寒中見舞 ~葉書にある一途~
- 2017/01/31(Tue) -
寒中見舞

昨日一通の寒中見舞が届いた。
加冠の儀式の写真が添えられていた。
神職を目指している君からだった。
大学進学もそのために学ぶものを明確に選択した。
今は江戸川の神社から学舎に通う。
貫いている。
揺るぎない。

一月も終わる。
一月は終わる。
一月が終わる。

   一夜づつ捨て去るごとく寒を生く (上野さち子)

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ヒペリカム(Hypericum・ヒペリカムの実) ~時ともに移ろう~
- 2017/01/30(Mon) -
フユノヒメリカム171

「薔薇の芽が動き出しましています」
「そろそろ剪定しなくてはです」
そう教えてくれた。

そうか、今がいいのか。
上手に育てるコツをいまだよく分かっていない。
身支度を調えて鋏を持った。

いろいろな角度から薔薇を見た。
感覚だけで思い切りよく剪定をした。
高さや形からしてなんとなく良さそうに思えた。
これできっといいのだろう。

気温がぐんと上がってこの時期としては珍しいほどに暖かい日だった。
剪定枝を片付けた。
少しの汗が出た。

手袋を取ったら、甲に赤い筋が走っていた。
棘でひっかいたらしい。
気がつかなかった。

薔薇の横に黒くなっているのはヒペリカムの実だ。
夏には艶やかで赤も鮮やかだった。
時は姿を変えさせる。

    枯るゝ庭ものの草紙にあるがごと  (高浜虚子)

冬のヒペリカム172

冬のヒペリカム173

2016年7月 2016年7月
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ヒヨドリ(鵯) ~花が咲くまで待ってくれませんか?~
- 2017/01/29(Sun) -
鵯と臘梅171
                                                「マヨウナ ドレニシヨウカナ」

   臘梅の蕾も丸く膨らみ始めています。
   そこへヒヨドリ君です。

     マヨウナ ドレニシヨウカナ

     コレニキ~メタ 

     ヨイショット

     ハイ ゲット

     アア オイシカッタ

     アシタモコヨウット

   そんなことでも言っていたのでしょうかね。
   食べたい気持ちは分かりますが、花開くまで待ってくれるとありがたいのですが。

       冬木の芽ことば育ててゐるごとし  (片山由美子)

鵯と臘梅172          
                                                 「コレニ キ~メタ」

鵯と臘梅173
                                                 「ヨイショット」

鵯と臘梅174
                                                 「ハイ ゲット」

鵯と臘梅175
                                                 「アア オイシカッタ  アシタモコヨウット」



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切手(半世紀前の古い切手) ~使える驚き~
- 2017/01/28(Sat) -
靴下348

1年中冷え性である。
特に冬は困る。

だから靴下選びには真剣になる。
冬用には特に拘る。
素材と温かさを一番とする。
毎冬新しいのを求めるのだが、なかなかこれだというものに出会わない。

本題はそれではない。
十日ほど前になる。
「ネットで靴下の良いのを見つけたから注文しておいたよ。明日届くと思う」
そしてA4サイズの青い封筒が宅急便で送られてきた。
どんな靴下なのか楽しみで急いで開ける。
一足のアメリカ製の靴下だった。
たしかに暖かそうだ。

それからである。
包装などを片付ける私の手を止めたのが、封筒に貼られた送料205円になる8枚の切手だった。
正確には切手の発行年がといってよい。
1966年と1970年と、目に入る。
ほかのもだいぶ古そうである。
全体を大きく切り取り水を入れたトレーに浸して待つ。
しばらくすると紙から切手が浮き、ピンセットで挟むときれいに剥がれる。
昔、切手少年だったので、そこはなれたものだ。

