ナデシコ(撫子) ~松を伐る~
- 2017/11/30(Thu) -
松伐採171

尉鶲がお尻を上下させながら澄んだ声を届けてくれている。
アオサギが大きな翼を広げて飛んで行く。
私はチェーンソーを持ち松を伐る。
長年傍にあっただけに申し訳ない気もしたが…。

淋しい小春の中に白撫子が一輪ある。

   撫子やそのかしこきに美しき   (広瀬惟然)


松伐採172

晩秋の撫子171

晩秋の庭171
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ヤマボウシ(山法師の紅葉) ~チェーンソーの修理~
- 2017/11/29(Wed) -
ヤマボウシ紅葉171

修理に出しておいたチェーンソーが返ってきた。
ついでに目立てもお願いしてあった。
エンジンを掛けてみる。
スムーズだ。
早速、柿の木に刃を向ける。
切れがいい。
さほど力も入らず根元からばっさり。
広がる桜の枝も切って、すっきりさせた。
楽に作業が捗る。
やはり道具は切れ味、日頃の手入れが肝心。
あと伐り倒す予定は松。
辛夷とナンジャモンジャノキは頭を抑える。
だんだんに木を減らすことにしている。

紅葉のヤマボウシ、これは残す。

   斧入れて香におどろくや冬木立 (与謝蕪村)

ヤマボウシ紅葉172

ヤマボウシ紅葉173
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キク(菊) ~新しい手帳~
- 2017/11/28(Tue) -
晩菊171

昨日新しい手帳を購入した。

何年もT書店定番の同じのを使ってきた。
今回はその定番の中から少し小さいサイズのに替えた。
生活スタイルが変わり、書き込むことも減ったのに伴う。

“2018年版1月始まり”と銘打つ手帳だが、実際のページは11月27日からスタートしている。
そう、昨日が書き込みできる初日。
早速以前の手帳にある12月分を新しい手帳に書き写して使い始めることにする。
 12月3日(日) 東京
・10:00 『驚異の超絶技巧展』 日本橋 三井記念美術館 
・12:00 『創作表現者展』 早稲田 ドラード和世陀
・14:00 『国際活動のススメ』(講演会) 上野 東京文化会館 
・16:00 懇親会
………

何であれ、新しいものを手に入れると、嬉しく楽しい気分になり、やる気が漲ったりするものだ。
また次の1年が終わる頃にはこの手帳にはどんな予定がどれだけ埋められていることになるか。

グラデーションのある薄色の菊が三輪咲いている。
花びらが汚れているのは先日の雨で土が跳ね返ったのだろう。
それはそれでまた情趣ある。

  晩菊は地に伏し易し起こしけり (安住敦)

晩菊172
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イロハカエデ(いろは楓) ~タイヤ交換~
- 2017/11/27(Mon) -
イロハカエデ170

紅葉のイロハカエデ。
枝によってその進み具合が違う。
下の方にはまだ緑の色も少し残る。
そしてだんだんに黄色や朱色に。
さらに濃くなった上の方はもう散り出すのも。

そんな横で冬用タイヤに履き替えた。
ラジオを聞きながらのんびりと。
3台すべて。
例年より1週間早い。
足腰に腕に痛みはない。
まだ自分でできると体力のあることを少し嬉しい。

秋もそろそろ終わりとなる。

  日々是好日、就中此日紅葉濃し  (中野三允)

イロハカエデ171

イロハカエデ172

イロハカエデ173
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ツワブキ(石蕗) ~それぞれの情景~
- 2017/11/26(Sun) -
石蕗171 - コピー

家の向かいに柿畑がある。
実が見事なまでに枝いっぱいなのだが。
収穫されないまま。
柿剥きの時期はとっくに過ぎてしまっている。

剪定に除草に何度もの消毒と、働く姿を今年も見てきた。
どうしたのだろう。

庭には石蕗の花。
花の中には虻たち。

その向こうに柿色が広がる。

  明るさのしばらく胸に石蕗の花  (深見けん二)

石蕗172

石蕗173

366.jpg
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秋景色 ~風景との無言の対話~
- 2017/11/25(Sat) -
秋景色89

