コムラサキ(小紫の実) ~胸元の飾りに~
- 2020/09/30(Wed) -
小紫021

コムラサキの実が枝に沿う。

艶やかな粒。
鮮やかな紫。
それはこさえたアクセサリーのよう。
たとえば切って胸元の飾りに…。

また静かに九月が去る。
そんな生活にすっかり慣れてしまった。

    かんがふる一机の光九月尽  (森澄雄)

小紫022

小紫023

小紫024
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ブルーセージ(Blue Sage・アズレア) ~秋のどか~
- 2020/09/29(Tue) -
ブルーセージ021

たくさんの小花が風に揺れる。
てるてる坊主のようなかわいい形して。
色は澄んだ秋空と同じ青。

このブルーセージはそこがお気に入りのよう。
一つの小さなポット苗を10数年前に植えたものが、こうして毎年花を咲かせてくれているのだから。
セセリチョウがやってきて蜜を吸う。

秋のどか。
空想ドライブにでも出かけようか。

   秋澄みてわが身のうちも澄みにけり  (瀬戸悠)

ブルーセージ022

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ブルーセージ024

ブルーセージ025

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サワギキョウ(沢桔梗) ~周りには“秋”が多くなって~
- 2020/09/28(Mon) -
沢桔梗021

サワギキョウが開き始めた。

色は青紫。
花は5深裂の左右対称。
横からは鳥が飛ぶ姿のようにも見える。
目立たないけど趣があって。
いかにも秋の花って感じ。

周りには“秋”が多くなってきた。
心も秋?

   草原の秋に咲くもの鳴けるもの  (稲畑汀子)

沢桔梗022

沢桔梗023
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シロカワカボチャ(白皮南瓜) ~なんだろう~
- 2020/09/27(Sun) -
白皮南瓜0221

一昨日からくしゃみと鼻水が続く。
咳や熱はない。
喉の痛みもない。
体はいたって軽い。
なんだろう。
ティッシュが減っていく。

畑に出て、白皮南瓜の残りをすべて穫った。
雌花の中に何やらの虫がいた。

さて、今日のうちに予定の作業を進めて完成させよう。

  秋ですね胸の振子が鳴り出しぬ  (鈴鹿百合子)

白皮南瓜0222

白皮南瓜0223
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キバナコスモス(黄花秋桜) ~指を切る~
- 2020/09/26(Sat) -
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家人は料理に缶詰をよく利用する。
プルトップ式缶を開ける時にはだいたい頼まれる。
力が弱ってきているのだ。
昨日はサバ缶。
いつものようにリングを引き上げる。
と、最後に切り離した瞬間、勢い余って押さえていた親指を切ってしまった。
蓋の切り口が薄くて鋭かったためか、痛みはあまり感じなかったが血が出た。
すぐに止血し、絆創膏を強く巻いた。
家人は気づいていない。
私は何も言わず、そして何事も無かったかのように「はい、あいたよ」と渡す。
サバはゴーヤに混ぜていた。

椅子に腰掛け、紅茶を飲みながら「ドジだなあ。このところそんなことが多いなあ」と心で呟く。
「気をつけなくちゃあ」


庭では、明るい黄色と鮮やかなオレンジ、そして落ち着いた濃朱色のキバナコスモスが咲いている。

   コスモスの花あそびをる虚空かな   ( 高浜虚子)

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クリ(栗・丹沢)  ~実りの秋~
- 2020/09/25(Fri) -
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実りの秋である。
栗も落ち始める。
今年初めての収穫をした。
このあと、私の朝はしばらく栗拾いから始まる。

栗の木“丹沢”は敷地の西隅にある。
若い頃に小さな苗木を植えたものが、今ではかなり大きくなって、辺りを覆うばかりに枝を広げている。
そのうしろ、遠くには南アルプスが見える。
こうした景色を眺めながら、ふと自分がこの地で生きていることの不思議を思うことがある。
そして幸せをも。

   栗のつや落ちしばかりの光なる (室生犀星)

