イソギク(磯菊) ~山里に咲く海辺の花~
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- 2017/10/31(Tue) -
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![]() 磯菊は小さな黄色い花。 やや厚めの葉は縁辺を白く囲む。 本来は海岸近くに自生するという。 それがここ山国の片田舎に根を下ろして10数年。 あなたの故郷は温暖な潮風の町。 思えばひとり家族と離れてはるか遠くの地。 黙々と異土でその生を育む。 ええ、はい、そうですねと呟く私。 秋日和郷愁誘う磯の花 (あや) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
キク(黄菊) ~花があり花にある~
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- 2017/10/26(Thu) -
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![]() 黄菊も開く。 そこに何年もある。 まわりに染まり、だんだん野性味を帯びて。 部屋に花がある穏やか。 てきとうに切って、好きなように挿す。 できるだけ欠かさずに。 好きな言葉、“花有情”。 黄菊とは蕊に籠れる黄なりけり (久米三汀) ![]() ![]() ![]() |
コムラサキ(小紫) ~雪の便り~
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- 2017/10/25(Wed) -
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![]() 少し前に仙丈や塩見など、南アルプスに初冠雪があった。 そして昨日は志賀高原からも雪の便り。 空気の冷えが一段と進む。 じきに冬鳥たちもやってくるに違いない。 コムラサキが鮮やかな実を付けている。 この撓む枝に愛らしいジョウビタキの乗る姿が見られるのも近いはず。 冷たしや式部の名持つ実のむらさき (長谷川かな女) ![]() ![]() |
ベンケイソウ(弁慶草) ~強者の名を~
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- 2017/10/23(Mon) -
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キブネギク(貴船菊・秋明菊) ~冷たい雨~
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- 2017/10/20(Fri) -
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![]() 冷たい雨。 美しい秋だというのに。 感傷の秋だというのに。 心をも体をも震えさせるほど。 一体全体、どうなっているのだろう。 傘を差し、雨に濡れる貴船菊の傍で腰を屈めた。 手が冷たい。 脚が冷えた。 暖房を入れた。 がまんできそうもなかった。 おもざしの思ひ出だせず貴船菊 (飯名陽子) ![]() ![]() |
ノギク(野菊) ~野菊の頃~
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- 2017/10/18(Wed) -
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![]() 野菊も咲く頃となりました。 それぞれに名前があって、「野菊」と一括りしてはいけませんが。 でもいろいろな意味において「野菊」のほうが、情緒的な深さがある気がします。 「野菊が好きだって…」 「野菊のような人だ…」 飾らず、純朴で。 しがらみに少し浪たつ野菊かな (篠田悌二郎) ![]() ![]() ![]() |
アキチョウジ(白花秋丁字) ~秋雨は~
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- 2017/10/17(Tue) -
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![]() 雨が降り続き、麗かな秋はどこかへ姿を隠している。 気温も急激に下がり、暦が一気に進んだように肌寒い。 傘を差して庭へ。 濡れる白いアキチョウジ。 細い茎に小さな花が並んでぶら下がる。 粒の中に映る周りの雨景色。 花言葉には「秘めやかな思い」。 秋雨は無声映画のやうに降る (仁平勝) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
ミゾソバ(溝蕎麦) ~すべて刈り取る~
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- 2017/10/15(Sun) -
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![]() 艶々とした磁器のような透明感のある小さな花。 一面の溝蕎麦。 その中で蜂や蝶たちが無心に遊んでいる。 のどか。 いい光景。 腰を下ろして見ていたい気にもなる…が。 私は草払い機のエンジン音を響かせてそのすべてを刈り取った。 みぞそばの信濃の水の香なりけり (草間時彦) ![]() ![]() ![]() |
シュウメイギク(秋明菊) ~秋風の中のひとひらの時間~
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- 2017/10/12(Thu) -
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![]() 長い茎のその上にふんわりとやさしい白い花。 秋風に誘われてその顔をひらひらりと右に左に。 あどけない丸顔の蕾もゆらゆらゆらり上に下に。 「秋の明るい菊」を「秋の心」で見る秋風時間。 秋色を観ろや歌えや人想えや (あや) ![]() ![]() ![]() ![]() |
カキ(富有柿) ~秋色の実り~
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- 2017/10/11(Wed) -
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![]() 柿が朱を増し、枝をしならせている。 秋の風情、秋の色だ。 そろそろ良さそう。 少し前から家人はせかせていた。 濃いのを三つ四つ採ってみた。 一つを割って剥く。 甘味は乗っている。 十分だ。 すべての収穫を今度の日曜日にしよう。 朝の柿潮のごとく朱が満ち来 (加藤楸邨) ![]() ![]() ![]() |
ハマギク(浜菊) ~海辺がふるさと~
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- 2017/10/09(Mon) -
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![]() 朝の空気が気持ちいい。 雉鳩が庭に下りてきて尻を振りながら歩いている。 柿の葉が地面にカサカサと音を立てて落ちる。 朝陽が浜菊に差す。 「私の故郷は海辺」だとその名は示す。 そして「私は今、秋の信州で咲く」と。 思えば遠くへ。 浜菊の咲くや遅々たる浦の秋 (小杉余子) ![]() ![]() ![]() |
キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草) ~上臈という名のおくゆかしさ~
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- 2017/10/07(Sat) -
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![]() キイジョウロウホトトギスが咲きだす。 花茎はいくつもの黄色い花を乗せて撓む。 それは地面に着くまでになったりも。 覗く中には小さな透明のつぶつぶ。 “上臈”を名に持つこの花に逢えるのは秋が深まり行くこの時期。 なんとなく人恋しくて杜鵑草 (寺田すず江) ![]() ![]() ![]() ![]() |
マリーゴールド(marigold) ~しのびよる秋~
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- 2017/10/04(Wed) -
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![]() マリーゴールドが咲いてからもう長い。 独特の強い香りがする。 セセリチョウが遊んでいる。 片付けるのはもう少し後にしよう。 着る服もアースカラーというか、ナチュラル系のが多くなった。 秋しのびよる金箔をおくごとく (千代田葛彦) ![]() ![]() ![]() |