乾いてから8枚を並べてみる。
1970年のに見覚えがある。
棚にしまってあるストックブックを取り出す。
あった。
切手趣味週間の切手・岡田三郎助【婦人像】だ。
ほかのも調べる。
文楽 【八重垣姫】1966年、【平治物語絵詞】1968年、【国定公園 越前加賀海岸】1969年。
浮世絵【文よむ女】1969年、【助六】【娘道成寺】1970年、文楽【阿波の鳴門】1972年。
50年近く前の切手が今なお使えるなんて驚きである。

差出人を見る。
兵庫県芦屋市とある。
こんな古い切手を現在に使用する会社って…。
懐かしさも加わり捨てるのも惜しまれて、剥がした8枚の切手はストックブックに収めることにした。

足を通した新しい靴下はすごくいい。
もう二足くらい頼もうかと思っている。
また、半世紀前の古い切手で送られてくるか。

  足袋はいて寝る夜ものうき夢見かな  (与謝蕪村)

切手352

切手353

切手356

切手673

切手676

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デンドロビウム・スペシオ-キンギアナム(Dendrobium Specio-kingianum) ~部屋に広がる香り~
- 2017/01/27(Fri) -
キンギアナム172

小さなたくさんの白い花が咲く。
蕾は三日月のよう。
舌花の中で赤紫の斑点が彩りを添える。

部屋中に鼻をつくほどのかなり強い香りを広げてくれている。
それはデンドロビウム・スペシオキンギアナム。

おぼろげな記憶だが、購入してから10年近く経つと思う。
その間一度も鉢を変えていず、根元を見ればギュウギュウで申し訳ない。
考えてみれば肥料らしい肥料も施してない。
なのに時が来ればこのように咲いてくれる。

花期は結構長かった気がしている。
お雛祭り辺りまで持ってくれるとうれしい。

  蘭の香や詩を読みて又た夜を寐ず   (荻原井泉水)

キンギアナム171

キンギアナム174

キンギアナム173

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レオパ(ヒョウモントカゲモドキ・豹紋蜥蜴擬) ~新聞の上で遊ぶ~
- 2017/01/26(Thu) -
レオパ2017 1

名前はレオパ。
我が家のアイドル。
もう10年近く一緒に暮らす。

欲がない。
求めない。
媚びない。

世間の出来事にははまるで関心が無い。

手がかからない。
がつがつしていない。

食欲より睡眠欲。
食べなくて一週間はどうってことない。
旅行など、気にせずに置いて行ける。
見かけによらず丈夫。

喚かない。
啼かない。
喋らない。
噛まない。
動かない。

もっとすり寄ってきてくれるといいのだが。
愛嬌を振りまいてくれるといいのだが。
ミュニケーションなぞ、そんなのカンケイナイ。
でもかわいい。

若い頃の写真がある。
体の模様は濃くてくっきりしている。
今は全体にぼんやりだ。
肌もたるんでいる。
寿命は10年少しという。
と、人間でいうと彼(ほんとは雌雄はよくわかっていない)は後期高齢者ということになる。
でも愛おしい。

おとなしい。
おだやか。
控え目。
つぶらな目。

いつもはケージの中で暮らす。
暗いところが好きだ。
ドーム型の部屋を用意してある。
寒さには弱い。
秋からはヒーターを入れてやる。
寝ている姿など、赤ちゃんのように無防備で、そこがまたなんとも言えない。

時々、ケージの外に出してやる。
でもさほど喜ぶ様子もない。
マイペースで自分のしたいようにする。

トカゲモドキと名前が付けられるが実はヤモリ。
月に1~2回は脱皮する。
脱いだ自分の皮を全部食べる。

身ぎれいにして汚さない。
散らかさない。
整理整頓が上手。

我が家の誰にも愛されている。
時々手にとってオモチャにされる。
でもいやがらない。
癒やされる。

ありがとう、かわいいレオパ。

 寒極み小動物といる部屋 (あや)

レオパ 2017 2

レオパ 2017 3

2008年8月1                                              2008年8月

2008年8月2                                              2008年8月

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マサキ(柾の実)  ~自治会長選挙~
- 2017/01/25(Wed) -
マサキの実171