時には何を求めずに静かな秋景色の中に身を置く。
そこに佇めば情感は濾過され、胸に入ってくるのは透き通った空気。

東山魁夷はその著『風景との対話』の中で次のように述べている。

絵になる場所を探すという気持ちを棄ててただ無心に眺めていると、相手の自然の方から私を描いてくれとささやきかけているような風景に出会う。
その何でもない情景が私の心をとらえ、私の足を止めさせ、私のスケッチブックを開かせる。
この一見、単純な出会いは偶然なのだろうか。
風景との無言の対話の中に、静かに自己の存在を確かめながら、こつこつと歩いていくという生き方は、今の複雑な高速度の時代の歩みからは外れているかもしれない。
しかし美を素朴な生の感動として見る単純な心を私は失いたくない。  

私も少し足を伸ばせば、“ささやきかけているような風景に出会う”。
そこに住むことができ、“風景との無言の対話の”できる幸せに私も感謝する。
そして、いつまでも“美を素朴な生の感動として見る単純な心を私は失いたくない”。

  晩秋の野の明るさを歩きけり  (前田震生)

秋景色90
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バラ(薔薇) ~雨があがって~
- 2017/11/24(Fri) -
秋薔薇2171

昨日のこと。

朝までの雨があがると、雲は徐々に消えていき、青空が広がった。
陽射しに誘われて外に出た。
ピンクの薔薇は冴えて五分咲きほどに。
その花びらにはところどころに雨粒が残る。
垂れる一つの粒の中には太陽が入って光を放射している。

せっかくなので、剪って部屋に招き入れる。
淋しかった間に落ち着いた色香が加わった。

  秋薔薇や彩を尽して艶ならず (松根東洋城)

秋薔薇2172
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ヒメシャラ(姫沙羅)~空澄み、木の葉そよぎ、音澄む~
- 2017/11/23(Thu) -
姫沙羅紅葉171

先日、久しぶりに光太郎の本を手に取った。
いつ読んでも彼の詩を私の心は受け入れる。
深い秋にはなおさら。

  秋の祈り  (高村光太郎)

 秋は喨喨と空に鳴り
 空は水色 鳥が飛び
 魂いななき
 清浄の水こころに流れ
 こころ眼をあけ
 童子となる

姫沙羅の紅葉も美しい。

  沙羅紅葉来世明るしとぞ思ふ  (後藤比奈夫)

姫沙羅紅葉172

姫沙羅紅葉173

姫沙羅紅葉174
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ダイコンン(大根)  ~今日はどう使うのだろう~
- 2017/11/22(Wed) -
大根2171

去年だったか、日本で一番食べられている野菜についてテレビの番組でやっていたのを記憶している。
その1位は大根だった。
たしかに料理に疎い私が思いつくだけでもブリ大根、おでん、切り干し、漬物、サラダなどなどと、幅広い。
うちでもよく食卓に上る。
昨日も2種類が出たが、どんな形であれ好きだ。

私は毎年時期をずらして何回かに分けて作付けする。

そしていつものように。
「大根を1本取ってきて~」
聞き分けの良い夫はすぐに返事する。
「わかった。葉はどうする?」
「付いたまま持ってきて~」

片手の軽い力ですっと抜ける。
洗って持って行く。
「10センチくらいせんつきしてね」
やさしい夫は言うことを素直に聞く。

11月も下旬、このところ氷点下の朝が続いている。
そろそろ全部抜かなくてはだろう。
天気を見て畑に穴を掘り、籾殻で覆って埋(い)けることにしよう。
こうすれば、凍ることもなく、使う分だけを少しずつ取り出すことができる。
先人が教える大根の冬保存。

  土が力ゆるめ大根抜けにけり  (黛執)

大根2172

大根2173
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キク(赤菊) ~星見草、霜見草…~
- 2017/11/21(Tue) -
赤い菊2171

花について、その名の由来や花言葉、そしてまつわることなどについて調べるのが好きだった。
日本の風景に馴染んでいる花が意外と外国原産だったりする。
逆に外国に持ち込まれ、そこで品種改良されて発展し、日本にもたらされたものがあったりして面白い。
“菊”について書を紐解いたのは8年前のちょうど今頃、次のように書き残してあった。