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ハギ・エドシボリ(萩・江戸絞り)  ~長袖シャツ~
- 2020/09/24(Thu) -
江戸絞り0221

江戸絞りがまた咲く。
通常は夏盛りの7月に咲く木本の萩である。
返り咲きというのか、こうして再び紅白の絞りの花姿を。

長袖シャツを2枚出した。
朝出かける際には肌がその必要を感じつつある。

   風立つや風にうなずく萩その他  (楠本憲吉)

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ハクチョウソウ(白蝶草・ガウラ) ~気落ちのいい秋の朝~
- 2020/09/23(Wed) -
白蝶草021

少しずつ木の葉が落ち始めている。
李、桜、利休梅など。
朝に掃く。

岩上さんがスピードスプレヤー(薬剤噴霧機)に乗って手を上げながら林檎畑に向かう。
「おはようございま~す」

秋明菊に花がある。
杜鵑草に蕾がある。
小紫に赤紫の実も。

風に揺れる白蝶草にウスバツバメガがとまる。
蛾なのだが、黒い筋が走る透明感のある白い翅と尾状突起のある姿はアゲハチョウかアサギキマダラのようで美しい。

気持ちのいい秋の朝。

   天上もわが来し方も秋なりき   (中村苑子)

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ヒガンバナ(彼岸花・曼珠沙華) ~お墓参り~
- 2020/09/22(Tue) -
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お墓は歩いて20分ほどのところ。
朝の涼しいうちにお参り。
すでに花と白く灰になった線香。
一人暮らしの義姉は早々と済ませたようだ。
持って行った菊を花生けに挿し加える。
銘に目を通し、その歳と命日をたしかめ偲ぶ。

途中に見る多くの田んぼが稲刈りを終え、稲架の風景になっている。
ところどころの畦には彼岸花が並ぶ。
気持ちのよい風の中、汗をかくこともなく戻る。

庭にも彼岸花の美しい姿がある。

大学2年の秋、ゼミで奈良を訪ねた。
2日目は自由行動となり、私が一人訪ねたのは『当尾の里』。
その岩船寺から浄瑠璃寺へ向かう野や畦には彼岸花が連なって咲いていた。
そして歩く道々には草木に同化するようにいくつもの古い石仏がひっそりとあった。
今でもその情景が目にありありと浮かぶほどに深く心に残っている。

この花はそんな若い頃の私の思い出とともにある花でもある。

   曼珠沙華咲く野に出でよ観世音  (橋本鶏二)

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フイリヤブラン(斑入り藪蘭) ~「ご苦労様です」~
- 2020/09/21(Mon) -
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庭を掃いていたら、近くの熊川さんが袋を提げて入ってきた。
「おはようございます。国勢調査です」
「ごくろうさまです」
書類を渡されて、世帯番号、家族構成を確認され、回答の方法などの説明を受けた。
回答は初めてインターネットで行うことにした。

少し話す。
コロナ禍の影響がめぐり巡って自身の仕事もかなり減ってしまったという。
それで今は郡を越えて1時間半ほどの遠地まで通って働いていると。

「あと半分ほど残っているので、ではこれで」

斑入りの藪蘭が薄紫の小さな花を咲かせ始めた。

お隣さんの杉の木のてっぺんには百舌がいる。
キチキチキチ、キチキチキチと大きな声を出しながら周りを見わたすようにして。
アキアキアキ…。

   野の秋へ鈴ふるやうに花の咲き  (岩津厚子)

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ゲッカビジン(月下美人) ~香りをいっぱい吸ってから~
- 2020/09/20(Sun) -
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蕾が4つついている月下美人の葉に、雨蛙が気持ちよさそうに坐っているのを見つけたのは10日ほど前のことだった。
その間に風の強い日が2日ほどあり、その中の一つが落ちた。
そして昨朝、だらりとなった姿があるのをまた見つけた。
知らないうちに前夜に開花したのだ。
残る2つを見ればその先が少しほころび始めている。
「開花は今夜」と、急いで私の部屋に入れた。

