砂紋 ~石庭の侘び寂び~
- 2019/01/31(Thu) -
砂紋191

家の横は川。
四季の草花と同様、川もその時々で種々の表情を見せる。

昨日、庭から見下ろしたとき、きれいな砂紋を見つけた。
降りて近寄って見た。
履かれたような美しい曲線。
まるで京都の古刹の石庭を思わせるようだった。
上流、下流にも目を遣ったがあるのはそこだけだった。

少しの侘び寂びの境地。

砂に埋もれた一枚の枯葉。
刺さる一本の葦。
角が取れ、丸みを帯びた石。
それぞれから見える言葉。

一月が終わる。
珍しく自分を褒めたい月となった。

  冬の川考へ深く流れをり  (岡本眸)

砂紋192

砂紋193

河石191
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フクジュソウ(福寿草・ことぶきぐさ) ~ほころびる~
- 2019/01/30(Wed) -
福寿草1921

福寿草があります。
いつものようにかたまり身を寄せています。
そしてそこから少し離れて一つだけ、さらに別の所にも二つ。
やんちゃぼうず?おてんばむすめ?
それぞれほころびます。

あすはまたその数が増えるのでしょう。

春はそこまで…と、うれしくなります。
顔もほころびます。

  福寿草むかしはらから睦みけり  (樋笠文)

福寿草1922

福寿草1923

福寿草1924

福寿草1925

福寿草1926
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シェフレラ(Schefflera・ホンコンカポック) ~ひなたぼっこ~
- 2019/01/29(Tue) -
ホンコンカポック191

部屋には観葉植物がいくつかある。
どれも長い年月が経つ。
それらは天気を見て、お日さまたっぷりの所へ移しひなたぼっこさせる。
ホンコンカポックもその一つ。
きっと喜んでくれているはず。

大きくなり場所を取るようになったので、昨年の夏に切って、背を低くしコンパクトに収めた。
しかし半年が経ち、また茎が伸び、葉もだいぶ広がってきた。
成長が早い。

これには穂状の花が咲くというが私はまだ見たことがない。
開花に至るまで20年以上かかるというから、見るためには後数年は待たなければならない。

花言葉は「とても真面目」「実直」が付与されている。
時間を掛けて地道にコツコツと…。

   今日出来ることは仕上げて春隣  (稲畑汀子)

ホンコンカポック192

ホンコンカポック193

ホンコンカポック194
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カリン(花梨の実) ~冬に残る実~
- 2019/01/28(Mon) -
1月のカリン1

花梨の木にまだ実が残っている。
その枝の間には鳥の巣も。
ビニール紐なども加えた雑多なもので作られている。
その特質からきっとたぶんヒヨドリのだ。

彼は朝から来て元気な声で鳴く。
「寒さなんて関係ない」とでも言うかのように。
季節を問わず一年中元気がいい。

寒い朝が続く。
今がピーク。
ファイト。

   スケジュール通りにいかず悴める  (稲畑汀子)

1月のカリン2

1月のカリン3
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ルームシューズ・テントシューズ・ブランケット ~真冬の私は~
- 2019/01/27(Sun) -
ムートン室内履き1

冷え症です。
とてつもなく脚が冷えます。
もちろんエアコンを点けて生活しています。
それでもだめなのです。
机の下にもフットヒーターを置いて脚を乗せています。

普段、室内ではムートンのルームシューズです。
そして腰にブランケットを巻きスカートのようにして巻いて過ごします。
朝と夜はもう一枚重ねて二枚巻きです。
さらに寝る時は厚手のソックスを履き、その上にホワイトダックダウンの入った赤いテントシューズです。

冷え症は若い頃からです。
脚は夏も冷たく、ゆるいソックスを履いて寝ます。
過去にはいろいろと試したこともあります。
でもいっこうに改善されることなく今日に至っています。
生まれ持ったそんな体質なのでしょう。

でも冬は大好きです。

   底冷えのわがものならぬ足とかな  (林翔)

ブランケット1

テントシューズ1
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ジョウビタキ(尉鶲) ~渡る~
- 2019/01/26(Sat) -
アサギマダラの旅1251

