サクラモミジ(桜紅葉) ~鬱金桜の紅葉~
- 2018/10/31(Wed) -
桜紅葉181

他の木より進んで鬱金桜が紅葉する。
その濃い赤は青空に映える。
多くの葉は蝕まれ、輪郭を失ったり、穴が空いたり。
地にあればさびしき趣に。
そっと手に収めたくもなる。

   紅葉(もみじ)してそれも散りゆく桜かな   (与謝蕪村)

桜紅葉182

桜紅葉183

桜紅葉184
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ヒャクニチソウ(百日草) ~どこからか来て一輪~
- 2018/10/31(Wed) -
飾り箱

久しぶりに義姉が訪ねてきた。
「はいこれ」と瓶を一つ。
中味は手作りのトマトの甘酢漬け。
そして「和菓子の包み紙がきれいだったから、飾り箱を作ったの」と。
歌人であるが、いろいろに器用。

「この間、御射鹿池に行ってきたの。ほら東山魁夷の絵の」
フットワークも軽く、アクティブである。
見習わなければ。

マリーゴールドの中にピンクの百日草が一輪咲いている。
どこかから種が飛んできたのだろう。

  これよりの百日草の花一つ  (松本たかし)

百日草181

百日草182

百日草183
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ハナイソギク(花磯菊) ~山里に咲く磯の菊~
- 2018/10/30(Tue) -
磯菊181

群れ咲く小さな艶やかな黄色い花はハナイソギク。
イソギクが他の種と自然交配して新たに生まれたものらしい。
その違いは、イソギクが黄色い筒状花のみ咲くのに対し、ハナイソギクは周りに白い舌状花を伴って咲く。
植えてから10数年、だいぶ大きな株になった。

蜂たちが花粉を求めてやってくる。

  秋日和山里に咲けり磯の菊  (居山聞涛)

磯菊182

磯菊183

磯菊184

磯菊185
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マツタケ(松茸) ~今年もいただきました~
- 2018/10/30(Tue) -
松茸18

今年も小松さんから松茸をいただきました。
豊作だったようです。
林檎農家としては忙しい時期ですが、やはり松茸採りだけは外せないみたいです。
多い年には40本ほど、少ない年は10本程度採れるとのことです。
山に入り、急斜面などを駆けて得た貴重なものだけにそのありがたみに感謝して味わいます。
いい香りです。

  松茸の皆移り香や椀茶碗   (由井蝴蝶)

松茸182

松茸183

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ツルムラサキ(蔓紫) ~「こんにちは~」~
- 2018/10/29(Mon) -
蔓紫1821

日曜日の午後、椅子に腰掛けたまま少しまどろんでいた。

と、「こんにちは」と大きな女性の声。
さらにもう一度。
あわてて頭と体をシャキッと整え、玄関に出る。
ドアを開けてにこやかな顔で立っていたのは遠い親戚の穂波さん。
「お客さんもいっしょです。連絡もせず突然にすみません」
「作品を見せて貰ったり、話を聞かせてもらおうかと思って」とご主人の清人さん。
後ろには初対面のご夫婦。
とりあえず上がっていただく。

穂波さんが話す。
京都の知人で、木曽に別荘があり、家に寄ってくれたのでお連れしたのだと。
能面を打っておられる方だった。
清人さんが私の話をしたらぜひ会いたいとのことだと。
小一時間、表現のこと、材料のこと、そしてそれぞれの作品のことなどの話を。

帰り際、穂波さんが「ねえ、篆刻を教えてくれない?」という。
最近興味が出てやりたくなったのだと。
すでに材料や道具は買いそろえたらしい。
「いつでもどうぞ」と応じる。
「じゃ、近いうちに来るね」と、京都ナンバーの車に乗り込んでいった。

送り出した後、気がついた。
そのご夫婦のお名前を聞いていなかったことを。
先方からは名乗らなかったし…。
今度穂波さんが来たときに確かめることにしよう。

ツルムラサキの棚を片付けた。
今年もしっかり収穫でき、よく食した。
まだピンクの花が咲き、葉も艶々している。
一方、黒い実も目立つようになった。
時期的にはもう終いにしていいだろう。

