サンシュユ(山茱萸) ~春黄金花というに価して~
- 2017/03/31(Fri) -
サンシュユ171

山茱萸はいつもより二週間ほど遅れての開花である。
その咲く姿はまさに「枯れ木に花」の如くを見せる。
そして、黄色の小花を枝いっぱい密につけるその様子は、それが春黄金花とも呼ばれるに相応しくもある。
どっしりとした老木の下方の樹幹には胴付きの花があり、これもまた風情がある。

時々、鵯や四十雀がやって来てせわしく動き回っていたり、雉鳩がのんびりとまっていたりする。
彼らもその色から元気や幸せをもらいにでも来ているのだろうか。

“三月は去る”という言葉があるが、私の場合もその刻はたしかに駆け足だった。

   枯色に山朱萸の黄の新しや  (高木晴子)

サンシュユ172

サンシュユ173

サンシュユ174

サンシュユ176
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マンサク(満作・金縷梅) ~開ける、開けられない~
- 2017/03/30(Thu) -
満作1724

毎日使う器具の動きが弱くなってきた。
パワーが低下しているようだ。
電池の交換することにして、収納蓋を開けようとした。
が開かなかった。
何度もチャレンジしたがダメだった。
これまでは簡単にできたはずなのだが。
いろいろな補助具を使ってなんとか開けた。

手指の力に加え、その操作力も衰えている。
前に出来ていたことが出来なくなりつつあることの現実を認識する。
今はこうしてゆっくりと坂道を下っているのだということを自分に言い聞かせる。

二月下旬に咲き出したマンサクはまだ盛りの様を見せてくれている。
ひょろひょろとしたその独特の外観にもよらず開花期間は意外と長い。
この黄色い紐花が地に一面広がる頃には葉も出始めるはずである。

   まんさくや中也詩集の染み一つ  (火村卓造)

満作1723

満作1722

満作1721
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キセキレイ(黄鶺鴒) ~「桜咲く」の話~
- 2017/03/29(Wed) -
キセキレイ1712

ラジオのパーソナリティーが「あなたにとっての“桜咲く”はいつのどんなことでしたか」と問いかけていた。
応じてリスナーからは、さまざまな人生桜の開花物語が披露される。
たとえば初めての出産だったり、それぞれの時々のあんなこと、そんなことなどが。
多くは人生の中で大きな転換期となった喜びの場面。

私達の頃と言えば「桜咲く」は大学合格したことを知らせる電報の符丁だった。

チチッチチッと鳥の声が庭に響く。
黄色い胸と腹を見せるのは黄鶺鴒。
長い尾をリズミカルに上下に振る。
その脚を置く染井吉野はまだ固い蕾のまま。
こちらの“桜咲く”はどうやら四月に入ってからになりそうだ。

  鶺鴒やめつむりきけば近づき来  (加藤楸邨)

キセキレイ1711
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フキノトウ(蕗の薹) ~好きなんです~
- 2017/03/28(Tue) -
フキノトウ2171

味噌にしました。
そしてもちろんご飯に乗せて。
その香り、そのほろ苦さ。
舌も喉も喜びます。
食も進みます。
今、この季だけの妙味です。

庭ではまだまだ取れます。
あちこち適度に散らばってあります。
順次に出てきてくれます。
おかげです。

私、好きなんです、蕗味噌が。


   摺鉢の蕗味噌香る朝餉かな (奥 敏子)

フキノトウ2172

フキノトウ2173

フキノトウ2174

フキノトウ2175
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アセビ(馬酔木)  ~金魚の口のように~
- 2017/03/27(Mon) -
アシビ174

馬酔木が溢れるように咲く。
花はその先をすぼめる。
金魚の口のようで可愛い。

その一つひとつが「春ですね」と言っているように見えた。
私も「春ですね」と、口で形をまねて応えた。

  来し方や馬酔木咲く野の日のひかり  (水原秋桜子)

アシビ173

アシビ172

アシビ171
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ジョウビタキ(尉鶲)  ~何年もの付き合い~
- 2017/03/26(Sun) -
尉鶲03

窓の外に小さな影が動いた。

尉鶲だった。
とまったのは赤い新芽が見られる牡丹の茎だった。

人なつっこくて、相変わらずの愛らしさだ。

ツッツッツッの声を聞いたのは去年の10月下旬。
ここらもだいぶ暖かくなってきた頃、そろそろ故郷の大陸へ戻る時期だろう。
毎年、3月の末までにはその姿が見えなくなるのだ。
この鳥は私に季節を教えてくれる。

