デンドロビウム・キンギアナム(Dendrobium kingianum) ~往く~
- 2018/01/31(Wed) -
キンギアナム181

部屋に広がる刺すような香り。
放つのはキンギアナム。
たくさんの小さい花が数日前から咲きだす。
一つひとつの花は素朴で可憐。
唇弁は奥を薄黄色に染め、その周りに青紫のドットを散らす。
三日月のようなつぼみもまだ多く、満開は少し先。
咲き揃った時のその強烈な香りは隣の部屋にまで届くほどになる。

この花は花期が長いので重宝。
蘭植物園から連れ帰って10余年になる。

私が知らぬ間に2茎が瓶に挿され、玄関に置かれてある。
いつ切ったのか。

さても一月は往く。

   一月は脱兎のごとし疾く去れり   (大畑善昭)

キンギアナム182

キンギアナム183

キンギアナム184

キンギアナム185

キンギアナム186
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冬点描 ~雪と畑~
- 2018/01/30(Tue) -
フキノトオ741

また雪が降った。
薄い小さな粒がゆっくり舞うようにふわふわと落ちてくる。
しかし、そんな見た目と違ってどんどん嵩を増す。
夕食前に雪かきをする。

朝起きて見ればその後も降り続いた様子。
食事を済ませ再び雪かきをする。
乾いているせいか量の割には軽い。
労力と時間はさほどかからず、汗をかくまでもなかった。

道具を片付け、そのまま畑に脚を伸ばす。

フキノトウ。
エンドウ。
ブロッコリー。

動物が足跡を残す。
歩幅からするとかなり大きいが、何だろう。

私は雪が好き。
降るのも。
見るのも。
遊ぶのも。
そして雪のことばも。

  街に雪この純白のいづこより  (橋本榮治)

エンドウ737

ブロッコリー709

足跡746
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レオコ(レオパードゲッコウ・豹紋蜥蜴擬) ~脱いだのもおいしい?~
- 2018/01/29(Mon) -
レオコ1591

レオコが脱ぎ始めた。

レオコはレオパの妹。
兄は物静か、妹は快活。
二人(?)とも温和で優しい性格。
とても仲が良い。
喧嘩する姿をこれまで一度も見たことがない。
そして互いにその存在を認め合い尊敬し合っている…。
会話を聞いたことはないがたぶんそう。

白くなった肌を壁で擦ったり、口で引きちぎるように剥いていく。
先に脱げたのは顔や胴、前脚の部分。
それをおいしそうにぱくぱく食べる。
彼らは脱皮したものはすべて自らの胃に入れて処理し、辺りを散らかさない。
おいしかったのか、どこかのペコちゃんのようにかわいい舌が横に出る。
食べた後は時折大きなあくびも。
そして残る頭部や腹部、後脚もきれいに食べきる。
古いのがすっかり取れて、新しいのに変わった後はすっきりした表情。

脱皮は一月に一度から二度。
その時の一生懸命な様は何度見てもいじらしく愛らしい。

紹介するのを忘れていた。
二匹はヤモリの仲間で、正しい和名をヒョウモントカゲモドキという。
レオコとレオパは我が家での愛称。
レオパおよそ10~11歳、レオコ3歳前後。

   四囲の音聴き澄ますとき冬深く (加藤楸邨)

レオコ1592

レオコ1593

レオコ1594

レオコ1595

レオコ1596

レオコ1597

レオコ1598
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凍る ~川の流れと氷の塊と~
- 2018/01/28(Sun) -
凍る181

凍みた。

庭から川を見る。
跳ねてぶつかりあう飛沫が氷の塊を作る。

降りる。
そばで見る。

なんとも言えぬ。
自然だから出来る。
計算もしがらみもなく。
水の勢いに任せるまま。

寒さのピークも今日までのようだ。

  山河のけふははればれとある氷かな   (鷲谷七菜子)

凍る182

凍る183

凍る184

凍る185
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冬点描 ~雪の翌朝~
- 2018/01/27(Sat) -
冬草181

雪の止んだ庭に陽がさす

ミツバの枯れ茎と桜の葉一枚
種姿の淋しい野菊
話合うかに立つ木賊
切り忘れた紫陽花
実生のクリスマスローズ
4枚の葉の柾の芽
鮮やかに南天

青みを帯びて伸びる木の影
やわらかな起伏となる覆われた黒土

雪が詩情を添える

友人からジョウビタキの便りが届いた朝

  冬草のむらさき極む耐ゆるさま (山口青邨)