  送られつ別れつ果ては木曽の秋  (松尾芭蕉) 

蔓紫1822

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アマガエル(雨蛙) ~心地よさそうに~
- 2018/10/28(Sun) -
月下美人に雨蛙0

土曜日、朝までの雨も上がり、庭に出る。
そろそろ月下美人を中に入れようかと。

鉢に手を掛けようとして目に入ったのは一匹の雨蛙。
広い葉の上に静かにちょこんと坐っている。
雨が降る時分からそこに居たのだろうか、上の葉が張り出してちょうど屋根のようになっているその下に。
私が顔を近づけても動かない。
前方に回ってみる。
体からも顔からも力が抜け、安心しきって心地よさそう。
それは見る私までをもいい気分に導く。

鉢を移動することは少し先に送り、彼には心ゆくまでそこにいてもらおう。
寒さも進み、土の中で眠りに就くのもそう遠くないはずだから。

  雨蛙飲まず食はずの顔をして (右城暮石)

月下美人に雨蛙1

月下美人に雨蛙2

月下美人に雨蛙3

月下美人に雨蛙4
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ジョウビタキ(尉鶲) ~どうぞごゆっくり~
- 2018/10/27(Sat) -
尉鶲181

茄子とオクラを片付けていた。
そこに「ツッ、ツッ、ツッ…」と、今年初めて耳に届く聞きなれたジョウビタキの声。
ああ、いつものように忘れずに来てくれたのだ。
探せば、雄の一羽が豊後梅の枝に止まっていた。

ジョウビタキがわが家に姿を見せるようになってから20数年になる。
もちろんその個体は代替わりしているのだろうが、私には同じ鳥が毎年来てくれているように思えてしまう。
今ではこの時期になると、その飛来をいつかいつかと楽しみに待つようになった。

そのうち雌も姿を現すはずだ。
そしてこれからの3月まで、その声が庭に畑に響くことになる。
どうぞごゆっくり信州で冬越しの逗留を。

    一羽来てすぐ一羽来て尉鶲  (坂本宮尾)

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ヌバタマ(射干玉・桧扇の実) ~枕詞が示す姿~
- 2018/10/26(Fri) -
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   あかねさす昼は物思(ものおも)ひぬばたまの夜はすがらに哭(ね)のみし泣かゆ (万葉集 15-3732)

中臣宅守(なかとみのやかもり)のこの歌を知ったのは大学1年の時だった。
ある講義のテキストが斎藤茂吉著「万葉秀歌 上・下」だった。
その中に狹野茅上娘子(さぬのちがみのおとめ)との相聞歌として取り上げられていた。
以来、それはいつでも諳んじることのできる心の歌となった。
きっとその時分の心情に波長が合う歌だったのだろう。
後に彼らが交わした他の歌も読み深めもした。
その時、二人の歌に何度か出てくる枕詞(黒・闇・夜・髪などにかかる)の“ぬばたま”が桧扇の実であることを初めて知った。

(狹野茅上娘子) ぬばたまの夜渡る月にあらませば家なる妹に逢ひて来ましを
(中臣宅守)   思ひつつ寝ればかもとなぬばたまの一夜もおちず夢にし見ゆる

爾来“ぬばたま”(nubatama)と“桧扇”(hiougi)を私自身のシンボルにしている。
〇〇ネームが必要な様々な場面で用いたりして。

「万葉秀歌 上・下」は私の青春の記録として数十年経つ今もそのまま書架にある。

あの酷暑の折にオレンジ色の美しい花を咲かせた檜扇は、深まる秋の今、艶々とした真っ黒な姿の”ぬばたま“となって庭に。

  昼一人になるとあなたのことが思い浮かび恋偲んでしまいます。
  そしてまた夜は夜でいっそうせつなくて逢いたくなり、ただただ涙が流れ声をあげて泣く私です。

       人恋ふて淋しさばかり秋深し  (大平保子)

ぬばたま182-2

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7月25日のヒオウギ
                                   (7月25日のヒオウギ)