長野県でマーキングされたアサギマダラが奄美大島で捕獲されたという。
1日におよそ30数㎞を飛び続けて、1200キロの旅。
穏やかな天気だけではなかったはず。
あの薄羽と小さな体でと、驚嘆する。

そういえばアサギマダラを庭で見たのは2013年の10月が最後。
秋明菊や藤袴にとまったり、地面に降りて翅を休めたりしていた。

外からツッツッツッとジョウビタキの声が届く。
庭に出て探してみる。
柿の木に雄がとまっていた。
10月下旬に飛来し、そのまま家の周りにいてくれる。
彼の故郷も遥か離れた大陸、中国東北部やロシア沿海州からバイカル湖周辺。

みんな遠くから来て遠くへ帰る。

私は、♪思えば遠くへ来たもんだ~と口ずさむ。

  厳冬を越す物のたね無尽蔵  (三橋敏雄)

アサギマダラの旅1252

アサギマダラ01
                                   2013年10月17日

アサギマダラ06
                                   2013年10月17日

尉鶲1911

尉鶲1913
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クリスマスローズ(Christmasrose) ~気難しく優しく~
- 2019/01/25(Fri) -
クリスマスローズの蕾192

最近野良猫が庭をよく歩いている。
茶トラで体格は比較的良い。
大人しく人なつっこうそうな目をしている。
私をじっと見ては何か話したそうにも見える。
ただ彼(勝手に雄だと思っている)の声をまだ聞いたことはない。
こちらの反応が無いと知ると、のそりのそろりと立ち去っていく。

冷えた土の上を素足、冷え症の私には考えられない。
ちゃんと食事は摂れているのだろうか。

その通り道にはクリスマスローズが並ぶ。
蕾がだいぶ膨らみ、伸びてきた。

  クリスマスローズ気難しく優しく (後藤比奈夫)

クリスマスローズの蕾193

クリスマスローズの蕾194

クリスマスローズの蕾195

クリスマスローズの蕾196

クリスマスローズの蕾197

クリスマスローズの蕾198

クリスマスローズの蕾199

クリスマスローズの蕾19910
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ケンチャヤシ  ~忘れること、思い出せないこと…~
- 2019/01/24(Thu) -
ケンチャヤシ191

いつものガソリンスタンドで洗車をした。
水曜日はワックス撥水洗車が半額である。
加えて車内清掃なども隅々まできれいにしてくれる。
従業員の接客態度や丁寧な仕事ぶりも気に入っている。

帰宅してほどなくしてから電話があった。
忘れ物があったと。
すぐに戻って取りに行った。

ものやことや人の名、そして地名なども思い出せないこともしばしば。
困ったもんだ。

ケンチャヤシに蕾がいくつも伸びてきている。
咲くのは二月に入ってか。

  影いつも己の中に日脚伸ぶ   (牧石剛明)

ケンチャヤシ192

ケンチャヤシ193

ケンチャヤシ194
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スノードロップ(snowdrop)  ~「希望」と「慰め」~
- 2019/01/23(Wed) -
スノードロップ191

落葉の中でスノードロップも咲き出します。
まだ多くは土のすぐ上で待機しています。

荒俣宏さんによれば、この花には次のような伝説があるのだそうです。

アダムとイブが楽園を追われたとき、天使がイブを慰めるため降りしきる雪に息を吹きかけたところ、その雪の落ちた場所からこの花が咲き出たという。
花言葉は〈希望〉と〈慰め〉。
早春に開花することから聖燭祭(2月2日,聖母御潔(きよ)めの祝日)の花ともいわれ、純潔の象徴となる。
古くは修道院で盛んに栽培され,聖燭祭に祭壇でまかれた。

清らかな白いしずく。
そんな感じの花です。

   一月の汚れやすくてかなしき手  (黒田杏子)

スノードロップ192

スノードロップ193

スノードロップ194

スノードロップ504
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ロウバイ(駐梅) ~ほころびはじめ~
- 2019/01/22(Tue) -
臘梅1911

