シャクヤク(芍薬) ~5ヶ月が過ぎ…~
- 2017/05/31(Wed) -
シャクヤク171

赤い芍薬と白い芍薬。
やわらかな花びらにともに黄色の蕊。

顔佳草(かおよぐさ)という名もあると。
そんな趣の美しさ。

ただただと1年の5ヶ月が過ぎる。

 芍薬の心なかなかに見えざりき  (雨村敏子)

シャクヤク172

シャクヤク173

赤シャクヤク171
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セッコク(石斛) ~木の股がいい~
- 2017/05/31(Wed) -
石斛171

石斛は着生ラン、根で木をしっかりつかんで育つ。

あるのは李の幹が別れる股の上。
春夏秋冬、そこが1年を通しての居場所。

丁度今咲き時。
薄紅色の小さな花。

 木の股に石斛の花はそこが好き (あや)

石斛172

石斛173
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ジャーマンアイリス(German iris・ドイツ文目) ~色比べ~
- 2017/05/30(Tue) -
ジャーマンアイリス170

ジャーマンアイリスは日本のアヤメ科の花に比べると彩りが豊かである。
花びらもモノカラーであったり、ツートンだったり、グラデ―ション、斑入りなど多彩なバリエーション。
そしてどれもが大きい。
今、それぞれが姿を競うように咲いている。
この先、花はさらに色数を増して華やぐ。

  アイリスを見ゆる一眼にて愛す (日野草城)

ジャーマンアイリス171

ジャーマンアイリス172

ジャーマンアイリス178

ジャーマンアイリス176

ジャーマンアイリス173

ジャーマンアイリス174

ジャーマンアイリス175

ジャーマンアイリス177

ジャーマンアイリス1712

ジャーマンアイリス179

ジャーマンアイリス1710




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ヤエオダマキ (八重苧環) ~「蝉が鳴いた」~
- 2017/05/30(Tue) -
八重苧環171

「蝉が鳴いていたの聞こえた?」
「やはり蝉だったのね。そうかなと思った」
「こんな早く鳴いたのは初めてじゃないかな」
「まだ5月だというのにね」

それは昨日のことだった。
ジージージーとそれとはっきり分かる響き。
声のしたのは李の木のあたり。
いよいよ蝉たちも出番。

庭には青い八重苧環も。

  蝉のこゑ加はりて森新鮮に  (横田泉)

八重苧環172

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ヤマボウシ(山法師) ~やわらかに反る~
- 2017/05/29(Mon) -
ヤマボウシ170

ヤマボウシの白い花が数日前から咲く。

4枚の花びら(実は総苞)はうねるようにしてその先を少しとがらせる。
中央の丸いかたまりが本来の花らしい。

風にひらひらり。
その揺れるさまが涼やかさを感じさせる。

その上を燕が颯爽と抜けていく。

   風音を過客と聞けり山法師  (鈴木鷹夫)

ヤマボウシ171

ヤマボウシ172

ヤマボウシ173
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オオタツナミソウ (大立浪草) ~今年も届く通知~
- 2017/05/29(Mon) -
オオタツナミソウ171

往復葉書で「○○会のお知らせ」が届いた。
同じ年度に同じ職に就いた仲間の同期会である。
日はその年の幹事任せで、5月だったり秋冬の時も。
今年は7月7日だという。
年に一回の再会ということで、七夕を意識したのかもしれない。
それぞれの変容や近況を楽しみにしつつ、出席の旨返信した。

三人ずつの回り番で幹事をしていて、私は昨年終えた。
順番を数えると次はだいぶ先になるが、はたしてその頃には…。

青紫の花はオオタツナミソウ。
人が踊るような形が面白い。

  岩ヶ根の立浪草に雨あらく  (林紫楊桐)
 
オオタツナミソウ172

オオタツナミソウ173
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マユミ(檀・真弓) ~小さくても花は花~
- 2017/05/29(Mon) -
檀の花171

