ムクゲ(木槿) ~うつくしくてはかなくて~
- 2018/07/31(Tue) -
木槿2181

真っ白な木槿の花。
一重の花びらの奥には細筆で描いたような赤い模様。

木槿に「朝開暮落花」の名もあるという。
その言葉通りの様子を持つ花である。

七月も終わる。
時も儚い。

  白木槿まいにちさいてまいにち淋し (山口青邨)

木槿2182

木槿2183

木槿2184
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ミニトマト(mini tomato)  ~安心した~
- 2018/07/30(Mon) -
ミニトマト181

台風が過ぎた翌朝、畑を見回った。
収穫期を迎えつつある夏野菜たちは大丈夫だったのか…。
株が倒れたり、実などが落下したりの様子は見られず安心した。

ミニトマトは棚全体ではまだ青い実が大半を占めてはいるが、赤や黄色も目立つようになってきている。
濃いめの色を選んで籠に摘んだ。
二つ三つを口に入れながら。
これからは毎日少しずつ朝摘みができそうである。

  朝日匂ふ卓へ濡れ手で出すトマト (金子篤子)

ミニトマト182

ミニトマト183

ミニトマト184

ミニトマト185

ミニトマト186
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グラジオラス(Gladiolus) ~今年でやめることに~
- 2018/07/29(Sun) -
グラジオラス181

お隣の松山さんが桃を一箱持ってきてくださいました。
「最後の桃です。もう、今年でやめることにしました」と。
おじいさんお一人で続けてきた桃栽培を終了するのだそうです。
齢90を超えてもなお毎朝軽トラで桃畑へ出かける元気な姿がありました。
いただいたのはそんな桃一筋でやってこられたおじいさんの最後の貴重な桃でした。

グラジオラスを切りました。
花びらは白と淡いピンクのグラデーション。
その優しい色合いはどこか女性の着物を思わせます。

   グラジオラス裾のところが不憫なり   (あざ蓉子)

グラジオラス182

グラジオラス183

グラジオラス184

グラジオラス185
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キクザキヤマブキ(菊咲き山吹) ~信州の夏も~
- 2018/07/28(Sat) -
返り咲き菊咲き山吹180

地元の民放ラジオ放送でパーソナリティーが語っていた。
この極暑で、これまで長年扇風機を使っていた自身の両親が、いよいよエアコンにしたいと家電量販店に行った際のことを。
注文しようとすると、店員さんに、「今購入しても設置が8月後半になる」と言われという。
それではまったく意味がないと諦めて帰ってきたそうだ。
どうやらエアコンの売れ行きがものすごいことになっているようである。
避暑とか、涼を求めてとかの言葉が似合うはずの山国信州も今年の夏はお手上げである。

家では季節を違えてヤマブキが咲く。

    山吹の狂ひ花ある極暑かな  (高浜虚子)

返り咲き菊咲き山吹181

返り咲き菊咲き山吹182

返り咲き菊咲き山吹183
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クロコスミア(Crocosmia・姫檜扇水仙)  ~遠い日のこと~
- 2018/07/27(Fri) -
クロコスミア181

鮮やかな濃橙色の花はクロコスミア。

美しい花だが、しかし困ったちゃんでもある。
それは繁殖力がひじょうに強いということ。
油断していると他の花を駆逐するほど広がるので気をつけなければならない。
それ故、楽しめるだけの僅かな株だけを残し、あとはできるだけ抜くようにしている。

そんな花を蟻がよく遊び場にしていたりする。

信州の子どもたちの短い夏休みもきょうから始まったようだ。
陽に焼けた黒い肌のボクが小川で魚を釣った遠い日のことを思い出していた。

   夏休みありき人生論読みき   (橋本風車)

クロコスミア182

クロコスミア183

クロコスミア184
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サンパラソル(Sun Parasol) ~男性も~
- 2018/07/26(Thu) -
サンパラソル181