それは夜の時計の針が進むにつれ、香りを放ちながら開いていった。
ほぼ満開になったのは9時半頃だろうか。
それ以降はあまり変化が見られなかったから。

よく見ると、小さな蕾がまた2つある。
昨年も3度目は10月中旬に咲いている。
これらも同じ頃になりそうだ。

寝る前に鼻を近づけ、香りをいっぱい吸ってから別れた。

   月下美人丑三つ時に馥郁たり  (松崎鉄之介)

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マリーゴールド(marigold) ~「楽しい、きれい」~
- 2020/09/19(Sat) -
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「調査によると、やりたくない家事の№1は食器洗いだそうです」
朝に流れる、ある家電メーカーの食器洗い乾燥機のCMに出てくる言葉である。
“食器洗い”が好きになった私は「そうなのか」と思いつつ聞く。

家人が左手首(橈骨)を骨折したのは昨年の9月18日の朝。
すぐに病院へ連れて行くと、そのまま金属プレートで骨を固定する手術ということになった。
その日から私はなれない台所に立つようになった。
当然、食器洗いも。

そして1年が経つ。
料理は家人の手に戻っているが、洗いは私が続けている。
今では皿や椀、鍋類はもちろんのことだが、シンクも含め、食後の台所全体をきれいにするのが楽しくなった。
以前、「食器洗い乾燥機を買おうか」と言っていた家人も、食後は私の片付けているそばでのんびりテレビを見ている。
ただ少し問題点があるとすれば、それは皿や小鉢などを落としたり、ぶつけたりして時々欠いたり割ったりすることである。
そこは気をつけなくてはならい。

よく考えてみれば、共働きの中で何十年もそれをこなしてきてくれたわけで、今更ながら感謝である。
「楽しい、きれい」で気分がいい。
もう譲るのがもったいない。
まだ短いキャリアではあるが、この先もずっとこれは私の仕事に。

いたるところにマリーゴールドがある。
すべてが毎年こぼれ種からの花。
その花言葉には「信頼、変わらぬ愛、濃厚な愛情」とある。
モンシロチョウがとまった。
蘂のそばには小さな花蜘蛛も。

   草々や九月の光ほしいまま  (家塚洋子)

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リコリス・スプレンゲリー(Lycoris sprengeri) ~グラデーションの妙味~
- 2020/09/18(Fri) -
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スプレンゲリーはピンクから青への色調変化が美しいリコリス。

土筆のように3本並んで土の上に顔を出したのは数日前のこと。
それから花茎が一気にぐんぐんと伸びての開花。

赤紫の蕾の先はすでに青に染まっている。
反対色での調和を見せる自然の筆づかい。

蜂がやって来て、飛び出た黄色い蘂の先にとまった。

   空澄めば飛んで来て咲くよ曼珠沙華  (及川貞)

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モロヘイヤ(mulukhiyah) ~「ねえ、採ってきてぇ」~
- 2020/09/17(Thu) -
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私はネバネバ系の野菜を好む。
それで、そのいくつかを毎年栽培する。
ツルムラサキ、オクラ、金時草、明日葉、そしてモロヘイヤなど。
九月半ばを過ぎても、それぞれがまだ元気で食卓に上る。

そしていつものように「ねえ、モロヘイヤを採ってきてぇ」の声。
外に出て籠を持つ。
その大きくなった株の中には、葉に隠れるようにして数個の小さな黄色い花があった。
親指の爪でちぎって葉を摘んだ。
籠の半分ほどになった。
畑の井戸水で軽く洗って渡した。
すぐに茹でてくれた。

モロヘイヤは栄養価があり、美容と健康にもいいと聞く。
以前、ラジオでエジプト出身のタレントが「モロヘイヤは国民的な野菜です」と話していたのを思い出す。
そしてクレオパトラも食べていたとのこと。
女性にはお勧めの野菜かもしれない。


厚みのある夏雲のその一段高いところには薄ぼんやりとした秋雲が少し広がっている。
畑にも赤とんぼの数が増えてきた。

   山国の秋迷ひなく木に空に  (福田甲子雄)