真弓の木に淡い黄緑色の花。
花というにはその4弁の花びらはあまりにも小さい。
緑葉に紛れ、そこに花がある事さえ見逃しそうである。

香りや色や形や大きさに華のある花。
対し、こうしてひっそり目立たずの地味な花。
“みんなちがってみんないい”
それぞれに意味ある存在。

そういえば昔、「真弓」という名の女生徒がいた。
何十年も過ぎて、今でも顔を覚えている。

   花まゆみ女人の私語の語尾弾み  (大石悦子)

檀の花172

檀の花173
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キショウブ (黄菖蒲) ~和の趣だが~
- 2017/05/28(Sun) -
黄菖蒲672

黄菖蒲も咲く。
一日花で、次々に替わって咲く。
緑の葉とのコントラストが美しい。
絵のモチーフにもなりそうな和の趣を思わせるが、実は外来種。
ひじょうに繁殖力が強い。
できるだけ増えないように、新たな株は抜くようにしている。
他への影響から、致し方ない。

なにごともそれぞれが立ち行く形こそ大事。

  風の声と光の中の黄菖蒲かな (あや)


黄菖蒲666

黄菖蒲648
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ナシ(梨) ~花付けから一月が過ぎ~
- 2017/05/28(Sun) -
梨の摘果171

梨の花付け(受粉作業)をしたのは4月下旬。
それから約一月が過ぎ、木には葉も茂り、白い可憐な花は姿を小さな丸い実に変えた。
摘果をする。
かたまる数個の中から、形や大きさを見極めて一つを選び、他を摘みとる。
栄養をそれに集中させることで、膨らみ、大きさを増し、良質の果実となる。

幸水、豊水、二十世紀の3本の細い苗木を植えたのは18年ほど前だったか。
今では素人栽培ではあるが、それなりの収穫を得られるようになった。
“蒔かぬ種は生えぬ”ではないが、木も植えればいずれ実りを結ぶものである。

この先は虫や病気との闘いであるが、私は消毒をしない。
農薬を使わず、土の力、木の生命力、自然の力にまかせている。
時々見ては可能な限り手で処理する。
こうして楽しみながら、秋の実りを待つ。

夏も近づく。

   夏めくや庭土昼の日をはじき  (星野立子) 

梨の花20170426

梨の摘果172

梨の摘果173
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ナンジャモンジャノキ(ヒトツバタゴ)  ~この樹は?~
- 2017/05/27(Sat) -
ナンジャモンジャノキ170

白い花で覆われるのはナンジャモンジャノキ。
今年もまた目を楽しませてくれる。
目を近づければ、花は4枚の深く切れ込んだ細くてやわらかな花びら。
一つひとつは地味だが清爽感がある。
ヒトツバタゴが本来の名だが、ナンジャモンジャノキの方が一般的には通っている。

道行く人からその名を尋ねられ、「ナンジャモンジャノキ」ですと言ったときのその「?」の反応…。
まさにナンジャモンジャの顔。

ところで、「生まれは甲州鶯宿峠に立っているなんじゃもんじゃの股からですよ」と詠ったのは歌人山崎方代だった。
3坪ほどの小屋に住み、一生独身で定職も持たなかった彼の生き方は“こんなもんじゃ”。

  郭公の鳴くをし聞けばしなのなる (山口青邨)

ナンジャモンジャノキ171

ナンジャモンジャノキ172

ナンジャモンジャノキ173

山崎方代171
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ヤエカラマツソウ(八重唐松草) ~チョットコ~イ~
- 2017/05/27(Sat) -
八重唐松草171

早朝から大きな声がら聞こえてくる。
「チョットコーイ、チョットコーイ」と。
その主は小綬鶏。
ついつい「ハイハイ、ワカッタワカッタ」と応えたくにもなる。
五月下旬、いろいろな鳥のさえずりが耳に届く。
リズム、高さ、長さも様々に。

そんな声が響く下で顔を出すのは小さな八重唐松草。

  小綬鶏鳴き万嶽に朝の日あふれ   (村山古郷)
 
八重唐松草172
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ビバーナム・スノーボール(西洋手毬肝木) ~言葉のやりとり~
- 2017/05/26(Fri) -
ビバーナム171