日傘を差す男性が増えているという。
テレビで都心の駅前からその様子をレポートをしていた。
特にこのところの連日の猛暑でそれは顕著になっているらしい。
もはや日傘は女性の専売特許でなく、男性にとっても熱中症予防のアイテムとなりつつあるようだ。
よく見れば雨傘を用いている人もいるとのこと。
そのうち男性用のお洒落なデザインの日傘が続々と登場するのかもしれない。

私はまだ日中に傘を差して外に出たという経験はない。
しかし、帽子だけは必ず被ることにしている。
これだけの炎暑ではそれがあるとないではだいぶ違うのを実感する。

玄関前にある深紅の花がある。
その名もサンパラソルという。

   蒼天を重しと思ふ黒日傘  (酒井多加子)

サンパラソル182
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ヒオウギ(檜扇・射干) ~hiougiとnubatamaと万葉集と私~
- 2018/07/25(Wed) -
桧扇180

桧扇が咲きました。
ずっと待っていました。

朝に蕾の口を解いて咲き、午後の日盛りを過ぎれば萎みます。
それはまるで雑巾をギュッと両手で絞ったような捻れた形です。
儚い半日花…。

この花を知ったのはその昔、学生時代に学んだ『万葉集』の中でした。
それ以来、私にとっての心の花になりました。

庭に植えてずっと大事に育てていたのですが、だいぶ前に枯らしてしまいました。
そして何年ものブランクを経てようやく今年の春に苗を手に入れる事ができ、前の花があった同じ場所に植えたのです。
こうして今ふたたび庭にその姿…喜びもひとしおです。

一人眺めていると揚羽蝶が止まりました。
私の心を知って?

   射干も一期一会の花たらむ (石田波郷)

桧扇181

桧扇182

桧扇183

ヒオウギにアゲハ129
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アメリカフヨウ(アメリカ芙蓉) ~黙してひたすら咲く~
- 2018/07/24(Tue) -
1アメリカ芙蓉181

濃いピンクのアメリカ芙蓉が数日前から咲いている。
ふんわりとした花は両の手を広げたほどのたっぷりの大きさ。
中から伸びる蕊に目を遣れば、部分部分に違った愛らしい表情がある。

その命は短い。
朝に次々と咲いて夕に同じように萎む。

   風はらむはずみにひらく芙蓉かな  (阿波野青畝)

2アメリカ芙蓉182

3アメリカ芙蓉1811

4アメリカ芙蓉183

5アメリカ芙蓉184

6アメリカ芙蓉185
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ノカンゾウ・ヤブカンゾウ(野萱草・藪萱草) ~ドバイへの旅?~
- 2018/07/24(Tue) -
野萱草181
                                     野萱草

野萱草と藪甘草は似た朱色の花。
丈も花の大きさもほぼ同じ。
違うのは花びらが一重と八重。

経験したことのないような灼ける暑さはまだしばらく続くという。
中東のドバイ辺りを旅していると思えばいいか…。

   萱草は随分暑き花の色  (山本荷兮)

藪甘草181
                                       藪甘草
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イトバハルシャギク(糸葉波斯菊) ~猛暑と虫~
- 2018/07/23(Mon) -
糸葉波斯菊184

炎天下に黄色いコスモスのような糸葉波斯菊が群がり咲く。
その名は葉が細いことに因むと。
ヒラタアブとモンシロチョウがとまった。
彼や彼女らは連日続く“命に関わる危険な暑さ”とは無縁なのか。

シャワーのような雨がほしい。

  世にも暑にも寡黙をもって抗しけり  (安住敦)

糸葉波斯菊181

糸葉波斯菊182
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ムクゲ(木槿) ~その日ぐらしぞ~
- 2018/07/22(Sun) -
紫木槿180

淡紫の木槿が咲いている。
この花を見て、だいぶ前に書いた歌を思い出した。

    花木槿     (あや)