キクという音の響きには古くからの人々の生活との繋がりを感じさせる。
唱歌などでも広く歌われ、子どもたちにもなじみ深く親しまれてきた。
あるいは小説や絵の題材としてもよく取り上げられ、そうしたジャンルでも身近な存在である。
ところで菊はもともと日本固有の花と思っていたが、どうやら中国が原産のようだ。
たとえばある事典には、「万葉の時代には菊の言葉がなく、古今に入ってから見られるようになった」と記されている。
また“キク”は音読みで菊には訓読みがなく、本来の「匊」(キク)の音符に艸を加えた会意兼形声文字とあり驚いたり。
「多くの花をひとまとめにして、まるくにぎった形をした花」と『 漢字源』にはある。
「米」の字が書かれる「匊」は手の中に米をまるめてにぎったさまを表しているという。
その菊の異称に星見草、霜見草の名も見つける。
静かな夜にそんなことを調べてみたりするのも楽しい。

李の木の下、ひょろひょろ茎の上に赤い菊が咲いている。
何年も前から、晩秋になるとその姿を見せてくれ、いろいろを思い起こさせてくれる。

私にとってそれはずっと母の名の花である。

  わがいのち菊にむかひてしづかなる  (水原秋桜子)

赤い菊2172

赤い菊2173
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サンシュユ(秋珊瑚・山茱萸の実と冬芽) ~先の備え~
- 2017/11/20(Mon) -
山茱萸の黄葉171

座布団を暖色系の色柄に替えた。
隣の部屋のテーブルクロスとクッションも同様に。
絨毯はすでに2枚広げてある。
いつもに比べ少し早めの冬支度が進む。

テレビの雪の映像を見て、「1台だけでもタイヤを替えておく?」とやんわり促す声。
毎年、12月入ってからだんだんにするのが恒例だったが。
「次の日曜日にするか…」
3台まとめて一緒にしよう。

山茱萸にいくつか赤い実が残っている。
見れば枝には新たに小さな芽も。
ずっと先を見据え、静かにそっと次を育む木。

  冬木の芽ことば育ててゐるごとし (片山由美子)

山茱萸の実171

山茱萸の冬芽172

山茱萸の冬芽171
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オオモミジ(大紅葉)  ~一人紅葉狩り~
- 2017/11/19(Sun) -
オオモミジ171

窓の外には目を惹く鮮やかな秋の彩り。
揉みいずる葉の織り成す錦絵。
一人眺める。
感じる。
耽る。
しみじみと。
「大切な思い出」を拾うように、今年もまた4,5枚を本に挟む。

  このもよりかのも色よき紅葉哉 (与謝蕪村)

オオモミジ172

オオモミジ173
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バラ(秋薔薇・あきそうび) ~ものは壊れ人も…~
- 2017/11/18(Sat) -
秋薔薇171

チェーンソーが動かなくなった。
スタータノブを何度引いても始動しない。
ナンジャモンジャノキを伐ろうと思ったがやめた。
業者に修理を依頼した。
見た結果、部品が破損していて取り寄せになるという。

カメラが作動しなくなった。
電源が入らない。
バッテリーを充電して試みたが、まったくダメだ。
カメラ専門店に持って行った。
分解修理が必要でメーカーに送らなければ直らないという。

このごろいろいろなものが壊れる。
あるいは壊す。
身の回りにそんなことの連鎖。

形あるものはいつかは…。
心身は時が経てば必ず…。
そう、自分を見てよく分かる。

多くの木が葉を落とす中に赤い薔薇が咲く。
秋薔薇(あきそうび)、そのもの静かな思慮の姿。

  朝ごとに秋深くなる木草かな  (角川源義)

秋薔薇172
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ナンテン(白実南天)  ~偶然の再会~
- 2017/11/17(Fri) -
白実南天171

洗車のため行きつけのガソリンスタンドに立ち寄った。
「中でお待ちください」と言われ、休憩室の椅子に腰掛けた。
と、ガソリンを入れ終わった白い車からジーンズ姿のすらりとした女性が降りて早足で入ってきた。
そして私に近寄り、「〇〇…ですよね」と声をかける。
30半ば頃。
「わかります?」と。
2,3秒巡らせる。

「中藤さん?」
「そう。うれしい。覚えててくれて」
「その笑顔でわかった」
「さっき見た瞬間、多分そうだと思って急いで降りて来たの」
「ずいぶん久しぶり。懐かしい」
「仕事の途中です。隣の〇〇村に嫁に来て、そこに家を建てて暮らしています」
「もう子ども3人もがいるんですよ」