「サラダ菜、取ってきて」
「何枚?」
「8枚」
「どれを?」
「色合いをてきとうに混ぜて」

朝や夕前、こうした声のやりとり。
4種類のリーフレタスを20株ほど植えてある。
ボウルに外葉の大きなものからちぎる。

取ってすぐのサラダ。
生野菜が好きな私は嬉しい。
二人で、育てると作るを棲み分けて。

山茱萸の下で咲くのはビバーナム・スノーボール。
逆光が作る陰影がまたいい。

  たらたらと老いのふり出す新茶かな  (村上鬼城) 

ビバーナム174

ビバーナム173

ビバーナム172


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サクランボ(桜ん坊・桜桃)  ~連敗から脱出~
- 2017/05/25(Thu) -
サクランボ171

ここ数年の連敗からなんとか脱出できた。
相手は、不意を突く貪欲な鵯とじわじわ責め立てる“山の神”。
実るサクランボの収穫を廻って繰り広げられるバトルの事である。

赤くなってきたなあと眺め、もう少し熟すのを待とうと、一日二日おけば、それはすべて鵯のものとなってしまう。
そして神様は、実のすっかりなくなった木を見てはきつい言葉を発する。
「ネットをかけないからよ」「鵯のために育てているようなものよね」「今年もダメかあ。食べた~い」
録画の映像が再生されるように、こうしたことが毎年繰り返されていたのである。

そしてまた、その時がやってきた。

昨日、朝早くから鵯の賑やかな声。
これはいけない。
先手を打たなくては。
外に出てみれば、今年は鵯に加え、椋鳥までもが啄んでいる。
とにかく急いで取れるだけ取る。
高く手の届かないところは無理しない。
色の濃さで選り分けなどせずにひたすらに。
ところどころは枝を切る。
1時間弱、なんとか速攻で全体の2割(?)程度を。
久しぶりの勝利。
で、あとは彼らに。

「サクランボ、取ってきたよ」
「わあ、こんなたくさんのは何年ぶりかしら」
「高いところのはやめにした」
「落ちると困るし、これで十分」
今年は、カミサマからのいつもの嫌みや皮肉はない。
ここも完勝。

爽やか気分。
ほくそ笑む。

   幸せのぎゆうぎゆう詰めやさくらんぼ  (嶋田麻紀)

サクランボ172

サクランボ173

サクランボ174

サクランボ175
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エビネ(蝦根・海老根・化偸草) ~体調の変化~
- 2017/05/25(Thu) -
海老根1721

ひと月ほど前から体重が2㎏ほど減り、なかなか元に戻らない。
日常生活も普通だし、食欲もこれまで通りに十分ある。
どこも悪くも痛みもなく、体調にも何ら変化はない。
よく眠れるし、目覚めもいい。
原因がよく分からない。

体は軽いし、様々な活動や畑の作業などもスムーズに行えている。
考えられるのは加齢による身体機能の衰えや新陳代謝の低下に因るものか。
以前のズボンがはけるようになったといういいこともある。
とりあえずしばらくはこのまま経過観察。

またエビネが咲く。
種類によって開花の時期にだいぶ幅があるようだ。

  杉山に燭をかかげて海老根咲く  (青柳志解樹)
  
海老根1722

海老根1723
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セイヨウシャクナゲ(西洋石楠花) ~水遣りしないと~
- 2017/05/24(Wed) -
西洋石楠花1723

まだ5月だというのに、真夏のような高温の日が続く。

今のこの時期、およそ朝5時半に私は外にいる。
それより少し早い時もある。
こうして毎日、花と野菜の水遣りからスタートする。

ラジオやテレビが水分をこまめに摂るようにと呼びかける。
この天気では花や野菜も同様に灼けて乾く。
暑さに強いはずの向日葵が3本萎れてしまった。
キュウリも元気なく、葉がだらりんとしている。
オクラはダメのようだ。

気温が上昇する前の涼しい時間にできるだけすませる。
もちろん作業しながら、水分補給は欠かさない。
私は常にマグボトルにお茶を入れて共にしている。

こんな暑さの中でもしっかりの花姿は西洋石楠花。
強い陽射しに対応できる強い花だ。
もちろん、この根元をもたっぷり潤す。

  石楠花や朝の大気は高嶺より  (渡辺水巴)