万葉秀歌

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展覧会へ ~芸術の秋~
- 2018/10/25(Thu) -
米林雄一展1

「彫刻展を一緒に見に行きませんか?」
二紀会に所属する絵画のH女史からそういう誘いがあったのはしばらく前のこと。
やはり絵画で春陽会のM氏と、新制作で彫刻のN氏、そして私の4人だという。
喜んで参加させて頂くことにした。

それぞれの都合が整った昨日、近くのインターから高速に乗って飯山市美術館を目指す。
目的は『米林雄一彫刻展~宇宙への眼差し~』。
米林先生(二紀会理事)の院生から東京芸大名誉教授の今日に至るまでの80点余が並ぶ壮観な個展である。
事前にH女史が信濃町に居住の先生に連絡を取ってあって、会場まで来て下さった。
団体客が出ていった後だったので、貸し切り状態の中で先生のギャラリートーク。
ほぼ全作品について、制作意図から、表現方法、素材の具体を丁寧にお話しいただく。
ただ作品を見るだけでは分からないそこに込められた作家だけのさまざまな思いと芸術哲学を穏やかに語って下さる。
そのスケールの大きい構想と静かだが迸る強固な情熱に感銘を受ける。
先生からは展覧会のカタログとポスターまでプレゼントして頂き恐縮。
表現の奥深さに触れた晴れやかさと突き動かされるエネルギー感じて館を出る。
そしてなにより先生の紳士的で温かなお人柄に。
3人の表情の中にも同様に満たされたものを見る。

つづいて高橋まゆみ人形館に足を運び、松本市美術館で太田南海展を観て帰路に就く。

天候にも恵まれ、芸術にどっぷりと浸った秋の一日だった。
声を掛けてくれたH女史に感謝。

   美術展夕焼小焼の帰り道  (藤井美代子)

米林雄一展2
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ハナビシソウ(花菱草・カリフォルニアポピー) ~コハクチョウの飛来~
- 2018/10/24(Wed) -
カリフォルニアポピー2181

今年も安曇野・犀川白鳥湖にコハクチョウが飛来したと、新聞が伝えていた。
まずは6羽だけだが、これから日々増えて、1月下旬から2月上旬にかけてピークになるという。
長い旅の疲れを癒やすかのように、のんびりと水辺で寛ぐ様子も載る。
安曇野には碌山美術館をはじめ数多くの美術館があり、そこはその途中にあり、数回立ち寄ったことがある。
機会があれば雪景色の中に群れるその様子をまた見たいものだ。

黄色と白の花菱草がふんわりとした花を咲かせている。
やわらかな秋の陽射しがいざなう返り花。
花言葉には「私の願いを叶えて」とあった。

   待つ胸に形なして行く花菱草  (野崎明子) 

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カリフォルニアポピー2184

カリフォルニアポピー2185

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                                   (新聞記事の写真から)
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キク(赤菊) ~展覧会の招待状~
- 2018/10/23(Tue) -
赤菊181

知人から11月半ばから始まる展覧会の招待状が届いた。
自身が絵画を出品していて、毎年送って下さる。
実は別途、同じように招待状を頂いている。
これで3枚になる。
それぞれの作品を楽しみに観覧に出かけようと思う。

深紅の菊も咲く。
年々花数が少なくなっている。
見れば蟻が一匹。
彼らも季節の移ろいを感じるのだろうか。

   よく続く菊の日和の一と日かな   (高浜年尾)

赤菊182

赤菊183

赤菊184

赤菊185
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クロホオズキ(黒鬼灯) ~秋の声~
- 2018/10/22(Mon) -
黒鬼灯1821

クロホオズキは7月初旬から咲く夏の花です。
黒い蕾はまぶしい太陽を浴びて徐々に空色の花を開きます。
そして秋を迎えれば、株すべてが枯れ色になります。
それがいつものことです。

でも、今年はその色がふたたび庭にあります。
それも一株でなく数株もです。
あたかも今がその時であるかのようにです。

♪今はもう秋…♪

  流れ去る時の音かも秋の声  (相馬遷子)