畑に肥料を施した。

  翔てば野の光となりて春の鳥  (長瀬きよ子)

尉鶲05

尉鶲04
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ユキワリソウ(雪割草)  ~ここにも小さな春が~
- 2017/03/25(Sat) -
ユキワリソウ513

台所の外にある杉から二羽の雉鳩が飛び立った。
気になって近寄った。
まばらに小枝が重ねてあった。
巣作りを始めたようだ。

小さな桃色が土に触れるようにあるのを見つけた。
また一つ、ユキワリソウが生まれていた。

そこかしこで季節を迎える営みが静かに進んでいる。

  人は影鳥は光を曳きて春  (永方裕子)

ユキワリソウ514

ユキワリソウ512
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レオパとレオコ(ヒョウモントカゲモドキ・豹紋蜥蜴擬) ~いやされて~
- 2017/03/24(Fri) -
レオパとレオコ517

レオパとレオコはすっかり仲良し。
最初は年寄りと若い子を一緒にしてどうなるかと心配したが。
今ではその年齢差も厭わず、互いにスキンシップして平和に同居する。
やはり同類の肌は馴染むのだろう。
脚を乗せたり体をくつけ合ったり。
交互に上になったり下になったり。
心を通わせ、信を寄せ、互いの存在を認め合うように。

掌に乗せるといい子で目を細めてじっとしていたりする。
睦まじい二人を見ていると、こちらまでも心穏やかになる。

明日は部屋を掃除してあげよう。
それからお風呂にも入れててきれいに。
かわいいお客さんがお見えになる日だ。
ふたりもご挨拶しなくては。

今朝は弓形の春の月が東の山なみのすぐ上にある。
「きれいだ」

  外にも出よ触るるばかりに春の月  (中村汀女)

レオパとレオコ518

レオパとレオコ519
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クンシラン(君子蘭) ~お伺いしていいですか?~
- 2017/03/23(Thu) -
君子蘭171

携帯が鳴った。
唐鍬の楔を買いにホームセンターへ向かって歩いているところだった。
遠く九大で学ぶ彼女の名が表示される。
昨夏、帰省した折には祖母と訪ねて来てくれ、学びの様子や、学友とのふれあいなどを楽しそうに話してくれた。

「やあ久しぶり。もう春休みになったのかな」
「はい、それで妹たちがどうしても遊びに行きたいって言うんですが、お伺いしていいですか?」
「そうか。ツインズも進路が決まったのかい」
「ええ、ノリは…へ、マリは…へきまりました」
「それは良かった。で来るのはいつ」

仲良し三姉妹である。
双子の妹たちも進学先が決まり、家を離れる前に揃って遊びに来るとのこと。
我が家には女の子はいないので、今時のどんな話題が口から飛び出すか楽しみである。

迎える部屋には丁度、満を持してのクンシランが鮮やかなオレンジの花をまとまり咲かせる。
葉に抱かれるようにした花芽を見つけたのは今から約ひと月前だった。
少しずつ茎を伸ばし、蕾を膨らませ、色を纏い、閉じられた袋の先を一つひとつ開いていく。
今日はどうか、まだかまだかと毎日のように眺めてきてようやくである。
まさにグッドタイミング。

来るのは土曜日の午後。
ちょっときれいにして迎えよう。

   君子蘭整理のつかぬ文机  (北さとり)

君子蘭175

君子蘭174

君子蘭173

君子蘭172
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クリスマスローズ(Christmasrose)  ~それぞれのはるやすみとさくらのかいか~
- 2017/03/22(Wed) -
赤紫クリスマスローズ171

テキストを買いに本屋へ行った。

いつもと違って子どもの姿が多いのに気がついた。
そうだ、春休みだ。
進級、進学へむけての準備のこの時期。
いいなあ。

昨日で12月から進めてきたのが終わった。
また新たに始める目的の3冊を購入した。

毎日続ける。
少しずつでも。
例外を作らない。
これが自分で決めたこと。

東京では桜の開花だという。
庭にも花姿がだいぶ増えてきた。
葉も花も同じような濃い赤紫のリスマスローズがある。

   春休み子等の大地の賑はひに  (川畑火川)

赤紫クリスマスローズ172
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クロッカス(Crocus)  ~水と花と線香の香りと~
- 2017/03/21(Tue) -
クロッカス171