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洋梨(ル レクチエ) ~一緒に並べてみる~
- 2020/09/16(Wed) -
ル・レクチエ021

夕方、玄関のチャイムが鳴って「こんにちは」。
その元気な大きな声で誰だかはすぐにわかる。
ドアの向こうには、いつものように頭に白いタオルを巻き、農作業用のブルーのつなぎを着た小松さん。

「洋梨も収穫が始まったもんで規格外のを。ちょっとだけどな」と手にレジ袋。
「いつもすみません。上がって下さい」
「選別しなくちゃだで忙しいんな。そろそろ幸水も終わるで、それも出荷外れをまた持ってくるで。じゃあな」
そういってにこやかに踵を返していった。

5つ入っていた。
昨年もいただいた。
そして、その“ル レクチエ”のフォルムに魅せられ私は木彫にしたのだった。
それを思い出し、ちょっと遊び心で棚の上からそれを取り出して、皿の上に一緒に並べてみる。
「………」

そういえば半年以上木を彫っていない。
怠けてしまっている。
「雨蛙」にしよう。

早速一つを剝いた。

   梨むくや甘き雫の刃を垂るゝ  (正岡子規)

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木彫ル・レクチエ

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ペチュニア(petunia) ~朝の時間~
- 2020/09/15(Tue) -
ペチュニア0221

今は大体5時半頃から外作業をしている。
すると秋を感じることがいくつかある。

空気が少しひんやりしてきたこと。
昨日は初めて霧がたっていた。
このところ名を知らないグイーッグイーッと鳴く鳥の声が響く。
手を動かして少しすると朝日が昇る。
空には青い色が広がり始める。
爽やかな風とおいしい空気。
桜は葉を落とし始めている。
芒は優しく穂を揺らす。

白やピンクの花が咲いている。
植えたものではない。
毎年そこに5月頃から顔を出してくれる。
ペチュニアだろうか。

   揺れやすきものからゆれて風九月  (脇千英子) 

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トウガラシ(観賞用唐辛子) ~「食べられないの?」~
- 2020/09/14(Mon) -
観賞用唐辛子021

スーパーに買い物に出かけていた家人が帰ってきた。
食料品の入ったマイバッグとレジ袋を両手に持って。
「お店で唐辛子を売っていたの。畑に植えてくれる?」
見ると、小さな唐辛子がたくさんついているポット苗が二つ入っていた。

「これ、観賞用の唐辛子だよ」
「えっ、食べられないの?」
「いちおう同じ唐辛子だから、食べられないことはないだろうけど、普通は食べないでしょう」
「そうなの」
「ほら、食用菊とか食用バラとかあるけど、それは食用としてそれなりに安全に栽培されたもの.。これは逆のパターン」
「え~、ショック」
「鉢植えにして、部屋の中でその彩りを楽しめばいい。たぶんクリスマス頃までは持つと思うよ」
「じゃ、任せる」
購入した黒ポットに張られたラベルには単に唐辛子とだけしか書いてなかったので、間違ってもしかたない。

ちょうどあいている白い鉢があったので洗い、それに花栽培用の土とマグアンプを少し入れて植え替えた。
小さな白い花がわずかに残っているが、多くは上向きになった黄緑やオレンジや赤い実となっている。
株自体は室内で鑑賞するにはほどよいど大きさだ。
とりあえず二つとも私の部屋に置いてみたが、前からあるようになじんでいる。

夕食後、「一つ、ダイニングに持って行くね」と言って、実がたくさんついている方を持って行った。

昨日のことである。

   とり入るる夕の色や唐辛子  (高浜虚子)

観賞用唐辛子022

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小さくなった鉛筆と新しい鉛筆 ~毎日書く~
- 2020/09/13(Sun) -
鉛筆削り2