  木槿の花を一つ取り
  麦わら帽子の紐に挿し
  かぶせてくれたあの時の
  あなたと歩いた夏の朝

  暑さの中で次々と
  美しく咲くも悲しいと
  短い命の一日花(ひとひばな)
  教えてくれた夏の朝

  木槿の花を見る度に
  思い出しますあの頃を
  あなたのやわらか右の手と
  青空広がる夏の朝

時は流れ…。

   それがしもその日ぐらしぞ花木槿   ( 小林一茶 )

紫木槿181

紫木槿182

紫木槿183
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ウツセミ(空蝉) ~脱皮するということ~
- 2018/07/21(Sat) -
蝉の穴182

蝉の声もその数と大きさが徐々に増してきた。

庭を歩いていると、いたるところに小さな丸い穴を見つける。
蝉が数年に亘って静かにその命を育んできた跡。
昨日までは無かったところにもいくつか。
きっと夜明け前に這い出て脱皮したのだろう。

近くの草木を見てみた。
空蝉が二つ。
細い草の葉をしっかり左右の脚で抱きかかえたもの。
柿の茎にぶら下がるようにしているもの。

その姿に言いようのない不思議な心持ちが湧き起こってくる。

ふと、今の漫然とした自分も脱皮が必要だと思った。

   空蟬やいのち見事に抜けゐたり  (片山由美子)

空蝉181

蝉の穴4

空蝉182

蝉の穴181

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ホスタ(Hosta) ~「暑いわね~」と言ったかどうかは知らないが~
- 2018/07/20(Fri) -
ミニホスタ180

照りつける強い陽射しの中でミニホスタが並んで咲く。

そこへ仲良くキジバトがやって来た。
脚が短い彼らは体全体が地面に近いだけに輻射熱をもろに受けてどうなのかと心配の目で見る。


「暑いわね~。熱中症に気をつけなくてはね」
「オレはもう喉が渇いたよ。そろそろ水分俸給をしなくちゃ」
と、会話してたのかどうかは知らないが。
一羽が睡蓮鉢を見つけて近寄り、頭を下げて嘴を伸ばす。
1回飲んでは間を置いて2回飲んでは少し休んでそしてもう一回と3回目を。

「ああ、潤った。気持ちいい」
「あらもういいの?」
「うん、君は飲まないのかい?」
「私はまだ大丈夫」
「こんな炎暑じゃ、人間達は大変だろうね」
と、言ったかどうかは知らないが。
また仲良くそろって、お尻を振りつつ畑の方へ歩いていった。


折に触れて庭や畑にやってきて仲睦まじくデートを楽しむ若いカップル。
すっかり顔なじみになった。
今度はそれぞれに名前でも付けて呼んでみよう。

   雉鳩が炎暑の庭で水求め   (あや) 

ミニホスタ181

ミニホスタとキジバト1

ミニホスタとキジバト2

ミニホスタとキジバト3

ミニホスタとキジバト4
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カーネーション(carnation) ~暑さの中でけなげに~
- 2018/07/19(Thu) -
カーネーション9124

友人がプレゼントしてくれた鉢植えのカーネーションを数年前に地に降ろした。
それ以来、毎年夏になると咲いてくれる。
ありがたい。

先般行き会った時には2月に白内障手術をしたとの事だったが、聞けばヨーロッパに出張だの、中国に出張だのとまだ忙しい様子。
元気で何より。

新聞には連日、観測史上はじめてという言葉や猛暑、酷暑、極暑などの文字が踊る。
そんな中で健気に咲く花に癒やされる。

  灯を寄せしカーネーションのピンクかな (中村汀女)

カーネーション9130

カーネーション9110
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クロホオズキ(黒鬼灯) ~案内が届く~
- 2018/07/18(Wed) -
クロホオズキ180

同期会の案内が届いた。
就職年度が一緒の仲間の会だ。
今年は9月初旬に温泉宿で開かれる。
会議が重なった1回を除いて毎年参加している。
今から楽しみ。

黒鬼灯が咲いている。
前年のこぼれ種からいくつもの芽が出る。
蕾は元が黒く全体は緑。
その先が割れ、そこから青い花が飛び出るように咲く。
鬼灯の名が付くが実は茄子の仲間の花。