臘梅の木の下に立った。

ラジオで臘梅の花が話題になっていたから。
暖かい地方ののことなのだろう、見頃を迎えていると伝えられる。
それで私も気になった。

見れば枝いっぱいに蕾。
でもやはりまだ早い。
それでもと探してみれば、開き始めたのが二つ。
すでにその特徴である蝋細工のような光沢がある。

その枝一つを切って一輪挿しに。
ああ、いい香り。

   臘梅の蕾の数が花の数   (倉田紘文)

臘梅1912

臘梅1913

臘梅1914

臘梅1915

臘梅1916

臘梅1917
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タンポポ(蒲公英) ~あわてんぼう?~
- 2019/01/21(Mon) -
タンポポ1911

タンポポが一輪。
厳冬期に。
あちこちに目を遣るが、ほかにはない。
葉は赤茶色だし。

あわてんぼうさん?

でもさびしくないかい。

   たんぽゝと小声で言ひてみて一人   (星野立子)

タンポポ1912
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ノコンギク(冬の野紺菊)  ~薄いセピアの綿~
- 2019/01/20(Sun) -
冬の野紺菊71

10月、秋半ば。

 庭のいたるところに野紺菊です。
 そっとでてきてまわりに静かにとけこみます。
 楚々とした姿に心惹かれます。

  のんのんのぎく のこんぎく
  それはふたりの あいのはな
  つんであなたに ささげます
  かみにもひとつ さしましょう

時は流れ、季節は移り。
そして今、その花は色が脱け薄いセピアの綿になった。
飛べ、飛べ。

   大寒と敵(かたき)のごとく対(むか)ひたり  (富安風生)

野紺菊18/10/13

冬の野紺菊70

冬の野紺菊69

冬の野紺菊68
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カゲツ(花月・金のなる木)  ~冬、早朝の部屋に~
- 2019/01/19(Sat) -
花月191

私の部屋には花月がある。

花は花芯近くに小さな水玉を随時出す。
朝4時。
見るとやはりいくつもある。
それがこの花の魅力の一つでもあるが、いつも不思議に思う。

咲き出してからおよそ一月。
花びらに皺を寄せ、終わりに向かう姿になっているのもいくつか見えるようになってきた。


彫刻刀を研いでいた際、左手の人差し指を切った。
傷は小さく浅かったが、しばらく血が出た。
この頃、不注意の怪我が多い。
小さな絆創膏を貼っておいたら収まった。

   くり返す自問ひとつや冬暁  (安立公彦)

花月192

花月193

花月194

花月195

花月196

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ホオジロ(頬白)  ~寒くても絆は…~
- 2019/01/18(Fri) -
頬白191

小鳥の鳴き声がした。
立ち上がり、窓辺に寄って見渡した。
染井吉野にホオジロが2羽いた。
左に雌、少し離れて右に雄。

冷たい風の中でしばらくそのままに。
何を交わしているのか。

雌が飛び去った。
雄もすぐに後を追った。

   生きるとは絆大事に冬の鳥  (阿部正枝)

頬白192

頬白193
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アシ(葦・蘆)  ~河辺の枯原~
- 2019/01/17(Thu) -
冬の蘆1

横を川が流れ、その一角には蘆原が広がっている。
人が隠れるほどの丈に大きな穂が揺れる。
時折、そこに鳥の姿がある。
彼らにとってはいい遊び場なのだろう。

ふと、教科書に載っていた草野心平の詩『富士山』を思い出した。
記憶が正しければ高校1年。
それは春を詠んだものだが。 
  …葦の葉もささやき。
  …よしきりは鳴く。

  青天に河辺の芦の枯葉かな  (久村暁台) 

冬の蘆2

冬の蘆3

冬の蘆4
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クリスマスローズ(Christmasrose)  ~雪の中~
- 2019/01/16(Wed) -
雪の中のクリスマスローズ191

雪が降った。
1㎝ほど積もった。

庭が白く覆われる。
クリスマスローズの蕾もその中に埋もれている。
音も吸い込まれる。
無声映画のワンカットのよう。

午後にはほとんど溶けた。

   ゆきふるといひしばかりの人しづか  (室生犀星) 

