘われる。
何か語りかけられているかのようで。

新しいカレンダーを壁に掛けた。
卓上のも据えた。

   冬紅葉しづかに人を歩ましむ (富安風生)

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檀の紅葉023

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イチョウ(公孫樹) ~蘖(ひこばえ)が~
- 2020/12/02(Wed) -
銀杏蘖1

チェーンソーで公孫樹を伐ったのは今年5月の連休中のことだった。
高く大きくなって、ギンナンも採れ、秋の黄葉も美しかったが、毎年の落ち葉掃きは大変だった。
自分の衰えゆく能力など、先々のことを考えて決断した。
今年はその落ち葉掃きをしない分、だいぶ楽になった。

切り株が残っている。
それにいくつか蘖が出ていた。
少し黄葉して。
朽ち果ててくれるものと思っていたが、土の中の根はまだしっかりと生命活動を続けているらしい。
来春にはもっと出てくるかもしれない。
困った。
様子を見てもっと下の方から伐るなどを施そう。

自分でいろいろができるうちに身の回りのいろいろを片付ていくとする。

   ひこばえにに哀をいひてわかれけり (室生犀星)

銀杏蘖2

銀杏蘖3

イチョウ黄葉

イチョウ落ち葉

ギンナン2

ギンナン1
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ヤブコウジ(藪柑子・十両・山橘) ~髪をカットする~
- 2020/12/01(Tue) -
藪柑子021

家人の髪をカットした。
10年ほど前から私に頼むようになった。
髪は白い。
以前は自分で染めていたが、今は自然のままにしている。
だいぶその量が減っているのもわかる。
大きな鏡を前にセットし、椅子に座る。
道具は一式揃っている。
全体の長さを整え、次に襟足のラインを揃え、最後にうなじを剃って仕上げる。
後ろを手鏡で映して確認させ、OKサインが出て終了。
時折美容室でやって貰うことを促すが、めったに行くことはない。
私の腕が上がったということもあるかも知れない。
11月最後の日のことである。

庭の片隅にひっそりと数本の藪柑子がある。
今それに赤熟した小球形の実がついている。
歳暮から正月への移ろいを静かに彩ってくれる小さな木である。
近寄り腰をかがめて見ると、せわしさを忘れて心も穏やかになる。

   まぎれつつしづかにあるや藪柑子   (松村巨湫)

藪柑子022

藪柑子023

藪柑子024

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