黒鬼灯1822

黒鬼灯1823

黒鬼灯1824

黒鬼灯1825

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ニワザクラ(庭桜) ~こちらでも一輪~
- 2018/10/21(Sun) -
庭桜1821

東京などで染井吉野が咲いているとのニュース。
続いて襲来した台風とその塩害の影響に因るのだという。
ほかの樹木や草花はどうなのだろう。

庭の草木に目を遣る。
見つけたのは葉のない枝の先に白い八重の花一輪。
それは4月に咲いたはずの庭桜。
こうして秋に咲くのはもちろん初めてのこと。
そう言えば今年は記憶に残る夏の酷暑もあった。
この木もいつもの年と違う何かを感じたのか。

秋が深まる。
眺めれば山々も色粧う。

    返り花きらりと人を引きとゞめ  (皆吉爽雨)

庭桜1822
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柿の葉 ~落ち葉掃き~
- 2018/10/20(Sat) -
落ち葉掃き186

今、朝は落ち葉掃きから始まる。

竹箒を持って庭に立つ。
広がる柿の葉。

葉色もさまざまにそれぞれが美しい。
そしてそれは抽象画のようであったり。
あるいは堆朱のようであったり。

掃き集める。
そうする中でも、葉は木から舞い落ちる。
地にガサッと音を立てて。

秋のせつない時間としみじみの感傷。

  落葉掃くおのれを探しゐるごとく (平井照敏)

柿落ち葉181

柿落ち葉182

柿落ち葉183

柿落ち葉184

柿落ち葉185

落ち葉掃き187
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ピラカンサ(Pyracantha・タチバナモドキ) ~おいしそうに見えるのだが…~
- 2018/10/19(Fri) -
ピラカンサ181

ピラカンサに実がたわわ。
この小さな蜜柑色の実は多くの鳥たちに好まれる。
見ればいくつも地面にこぼれ落ちている。
すでになにがしの鳥が啄みに来たようだ。
ところで、人にも食べられると良いのだ、どうやらそれは駄目らしい。
おいしそうに見えるのだが…。

   今といふ刻わがいろに秋生きる   (山崎荻生)

ピラカンサ182

ピラカンサ183

ピラカンサ184
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チョウゲンボウ(長元坊) ~美しい飛型~
- 2018/10/18(Thu) -
長元坊181

畑に居た。
大根やブロッコリー、カリフラワーなどに土寄せをした。
春菊や小松菜の間引きなどもした。

と、頭上でキィ-ッ、キィ-ッ、キィ-ッ、キィッ、キィッ…と甲高く鳴く鳥の声。
電柱の碍子の上に止まっていたのはチョウゲンボウだった。
ハヤブサの仲間で炯々とした眼光と鋭い嘴を持つ。
見晴らしの良いところから、土の上に現れる獲物でも待っていたのだろう。
しかし、オッサンが下からじっと見上げているのをうっとうしく感じたのか、彼は離れ去った。
尾羽を伸ばしたその滑空するような飛ぶ姿は美しい。
ところでなぜ長元坊というのだろう。

洗って持って行った間引き菜は味噌汁に使ってくれた。

   隼の羽の構へや幾何図形  (菊池シュン)

長元坊182

長元坊183

秋の畑181
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ノコンギク(野紺菊) ~素朴で清らかで…~
- 2018/10/17(Wed) -
野紺菊181

庭のいたるところに野紺菊です。
そっとでてきてまわりに静かにとけこみます。
楚々とした姿に心惹かれます。

 のんのんのぎく のこんぎく
 それはふたりの あいのはな
 つんであなたに ささげます
 かみにもひとつ さしましょう

山には初冠雪の便りです。

   はればれとたとへば野菊濃し  (富安風生)

野紺菊182

野紺菊183
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コスモス(秋桜) ~数十年ぶりに…~
- 2018/10/16(Tue) -
秋桜181

車を運転し、日帰りで東京へ行ってきた。
学生時代の友人と六本木で会った。
1時間少し、話ができた。
彼の丁寧な言葉遣いとゆっくりとしたやわらかな話ぶりは若い頃と変わらない。
懐かしい昔話、そして互いの現況に花が咲く。
私の用事の都合もあって、メールアドレスを交換し、再会を約束して別れた。