22年ほど前、私が県の最南端地に赴任していた際、借りていた住宅近くにその家族は住んでいた。
当時彼女は中学一年生だった。
いつもニコニコした明るくて愛らしい子だった。
それ以来の再会。
互いによくも間を置かずに思い出せたものである。
「皆さんはお元気?」
「ええ、兄も妹も家を出て、この近くで暮らしています」
「そうか、では揃って遊びにきてください」
「声をかけて、一緒に伺います」
住所と電話番号を書いて渡した。

「これからまだ仕事がありますから」
「必ず行きますね」と言って、にこやかにガソリンスタンドを出て行った。
それにしてもほんの1分でも違っていたなら逢えなかっただろうこの偶然。
おもしろいものである。
いつになるかは分からないが、その日を楽しみに待つとしよう。

白南天の実がなっている。
房のところどころが欠けているのは、毎日声を聞かせてくれる尉鶲かもしれない。

   歳月はいま急流や実南天 (北登猛)

白実南天172
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マンサク(満作の黄葉) ~喪中葉書が届く頃~
- 2017/11/16(Thu) -
マンサク黄葉171

喪中葉書が届いた。
見覚えのある筆字で宛名が書かれたあった。
裏を返せばやはり30年ほど前の上司からだった。
しかし、首を傾げた。
差出人が奥様との連名だったからだ。
挨拶文に目を通した。
亡くなられたのはご長男だった。
私より若かった。
余白に青いペンで「膵臓癌でした」と添えてあった。

庭の満作が葉を黄色く染めている。
ところどころには虫喰い穴がある。
春に向けて花芽が小さな顔を出している。

  黄落や或る悲しみの受話器置く (平畑静塔)
 
マンサク黄葉172

マンサク黄葉173

マンサク黄葉174

喪中葉書171
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イソギク(磯菊) ~秋冷の花と虫~
- 2017/11/15(Wed) -
磯菊2171

磯菊に虫たちが遊ぶ。
彼らは無心にしたいことをする。

今が一番。
前後裁断。
今に集中。

こんな小さな花でも口吻が挿す蜜は甘いのだろうか。

  身にしむやほろりとさめし庭の風  (室生犀星)
 
磯菊2172

磯菊2174

磯菊2173 - コピー
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ドウダンツツジ(灯台躑躅)  ~誰が私を…~
- 2017/11/14(Tue) -
ドウダンツツジ紅葉170

週間予報を見れば最低気温にマイナスの日も表れる。
去る秋と近づく冬。
隣り合う二つの季節。
見える聞こえる感じられることさまざまに。

新しい暦も届いた。
心持ちも穏やかな侘びから研ぎ澄ます張りへ。

ドウダンツツジは葉を深色に染める。

  晩秋の誰が私を暖める   (高澤晶子)

ドウダンツツジ紅葉171

ドウダンツツジ紅葉172

ドウダンツツジ紅葉173

ドウダンツツジ紅葉174
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クロ(柘榴の実) ~このあぢはひをたれとかたらん~
- 2017/11/13(Mon) -
石榴の実172

石榴の花が咲いたのは7月の初めだった。
紅一点の鮮やかな朱。
それからおよそ4ヶ月、花は実になった。

数日前に割れた。
果皮をYの字に三分割して。
中には瑞々しいルビーのような赤い粒。
蕊の数だけがそうなのだろう。

少しの酸味とやさしい甘味の実。

それを光太郎は木で彫り、次のように歌に詠み、そして智恵子が縫った白絹の袱紗に筆で認めた。
  ざくろの実ははなやかにしてやヽにがし このあぢはひをたれとかたらん
彼の「柘榴」は、常は智恵子のその愛と温もりの袱紗で包まれていたという。

私がそれを初めて見たのは昭和61年の5月、銀座のセントラル美術館『the光太郎・智恵子展』だった。
今年は私も木彫にする…、二人を追体験するというわけではないが。

   くれなゐの泪ぎつしりざくろの実  (和田知子)

石榴の実171

石榴の花171
                                   2017年7月6日
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イチョウ(銀杏落葉) ~迷うまま年月が過ぎ~
- 2017/11/12(Sun) -
銀杏黄葉177