本家の鬼灯の袋もだいぶ大きくなった。
赤く色づくのもどうやらそう遠くはなさそうだ。

   くさぐさの色目や夏のおもむきに  (上川井梨葉)

クロホオズキ182

クロホオズキ183

クロホオズキ184

クロホオズキ185

クロホオズキ186
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ジャガイモ(馬鈴薯) ~夏野菜は~
- 2018/07/18(Wed) -
1ジャガイモ収穫

ジャガイモを掘った。
まずまずだ。
西瓜、ズッキーニ、苦瓜、オクラ、茄子なども順調。

苦瓜は2本採って初ゴーヤチャンプル。
「おいしいね」と顔を見合わせる。
わが家の夏の定番料理。

連日の猛暑日。
頑張りすぎない、無理しない、負けない。

  馬鈴薯を夕蝉とほく掘りいそぐ  (水原秋桜子) 
 
2スイカ

3ズッキーニ

4苦瓜

5オクラ

6赤オクラ

7茄子
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ヒマワリ(向日葵) ~一茎一花~
- 2018/07/17(Tue) -
向日葵181

ヒマワリは前年の花の種から育ったもの。
毎年そうする。
今年は10数本ずつを2箇所に並べて植えた。
今ちょうど咲き揃う。

まさに元気色、気持ちいい。
そばに立って眺めるだけで嬉しくなる。
自ずと歌まで出てきたり。

蜜蜂も夢中…。

ヒマワリはいつになっても童心に引き戻す花である。

   向日葵の一茎一花咲きとほす (津田清子)

向日葵182

向日葵183

向日葵184

1向日葵にミツバチ
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ノウゼンカズラ(凌霄花)  ~真昼のシャンデリア~
- 2018/07/16(Mon) -
凌霄花185

夏の暑さに朱色の凌霄花。
その円錐状に垂れて咲く様を「真昼のシャンデリア」にたとえた人がいた。
言い得て妙。
花は上から下に向かって次々に咲く。
花の命は短く、新しいのが咲くのに合わせるように、先の花は落ちる。
その色と形のままで地に広がるのを私は毎朝掃く。

  凌霄や花を垂れたる蔓の花  (籾山梓月)

凌霄花181

凌霄花182

凌霄花183

凌霄花184

凌霄花187
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コオニユリ(小鬼百合) ~動くドット~
- 2018/07/15(Sun) -
小鬼百合181

コオニユリは強い。
球根を植えてから10年以上経つのに、毎年変わらずに咲いてくれる。
いくつかを別の場所に分けたが、そこでやはりみんな元気に育っている。
とてつもない暑さなのに、じょうぶじょうぶ。

オレンジ色の花びらはどれもがそろってくるりとイナバウアー。
その中にランダムに散りばめられるたくさんのドット。
おやおや、蕊にあるその一つが動くと思ったらアリくんだった。

  真夏日に風鈴のごと小鬼百合  (あや)

小鬼百合182

小鬼百合183

小鬼百合184
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ギボウシ(擬宝珠) ~奥には~
- 2018/07/14(Sat) -
ギボウシ181

擬宝珠が花茎を伸ばし花を咲かせる。
下から上に向かって咲き、茎はその重さでじょじょに傾く。
だんだん歩くのにじゃまとなる。
透明感のあるユリ似にた花には内側に巻き込むような6本の雄蘂と1本の雌蕊。
その深い形の奥には熊蜂が。
毎日朝からやって来てその太い体を入れては渡り移る。
見ていてその様は楽しい。

さらに咲き進み、花茎の傾きが強くなったのを見計らってすべてを切る。

   かたむきて行く手遮る花擬宝珠 (あや)

ギボウシ182

ギボウシ183

ギボウシ185

ギボウシ186
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リアトリス(Liatris・麒麟菊・百合薊) ~自己評価~
- 2018/07/13(Fri) -
0リアトリス180

直立した茎に花。
紫と白が仲良く並んで咲くのはリアトリス。
その花穂は上から下に向かって咲き進む。
よく見ればそれは小さな花の集合体。

花言葉には「向上心」「燃える想い」「長い恋愛」。
「向上心」=△
「燃える想い」=〇
「長い恋愛」=×△〇◎?