墓地は歩いて30分ほどのところにある。
そこまでの道のり、野の花や家々の庭を見ながら歩を進める。
特産小梅の白梅の広がりを抜けると、もうそこである。
天竜川を見下ろせる眺めの良い地。
すでに多くの墓に新しい花が供えられている。

一連のことを済ませ、手を合わせる。

同じコースを返す。
畑地や果樹に、シロハラ、ムクドリ、ツグミ、ヒヨドリなどを見る。
チョウも飛ぶ。
風もなく、適度な運動にもなった。

2日ほど前からクロッカスも咲く。

  月日過ぎただ何となく彼岸過ぎ (富安風生)

クロッカス170
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キジ(雉・pheasant)  ~お~い~
- 2017/03/20(Mon) -
雉171

道作りがあった。
自治会総出の昔から受け継がれている作業だ。
毎年、春のお彼岸に行う協働と相互扶助の「結い」の一つである。
鋤簾を持つ。
秋から冬にかけて道路に堆積した枯葉や土砂を取り除く。
小一時間で終わる。
世間話をしながら三々五々家路に就く。

畑に出る。
そこに一羽の鳥を見つけ、一瞬足が止まる。
光沢のある紺色の頸部と緑色の胸。
横縞模様の長い尾。
全体美麗な羽毛に覆われる。
金色の目と赤い肉垂れ。
家人に声を掛ける。
「お~い、来てごらん。雉がいるよ」

畑の中を気ままに行ったり来たり。
どうやら口に入れる何やらを探しているらしい。
冬の残り菜をつついたり。
ミミズをほじり出したいのか、足で土をかき回したり。
「ホウレンソウが傷んでいたのはもしかしたらキジ?」
どうだろう。

近くに鵯が来たって、気にも留めない。
のんびりと気楽に歩き続ける。

好きなだけどうぞ。
じゃましません。
待ちます。

5分、10分…。
そして尾羽の伸びた美しい姿で飛び立った。

   群青のすぢひいて雉翔りけり  (林徹)

雉172

雉173
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クリスマスローズ(Christmasrose)  ~静かに溶け込んで~
- 2017/03/19(Sun) -
緑クリスマスローズ723

自治会の本年度の決算について会計監査をした。
諸帳簿等全般において適正に処理されていることを確認し、会計報告書に署名捺印をする。
滞りなく済み、ほっとした表情を浮かべる会計さんを労う。

薄緑のクリスマスローズが咲いている。
花は葉色と似ているので、紛れてあまり目立たない。
それぞれの持ち味。
そんな姿に共感を覚えたりする。

  花咲くといふ静かさの弥生かな  (小杉余子)

緑クリスマスローズ722
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フキノトウ(蕗の薹) ~ほろにがい旬~
- 2017/03/18(Sat) -
フキノトウ682

子どもの頃から大相撲が好きだった。

テレビ中継の取り組みの合間に昔の力士の映像などが流れると見入る。
先日は一世を風靡したいわゆる栃若時代の栃錦と初代若乃花の一戦が白黒で映されていた。
激しい攻防の熱戦の末、若乃花が勝利した。
勝負のあとのその表情を見て、「土俵の下には銭が埋まっている」という、“土俵の鬼”と言われた彼の言葉を思い出した。

次の柏鵬時代では、私はなぜか柏戸の贔屓だった。

新しい流れを感じさせる今場所、優勝の行方が楽しみである。

個人的にはせつない思いもある。
親しくしていた君の四股名が番付から消えてしまったからだ。
高校卒業して入門し、精進を重ね昨年ようやく三段目まで昇った。
中学生の時から知っているだけに、【郷土の力士成績】欄にその名がないのは淋しい。
また新たな境地のもとで、自身の人生を切り拓いていって欲しいと願う。

フキノトウを取った。
まだ薄皮を被っているモノもあり、それは残した。
味噌汁に入れた。
春の香りがした。
ほろ苦かった。
次は蕗味噌もいい。

  洗ひても蕗味噌練りし箸匂ふ  (金だみき)

フキノトウ683

フキノトウ684
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ユキワリソウ(雪割草)  ~♪はるかな空の果てまでも 君は飛び立つ♪~
- 2017/03/17(Fri) -
ユキワリソウ1731

夕方のニュースを見る。
「県下の小中学校は卒業式のピークを迎えています」
アナウンスとともに流れる映像。

きりりとした姿の子等とその確かな成長を見つめ喜びを深くする保護者の顔。
画面のこちら側でその晴れやかな場を嬉しい思いで共有する。
今の別れと旅立ちの余韻はしばらくしてまた新たに始まる希望と期待に充ち溢れていくのだろう。
三月は少年と少女の胸を熱くする素敵な季(とき)である。