西洋石楠花1721

西洋石楠花1724
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ツルコザクラ(蔓小桜 ) ~大きな毛虫がいた~
- 2017/05/24(Wed) -
ツルコザクラ170

庭を茶色い毛に覆われた大きなクマケムシがのそのそ歩いていた。
まさに毛の集まりの虫といった感じの形態。
そのまま、梔子の根元に入って消えた。

さまざまな虫たちも動く。
困りもするが。

桜色の小さな花が広がる。
ツルコザクラは毎年夏が近づくころに咲く。

  毛虫たるかぎりに迅さとぞおもふ  (飯島晴子)

ツルコザクラ171

ツルコザクラ173

ツルコザクラ174
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カキツバタ(杜若) ~書付け花~
- 2017/05/23(Tue) -
カキツバタ170

妻への深い愛を込めて詠んだ古人の「かきつばた」の歌に借りて、私も以前遊んだことがある。

  か(風)ぜは五月
  き(木)ぎのみどりに
  つ(包)つまれし
  は(花)なはむらさき
  た(誰)れおもう

カキツバタの名は花で衣を染めたことに由来する書付け花から転訛したものだという。
今、風知草と青楓に挟まれて咲く。

  燕子花高きところを風が吹き   (児玉輝代)

カキツバタ171

カキツバタ172
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オーニソガラム(Ornithogalum・オオアマナ) ~ことのはとかがみ~
- 2017/05/23(Tue) -
オーニソガラム170 - コピー

人を傷つける言葉、詭弁、こじつけ、自己弁護、誹謗、差別…。

かがみの向こうの自分はどうなのか。
「人の振り見て我が振り直せ」のことわざ。
加えて「人の言葉聞いて我が言葉直せ」と。

星形の花はオーニソガラム。
清楚な純白。

  木洩れ日と五月の風とコンサート   (鏡山千恵子)

オーニソガラム171

オーニソガラム172

オーニソガラム173

オーニソガラム174
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コデマリ(小手毬・団子花・小粉団の花) ~風吹けば~
- 2017/05/22(Mon) -
コデマリ171

コデマリの花は白い小花が集まって球状となる。
その名に小手毬・団子花・小粉団などの字が充てられている。
その見立てにどれもがなるほどと思う。

風が吹けば花を乗せてしなる枝は上下にしなやかに揺れる。

五月も半ば過ぎ、なお時鳥の声が耳に届く長閑。

  こでまりのたのしき枝のゆれどほし (轡田 進)

コデマリ172

コデマリ173

コデマリ170
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ニシキギ(錦木) ~錦木の枝は室町の昔、恋文代わりだったという~
- 2017/05/22(Mon) -
ニシキギ170

葉に紛れるようにして錦木の花が咲いている。
1㎝にも満たない小さな花だ。
薄黄緑の花びらは4枚。
横を通る誰からも気づかれそうもない花である。
ひっそりと、目立たずに。

錦木の枝は室町の昔、恋文代わりだったと以前読んだことがある。
人によっては想いを深くする木でもあったようである。

   錦木のいつしかに散る花ならん (川瀬カヨ子)

ニシキギ171

ニシキギ172

ニシキギ173
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エクスバリーアザレア(西洋ツツジ) ~和と洋のコラボ~
- 2017/05/21(Sun) -
エクスバリュー171

鮮やかな朱色の花はエクスバリーアザレア。
去年は元気なかったが、だいぶ樹勢が回復してきた。

隣のアヤメとコラボ。
青紫と朱、和と洋。
なかなかいい。

今日も暑い。

  眦につつじの色のかたまれる (上野泰)


エクスバリュー172

エクスバリュー173

エクスバリュー174
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フウリンオダマキ(風鈴苧環) ~暑い中を来て下さった~
- 2017/05/21(Sun) -
風鈴オダマキ775

叔父が来て下った。

先日、「持っていきたいものがあるから」と電話があった。
「私の方で伺います」というと、「たまには外に出ないと、却って体にも良くないから」と返事された。
最近、高齢者の重大な交通事故(特に加害者として)がニュースとなる。
叔父はもう80も後半、片道40分の車の運転が心配になる。
しかし、出かけるのを楽しみにしている様子に、「わかりました」と。