建築真っ只中の新国立競技場(オリンピックスタジアム)を左に見ながら、外苑入口で首都高に乗る。
新宿、幡ヶ谷、永福と過ぎ、そのまま中央道に入って高速を走らせ、家に着いたのはすっかり暗くなった午後7時半過ぎ。
往復503㎞。

早速メールが届いていた。
互いの時間を埋めるかのような思いが入った長い文面だった。

 今日、数十年ぶりに〇〇さんとお会いでき、とてもありがとうございました。
 ……
 本場の美味しいシャインマスカットなどを頂き、恐縮いたしました。
 ……
 奥様にもよろしくお伝えください。
 ……
 それでは、またね!ありがとう!

少し疲れもあり、風呂夕食を済ませて早めに寝たのでまだ返信していない。
今日の朝食後に送ろう。

  コスモスの揺れ返すとき色乱れ  (稲畑汀子)

秋桜182

秋桜183

秋桜184

秋桜185
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ホトトギス(杜鵑草・油点草) ~永遠にあなたのもの~
- 2018/10/15(Mon) -
杜鵑草181

杜鵑草も咲く秋。
花には濃い赤紫の妖しげなまだら模様。
それが時鳥の胸の斑紋に似るところにその名は因るという。
蕊の周りには小さなビーズのような透き通る玉。

離れて、揃う姿の味わい。
近寄って、一つひとつの趣。
目を寄せて、不思議な造型。
色に形にさまざまに魅了する美しさ。

そして「永遠にあなたのもの」との花言葉。
ふ~ん、そうか。
言われてみたいものだ。

   ほととぎす咲かせかたぶく齢(よわひ)かな  (岩城のり子)

杜鵑草182

杜鵑草183

杜鵑草184

杜鵑草185

杜鵑草186
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アキチョウジ(白花秋丁字) ~小さな白狐さん~
- 2018/10/14(Sun) -
アキチョウジ180

白いアキチョウジが咲きました。
まだ半分ほどで、黄色い蕾もたくさん見えます。

細い茎は少しの風にも揺れます。
連なる花もあわせて小刻みに震えます。

長い筒状の花です。
その先端が私の目にはいつもかわいい小狐のように見えてしまいます。

小さくて目立たない素朴な花ですが、花言葉は意外にも「秘めやかな思い」と意味深です。
由縁はよく分かりませんが、それは「秋」にからめて導き出されたものなのでしょうか。

深まる秋は人の心を空想の世界にいざなったり、ロマンやセンチな情念に引き寄せたりします。

    秘めやかに思い深める昨日今日アキチョウジ咲くうつむきしまま  (鳥海昭子)

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アキチョウジ184

アキチョウジ185

アキチョウジ181

アキチョウジ186
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ナツメ(棗) ~美容と老化防止にいいという~
- 2018/10/13(Sat) -
棗181

棗の実も赤茶色に色づく。
採り時。
色を選別して小籠に入れる。

見た目ではあまり分からないがこの棗には棘がある。
刺さらないように注意しながら摘む。

字を見てわかることが。
朿を上下に二つ重ねて棗。
朿を左右に並べて棘。
朿に刂(立刀)を書いて刺す。

そして夕食時、珍しく手に取って「なかなかうまいじゃん」と家人。
昨年までは勧めても口にしなかったのに。
「中国では一日に3個棗を食べると老いないという言い伝えがあるのだとか」
すると「じゃ、1日1個でいい」と訳の分からないことを言う。

やわらかな林檎に似た感じの素朴な味がする棗は様々な栄養素を含み滋養に富んでいるらしい。
特に美容や老化防止にいいという。
私の頭のぼけ防止にも効果があるといいが。

   とびついてとるあをぞらの熟れ棗 (飴山實)

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カキ(甘柿の収穫) ~秋の実りに感謝~
- 2018/10/12(Fri) -
甘柿181