そんなこととは無縁だが、同様にこの時期を自分の一つの節目として意識化する。
歳に肯いつつも新たな未見の我を見つけるべく。
その時々の初心。

伸び出した秋明菊の葉に囲まれるように濃いピンクの小さな花があるのを見つけた。
ひょろっとした細い茎にたくさんの蕊、これも雪割草のようだ。
昨日までは気づかなかった。
そこに植えた記憶もない。
ひょいとしたそんな発見が楽しい日々である。

   ゆく雲の遠きはひかり卒業す  (古賀まり子)

ユキワリソウ1732

ユキワリソウ1730
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シブガキ(渋柿) ~伐る~
- 2017/03/16(Thu) -
渋柿伐採601

混合油を買いにホームセンターへ出かけた。
チェンソーの燃料だ。

ついでに園芸売り場も見る。
ジャガイモの種芋が売られていた。
畝の準備はまだしていない。
畑作業も煽られる。
月末までにはなんとかして植えられるようにしよう。
パンジーをはじめとした色とりどりの花も並ぶ
それらの花々に誘惑されそうだった。
財布の紐を締める。

4L缶を購入した。

伐ったのは結構の高さになっていた渋柿だ。
三脚などを駆使しても手が届かず、収穫するに困っていた。
2時間ほど掛かった。
離れたところにあるもう一本の渋柿は残す。
少しでも自家用の干し柿作りは続けよう。

思えばこの1年でだいぶ木を伐った。
生活をコンパクトなものにしていこうと思った。
まだまだだ。
もっともっと。

   春といふ大いなる掌の上  (内藤悦子)

渋柿伐採600
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ユキワリソウ(雪割草)  ~それぞれにあるモノやコトからの卒業~
- 2017/03/15(Wed) -
雪割草570

大きな市庁舎を過ぎて左折し、天竜川と並行して走る国道を南に向かう。
その時である。
家人が助手席から身を前に乗り出して声を上げる。
「あれ、あれ、見て。大きい鳥が飛んでいる。あれ何?」
フロントから見える上方に大きな翼を広げて一羽の鳥が飛んでいた。
「アオサギだよ。ほら、魚を咥えている」
「アオサギ?へえ~」
悠然と飛んで視野から消えた。
広い河川敷に目を遣ると、他にもいろんな鳥の姿があった。
用あって、数十㎞離れたI市に行った帰路のことだ。

ラジオはそれぞれの「卒業」やその思い出について語っていた。
尾崎豊の歌が流れていた。

庭にはまた一つ雪割草が咲いた。

   潦あれば日があり卒業す  (秋元不死男)

雪割草571
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クリスマスローズ(Christmasrose)  ~きせつの便り~
- 2017/03/14(Tue) -
クリスマスローズ366

気象予報士が教えていた。
鶯の初鳴きが各地で始まっているのだと。
すでに銚子、熊谷、前橋など、関東でも観測されたという。
もうそうなのか。
その美声がこの地に響き渡るのもそう遠くはなさそうだ。

耕していたらミミズが出てきた。
結構太く長かった。
今年初めてのご対面である。
突然明るいところに引っ張り出されてびっくりだったろう。
小さな命にも春の光。

スーパーに買いものに付き合った。
「ねえ、ウルイが出ているよ!」と手に取って私に見せる。
薄黄色のスーと伸びたやわらかな葉が数枚パックに入っていた。
野菜として売られているとは知らなかった。
早い気がするのはハウスで栽培されているからなのか。
大葉擬宝珠は家にいく株も植わっている。
旬の時期に好きな時に好きなだけ取って食べる。

いろいろな季節の便りが届くこのごろである。

   ホワイトデーお返しの形は心だけ (あや)


クリスマスローズ367
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ユキワリソウ(雪割草)  ~花が咲くのは~
- 2017/03/13(Mon) -
八重雪割草171

昔知った言葉です。
「咲いた花見て喜ぶならば、咲かせた根元の恩を知れ」
あるお寺の石碑に刻まれているのだそうです。
花のために見えないところで栄養吸い上げ、体を支える根。

「根元の恩」と存在。

雪割草も春のめざめです。

    みんな夢雪割草が咲いたのね  (三橋鷹女)

八重雪割草172
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カゴシマコウバイ(鹿児島紅梅) ~まだ脚は冷えますが~
- 2017/03/12(Sun) -
カゴシマコウバイ453