昨日は風の強い日だった。
木々の葉が吹き散らされる。
銀杏も抗えず。

「銀杏の樹、伐ったら?」
そう家人に言われたのは三年前の落ち葉掃きをしていた時だった。
思案した。
一年延ばし、二年延ばし今日に至っている。
その間ギンナンはたくさん生った。
冬の、正月の料理に重宝であった。

そして今年、いつもの様に美しい黄葉姿の銀杏の樹。
眺めていて気がついた。
ギンナンを一つも見ることができない。
下にも落ちていない。
不思議だ。

甦る「伐ったら?」の声。
伐るべきか伐らざるべきか。
年明けに結論を出そう。

  黄葉して思慮ふかぶかと銀杏の木   (鷹羽狩行)

銀杏黄葉171

銀杏黄葉172

銀杏黄葉173

銀杏黄葉176
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サザンカ(朝倉山茶花) ~蕾から花へ 色も移り~
- 2017/11/11(Sat) -
朝倉170

庭の東には白い山茶花。
朝倉という名。
蕾は桃色。
開くにつれ、白い色が現れる。
ふんわりの八重の姿になると全体は白無垢。
それでも外側の花びらにはわずかに淡い桃色を残す。
ほんのり少女の色をわすれないかのように。
奥ゆかしい。
   
  山茶花に咲き後れたる白さあり  (宮田正和)

朝倉171

朝倉172

朝倉173

朝倉174
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ニシキギ(錦木の紅葉と実) ~葉と実をくれなゐに染める小春~
- 2017/11/10(Fri) -
錦木2171

錦木の紅葉は色鮮やかな赤でとても美しい。
なるほど“錦”を名に与えられるほどと、目を惹き付けられる。
古くから多くの人に賞美されてきたことも首肯ける。
青空を背景にするとそれはいっそうに際立ち映える。

ところどころに珊瑚のペンダントを思わせる光沢を持つ小さな実もある。
昔の若い人たちはそれを愛する人へのプレゼントしたのではないかと想像したりする。

葉も錦、実も錦。
私も小春を感傷の紅に染める。

   錦木の実もくれなゐに染るとは (後藤夜半)

錦木2172 - コピー

錦木2173


錦木の実171

錦木の実172
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カリン(花梨の実・榠櫨) ~「今年はどうしよう」~
- 2017/11/09(Thu) -
カリンの実171

艶やかで大きな黄色い実。
枝にへばりつくようにしてカリンが生る。
先の台風ではいくつもが落下した。
それを持ちこたえたものたちだ。

収穫したものは砂糖煮にする。
一瓶食べ終わればまた新たに作りと、春まで食卓に上った。

「今年はどうしよう」と言っている。
ごしたくなってきたのか…。

  おのが香を庭に放ちて榠櫨熟れ (金子伊昔紅)

カリンの実172

カリンの実173

カリン漬488
                              (2017年1月20日の砂糖漬)
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ベニシダレモミジ(紅枝垂)  ~鮮やかさと長閑な刻~
- 2017/11/08(Wed) -
紅枝垂171

紅枝垂も色鮮やかな紅葉を見せてくれている。
表から眺めるのはもちろんだが、裏から見る葉姿も趣があり、好きである。
前の葉が下の葉に影を重ねる様などはなおさらである。

一匹の小さな蛾が細く切れ込む葉に留まる。
そうしたところにも秋の長閑な刻を感じたりする。

徒然なるままに…と、したためたくも。

  かざす手のうら透き通るもみぢかな  (大伴大江丸)

紅枝垂172

紅枝垂174

紅枝垂173
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ヤツデ(八つ手) ~おだやかに冬立つ~
- 2017/11/07(Tue) -
ヤツデの花171

八つ手に白い花。
小さな花びらは反り返って5枚。
蕊はぐんと外に突き出して5本。
その中では虻が遊ぶ

光沢のある青々とした大きな天狗の団扇。
一緒に花瓶に挿す。

今日は立冬。
暦は厳しい季節への備えと心積もりを促す。

   さかんなる八ツ手の花のうすみどり (星野立子)

ヤツデの花172

ヤツデの花173

ヤツデの花174

ヤツデの花175
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キイロヤマボウシ(黄色山法師の実) ~控え目な甘味~
- 2017/11/06(Mon) -
黄色山法師の実174