柿の収穫をした。

三脚脚立を立てる。
腰ビクを付けて上る。
蔕の上を鋏で切り取る。
高いところは特に慎重に。

今年は裏年。
昨年の4分の1の収量。
でも実はどれもしっかりとした大きさになっている。

早速一つ。
甘味は十分。

植えてから30年。
その実りに感謝。

  よろよろと棹がのぼりて柿挟む  (高浜虚子)

甘柿183

甘柿182

甘柿185

甘柿の収穫181

甘柿の収穫182

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ハマギク(浜菊) ~ふるさとは海辺~
- 2018/10/11(Thu) -
ハマギク181

浜菊に南アルプスの山なみを越えた東からの陽が当たる。
それは白い花に濃い影を作り、強いコントラストとなって輪郭をくっきりさせる。

蝶や蜂などがやってきて黄色い筒状花に口吻を挿す。
自由に楽しそうに、次から次へと飛び移りながら。

この花が庭で咲くようになってからもう10年以上にもなる。
木化して、まるで松の幹の様になっている株元がその歳月を示す。

名に“浜”を冠する菊だから、ふるさとは海辺。
そしてここは山国信濃の里。

「♪思えば遠くへ来たもんだ…♪」

   浜菊の咲くや信濃の里の秋 (あや)

ハマギク182

ハマギク183

ハマギク184

ハマギク185

ハマギク186

ハマギク187
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サンシュユ(山茱萸の実・秋珊瑚) ~山の木の実に海の名~
- 2018/10/10(Wed) -
山茱萸の実181

清々しい青空。
百舌が鳴く。

山茱萸には赤い実。
艶やかなそれには秋珊瑚の名も。

思い出した。
就職して間もない頃に沖縄で買ったネクタイピン。

まだあったはずだ…。
取り出して懐かしむ。

  さんしゆゆの実のすきとほる山日和 (山本杜城)

山茱萸の実182

山茱萸の実183

山茱萸の実185

珊瑚のネクタイピン18
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シュウメイギク(桃花八重秋明菊・貴船菊) ~「会おうよ」~
- 2018/10/09(Tue) -
ヤエシュウメイギク181

鳴門金時を掘っていた時、家人が電話の子機を持ってきた。
「東京の佐藤さんから」と手渡す。

「モシモシ」
反応がない。
向こうの声は聞こえるが、ここからの声は届かないらしい。
「おかしいなあ、聞こえないのかなあ」と彼。
私は呼びかけながら家の方へ近づく。
風知草のそばに出たところでようやくクリアに繋がる。

「お久しぶり。展覧会さあ、いつ東京に来る?」
すでに搬入と初日に行っていることと、15日が最終日で3時から搬出となっているのでその日にも行くことを伝える。
「じゃあその日美術館で会おうよ」

佐藤君は新潟三条出身で大学時代の友人。
学科は違ったが、なぜか馬が合い、銭湯もよく一緒に行った。
トラッドスタイルを好み、学内ではよくアイビールックに身を包んでいた。
卒業後彼は東京の大手出版社に勤めた。
今はご夫婦で海外旅行などを楽しんでいる。

何年ぶりになるのだろう。
13時に会場で待ち合わせすることが決まる。

鳴門金時は焼芋に良さそうな形と大きさのがたくさん出てきた。
霜が降りる頃にしよう。

庭の南では秋の陽を受け貴船菊が揺れる。

  観音の影のさまなる貴船菊  (阿部みどり女)

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アキアカネ(秋茜) ~先っぽや端っこが好き~
- 2018/10/08(Mon) -
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薩摩芋を掘って一息ついていた。
すると葱の先にアキアカネがとまった。
6つの脚すべてで葉を掴む。

マクロにして見れば、顔にもなかなか迫力があり、以外と毛や棘を持っているのがわかる。

ところでトンボってどうしてものの先っぽや端っこが好きなんだろうね。

   蜻蛉の力をぬいて葉先かな   (粟津松彩子)

アキアカネ182

アキアカネ183

アキアカネ184

アキアカネ185
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サツマイモ(薩摩芋・甘藷) ~地震…?~
- 2018/10/08(Mon) -
サツマイモ181