ぽつりぽつりと鹿児島紅梅も咲く。
花は深紅の八重。

あれもこれもそれぞれの色を身につけ春の装い。

日ごとに辺りに目を遣る楽しさが増える。
週間天気予報も今日を境に最低気温の表示から「-」が消えている。
そんなことを見るだけでも嬉しくなる。

私は作業用の防寒長靴をしまった。

   紅梅やゆつくりとものいふはよき  (山本洋子)

カゴシマコウバイ455

カゴシマコウバイ454
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フキノトウ(蕗の薹)  ~思い出す景色がある~
- 2017/03/11(Sat) -
フキノトウ171

数日前、懐かしいメロディーがラジオから流れてきた。

♪四つ葉のクローバー
♪ノートにあった
♪あのときあなたが
♪つんでくれた

歌うのは初めて聞く名の“アプリコット”という女性グループだった。
私が覚えているその『四つ葉のクローバー』はガロの歌だ。
それはそうと、一緒に口ずさんだ。

先日亡くなった“かまやつひろし”さんの作曲である。
ミュージックセレクターが彼へのトリビュートとして選曲した中の一つだった。
髪の長い頃を思い出した。

庭の片隅ではフキノトウが出て丸くなり、伸びてきた水仙の葉と寄り添っている。

心静かに春の今日。
心鎮めて春の今日。

   西行のいのちの山ぞふきのたう   (太田鴻村)

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クリスマスローズ(Christmasrose)  ~いただきます~
- 2017/03/10(Fri) -
黄色クリスマスローズ171

「ホウレンソウいる?」
義姉から電話があった。
「うれしい。いただきます」
「じゃあ、これから持って行くから」

車で数分のところに一人住まい。
手にするレジ袋にはいっぱいの大きな葉のホウレンソウ。

あれやこれやのよもやまの話。
臘梅や満作に梅桜、叔父さんの紙細工に近くの温泉での同級会、彫刻と展覧会と歌会…。
久しぶりに話が弾む。

「そういえばこのあいだ、家の土手を雄の雉が歩いていましたよ」
「どこか近くに巣があるんじゃない?」
「そうですかね」
「下の河原の田圃にはよく巣があったのを覚えている。すぐ近くまで刈っても逃げないのよ」
これまでに何度か庭をのんびり歩くことはあったが、巣を見たことはない。
言うように、きっとこの辺のどこかの草むらにあるんだろう。

感性豊かな歌人である義姉はいつも場を和ませ、穏やかな気分にさせてくれる。
時計を見て、昔からの友人が来るのだと帰られた。

さても春の団体さんは少し足踏みする。
青空のポカポカ陽気は変わって冷たい強風になったり、雨はまた戻って雪に、そして睡蓮鉢にはうすらいすらも。
これだから三月というは楽しい。

  薄氷に書いた名を消し書く純愛  (高澤晶子)

黄色クリスマスローズ172
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クリスマスローズ(Christmasrose)  ~今でも覚えている~
- 2017/03/09(Thu) -
薄赤クリスマスローズ173

風が強い日だった。

高校入試だったらしい。
テレビで受験に臨む様子が映し出されていた。
無事に全力を出し切れただろうか。

進路の決定。
15の春…。
遠い昔のことだが、いろいろのことをなぜか覚えている。

「大丈夫よ」「大丈夫」

クリスマスローズは春を喜んでいる。

  受験子の言葉少なに戻りけり   (梅田實三郎)

薄赤クリスマスローズ171
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コウバイ(紅梅) ~一つ二つ三つ…~
- 2017/03/08(Wed) -
紅梅171

紅梅が開きつつあります。
ようやくです。
まだ数えるほどですが。
うれしいですね。

春の順番ですから。
やはり梅が咲かなくては。
桜だって。

花のいろ。
花のひかり。
花のかおり。

顔がゆるみます。
胸の奥までもおだやかになります。

  此比(このころ)や梅(むめ)咲くほどの日の力   (松岡士喬)

紅梅172

紅梅173

紅梅174
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シクラメン(Cyclamen coum・原種シクラメンコウム) ~見つけた~
- 2017/03/07(Tue) -
コウム34

落葉の中に一つ小さな花を見つける。
丈は2~3㎝、花径は1㎝あるか。
ニョキッと出て来たキノコを思わせる。

この薄いピンクの花は原種シクラメンのコウム。
いつもなら数輪以上は咲く。
他に蕾らしきモノは見えない。
みんなまだ落葉を布団にして外の様子を伺っているのだろう。
この先駆けて目覚めた子にいざなわれてこれから徐々に顔を出してくるはず。
花がおよそ揃ったところで葉も陽を浴びに。