持ってきてくださったのはルリタマアザミの実生の株だった。
「お宅にはなかったんだよな」と。
二年前にその切り花を持ってきてくださった時、初めて見た私が「きれい」だと言ったのを覚えてくださっていた。
そんな気持ちをありがたく、大事に育てる。

「月見草もそろそろ咲くかな」
今丁度蕾を付け始めているそれも、3年前に叔父が持ってきてくれたものだった。
この1週間のうちには咲いてくれるはず。

そんなこんなの会話をして1時間ほど、「そろそろ」と言って腰を上げる。

「だいぶ腰も曲がってきてな」と、外出には常に杖を頼りにするようになった叔父。
手を添える。

車が出た後、薔薇の端に場所を決め、すぐに植えた。

李の下では風鈴苧環が咲いている。
叔父も山野草が好きである。

   苧環や木曾路は水の音の中   (蟇目良雨)

風鈴オダマキ770
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カリン(花梨) ~巣は除去する~
- 2017/05/21(Sun) -
カリンの花171

椿の木の周りを一匹のアシナガバチがゆっくり飛んでいた。
気温の上昇とともに蜂の活動も活発になり始める。

テラス屋根の桟に止まった。
見ると、巣があった。
巣作り最中の女王蜂だったようだ。
巣はまだ3㎝ほどの径で小さい。

そこは日常頻繁に通る所。
過去には、1年に2度も刺されたこともある。
せっせと子育ての場を築く彼女には申し訳ないが、安全のため取る。
巣の除去はだいぶうまくなった。

カリンに一輪の胴吹き花が咲いている。
枝を賑わせていた他の花たちはとっくに散ってしまったのに。
なぜ今頃なんだろう。

  蜂の巣に気附かぬふりをして通る  (京極高忠)

アシナガバチ女王
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キバナクリンソウ(黄花九輪草) ~木漏れ日を浴びて~
- 2017/05/20(Sat) -
クリンソウ171

真夏を思わせる汗ばむ陽気。
ホームセンターへ行けば半袖半ズボン姿も。

車は冷房。
外出には帽子。

夏服を出す。
掛け布団を替える。

木陰が気持ちいい。
黄花九輪草に木漏れ日があたる。

  九輪草四五輪草でしまひけり  (小林一茶)

クリンソウ172
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ツクバネウツギ(衝羽根空木) ~朝から聞こえるのは~
- 2017/05/20(Sat) -
衝羽根空木171

このところ朝からよく聞こえるのはデデポッポー、デデポッポ―。
雄の雉鳩の太い平和なさえずり。
庭をのんびり歩いているところを見ると、どうやら近くで巣作りしているのかもしれない。
去年一昨年と続けて山茱萸の木の上だった。
今年はどの木を選ぶのだろう。

花の中に蜜柑色の網目模様を付けた衝羽根空木が咲く。
花の元にある形が衝羽根に似ていることからの名だという。

  山に鳥多くなりたる皐月かな  (滝沢伊代次)

衝羽根空木172

衝羽根空木173

衝羽根空木174
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アヤメ(菖蒲・文目・綾目) ~それは…~
- 2017/05/19(Fri) -
アヤメ170

あやめ。
あやめ。あやめ。

すっと真っ直ぐに伸びる茎。
その先に青紫の花。
隣同士で咲き競うかのように。
不揃いの高さは上下にリズムを作る。

たとえばどこかで見た記憶の中の日本画。
あるいは手描きされた着物の絵柄。
それは和の美。
そしてそれは彩女(あやめ)、艶女(あやめ)。

  衣ぬぎし闇のあなたにあやめ咲く   (桂 信子)

アヤメ171

アヤメ172

アヤメ173

アヤメ174
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ネギ(葱坊主・葱の花) ~見る楽しみもあるが…~
- 2017/05/19(Fri) -
葱170