定例常会で自治会長選挙があった。
有資格者は隣組長経験者で45歳以上。
黒板に該当者8人の名前が列記される。
家庭事情や仕事の都合でできない方は申し出て承認を得れば、今回は免除され次年度以降となる。
3人から申し出があった。
「では、選挙に入りますが、その前に立候補する方はございませんか?」
上苗さんが挙手する。
「ほかには?」
「他にははおられないようですので、次年度の自治会長に上苗さんを承認される方は拍手をお願いします」
全員の大きな拍手で承認される。
これで3年続いて立候補による自治会長の誕生である。
それ以前はすべて投票に由っていたので、スムーズな選出が出来ありがたい。

町のさまざまな会合、運動会、文化祭、マラソン大会等のボランティア。
区の会議、スポーツ大会、盆踊り等々。
自治会の新年会やほんやり、マレット大会、道路整備、草刈りなどその仕事は多岐にわたる。
私も職に就きながら経験したので、その大変さは身に浸みている。
新自治会長に出来るだけの協力を…。

今朝の新聞のコラムに「水沢腹堅」について触れていた。
七十二候の「すいたくあつくかたし、もしくは、さわみずこおりつめる」だと。
寒さも極む頃を示す。
これを峠として少しずつ緩んでいく。

そういえばひと月ほど前の冬至に比べ、日脚が延びるのも実感できる。
必ず次はやってくる。
なにごともそのままではない。

柾には赤い実が顔を見せている。

  柾木の実紅し入江に日を置きて   (篠田麦子)

マサキの実172

マサキの実173
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アセビ(馬酔木)  ~ただじっと待つ~
- 2017/01/24(Tue) -
冬馬酔木175

今朝、東の空には輪郭が明瞭に月が綺麗だった。
そんな凍てつく月を見ると不思議に心が熱くなり密やかな願いをかけたくなる。
予報を見ると、寒さもここ一週間がピークだろうか。

馬酔木が赤い蕾をたわわにしている。

みんな待っている。
何もかもがじっとして。

  寒暁を覚めての息の快し (篠田悌二郎)

冬馬酔木174

冬馬酔木173

冬馬酔木172

冬馬酔木171
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えんぴつ(鉛筆) ~漫画の中で~
- 2017/01/23(Mon) -
この世界の片隅に2

「読む?」
そう言って漫画を渡された。
上中下の三冊セットになっている。
数年前に手に入れたらしい。
家人はこの漫画家のふわっとした描き方が好きで、他にも何冊か持っているようだ。

私の場合、漫画ははるか遠い昔、学生の頃に終わっている。
たとえば「ガロ」、つげ義春の「無能の人」。
あるいは上村一夫の「同棲時代」や白土三平の「カムイ伝」、手塚治虫の「火の鳥」などか。

ジブリのアニメ映画は時折見ることはあるが。

せっかくの勧めなので読んだ。
珍しくその世界に入った。
久しぶりに先に挙げた彼らと同じ空気を持つ表現者を見た思いを持った。

………………
………………

描かれる場面のところどころに時代の共有性を感じ、懐かしさを覚えた。
特に鉛筆を削るシーンなどはリアルタイムとしての子どもの頃が蘇ってきたりもした。
そしてそれをちびるまで大切に使ったことなども。
六角形の端の面に自分の名前を書いたり、時にはすべての面にサイコロの目や数字を入れて、ゲームの道具にしたり。

………………
………………

心に温かいものが染みこんだ。
いつの間にか漫画としてでなく児童文学作品のような感覚で読み耽っていた。
別のも読んでみたくなった。
貸して貰おう。


今使う私の鉛筆も削られて削られてだいぶ短くなった。
その命を縮めて尽くすのに伴った成長が私にあるのならいいのだが。

   一月や日のよくあたる家ばかり  (久保田万太郎)