冬草182

冬草183

冬草184

冬草185

冬草186

冬草187
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『乱れ髪』(与謝野晶子) ~子ども向けの朝のテレビは~
- 2018/01/26(Fri) -
与謝野晶子歌集180

朝7時少し前、家人がテレビ体操のあと、その続きで点けている『にほんごであそぼ』。
それはもともと“2歳から小学校低学年くらいの子どもと親を対象”にする番組。
様々な日本の文化芸術を、分かりやすくそしてユーモアも交えつつ、現代風にアレンジして“言葉”を体感させる内容。
題材として、ことわざ、落語、百人一首、近代文学(詩・小説)、短歌、狂言などなど。
なになに、これがまたまことに楽しく面白い。
ニュースまでの僅かな時間、卵を溶くなどの他のことをしながら、目と耳を斜めに傾ける。

たとえば、♪まだあげ初めし前髪の~林~檎のもとに見~えしとき ~♪と、島崎藤村の『初恋』を、幼い子が口を大きく開けて歌う。
『初恋』といえば、私の場合それは舟木一夫だが、これは新しいバージョンで藤原道山の作曲。
音域は歌いやすい幅に収められ、テンポも遅すぎず早すぎず、メロディーも童謡のテイストを織り込み実にいい味。
またその袴姿が似合っていて、体いっぱいで歌う姿がなんとも愛らしい。
家人はとても気に入っていて、だいぶ前に録画してあり、好きな時間にリピートしては画面の中のその子と一緒に歌っている。

昨日は与謝野晶子の代表的なかの短歌。
“やは肌の~あつき血汐に觸れも見で~さびしからずや~道を説く君~”と人形浄瑠璃が謡い、舞う。
どきっとするような大人の情熱的な愛を詠むこの歌がはたして幼い子らに相応しいかどうかは賛否があるところだろうが…。
とまれ意味は分からなくても、そのあまり馴染みのない抑揚とリズムはかえって物珍しく新鮮に感じ、抵抗なく入っていくかもしれない。

誘われて書架から与謝野晶子全集を取り出す。
久しぶりに『乱れ髪』を捲り読む。
あの時代、女性として、よくもそのようなダイレクトな恋愛感情の歌を発表したものだと思いつつ。

ところで、「ねえ、ママ、どんなこと歌っているの?」と、我が子に聞かれて、若い母親たちはどう説明しているのだろう。

今朝も寒さが厳しい。

  しんしんと寒さがたのし歩みゆく (星野立子)

与謝野晶子歌集181

与謝野晶子歌集182

与謝野晶子歌集183
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『富士松原』(久保田米僊筆)  ~雪は降りつつ~
- 2018/01/25(Thu) -
富士松原(久保田米僊)

額装の『富士松原』を降ろして片付けた。
正月に合わせて掲げてあった。
柿渋和紙で包む。

題名からして、描かれる富士の下に広がる景色は三保の松原あたりだろうか。
実際に見たことはないがそんな風景だろうと想像したりする。
手前には幾艘かの小舟があり、米僊が描いた明治の頃はそこらは長閑な漁村だったのかもしれない。


強い寒気の入り込みに因り、連日の雪となった。
降り積もるやわらかな白に、ただしみじみ。

  人の世の過去へ過去へと雪降れり  (三村純也)

富士松原181

富士松原183

雪のガーデンテーブル181
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カキ(柿) ~残されたままで~
- 2018/01/24(Wed) -
一月の柿182

南隣に柿畑がある。
10本ほどの木にはたわわな実。
でも今期は収穫されないままに。
艶と張りを失い、色も褪せて。
毎年多くを出荷していたのだが。
畑主に何が。

きのうの雪はその柿にも積もる。

  まだもののかたちに雪の積もりをり (片山由美子)

雪と柿182

一月の柿181

雪と柿181
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ヒヨドリ(鵯)  ~様々な変化~
- 2018/01/23(Tue) -
ヒヨドリ1811