黄色山法師の実が落ちている。
大きいのはピンポン球くらい。
小さいのはウズラの卵くらい。
見上げる木にはまだいくつも。

皮を剥いて食べた。
米粒くらいの種が数個入っている。
果肉には少しの粘りがある。
控え目な甘味だ。
素朴で野山を感じさせる。

子どもの頃もよくいろいろな木の実を採って食べた。
木に登ったり、石垣の上からだったり。
環境も変わり、その時とはものは違っているが今も同じように楽しむ。

  よろこべばしきりに落つる木の実かな  (富安風生)

黄色ヤマボウシの実171

黄色ヤマボウシの実172

黄色ヤマボウシの実173
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ハナノキ(花の木) ~色もみ出づる~
- 2017/11/05(Sun) -
ハナノキ171

庭の花の木も紅葉してきました。
まだ少しオレンジが多いですが、この先赤く染まっていくでのしょう。

前回の台風でだいぶ散ってしまいました。
でも残る葉はいつもの様に色を揉み出してくれています。
虫食いのもありますが、それはそれでの趣です。

毎年、数枚を採って本に挟みます。
意味はありません。
ただそうしたいのです。
そうする自分でありたいのです。

   手に拾ふまでの紅葉の美しき (和田順子)

ハナノキ172

ハナノキ173

ハナノキ174
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タカノハススキ(鷹の羽薄) ~おお~い、いるかな~
- 2017/11/04(Sat) -
シナノゴールド171

昼食中だった。
「おお~い、いるかな」
ドアを開けて声を掛けてくれたのはニッカポッカ姿の小松さん。
大工兼林檎農家だ。
「ちょっとばかしキズ林檎だけど」
レジ袋には黄色い林檎が入っていた。
「シナノゴールドですか?」
「そうな、そこらべったり畑の上が黄色いざまさ。拾う気にもならんでほったらかしね」
シナノゴールドは秋映、シナノスイートと合わせ、最近評判となっている信州リンゴ3兄弟の末っ子である。
先日の台風でだいぶ落下したらしい。
少しのキズでも出荷規制をせざるを得ないのだという。
もったいない話である。

「あがってお茶を飲んでいってください」
「だめな、これからフウチャンと松茸を採りにいくんな」
「えっ、11月でも出るんですか?」
「わからんけどな、今年はまだ4本しかとっておらんもんで、しゃくな。そんじゃ」
いつものようにそくそくと踵を返し、軽トラを走らせた。

毎年15,6本は採るという。
私もそのお裾分けに預かることがある。
成果があるといいが。

鷹の羽薄が穂を揺らしている秋の昼下がり。

  さよならに応へて風の薄かな   (西上十美)

タカノハススキ2171

タカノハススキ2172
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マユミ(真弓の実) ~文化の日に~
- 2017/11/03(Fri) -
マユミの実171

真弓に薄いピンクの実。
くす玉のように割れて、中から艶々の赤い仮種皮。
ほんわか。

秋、木々がそれぞれの色と形の実を結ぶ。

毎日のほほんの私。

心を耕し、豊かな畑作りをしなくては…。

   しんじつを籠めてくれなゐ真弓の実 (後藤比奈夫)

マユミの実172

マユミの実173
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キク(赤菊) ~霜の季節~
- 2017/11/02(Thu) -
赤菊172

霜が降りました。
また季節は進んで次の景色を映します。
そんな移ろいがうれしくなります。

朝陽が、覆った白を少しずつ溶かしていきます。
赤い菊に乗っていたのも小さな水滴に変わりました。

霜月は満ち来る前の十三夜のようです。

 来るるもの来しと初霜垣間見る (石 昌子)

赤菊173

赤菊174

赤菊171
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ハヤトウリ(隼人瓜) ~気がつけば十一月~
- 2017/11/01(Wed) -
隼人瓜171

隼人瓜を植えてからおよそ半年。
実は拳よりも一回り以上の大きさになった。
見ればまだ小指の先よりも小さなのもたくさん。
花の中ではアリたちが遊んでいる。

まずは数個を取る。
甘酢漬けにする。
コリコリとしたその歯ごたえ。
毎日でもいい。

  今日といふ十一月の得難き日  (稲畑汀子)

隼人瓜172

隼人瓜173

隼人瓜174
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