凍てつく冬を乗り越えて。

   シクラメンはシクラメンのみかなしけれ   (中村汀女)

コウム340

コウム341
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クリスマスローズ(Christmasrose)  ~鍬始め~
- 2017/03/06(Mon) -
白クリスマスローズ315

畑仕事をした。
念のためにマスクをした。
花粉情報で「多い」マークが出ていたからだ。
この何年かは症状はあまり出ていない。
自然治癒というか、治ったらしい(と思っている)。
以前は、大変だった。
とにかく大変だった。

春の土はやわらかい。
鍬が軽く入っていく。
土を返す。
捗る。

予定の作業を終える。
働きのあとを見ると気持ちいい。

四十雀や鶫が近くの木に来ては声を出してくれる。
道具を井水で洗う。

鍬始めの日、こうして今年も土の上に立てる喜びを思う。

クリスマスローズもだんだんに咲く。
彼女らはいつもシャイである。

  耕人にさゝやく鳥語こまごまと   (宮野小提灯)

白クリスマスローズ316

白クリスマスローズ317

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キジバト(雉鳩)  ~春の煙~
- 2017/03/05(Sun) -
雉鳩940

町内一斉の土手焼きの日だった。
朝、至る所から煙が上がっているのが目に入る。
私もそれに合わせて、庭から出た草木を焼いた。
風知草を焚きつけにし、木蓮の落葉や冬に切り落としてあった栗、花梨などの枝を。

役場は広報で、水を用意することと決してその場を離れないようにと伝える。
そして風が強くなった際には消火し、土手焼きを中止するようにと。

レーキを使って燃材を時々まとめるようにかき寄せた。
風はなかったが、ラジオを聞きながらずっとそこにいた。
1時間半ほどで燃え尽きた。
細かできれいな灰が出来ていた。

19日には「道作り」だという。
こうして周りからもだんだんに春仕事を促される。

毎日のように雉鳩が庭に遊びに来てくれる。
そのユーモラスな歩き方や姿態に癒やされる。
それにしてもまあ、よく霜土の上を裸足で。

   啓蟄の鳥語すずろに美しく  (後藤夜半)

雉鳩941

雉鳩942

雉鳩943
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タイヤ交換(冬用から夏用へ)  ~車も衣替え~
- 2017/03/04(Sat) -
XTRAIL240.jpg

うんとこしょ、どっこいしょ。
『大きなかぶ』ではないが、そんな声を出しそうになる。

先週に続いて、3台目のタイヤ交換である。
私の車は径が大きく幅広で、重い。
でも老体(?)を励ましつつ、なんとか自分でできた。
最後の1輪を嵌め終わった時の成就感。

このところ、体力について少し自信を失いかけていた。
結果、まだできるという嬉しさと、満ち足りた思い。
「頑張ったね」と自分を褒める。

スタッドレスタイヤを洗い、清々しい気分で小屋に運ぶ。
今年の12月にはきっとまた自分でと…。

汗をかいた。
部屋に戻ると桜餅が出ていた。

   しっとりと葉の濡れてをり桜餅   (下田美花)

XTRAIL241.jpg
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雛飾  ~春がきて~
- 2017/03/03(Fri) -
雛飾171

それは昨日のことである。

突然の雪だった。
驚き、少し困惑した。
予報は雨で、頭にも描いていなかったことだったから。
時期的に無いことではないが、
それも大きい牡丹雪だった。
まるで綿のように。
次々に、次々と。
積もるだろうか。

しかしやはり春。
雪は地面に触れるとすぐに溶けていく。
心配なかった。
脳裡ではこの季節定番の歌が流れていた。

玄関には叔父手作りの小さな紙雛飾。
我が家には女の子はいないが。

   雛飾りつゝふと命惜しきかな  (星野立子)

雛飾172

雛飾173

雛飾174
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ヒヨドリ(鵯)  ~静かに時間を遡って~
- 2017/03/02(Thu) -
ヒヨドリ194

何度目の三月?

苦しかった三月。
辛かった三月。
悲しみの三月。
喜びの三月。

さまざまな過去が思い起こされる三月。

父の顔が浮かぶ三月。

今があることに感謝する三月。

桜に鵯。
彼はいつも元気だ。

  春愁を消せと賜ひしキス一つ (日野草城)
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