10月に家人が目の手術をした。
術後の定期検診を受診している。
その際、車の運転は出来ないため私が付きそう。
順調のようで、視力も良くなってきているらしい。
私も以前よりクリヤーさがなくなって少し見づらさ感じつつある。
昨日のその帰り、「あなたも早めにやったらいいんじゃない?」と言う。
でもまだいい。

年々、体の至る所にそんな変化が増えてきている。
肉体の劣化への少しの努力。

ピーヨ-、ピー、ピーとヒヨドリは私に何を語る。

  寒禽のこゑ木立から水面から  (星野恒彦)

ヒヨドリ1812

ヒヨドリ1814
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サザンカ(山茶花)  ~…ご存じですか?~
- 2018/01/22(Mon) -
山茶花016111

土曜日の午前、洋画家のMさんが訪ねてきてくださった。
二紀展に入選を重ね、県展でも知事賞をはじめ多くの受賞歴のある実力者だ。
主たるモチーフは、雨上がりにできた水たまりのある道だったり、小川の小さな水門だったりなど、ごくありふれた身近な風景。
2月から開催される総合展の招待状を持ってきてくださった。

あがっていただき、互いの近作などについて語り合う。

話も弾んだころ、「そう言えば〇〇〇〇会のNさんがお亡くなりになったのをご存じですか?」。
「えっ、Nさん?ほんと?」
Nさんというのは若い頃から交流がある1歳下の彼で、一緒にグループ展を開いた中でもある。
たしかその会の要職に就いていたはず。
「先日ホテルで会合があり、その後の宴会を終えて、風呂に入りそのまま浴場で亡くなっていたそうです」と。
冬の入浴のリスクについては、様々な情報を通して知ってはいたが、まさかという思いであった。
今年の夏頃には、また一緒にグループ展をしようと企画書を作成したところだったのだが。

帰り際に、画集と美術展のカタログ数冊を差し上げる。
書架も少しずつ整理。


誰にも、予期せずに驚くような何かが突然に訪れるということはあり得る…。

  一枚の寒の鏡とたましひと (藤田湘子)

現代の創造展181
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マユミ(冬の檀の実)  ~フユの幸せを感じる時~
- 2018/01/21(Sun) -
冬マユミ180

庭に冬鳥の姿を目にしたとき
横を流れる井水に張る薄氷を手にもったとき
ザクザクと足跡のない雪の上を歩くとき
土を持ち上げる水仙の芽を見つけたとき
ひだまりにタンポポが咲いているとき
……………
そうした何気ない情景に

あるいは風呂に入って温まったとき
そんなありふれた小さな時間に

ふと感じる冬の幸せ

赤い実のなくなった枯れ色のマユミの殻を見る時も

ありがとうフユ

   冬と云ふ口笛を吹くやうにフユ  (川崎展宏)

冬マユミ181

冬マユミ182
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モクレン(白木蓮) ~膨らませる~
- 2018/01/20(Sat) -
白木蓮1811

冬さなか。

白木蓮にたくさんの蕾。

やわらかな膨らみ。
ビロードのような毛に包まれ。

その時に向け。
内に力。

言い訳をせず。
木々はいつでも能動。

  美しく木の芽の如くつつましく  (京極杞陽)
 
白木蓮1812

白木蓮1813

白木蓮1814
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寒牡丹(紙細工) ~雪催い~
- 2018/01/19(Fri) -
雪催い181

寒牡丹を私は実際に見たことはない。
想像するに、雪の下で咲く花姿は趣深いものがあるのだろう。

部屋に紙細工の寒牡丹を飾った。
叔父の手作りである。

 藁覆いの中に朱の牡丹が二輪。
 周りを雪かきする。
 そこへ、かわいいうさぎ来てちょこんと座る。
 木製の雪かきを置いて、しばらく眺める子。
 空からはまだ雪がちらちらと。
 寒さの庭に流れる小さな時間。

たまにはそんな冬景色でも求め歩いてみるのもいい…か。
どこかでどこかに。

  手の中に小さき手のある雪催  (辻美奈子)

雪催い182

雪催い183

雪催い184

雪催い185

雪催い186
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シンビジウム(Cymbidium・花もみじ) ~電話があった~
- 2018/01/18(Thu) -
花もみじ183