きのう“紅東”を掘った。
重なる雨や台風の襲来と、思わしくない空模様が続き、それで延ばし延ばしになっていた。

朝からいい天気となり、芋掘りには絶好。
収穫時期が遅くなった分、やや大きくなりすぎたのもあるが、全体的には「良」といえるだろう。

蔓を片付けていたら、揺れた。
地震…?
昼のニュースでここは震度3だと伝えていた。

2畝植えてあり、もう一つの“鳴門金時”は今日掘る。

   るゐるゐと生きゐる藷を掘りおこす  (百合山羽公)  

サツマイモ182

サツマイモ183

サツマイモ184
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シュウメイギク(白花一重秋明菊・貴船菊) ~ハガキの書き出しは~
- 2018/10/07(Sun) -
秋明菊2181

一枚の葉書が届いた。
川崎市多摩区に住む数十年来の知人からだった。
一つ上の先輩で高校の三年間、私の家の前に部屋を借りて自炊しながら通学していた。
必然的に兄弟のように親しくなり、互いに行き来していた。
高校を卒業し、彼は川崎の会社に職を得た。
私は大学に進学したその年の夏に多摩川近くの彼のアパートを訪ねた。
その時、向ヶ丘遊園へ連れて行って貰ったことを覚えている。
それ以来会っていない。
年賀状のやりとりだけはずっと続けてきたが、それも私の都合で今年からやめている。

葉書の書き出しは「〇〇ちゃん(私の愛称)」で始まる。
一人っ子だった彼は今でも弟のような存在に思ってくれているのかもしれない。
私が毎年出品している公募展を観に国立新美術館へ出かけた報告と感想だった。
嬉しい。
電話を掛けて声を聞こう。
そしてきっとまた「〇〇ちゃん」と呼ぶのだろう。
私は高校の頃からずっと「トシヒロさん」だった。

白い一重の秋明菊も咲く。
やさしくて品のいい花だ。

   おもざしの思い出だせず貴船菊  (飯名陽子)

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秋明菊2184

秋明菊2185
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キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草) ~ゆかしきたたずまい~
- 2018/10/06(Sat) -
紀伊上臈杜鵑草181

びっしり連なる黄色の花。
どれも釣鐘状のまま全開せずに。
その重さを支えて花茎は撓る。
それは“上臈”と、高貴な名を冠するホトトギス。
花の奥にある斑紋や蕊にそれらしさを見る。
ゆかしきたたたずまい。
しみじみと。

   秋の日はかりそめながらみだれけり (向井去来) 

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紀伊上臈杜鵑草184

紀伊上臈杜鵑草185
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ブルーベリー(blueberry)  ~残り少なくなってはきたが~
- 2018/10/06(Sat) -
ブルーベリー2181

ブルーベリーを摘みに行ったら葉や実が濡れていた。
明け方に雨が降ったのだろう。

8月初め頃に採れ出してから2ヶ月近くにもなるが、まだ実がある。
だいぶ少なくはなってきた。
私は摘むだけで口に入れるのはほとんど家人。
色々の上に乗せたり、中に入れたりして食べている。

実が終わるとこの先ブル-ベリーには紅葉が待っている。
これもなかなかに美しい。

   妻の手に木の実のいのちあたたまる (秋元不死男)

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ブル-ベリー2183

ブルーベリー2184
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オクラ(Okra・秋葵) ~「何それ、ウフフ…」~
- 2018/10/05(Fri) -
オクラ2181

また台風が近づいているという。
その前にできるだけのことをしようと思って畑に出た。

しばらく放っておいたオクラがお化けになっている。
隣の梨の枝の高さと同じくらいだから2・5Mは優にある。
根元を見れば木のような太さ。
そして莢までも巨大に。
もちろんこうなれば食べられるわけではないが、とりあえず収穫して持って行った。
それを見た家人は「何それ、ウフフフ…」。
笑うしかなかったようだ。
そして「要らないわよ、処分して」と。
せっかくだから長さを測ってから捨てることにした。
30センチを超えていた。

今年はいままでの物差しでは測りきれないような自然現象が多い。

  オクラの実採り忘られて魔女の爪   (小阪律子)  

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