ここ数年は毎日鉛筆を持って書く時間を取っている。
古典文学や近代の名作や詩歌などを対象にして、一つのものを2ヶ月程度で書き写す。
1ページの文字数によっては2Bのシャープペンを用いることもあるが、基本はずっとuniの2Bを使用している。
そして、筆入れには肥後守と、小さな鉛筆削りが入っている。
先が太くなるたびに、途中途中で削りながら。(これがまた楽しい)
短くなった鉛筆はホルダーを添えて、ギリギリまで使う。
いよいよ削ることさえ難しくなり、使えなくなった鉛筆を見ると、かわいくて捨てられず、箱の中に入れてしまう。
先日もそれがまた一つ加わった。

ふと思いついて始め、ただ続けているだけのことだが、ほかの日常を遮断した一人のこの時間は不思議に落ち着く。

先日蒔いた4種類の大根がそろって芽を出している。
今日はこのあと雨の予報。
さらに生長を助けてくれそうだ。

   呼気吸気九月レンズを磨くなり  (岡井省二)  

たけくらべ3

たけくらべ4

たけくらべ5

鉛筆削り1
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キクイモ(菊芋) ~「キクイモの名付け親は私」~
- 2020/09/12(Sat) -
菊芋021

町道に沿って東側にはレッドロビン、畑への中道を挟んで西側には木槿の生け垣がある。
レッドロビンは高さと側面をきっちり揃えてあるが、木槿の方は少し遊んで、里山のようにやわらかく曲線に剪定してある。
その切れたところに菊芋が咲いている。
もともと野菜としての塊茎を収穫するために10数年も前に植えたものだが、その向日葵に似る黄色い花もなかなか爽やかでいい。

菊芋の名付け親は近隣の飯田市出身で、東京国立博物館や上野動物園の設立に携わった“日本の博物館の父”と呼ばれる田中芳男。
市立美術博物館発行の小冊子には次のようなわかりやすい文で解説されている。

「キクイモの名付け親は私。キクイモは横浜に伝わって外人が食用とし、日本人が栽培していた。ある人が私のところにそれを持ってきて、これは何かと聞いた。花が菊の花のよう、根は芋のように食べられる。そこで『キクイモ』と名づけた。繁殖力が旺盛だから非常時に備えると良い野菜だよ」

彼の言葉にあるようにそれは元来食用として外国から日本にもたらされ、過去には救荒作物として栽培を奨励されていたようだ。
栄養価の高いイヌリンを多く含んでいることから、最近では、栽培する農家も増え、産直などでもよく売られているのを見る。
加えて地元の酒造会社も焼酎にして販売するようになったと聞く。

芋はデコボコとした不定型で、私は毎年11月頃に収穫する。
汁もの煮物と、いろいろに使えるが、我が家では味噌漬けにすることが多い。
ほかにないような、その独特のやや土臭さと、コリコリとした食感は好きである。

最高気温がようやく30℃を切るようになり、平年並みとなる。
上空の空気も入れ替わりつつあるのだろう。

   秋澄むや青は落着くためのいろ  (倉持梨恵)

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アマガエル(雨蛙) ~座り心地がいい~
- 2020/09/11(Fri) -
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月下美人にまた4つの蕾がつき、だいぶ大きくなってきた。
もう少しすれば今年3度目となる妖艶な夜花を楽しませてくれそうだ。

その葉は幅広で大きい。
そこに雨蛙が時々いる。
座り心地がいいらしい。

気持ちよさそうに。
あるいは思索するかのようにも。

どの角度から見ても、ずっと眺めていたいほどの魅力的な表情と形をしている。
以前から一度、彫刻にしたいと思っているがまだ叶わない。
近々やってみよう。

   雨蛙飲まず食はずの顔をして (右城暮石)

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リンゴとナシ(ツガルと二十世紀) ~若い来訪者~
- 2020/09/10(Thu) -
リンゴとナシ1