雪の中のクリスマスローズ191-1

雪の中のクリスマスローズ192-2

雪の中のクリスマスローズ192-3

雪の中のクリスマスローズ193

雪の中のクリスマスローズ193-1
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タアサイ(塌菜) ~冬が旬~
- 2019/01/15(Tue) -
タアサイ19151

タアサイは冬が旬の野菜。
霜や凍土をものともせず、青々とした厚みのある葉を広げる。
多くの菜が姿を消すこの時期に収穫できるのはありがたい。
それで毎年作る。

頼まれ、籠を持って4株採った。
さっそくおひたしにしてくれた。
甘味がある。

2月までは収穫できそう。

   地に置けば幸ある如し冬菜籠  (倉橋羊村)

タアサイ19152
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シンビジウム(Cymbidium・森のくまさん) ~陽たっぷりの日に~
- 2019/01/14(Mon) -
森の熊さん191

パソコンである哲学者とその著について調べていた。
と、チャイムが鳴った。
出るとスーツ姿の南原さんだった。
「年始のご挨拶に伺いました」と。
そして小さな包みを。
家人はいないがあがってもらった。
お茶を入れ、干し柿を出した。

高校受験を控えた中学3年生の娘さんの話題など。
将来、県内で小学校の先生になりたいと、その先はさらに教育学部のある国立大学を目指しているという。
明確な目標を持って真っ直ぐに努力している様子。
「実現できるように見守り、サポートしていきたいと思います」と親の顔で話す。
20分ほど経ち、「ではまたお伺いします」。

部屋の中では“森のくまさん”という矮性の黄色いシンビジウムが咲いている。
可愛い名だが、でもなぜこの名なんだろう。

風もなく、陽たっぷりの穏やかな冬の一日だった。

   清貧の家に客あり蘭の花 (正岡子規)

森の熊さん192

森の熊さん193

森の熊さん194
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フクジュソウ(福寿草) ~小さなたけのこのような~
- 2019/01/13(Sun) -
福寿草の蕾190

家族は東京。
私は留守番。

色々をすませて近くの温泉に行った。
早い時間だったので人は少なかった。
露天風呂にゆっくり浸かった。
一人もたまにはいい。

落葉の中に福寿草が顔を出す。
小さなたけのこのようだ。
ほかにいくつもの蕾が隠れているのだろう。
いつもより早い。
また一つ楽しみがふえた。

   福寿草母なる子なる蕾かな  (山田弘子)

福寿草の蕾191

福寿草の蕾192

福寿草の蕾193
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ナンテン(南天) ~生まれる~
- 2019/01/12(Sat) -
実生南天191

実生の南天が2本出てきた。
最近気がついた。
庭には白実のも含め、実を付けてくれる株がいくつもある。
これも大きく育つといい。

私の部屋では年末に剪って挿したのがまだ良い感じでいてくれる。

   実南天零れて赤き机辺かな  (土井三乙)

実生南天192

実生南天193

部屋の南天191
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フキノトウ(蕗の薹) ~寒さの中の営み~
- 2019/01/11(Fri) -
蕗の薹191

昨朝は今季一番の冷え込みだった。

台所には上水道のほかに井戸水を引いてある。
起きた時、その蛇口から水が出なくなっていた。
いろいろと方策をとってなんとか数分後には出るようになった。
凍結対策として寝る前にはいつもほんの少し流しておくのだが、それが少なかったのかもしれない。
水道管が破裂するなどの大事にいたらくてよかった。
気をつけなくては。

蕗の薹がいくつか顔を出している。
寒さに抗うようにぎゅっと固く締まった形だ。

冬さなかではあるが、ちょこちょこと春に向かっての営みも見られるようになってきた。
今、庭を歩くと、そうしたことを発見する喜びや楽しみがある。

   襲ねたる紫解かず蕗の薹  (後藤夜半)

蕗の薹192

蕗の薹193
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イチジク(無花果) ~乾く~
- 2019/01/10(Thu) -
冬の無花果191

雪かきスコップなどの道具は用意してある。
だがまだ一度も使っていない。
ずっと雪が降らず、その必要がない。
通常は年末から一月初旬までには1、2度はその働きをする。