この世界の片隅に3

この世界の片隅に4

この世界の片隅に5

この世界の片隅に1
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ミツマタ(冬の三椏) ~一日ごとに耐えて~
- 2017/01/22(Sun) -
冬の三椏171

庭を見ます。
多くの草木は茶枯れの姿です。

三椏に蕾がついています。。
ビロードのようなやわらかな毛に包まれています。
小さな蜂の巣にも見えたりします。
これからなお時間を掛けて膨らみを大きくします。
そして色と香りを身に得ていきます。

じっと次の季節待つ姿です。
耐える日があってこそです。

  枝をさしのべている冬木  (種田山頭火)

冬の三椏172

冬の三椏173

冬の三椏174
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カリン(榠樝) ~「わかった~」と素直に~
- 2017/01/21(Sat) -
カリン488

「また、カリンむいて~」
本を読んでいた私に届く。
「わかった~」
栞紐を挟み、本を閉じて部屋を出る。
「いくつ」
「前といっしょ。5、6個」

腕や手の力が弱くなってきたのだ。
カボチャはもちろん、最近は大根おろしにさえも声がかかる。

取り置きの籠の中から、よさそうなのを撰ぶ。
剥く、割る、取る、切るの一連の作業はすっかり慣れたもの。
手早く出来る。
「はいっ」
手に付いたカリンのぬるぬるを洗い落とす。

私はカリン漬けが好きだ。
特に喉に不調をきたしやすいこの時期にはもってこいではないか。

「雪が降ってきた…」
「予報通りだ」
「積もるかしら」
「どうだろう」

   むまさうな雪がふうわりふはりかな (小林一茶)

カリン483

カリン484

カリン485

カリン486

カリン487
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凍る ~草木を閉じ込める~
- 2017/01/20(Fri) -
氷171

庭から続くその先の西側。
冬枯れの景色の中。
蘆の穂が光る所。
一箇所が凍る。

離れて見て、近づいて見て、触れてみる。
氷柱のように長く伸びたり。
茨などがその氷の中に閉じ込められたり。
厳寒ならではの造型。
これが自然。

  大寒と敵(かたき)のごとく対(むか)ひたり  (富安風生)

氷172

氷173

氷174

氷175
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スイセン(水仙の芽) ~出てきた小さな姿~
- 2017/01/19(Thu) -
冬の水仙171

そこかしこに先日の雪がまだ残ります。
そして陽あたりのところどころ。
伸びる数本の小さな形が見えます。
それは水仙の緑葉です。
まだ1㎝、2㎝、3㎝…とほんのわずかですが。
昨日見つけました。

冬の語源の一つに『殖(ふ)ゆ)』という言葉があると読んだことがあります。
寄り添いかたまる水仙の姿を見てそんなことを思い出しました。

  冬晴を吸ひたきかなや精一杯  (川端茅舎)

冬の水仙172

冬の水仙173
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ルバーブ(rhubarbe・食用大黄) ~枯れた葉の横には~
- 2017/01/18(Wed) -
冬のルバーブ3

義姉の家を訪ねた。
遅くなったが、東京のお土産を持って行った。

「あがって」
炬燵の周りには本が幾冊も重なっていた。
歌作りをしていたようだ。

「ちょっとまってね」
そう言って、台所から持ってきたのは甘酒だった。
素朴な甘味があり美味しかった。
あれやこれやと話す。
1時間ほどが過ぎた。

「少ないけどこれ持って行って」
小瓶に入れた甘酒だった。

青空と雲が半々だったが寒かった。

ルバーブが大きな葉を茶色くして紙のように薄っぺらになっている。
横にはその新しい赤い葉と丸まった新芽がある。

   しんしんと寒さがたのし歩みゆく  (星野立子)

冬のルバーブ2

冬のルバーブ1

春のルバーブの花151 2015年4月28日
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キスジアマリリス(黄筋アマリリス) ~また咲いて~
- 2017/01/17(Tue) -
黄筋アマリリス1732