  わが朱夏の詩は水のごと光るべし (酒井弘司)

1リアトリス181

2リアトリス182

3リアトリス183

4リアトリス184

5リアトリス185
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オタフクアジサイ(お多福紫陽花・渦紫陽花) ~一枚の絵~
- 2018/07/13(Fri) -
お多福紫陽花181

いつしかその種類と数が増えた紫陽花。
植えるきっかけになった一枚の絵がある。
それは菱田春草の『水鏡』。

薄布をまとって池畔に立つ美しい女性。
そばには大きな株の紫陽花。
その一枝を右手に。
水面の鏡に映し出される顔姿は色形とも朦朧。
「美しいものは必ずや衰え色香を滅していく」との天女衰相をテーマにした作品。
紫陽花の花色の変化と最後は枯色になりゆく様にそれを暗示的に表現している。

描写の美しさはもちろんのこと、テーマに重要な意味を持つ紫陽花は私の心に。


他に遅れて今頃ようやく咲き出したのはお多福紫陽花。
花びらがくるりとして愛らしい。

  あぢさゐの藍をつくして了りけり  (安住敦)

お多福紫陽花182

お多福紫陽花183

お多福紫陽花184

お多福紫陽花184-1

お多福紫陽花185

お多福紫陽花186

お多福紫陽花187

お多福紫陽花188
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ウチワサボテン(団扇仙人掌) ~かな かな かな かな~
- 2018/07/12(Thu) -
団扇仙人掌181

近くで蜩が鳴いた。
今年初めて聞く。
カナカナカナ…カナカナカナ…。
少し哀しげに。

その詩はたしか中学の国語の教科書にあったと記憶している。

   ある時  山村暮鳥

 また蜩(ひぐらし)のなく頃となつた
 かな かな
 かな かな
 どこかに
 いい國があるんだ

それ以来、諳んじることができる詩の一つとなった。


細かい棘のある団扇仙人掌には黄色い艶のある花が咲く。

   突として蜩の鳴き出でたりな (高浜虚子)

団扇仙人掌182
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ヤマアジサイ・クレナイ(山紫陽花・紅) ~発見された種~
- 2018/07/12(Thu) -
クレナイ181

“紅”は今から30数年前にほど近い地域の山地で発見された固有種の山紫陽花。
最近では園芸店などでも多く見られるようになっている。
他の山紫陽花同様に花びら(萼)は小さい。
それは時間とともに白からだんだんに紅く染まっていく。
それで“紅”の名が付いたのだろう。
今、形も色も様々な西洋紫陽花が増える中、これは田舎娘のような素朴さがある。

   あぢさいの晩年変化半ばなり (殿村菟絲子) 

クレナイ182

クレナイ183

クレナイ184
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ナンテン(南天の花) ~小さな花の造型~
- 2018/07/11(Wed) -
0南天180

南天には房状になる白い花。

目を凝らせば小さな花の花弁は6枚。
王冠を思わせる6本の黄色い雄蘂と1本の丸い膨らみを持つ雌蘂。

そんな花にも虫たち。

花言葉を見れば「私の愛は増すばかり」と。
なぜ?