電話があった。
中学の時の友からだった。
これまで一度もやりとりをしたことはない。
初めて受ける。
急な用事ではなかった。
近況を話してくれた。
そして「こちらへ来るときは連絡してくれよ」などと。

家が近かったことは覚えている。
苗字が一文字違いで似ていたことも。
でも、彼とはとりわけ親しい間柄というのでもなかった。

数年前に開かれた同窓会の記念誌がある。
依頼されて寄稿した。
取り出して読み返した。
学生帽のあの頃がセピア色となって甦る。

クラス毎の名簿が載っていた。
彼は同じクラスではなかった。
性格が良く明るい奴だったということは記憶にあるが。
なぜ数十年も経てからの電話なのかよく分からない。
何を思ったのだろう。

   蘭の香や掛け替えてみる床の軸 (永井荷風) 

花もみじ182

花もみじ181
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ムクゲ(冬木槿) ~冬眠「●」~
- 2018/01/17(Wed) -
冬木槿275

その詩に出くわしたときは「ん?」。
『冬眠』と題し、「●」。
黒丸ただ一つだけ。
作者は草野心平。

でも分かる。
●の中に様々な世界があるのを。

  冬景色はなやかならず親しめり  (柴田白葉女)

冬木槿276
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若者たちの作品展 ~僅かずつ昼時間は伸び~
- 2018/01/16(Tue) -
展1787

地元の若い人たちの作品展を観た。
出品者は40人余。
とらわれない自由な多様性。
溌剌とした表現。
それぞれが個を主張する。

感性に年齢はない。
誰にとっても毎日はいつも新しい今日。
漲る精一杯さの空間から波動が私の頭に届く。

僅かずつだが昼時間が伸びてきているのを感じるこのごろ。

   こころまづ動きて日脚伸びにけり  (綾部仁喜)

展1767

展1771

展1772

展1784

展1780

展1785

展1786
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ホオジロ(頬白) ~ひなたぼっこ~
- 2018/01/15(Mon) -
ホオジロ1811

やって来たのはホオジロ。
ピンク木槿の枝に。
声も出さずにじっと。
体をちょっとふっくらさせて。

「こんにちは、ごきげんいかが?」

私もしばらく一緒にひなたぼっこ。

    たつぷりと寝て寒禽をまのあたり  (細川加賀)

ホオジロ1812
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コブシ(冬辛夷) ~電話~
- 2018/01/14(Sun) -
冬辛夷181

ある勧誘の電話があった。
すぐに切ればよかったが、先方は丁寧な言葉遣いをしているのでそのタイミングを失い、ついつい聞いてしまった。
一応断ったが、こうして上手に乗せられていろいろな商法に引っかかっていくのだろうと反省した。
切った後、少し不愉快な気分になった。
やりとりした自分にも腹が立ってきた。
判断力も落ちてきている。
気をつけなければ。

辛夷の蕾が少し膨らみ始めた。

   凭(もた)れたる冬木我よりあたたかし (加藤楸邨)

冬辛夷182
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ジョウビタキ(尉鶲) ~物のたね~
- 2018/01/13(Sat) -
尉鶲18129

胡桃の切り株の上にジョウビタキがやってきた。
お尻を上下させて留まる姿が愛らしい。
嘴に赤い小さな実。
何の実だろう。

寒い寒いと私の体と頭は縮こまっている。

鳥は元気でいいなあ。

  厳冬を越す物のたね無尽蔵  (三橋敏雄)

尉鶲18128

尉鶲18127
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マサキ(柾の実)  ~冬の空蝉~
- 2018/01/12(Fri) -
冬のマサキの実180

マサキの実が割れる。
中からつやつやの赤い実。

葉は青々。
空蝉が一つ。
夏、秋、そして耐えて冬。

正しい木と書いてマサキ。
何か由来があるのだろうか。

   空蝉やあの世へ行きてなほ生きむ   (藤本保太) 

冬のマサキの実181

冬のマサキの実182

冬蝉183
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スノードロップ(snowdrop)  ~見つけたのは~
- 2018/01/11(Thu) -
スノードロップ18111

ひっそりとしずやかに。
落葉の中に小さな白いしずく。
それは愛らしいスノードロップ。
背はまだ低い。
風が吹く。
しずくは揺れる。

   一月の汚れやすくてかなしき手   (黒田杏子)

