ハクモクレン(白木蓮) ~時待つ冬芽~
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- 2018/11/30(Fri) -
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![]() 葉を落とした白木蓮。 冬芽が固い皮を割って顔を出す。。 その膨らみは光沢を持ち、猫の毛のように柔らか。 そしてこの先の寒さに向き合いながら、白くなるその時を待つ。 下には重なり広がる茶色の葉。 私はそれを熊手で集める。 十一月もすみにけり冬芽かな (中村草田男) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
フウチソウ(風知草・裏葉草) ~そのときどきをけんめいに~
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- 2018/11/29(Thu) -
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![]() 玄関脇で人を迎えてきたふわりの風知草。 今それも深い秋色の草紅葉(くさもみじ)。 見えるやわらかな葉は裏が表で、表が裏になっているのだという。 目を近づければ麦に似た芒のある小さな穂。 この粧う姿も、やがてすべては抜け落ちて消え、土の中で春までの静かな眠りに就く。 懸命にこの世を生きて草紅葉 (八幡操) ![]() ![]() |
エンドウ(秋取り豌豆) ~シジミチョウが戯れて~
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- 2018/11/22(Thu) -
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![]() 秋取り豌豆にたくさんの白い花と莢。 冬隣の今でもまだまだ収穫できる。 その中で何匹ものシジミチョウが戯れている。 彼女らにとって、そこは自由を満喫する楽しい場所のようだ。 ふと昔の記憶にある歌が口に出る。 ♪えんどうの花の 咲く頃は~ ♪幼い時を 思い出す~ 小雪の箸のひとひら千枚漬け (長谷川かな女) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
ザクロ(柘榴の実) ~くれなゐの泪~
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- 2018/11/20(Tue) -
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![]() 柘榴の実が割れました。 かたよりがありいびつです。 でもそれがいい表情になっています。 乱調の美とでも言ったらいいのかもしれません。 高村光太郎に「柘榴」の木彫があります。 何度か見たことがあります。 好きです。 今年は私も彫ってみましょう。 くれなゐの泪ぎつしりざくろの実 (和田知子) ![]() ![]() |
ジョウビタキ(尉鶲) ~お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す~
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- 2018/11/19(Mon) -
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![]() 10月下旬から逗留してくれている尉鶲。 以来、朝から庭や畑で声を掛けてくれる。 私が作業をする近くで枝に止まったりと、人なつっこい。 きょうは石榴の細枝から「お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す」。 顔を覚えてくれていると言えばうぬぼれだろうか。 小さき庭小さき倖せ小鳥来る (川口咲子) ![]() ![]() |
イソギク(磯菊) ~花びらは~
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- 2018/11/18(Sun) -
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![]() しばらく前からイソギクも咲く。 小さな黄色い花が集まり、ひとつの形となる。 舌状花がなく、筒状花のみという珍しい特徴を持つ。 つまり通常の菊のような花びらはない。 切り花にしても長持ちする。 和風の小さな花瓶に挿すのがいい。 一本を活けて厠も菊日和 (鷹羽狩行) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
イチョウ(公孫樹・銀杏) ~思慮ふかぶかと~
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- 2018/11/17(Sat) -
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![]() 木、丸ごとが黄色に。 存在を主張する公孫樹。 すでに多くは桜の葉と混じりあって敷く。 伐ろう、伐ろうと思案しつつ数年。 また今年も黄葉に見入る。 そして掃く、掃く、掃く。 黄葉して思慮ふかぶかと銀杏の木 (鷹羽狩行) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
カリン(花梨の実・榠樝) ~香りも楽しむ~
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- 2018/11/16(Fri) -
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![]() カリンの実もいい色になってきた。 すでに落ちて、数個が転がっている。 そろそろ収穫しよう。 いつもなら砂糖煮にしてくれるはず…。 その甘い香り、部屋や車の中にも置いて楽しむ。 おのが香を庭に放ちて榠櫨熟れ (金子伊昔紅) ![]() ![]() ![]() |
ベニシダレモミジ(紅枝垂) ~影紅葉~
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- 2018/11/13(Tue) -
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ヤキイモ(焼芋) ~落ち葉掃き~
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- 2018/11/12(Mon) -
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![]() 木々が盛んに葉を落とす。 毎朝掃く。 落ち葉の小山ができる。 二度目の焼芋をした。 時間をかけてじっくり焼いた。 昼に食べた。 焦げもあって、それはそれでの香ばしさと味。 拾得は焚き寒山は掃く落葉 (芥川龍之介) ![]() ![]() ![]() |
サザンカ(山茶花) ~ふわりふわりと~
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- 2018/11/11(Sun) -
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![]() 数日前からふわりふわりと雪虫が飛ぶ。 白い綿を纏った5㍉ほどの小さな虫。 どこからやってくるかは知らないが、毎年この時期になると現れる。 暖かな小春の陽が入り、紅白の山茶花を照らす。 地にはすでにいくつもの花びらも。 掃くのを躊躇わせる。 ふと咲けば山茶花の散りはじめかな (平井照敏) ![]() ![]() ![]() |
ハナノキ(花の木) ~朝陽を背に~
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- 2018/11/10(Sat) -
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![]() 塩見岳の横から昇る太陽。 陽は伸びて庭の草木に。 紅葉するハナノキを逆光で見る。 前の葉が後ろの葉に作る影。 全体を見ても部分を見ても、どこを切り取っても詩情あって。 虫喰いの葉一枚にはなおの寂びた味わい。 少しずつ散り始めた。 いつものように本に挟んで押し葉にしよう。 思い出を花の木の葉に見つけたり (居山聞涛) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
ペチュニア(Petunia) ~喪中葉書~
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- 2018/11/09(Fri) -
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![]() 友人二人から喪中の葉書が届いた。 それぞれお母様をなくされた旨が記されていた。 もうそんな11月なのだ。 それぞれにすべきを為している。 私も年末に向かっての行程表を立てるとしよう。 桜の落葉の上でペチュニアが淋しげに咲く。 今日といふ十一月の得難き日 (稲畑汀子) ![]() ![]() |
ニシキギ(錦木の紅葉) ~実も錦~
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- 2018/11/07(Wed) -
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![]() 落ちる前に色を纏う木々の葉。 色調はそれぞれに違えどもどれも美しい。 中でも錦木は名に“錦”を与えられにふさわしいるほどその鮮やかな赤は目を惹く。 寄れば隠れて珊瑚を思わせるような光沢ある小さな実もある。 これもまた錦。 今日は少し暖かさが戻る朝で迎える立冬。 錦木に寄り添ひ立てば我ゆかし (高浜虚子) ![]() ![]() ![]() |