先般、ツガルをくださった堀本さんがまた軽トラに乗って来てくれた。
会社の休日だという。
同様に手にはレジ袋。
「ツガルと二十世紀です」
「実家がくれるんですけど、家ではほとんど食べないんです」
今夏新築した家には小2を筆頭に小さなお子さん3人とご夫婦の家族5人が暮らしている。
ご実家は同じ町内の果樹農家で、10種類ほどの梨と林檎を栽培しているという。
家に上がっていただき、いろいろなお話を伺った。
お兄さんが技術系の大学院を出て都会で大きな会社の製品開発のに携わっていたが、家業を継ぐためにUターンしてきたこと。
自分も農業大学校で学び、今は農業関連の仕事に従事していることなど。
とても実直で誠実感あふれる若者だ。
出されたゴーヤ料理を「おいしい」といって、すべて平らげたので家人も喜んでいた。
「そろそろ失礼します。また持ってきます」
「今度はご家族そろって遊びに来て下さい」と言って見送った。

袋の中には大きなツガルが7個、二十世紀が3個入っていた。
いただいたものはどれも規格外だというが、私たち素人が見るとよくわからない。
こうして新鮮な果物がいただけることに感謝のほかない。

早速それぞれ一つずつを。
ちなみに我が家の果物担当はすべて私である。
皮むきから始まって、切って分けることのすべてを。
ずっと若い頃から。

   左手と右手むつまじ林檎むく  (國弘賢治)

リンゴとナシ2

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キク(菊) ~「重陽の節句」~
- 2020/09/09(Wed) -
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ポリバケツに割れが入り、水漏れするようになった。
それでFRP補修材で修理していた。
家人が買い物から帰ってきた。
「茎ブロッコリーを買ってきたの。植えて」
そう言って、4つの苗を渡した。
キュウリを片付けた畝があいている。
そこに植えよう。
修理はうまくいった。

菊が咲き出す。
そして今日は重陽、菊の節句。
秋が静かに進む。

   人心しづかに菊の節句かな  (黒柳召波)

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ベンケイソウ(弁慶草) ~星のごと咲く~
- 2020/09/08(Tue) -
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高校の同窓会事務局から3000円の寄付金の依頼文書が届きました。
大学生への奨学金給付事業や在校生の教育活動の支援にあてられているとの趣旨が記載されていました。
友人とも連絡を取り、確認の上、早速銀行から振込みました。
振込み手数料が660円というのにはちょっと驚きましたが。

薄いピンクの小さな花が密生して咲いています。
まるで里山の茂った木のようにこんもりとして。
弁慶草です。

   歌棄や星のごと咲く弁慶草  (角川源義)

弁慶草022

弁慶草021
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バラ(薔薇・ゴルデルゼ) ~「秋薔薇(あきそうび)」と~
- 2020/09/07(Mon) -
ゴルデルゼ0221

クロームイエローの薔薇が一輪咲く。
蕾も一つ。

若い頃、画家でもあったある女流歌人から歌集をいただいた。
『紅薔薇(べにそうび)』というタイトルだった。
それ以来、「そうび」という言葉にゆかしさを感じて好きになった。
そして折々に咲く薔薇に、それを添えたりするようになった。
たとえば、今なら「秋薔薇(あきそうび)」と。

歌集の巻末の評伝には次のように記されている。

とにかく佐佐木信綱の忠実なお弟子さんとして温雅流麗、平明な歌であり、平和な日本をしみじみ有り難いと思うさわやかな歌である。
そしてこの歌集の全篇を流れるものは、確かな絵心である。
まるで絵画を見ているような自然のみごとな情景描写、そして女流画家ならではの繊細な優しい感性。
絵と歌がいまや渾然一如となって開花しているのを私は感ずる。

   深々と礼をするかに薔薇見入る   (上田日差子)

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紅薔薇
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ニガウリ(苦瓜・ゴーヤ) ~まだ元気~
- 2020/09/06(Sun) -
苦瓜021

苦瓜はまだ元気。
収穫もしっかりだ。
葉は青々と茂り、黄色い花もたくさん。
おやっ?
花かと思ったら、モンキチョウ。

昨年の最後の収穫は10月9日。
この調子なら今年もあとひと月ほどは採れそうだ。

   葉の陰に苦瓜ぐんと太りをり  (青木政江)  