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小さな正月 ~昔の子どもの遊び~
- 2018/01/10(Wed) -
正月飾り181

新年飾りも仕舞い、次に出して飾ったのは昔の正月遊び。
“凧あげて”“こまをまわして”“まりついて”“おいばねついて”と、唱歌「お正月」に出てくる遊びのアイテム。
加えて竹の箱橇と寒椿も。
これら数㎝の小さな紙細工は叔父の手作り。
細部の表現まで手が込んでいる。
器用だ。

私も子どもの頃はそんな凧を作って飛ばしていた。
正月や昭和は遠くになりにけり…。

   少年のこぶしが張れる独楽の紐  (長谷川かな女)


正月飾り182

正月飾り183

正月飾り184

正月飾り185

正月飾り186

正月飾り187
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一月の川 ~どんど焼~
- 2018/01/09(Tue) -
18年朝の川1

7日の日曜日はどんど焼きだった。

朝8時に櫓を組んで松や正月飾りなどを積み上げる。
育成会が主体の行事だが、子どもが少なくなってきているので大勢の大人が手伝う。
10時に点火し、書き初めなどをくべる。
勢いよく燃え、パチパチパチ、バーンの音を伴いながら大きな炎が高く上る。
ほぼ燃え尽きたところで、役員が用意した竹の先に餅を挟んで焼く。
煙が目に入るのをうまく避けながら。
心得ている人は焼き網を持ってきている。
その場で熱々の二つを食べる。
燠の上で焼いた少し焦げて香ばしい餅はやはり格別である。
残りは家で。

こうした伝統行事が続くのはうれしい。
しかしこれらも近年様変わりしてきている。

私の自治会では数年前まで曜日に関係なく6日と決まっていた。
前日に櫓作りをし、点火は翌朝のまだ薄暗い6時というのもずっと変わらずに。
夜明け前に立ち上る真っ赤な炎が崇高さを感じさせ、心洗われる思いになったものだった。
そして白々とする頃に炎の明かりを受けて顔を赤くしながら餅を焼く。
その頃になると周りの地区からも、同様にはぜる音がしたり煙が見えたりする。
それが正月の一つの楽しみの景色でもあった。

日曜日にするようになったのは若い人の勤めのことを配慮した時代の流れなのだろう。
陽も昇った明るさの中ではその持つ意味やよさが失われる気がして、何か物足りなさを感じさせる。

一月の朝、家の横の川は清らかに流れていく。

   のしかかる夜空ささへてどんどの火 (片山由美子)

18年朝の川3

18年朝の川2
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マメガキ(豆柿・信濃柿・小柿) ~採らずにそのままに~
- 2018/01/08(Mon) -
冬コガキ181

秋に採らずにそのままにしておいた豆柿。
干しブドウのようになって並ぶ。
そんな様子もまた風情がある。

毎日のようにヒヨドリが来ては食む。
ピーヨ、ピーーヨと大きな声を出しながら。

  成人の日の華やぎにゐて孤り  (楠本憲吉)

冬コガキ182

冬コガキ183
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ムクゲ(冬木槿) ~思い切って~
- 2018/01/07(Sun) -
冬木槿181

今まだ腰が少し痛い。

樹高が高くなりすぎた木槿。
やろうやろうと思いつつもやらずにいた剪定。
チェンソーで思い切って低くした。
伐った後始末が大変だった。
枝を短くそして細かにしたらかなり嵩張った。
何度も抱えて運ぶ。

すべてをきれいにし終わって家の中に入った時に痛みを感じた。
これはちょっとまずいと。
コルセットを出して締めた。
ああ、これしきの作業で。
こんなはずでは。

すっきりとコンパクトになった木槿だが、花咲く夏にはどんな形になっているのだろう。

  チェンソー唸り冬木の匂ひ来る   (高橋笛美)

冬木槿182

冬木槿183

冬木槿184
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フユシラズ(冬知らず・Calendula) ~寒さの中に~
- 2018/01/06(Sat) -
フユシラズ182

寒入りの庭を歩く。
黄色い小さな花二輪。
寄りそうフユシラズ。

「寒いね」
「寒いなあ」
「元気?」
「元気さ」

そんな会話でもか。

  なぐさみの草摘みに出る六日かな  (藤田あけ烏)