今朝、肩に寒さを覚え目が覚めた。
連日厳しい冷え込みが続く。

新聞の一面に“22年重ねた「生」”の文字。
その下にライトアップされた中州に積み上げられた石。

部屋では黄筋アマリリスがまた咲く。

   空にのみ 規律残して 日の沈み 廃墟の上に 月の昇りぬ  (与謝野晶子)

黄筋アマリリス1731

黄筋アマリリス1733

黄筋アマリリス1735

黄筋アマリリス1734
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サナギ(真冬の蛹) ~無事に羽化するといいんですが~
- 2017/01/16(Mon) -
揚羽冬蛹4

「おや?」
葉を落としたカラタチの木に何かが付いています。
目を近づけるとどうやら蝶の蛹です。
枝に帯糸を掛けて自らを支えています。
薄緑色で二つの角のようなものがあります。
ナミアゲハでしょうか。
氷点下になる真冬の空の下での蛹化、なんとも健気です。
ちょっと迷いましたが、付いている枝を切って部屋に入れることにしました。
ほんとはそのままにして自力で春を待たせてやるのが一番だとは思いつつ。
もしかしたら羽化するかもしれないと、そんな興味と期待を持って。
しばらく子どもの気分になって見守ってみます。

  帯糸張りいのちの翳の冬蛹  (あや)

揚羽冬蛹3

揚羽冬蛹1

揚羽冬蛹2
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キジバト(雉鳩)  ~雪かきのあとで~
- 2017/01/15(Sun) -
雉鳩の庭

雪が降りました。
雪かきをしました。
1時間少し掛かりました。
汗も少しかきました。

休みました。

部屋で音楽を聴いていました。
役場からの納税通知書が届きました。
これからの納付額が月1万円の増になるとの事でした。

「雉鳩が来ているよ」と言うので硝子越しに外に目を遣りました。
雪はところどころに残るものの、だいぶ溶けて地面が顔を出しています。
雉鳩が臘梅やクリスマスローズの辺りを首を下に向けて歩き回っています。
食べるものを探しているようです。
何かを見つけて口に運びます。
今頃、虫がいるわけもありませんし、土の上には何もありそうにないのですが。
それにしても寒い中でも食を得なければならない雉鳩も大変だと思います。

そんな様子で7分ほど居たでしょうか。
そこへ鵯の声です。
雉鳩は慌てて飛び去りました。

「干し柿食べる?」
「そうだね」
「いくつ?」
「ひとつでいい」

   湯上がりの爪の手入や小正月 (鈴木真砂女)

雪と雉鳩171

雪と雉鳩172

雪と雉鳩173

小正月の干し柿
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ホオズキ(冬の鬼灯) ~変わるその形~
- 2017/01/14(Sat) -
籠の中のホオズキ171

色形が良くて、造型にも良さそうで、オブジェにもなりそうで。
それで秋の終わりにはいつもいくつかは取っておく鬼灯。

冬さなかの庭の外れに鬼灯の茎が一つ。

あるものは袋に朱の色を少し残し。
あるものは袋の皮が剥がれて網目模様となる。
あるものの中には朱の玉が透けて見え。
あるものは底が破れて玉がこぼれ落ちる。

姿を変えたこうした冬鬼灯もまた部屋に迎え入れる。

  冬景の魅了するにも任せけり  (相生垣瓜人)

冬のホオズキ171

冬のホオズキ174

冬のホオズキ172

冬のホオズキ173
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スカイツリー(SKYTREE) ~都会で過ごす時間~
- 2017/01/13(Fri) -
スカイツリー17171 - コピー

先日東京へ出かけた際、スカイツリーに登った。
行く前からその計画だった。

高速バスで新宿へ着き、その足でホテルへチェックイン。
最上階のラウンジで軽食を摂る。
窓からは快晴の中に富士山が見える。
スカイツリーのことが頭にちらつく。
今日のこの時間が最高だろう。
早めに出よう。