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アキカラマツ (秋唐松)  ~しのびよる~
- 2020/09/05(Sat) -
秋唐松020

朝夕、いくらか涼しくなったのを感じる。
いつのまにか虫の音の数と種類も増えた。
芒にも穂が立ち、栗も柿も実を大きくする。
隣の家の杉のてっぺんでは初めて百舌の声。
そして庭には秋唐松。
季節は静かに肌に目に耳に。

だけど、どこへも行けない、行かない。
このままで十二月を迎えるのだろうか。

   秋しのびよる金箔をおくごとく  (千代田葛彦)

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シラヤマギク(白山菊) ~そろわない、整わない~
- 2020/09/04(Fri) -
白山菊021

庭の片隅に白山菊がある。
1メートルほどになる背の高い野菊だ。
立ち上がる花茎は上部で分かれて広がり、たくさんの小さな白い花を咲かせる。

この花の咲き姿には通常の菊などとは違うおもしろい特徴がある。
花びらの間に隙間があったり、一部が欠けているようになっていたりする。
そして、数が一定でなく、一枚一枚の長さや形も微妙に違う。
それぞれが主張するかのようにばらばらに。

そろわない、整わない個性の集まり。
見ていて楽しい。

   秋天の下に野菊の花弁欠く (高浜虚子)

白山菊022

白山菊023

白山菊024
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ニワフジ(庭藤) ~秋冬用~
- 2020/09/03(Thu) -
ニワフジ0221

ブロッコリーとサニーレタスの苗を植えた。
秋冬用の野菜の種も買ってきた。
さらに畝を作り、タアサイの種や白菜などの苗も予定。

穂状の庭藤が咲く。
ピンクと白のやさしい色合わせがいい。

   九月来箸をつかんでまた生きる (橋本多佳子)

ニワフジ0222

秋冬野菜の種
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サンパラソル(Sun Parasol) ~5年前~
- 2020/09/02(Wed) -
サンパラソル0221

またサンパラソルが咲いた。
いつも7月頃に咲く花だが、こうして再び。
その名のように深紅の日傘を思わせる形をしている。

これは知人が5年前にラッピングした小さな鉢植えをプレゼントしてくれたもの。
本来、熱帯性の植物だというが、こうして寒冷地での冬越しを何度も無事に過ごして今に至る。
今年の異常ともいう暑さがこの花にはかえって喜びか。

ひまわり色のVW車が入ってきた。
穂波さんのだ。
久しぶりにご主人も一緒だった。

   好く化粧ひ好く着こなして日傘さし (高浜虚子)

サンパラソル0222

サンパラソル0223
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サルスベリ(百日紅・猿滑) ~遊んだ記憶~
- 2020/09/01(Tue) -
百日紅021

母校の小学校には多くの木が植わっていた。
大きな木が多かった。
子供たちはよくそれに登って遊んでいた。
学校に近いところに家があった私も、休日となると、友人たちとそれらを遊び場にしていた記憶がある。

裏門の付近には百日紅があった。
太い幹に枝が張り出していて、手足を使って移動するには好都合であった。
その時の感触として木肌がとてもつるつるしていたのを覚えている。
なるほど、猿も滑りそうだと。

庭の濃桃色の百日紅も咲き出した。
それを眺めながら、ふと少年の頃を思い出していた。

そういえば金田一春彦も『ことばの歳時記』(昭和48年版)の中で、「サルスベリ」について次のように記している。
「サルスベリは一名百日紅(ひゃくじつこう)というほど、その咲いている時期が長く、夏から秋にかけては木の花が少ないだけに庭樹として珍重される。(略)枝ぶりはまことに登るには格好といった風に伸びていて、子どもたちにとってはこれほど登りやすい木はない。ジャングルジムのなかった時代には子供にとって絶好の遊び場だった。」

今年の開花は例年よりひと月ほど遅い。

   てらてらと百日紅の旱かな (正岡子規) 

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