   南天の花にかくれて人嫌ひ (鷹羽狩行)

1南天181

2南天182

3南天183

4南天184
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ガクアジサイ・スミダノハナビ(額紫陽花・墨田の花火) ~ギーィッ、ギーィッと聞き慣れた声~
- 2018/07/11(Wed) -
1墨田の花火

ギーィッ、ギーィッと聞き慣れたコゲラの声。
たまにやって来る。
その機械仕掛けのような動きはいつ見てもかわいい。
小さな体とその鳴き声のギャップも楽しい。

ほんのりと青みを持つ白い額紫陽花は“墨田の花火”。
咲く姿はネーミングそのままで。

  数々のものに離れて額の花  (赤尾兜子)

墨田の花火181

墨田の花火182

墨田の花火183

墨田の花火180
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ヒペリカム・サンバースト(ポンポン咲き金糸梅) ~負けた~
- 2018/07/10(Tue) -
ポンポン咲きヒペリカム181

各県で夏の高校野球の地方大会が始まっている。
新聞記事によれば母校は2回戦で敗退となったようだ。
伝統校や強豪校が居並ぶ中においては、甲子園への道はなかなか険しい。
あとは県代表の本大会での活躍を楽しみとしよう。

鮮やか黄色の花はヒペリカム・サンバースト。
ポンポンのように球形にふっくらと盛り上がるたくさんの蕊。
中には二つが仲良く背中合わせで咲いたりするのも。

そしてそれは蜂などには絶好の遊び場ともなっている。

  蜜蜂やしきりにとんでたのもしき (高野素十)

ポンポン咲きヒペリカム182

ポンポン咲きヒペリカム183

ポンポン咲きヒペリカム184

ポンポン咲きヒペリカム185

ポンポン咲きヒペリカム186

ポンポン咲きヒペリカム187
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ガクアジサイ(額紫陽花) ~清らかな~
- 2018/07/10(Tue) -
薄いピンクの額紫陽花180

紫陽花はどれも好きだが、この薄いピンクの紫陽花は特に。
そのなんとも言えない爽やかな色合いに惹かれる
可憐で清らかな乙女をイメージさせるような。
その色は咲き始めからほとんど変わらない。

昨日見て、今日も見て飽きず。

   いつまでも一人娘や額の花  (柴原保佳)


薄いピンクの額紫陽花181

薄いピンクの額紫陽花182

薄いピンクの額紫陽花183

薄いピンクの額紫陽花184

薄いピンクの額紫陽花185
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ハギ・エドシボリ(萩・江戸絞り)  ~穏やかであれかしと…~
- 2018/07/09(Mon) -
江戸絞り181

たくさんの小さな花。
白地に描かれる淡紅色の筋。
染色の柄のように。
それは萩の江戸絞り。

大雨の後に近づく台風。
穏やかであれかしと…。

  萩の風何か急かるる何ならむ (水原秋櫻子)

江戸絞り182

江戸絞り183

江戸絞り184
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ガクアジサイ(額紫陽花) ~生活のレパートリー~
- 2018/07/09(Mon) -
青い萼紫陽花180

「スチームかけてね」と言われた。
器具を出し、時間を掛けてスチームを当てた。
目に見えてきれいになった。
ついでに他の部屋のフロアや畳もした。

掃除や片付けなどは昔から好きだ。
ガラス拭きなど、結婚以来ずっとやってきた。
玄関や庭掃き等はもちろん。

ここ数年、自然の流れのようにして、家事の一部を私がこなすようになっている。
ゆくゆくのことを考えると、もっといろいろが自分でできるようにならなければと思ったりもする。
生活の様々な面でのレパートリーをさらに広げて…。

   咲き揃ふ色を惜しみて額の花  (嶋田摩耶子)

青い萼紫陽花181

青い萼紫陽花182

青い萼紫陽花183

青い萼紫陽花184

青い萼紫陽花185
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ヘリオプシス(Heliopsis) ~夏の花と虫たちと燕~
- 2018/07/08(Sun) -
ヘリオプシス181

夏の花々が多く目に入るようになった。

ヘリオプシスの株からいくつもの花が咲き出る。
放射状に広がる黄い花びらは向日葵にも似る。
目を近づければそこには遊ぶ小さな花蜘蛛など。

上を燕が軽快に翔ける。

   つばくろに仕ふる空となりにけり ( 山西雅子)

ヘリオプシス182

ヘリオプシス183

ヘリオプシス184

ヘリオプシス185

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