庭や畑に出ると歩く足元に土が舞うほど乾燥している。
今日も予報では午後の湿度が15%~18%だとある。
唇にも乾きを感じる。
少し湿り気が欲しい。

採られることないままの無花果がある。
枯れ色のかさかさな皮に深い皺を刻んで。

   火をつけてやりたきほどに枯れしもの  (後藤比奈夫)

冬の無花果192

冬の無花果193
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オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢) ~枯れ色の中に~
- 2019/01/09(Wed) -
ゆで落花生1081

昨日の午後、ほなみさんがやってきた。
「こんにちは~」といつものように元気な声で。
手には膨らんだ大きなレジ袋。
「白菜いる?あと林檎も入っている」
そしてもう一つ。
「ゆで落花生はどう。本場の千葉産なの」と。
ほなみさんはグルメ。
国内のみならず、外国からもいろいろな物をネットで取り寄せている。
「美味しかったわよ」
私も落花生は好きなのでうれしい。

家人は出かけて留守。
冬の穏やかな日が入る部屋で二時間ほど、彫刻や篆刻のことなど話す。


庭の南にオイヌノフグリの先駆けが一つ二つ、二つ三つと離れて咲く。
まだ一月初旬。
周りは枯れ色。
蕊2本が向き合って会話しているよう。
ほっこり。

  犬ふぐり色なき畦と思ひしに  (及川貞)

大犬の陰嚢1081

大犬の陰嚢1082

大犬の陰嚢1083
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ハナミズキ(花水木)・ナンジャモンジャノキ(一つ葉田子)・イチョウ(公孫樹) ~冬の木々~
- 2019/01/08(Tue) -
冬の花水木181

一月の花水木、一つ葉田子、公孫樹。

春は花で盛り、夏は葉を繁らせ、秋は粧う。
そして冬、そのすべてと訣別し裸をさらけ出す。
そこには前の三季とはまるで違う潔さがある。
それは蓄え、備え、静かに待っている姿だ。

その意思を持つかのような凜とした佇まいに惹かれる。

   大空に伸び傾ける冬木かな   (高浜虚子)

冬のナンジャモンジャノキ181

冬の公孫樹181

ハナミズキ(4月24日)
                                   ハナミズキ(4月24日)
ナンジャモンジャノキ(5月12日)
                                 ナンジャモンジャノキ(5月12日)
イチョウ(11月17日)
                                   イチョウ(11月17日)
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シモ(霜の朝) ~朝地はきらめきて~
- 2019/01/07(Mon) -
霜181

このところの冷え込みで、朝は土や草が霜で白くなる。
その一つひとつがきれいで、ついつい膝を突いて見る。
目を凝らせばそれは花のようであったり、ブラシのようだったり、割れガラスの鋭い先のようだったりと様々。
そんな形を見つけるのも寒い晴れた朝の楽しみでもある。
立ち上がれば、体温で土に触れた両膝は濡れている。

冷え症の私だが冬の朝は好き。

  霜の朝地はきらめきて息を吐く (長山あや)

霜182

霜183

霜184

霜185
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正月六日 ~どんど焼き~
- 2019/01/06(Sun) -
どんど焼181

きょうはどんど焼。
朝8時、正月飾りや松飾り、注連縄そして書き初めなどを持って三々五々集まる。

心柱を立てて櫓を組立てる。
先端に御幣、そのすぐ下に達磨。
そして元を竹や松で固める。
最後に泰山木を周りに重ねる。
10時、点火。
勢いよく燃え上がる。
油を含んだ泰山木の葉がバチバチバチと大きな音を立てて昂揚させる。
おきができ、割竹に餅を挟んで焼く。
それぞれが工夫した自前の焼き道具も加わる。
いい香りがし、ふっくらこんがりの餅となる。
無病息災を願い、その場で一つ、二つををいただく。
11時、それぞれに残りの餅を提げて家に帰る。

少し前までは前日に子どもが集めて回り、その日のうちに櫓を組み立て終えて、当日の朝6時、辺りがまだ暗いうちに点火していた。
その形は時の生活スタイルに合わせ、少しずつ変わってきてはているが、この先も受け継ぎ長く伝えていきたい行事である。