フユシラズ181
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カリン(花梨の実・榠櫨) ~捨てる~
- 2018/01/05(Fri) -
花梨の実181

花梨が落ちる。
ドサッと音を立てて落ちる。
そこらに転がって散らばる。
籠に拾う。
まとめて捨てる。

今年はいつもの砂糖煮はない。
しないと言った。
好きだったが、しょうがない。
無理なことは言わない。

できたことができなくなってきている。
“あった”を捨てて、“ない”今を創って生きる。
互いに。

実が少なくなった花梨の木に尉鶲がとまる。

   己が木の下に捨てらる榠樝の実  (福田甲子雄)

花梨の実1811

花梨の実182

花梨の実183

花梨の実184
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サラ(木彫の磁器皿) ~事始め~
- 2018/01/04(Thu) -
木調干し柿と磁器の皿1

以前に彫った干し柿がある。
見ていて、乗せる皿も彫ってみようと思った。

材は干し柿と同じ朴の木を使う。
鋸で高さ(厚み)を決め、輪郭をカットする。
彫刻刀でおよそを彫り上げて、鑢で細部の形を整える。
着彩はポスターカラーとアクリル。
磁器の光沢ある質感を出すために水性ニスを塗って仕上げる。

干し柿を置いてみる。

私の事始め。

  靄ふかく明けて四日の静かな (坂田昌子)

木調磁器の皿朴材

木調磁器の皿2 - コピー

木調磁器の皿3 - コピー

木調磁器の皿4

木調磁器の皿5

木調干し柿と磁器の皿2

木調の干し柿17年4月
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初詣 ~清々しさを胸に~
- 2018/01/03(Wed) -
初詣181

穏やかな正月。
初詣は車で30分ほどの、宝剣、千畳敷カール、西駒を眺めるところにある名刹。

山門を潜り、光苔の石垣と杉並木を両脇にした石畳の参道を進む。
途中納所にて、昨年の破魔矢を納め、また新たに求める。
石段を上がり、大香炉に線香を供え無病息災を祈り、本尊を前に胸の奥にある思いを願う。
本堂を降りて、山から湧き出る小川からの延命水を口に含む。
寺に祀られる霊犬の墓を経て、三重塔の脇を下り、鐘楼で鐘を打つ。
境内の侘びた佇まいを眺めつつ、再び巨木聳える参道に出る。

一年に一回だけの心をリセットする清々しい時間と空間。
毎年のこととはいえ、毎年が新しい。

  願ふより謝すこと多き初詣   (千原叡子)

初詣182

初詣183

初詣184

初詣185

初詣186
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獅子頭 ~正月二日~
- 2018/01/02(Tue) -
獅子頭181

年賀状を読む。

私は昨年、来年からは欠礼する旨の言葉を添えて最後の年賀状とした。
しかし今年もまだ多くが届く。
中には、それを承知の上で「年賀状はもらってくださいね」とわざわざ手書きの文を書いて送ってくれる知人も。
申し訳ない気もする。

私のエンジンもだいぶ古くなってきた。
スピ-ドも出なくなったし荷物を積むパワーも弱くなってきている。
あちこちに目に見えてガタが出始めている。
それなら身の回りのことをだんだんに軽くするのが良い。
それはモノやコトだけでなく、ヒトとの関係においてもと。

怪我しないだけの少しの無理と小さな欲は携えながら、♪のんびり行こお~よ どおこ~までも♪。

  老しづかなるは二日も同じこと (高浜虚子)

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カキ(残り柿)  ~あらためて初心~
- 2018/01/01(Mon) -
雪と柿1712311

2107年の最後の日は雪が降りました。
朝は掛け軸を正月用の“豊穣春秋図”に替えました。
昼はBSテレビで“七人の“用心棒”“椿三十郎”などの黒澤明監督特集を楽しみました。
夜は教育でのんびり『第九』の“歓喜”です。
そしていつもの様にいつもの時間に寝ました。

元旦もまたいつもの様にすっきりとした早い目覚めです。

昨年は様々な「不都合な真実」を感じる年でもありました。
今年こそ明るく平和な年である事を願うばかりです。
私自身はあらためて「初心」と言う言葉を胸にしています。

皆様にとって幸せな一年でありますように。

   年立つやもとの愚がまた愚にかへる  (小林一茶)

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