丸い形の花がある。
虫たちがさかんにやってくる。
匂いに誘われて?
味?
それはたくさんの小さな花が集まってできた葱坊主。
揃って並ぶ立ち姿はなかなかのもの。
でもこれもきょうでお終い。
みんな取る。
楽しむ虫たちには悪いが。

  数群れて遊びを知らず葱坊主   (鈴木淑生)

葱171

葱172

葱173

葱174
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ヒョウタンボク(瓢箪木) ~名前が面白い~
- 2017/05/18(Thu) -
瓢箪木174 - コピー

山茱萸の下で咲いているのは瓢箪木の花です。
濃赤色の細い5枚の花びらにやはり5本の黄色い蕊が伸びます。
それは夏になると、大小二つの丸い形がくっついたような赤い実がなります。
それが瓢箪のように見えるんです。
で、名前が瓢箪木ということです。
面白いですね。

  君の瞳にみづうみ見ゆる五月かな   (木下夕爾)  

瓢箪木173

瓢箪木171
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ツツジ(躑躅) ~「蕗を持ちに来て」~
- 2017/05/18(Thu) -
白躑躅173

「蕗を皮を剥いて煮てあるので、持ちに来て」と義姉から電話。
「すぐに行きます」
車を走らせてで5分ほど。
レジ袋に入れて用意してあった。

軽トラがないので尋ねる。
「これからは畑も、少しずつやめていくつもり。だから車はもう2台もいらないかと思って」

わかる。
一人住まいだし。
必要なものを必要なだけにして、生活を軽く、コンパクトにしていく。


「また、お茶にお出かけください」
「そうね、近いうちに」

白い躑躅が咲く。
ところどころにピンクの模様が不規則に入り、それがそれぞれの花のポイントとなっていい感じだ。

  花びらのうすしと思ふ白つつじ  (高野素十)

白躑躅172

白躑躅171
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ブルーベリー(blueberry) ~こぼれる笑み~
- 2017/05/17(Wed) -
ブルーベリー170

鐘状の小さな花がたくさん。
見れば自然にこぼれる笑み。
それはブルーベリーの花だから。
ほら、白い花の付け根はすでにあの青い色になっている。

  木々の色木々の香の満ちる中にいる  (あや)

ブルーベリー171

ブルーベリー172

ブルーベリー173
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サツキ(皐月) ~突然のことを受け入れられず~
- 2017/05/17(Wed) -
サツキ171

義理の叔母を見舞いに行った。

高齢で一人暮らしだった。
春先に風邪をこじらせたといって、受診のため近くの病院に行った。
そこで倒れた。
脳梗塞だったという。

病院の中でよかった。
もし家だったら、そのまま動けず、誰にも知られなかったかもしれない。
卽入院ということになった。

すぐに見舞いをと思ったが、諏訪に住む娘さんによると、今はだめということだった。
それは病状に因るものでなく、叔母自身の気持ちからだった。
話せず、歩けずになったそんな姿を見せたくないということだ。
それまで何もかもすべてを一人でこなしてきた気丈な叔母、その現実を受け入れられないのだ。

待つことにした。
そして、「気持ちが落ち着いたようですのでもう大丈夫です」と。
入院してからすでに三ヶ月以上が経つ。

ちょうどリハビリの最中だった。
あのふくよかな叔母の顔は半分ほどの大きさになっていた。
それは入れ歯がなくなっていたこともあるかもしれないが、明るく元気なしゃきしゃきの姿からはあまりにも変わっていた。

私たち二人の顔はすぐに分かったようだ。
わずかに動く目で見つめて頷く。
それは嬉しさと悲しみが入り交じった表情にも見えた。
こちらの話していることはほとんど理解している。

あまり、時間を取ってはいけないので、お暇することを伝える。
すると、叔母の目が潤んできた。
「また来ますからね」と手を握ると、首が少しだけ上下に振れる。

このままずっと入院(あるいは介護施設への入所)ということになり、もう自宅に戻ることはかなわないと思われる。
精神はしっかりしているだけに、叔母の辛さといったら…。

さつきが咲く。
叔母は俳句と花好きである。

   濡れわたりさつきの紅のしづもれる  (桂信子)

サツキ172

サツキ173
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