    どんど火の崩さる音の火中より (菖蒲あや)

どんど焼182

どんど焼183

どんど焼184

どんど焼185

どんど焼186

どんど焼187

どんど焼188
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シモノハナ(霜の花) ~引き締め直す~
- 2019/01/06(Sun) -
霜の花1831

四日の「仕事始め」を機として、すでに多くの職場では仕事がスタートしている。
奥様方もお皿などの片付け等々、正月仕舞いされたことだろう。
私は新年掃除。
今年初めて外で箒を持ち、中で雑巾をかけた。
時を区切り生活を戻し、気持ちを切り替える。
そしてのんびりユッタリのリズムで全体が緩んだ体も締め直さなくては。

  一霜の降りたる竹の箒かな (長谷川櫂)

霜の花1832

霜の花1833
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正月五日 ~納める~
- 2019/01/05(Sat) -
獅子頭2

正月飾りを納める。

獅子頭。
お屠蘇器。
叔父手作り紙細工の「正月飾り」も。

また日常の部屋景色に戻る五日。

   金色のものの減りたる五日かな  (櫂未知子)

お屠蘇器

紙細工「正月」18
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ホオズキ(冬の鬼灯) ~年賀状仕舞い~
- 2019/01/04(Fri) -
冬鬼灯181

2年前に年賀状仕舞いの挨拶を出した。
いろいろな思いはあったが、いずれどこかでしなければと意を決した。
しかし、それでも昨年は30人ほど、そして今年も20人から届く。
東京に住む学生時代からの友人は、自分はこれまでのように君に書くよと。
“○○〇を楽しみにしている”とは同輩の女流画家から。
ほかの方々からも温かい言葉や誘いの言葉なども。
ありがたいし申し訳ないと思いつつも、急いで数の年賀状を用意し、あらためて挨拶の文を書き添えて投函した。

庭の隅に冬姿となった鬼灯。
網目模様となった袋の中には朱の玉が透けて見える。
なにごとも時間とともに変わっていく。

そして歳とともに変えていかなくてはならないものもある。

   冬景の魅了するにも任せけり  (相生垣瓜人)

冬鬼灯182

冬鬼灯183

冬鬼灯184

冬鬼灯185
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初詣 ~謝しつ願う~
- 2019/01/03(Thu) -
1参道

初詣はいつもの古刹。

境内全体に雪が残る。
石畳の参道を進む。
両側に樹齢数百年の杉の巨木が立つ。
意外に人が少ない。
これからなのだろう。
石段を上り本堂へ。
本尊は秘仏の不動明王。
両脇には寺のシンボルの霊犬像とともに、今年の「亥年」にちなみ、猪に乗った「摩利支天像」も特別に公開。
これまでとこれからの去来に感謝と願いを。
三重塔の横を経て鐘楼で打つ。
その低く響き渡る音が波動となって胸を抜けるようで、清められる思いになる。

帰る頃には参道は人で溢れていた。

  きざはしに一刷けの雪初詣  (勝又水仙)

2三重塔

3鐘楼
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仙丈ヶ岳と塩見岳と赤石山脈 ~正月二日~
- 2019/01/02(Wed) -
仙丈ヶ岳181

風もなく陽射したっぷりの穏やかな元日。
いろいろをすませた午後、そんな日和に誘われてのんびり一人で車を走らせる。
高台にある展望の良いスペースに駐める。
誰もいない。

東の正面に、初日の出を拝んだ赤石の山なみが聳える。
見て左手、北の位置には3,033 mの仙丈。
中程にある烏帽子のような塩見は3,047 m。
さらに右側、南に下って悪沢岳、赤石岳などが連なり伸びる。
いずれも日本百名山。
いい眺めだ。
泰然として。

風雪が削り取った確たるものだけが残る力強い自然の造型。
「山を見ろ。山が師だ」と言ったロダンの言葉が浮かぶ。


さても、きょうは正月二日。
新しい自分のために始める“手考足思”。

  元日は嬉し二日は面白し (岸丈左)

仙丈ヶ岳180

塩見岳181

塩見岳180

赤石山脈181

赤石山脈182

赤石山脈180

赤石山脈184
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