部屋に戻り、早速行くことを告げる。
前回は2時間半待ちということで諦めて帰ってきた。
今回は2時間までならなんとか我慢して待とう。
そんなことを話しながら、身支度をせき立てる。
「2時間なんて…、私疲れそうだから部屋にいる」
せっかくなのにと思いつつも「おれ付き合うよ」という声と連れだって出る。

風もなく気持ちが良いので押上駅で降りて、歩いて向かう。
20分ほどで着く。
入り口にある石彫「TO THE SKY」(澄川喜一氏作)の間から東京スカイツリーを見る。
3本並ぶ石柱の一本の先端にツリーを重ねると計算されたようにピタッたと一致する。
見事。

「待ち時間は50分となっています」との案内。
「いいね」
「よかったね」
チケット売り場に辿り着くまでには45分かかったが、それは思いの外短く感じた。

天望デッキについた私はワクワク感を抑えきれない。
青空が広がり遠方まで視界が届く。
ガイドの説明に耳を傾け、マップと合わせながらそこここと位置や場所、建物、地域を確かめる。
さらに上の天望回廊に昇る。
ガラスの床に足を乗せた際にはさすがに身を硬くした。
ツリー自身の影が千葉の方向(たぶん)に向かって伸びる。
横を走る道路と合わせればまるでツインタワーのようでもある。
見るもの体験すること、どれもこれも満足。

すぐ近くに浅草寺が見下ろせる。
「どうせならついでに歩いて行こう」
「お守りも買いたいから」
付き合ってくれた事だし、随うことにした。

途中スカイツリーを振り返る。
いろいろの形態が縦横に組み合わさった都会のその景色もまたすばらしい。
白い機影と鳥も1羽。

仲見世はだいぶの混雑であった。
和服姿の女性も大勢居て、まだ正月の内であること感じさせてくれる。
ただよく見るとその着物を纏っているのの多くが外国人の女性であったのもおかしい。
人混みの中を押されて本堂までに辿り着くには結構時間が掛かった。
選んだお守りは「心願成就」のようだ。
今年から新しい生活が始まることに心機一転と思いも強くしているのだろう。

ホテルへ戻った時、だいぶ歩いたはずの体には疲れを感じなかった。
心が満たされたから…。

夜景を外に見ながらラウンジでワイン。

スカイツリー、もう二度と行くこともないだろうと思いつつ目を閉じた。

  人日や本堂いづる汗けぶり (小林一茶)

スカイツリー17172

スカイツリー17173

スカイツリー17174
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カリン(榠樝) ~砂糖漬けと冬の実~
- 2017/01/12(Thu) -
カリンの砂糖漬け17

カリンの実は砂糖漬けにしてくれる。
割って種を取り、皮を剥いて小片にするところまでは私がする。
およそ5月頃まで食べられる分が漬けられる。
でも食べるのは私だけである。
美味しいのにと思うのだが、家人はほとんど箸を付けない。

今年は3分の1ほどを取らずに木に残したままにした。
高所での作業、今の自分の運動能力と体力などを冷静に考えれば無理しない方が良い。
身の回りではだんだんにそんなことが増えている。

多くはそれぞれが時期を見て落下したが木にはまだ3個付いている。
先日の雪が残る上にも一つ。
落ちて転がったのを拾っては木の下に寄せて置く。

部屋にはまだ漬けられるのを待つ実が籠の中にたくさん。
艶やかで甘い香りの実、手にすれば、いくつかの想いが蘇ったりもする。

    己が木の下に捨てらる榠樝(かりん)の実  (福田甲子雄)
 
冬の花梨1712

冬の花梨1711

冬の花梨1713

冬のカリン174
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日本民藝館 ~『柳宗悦と民藝運動の作家たち』展~
- 2017/01/11(Wed) -
日本民芸館3

かねてよりどうしても訪ねたい所があった。
目黒の東大駒場キャンパス横にある日本民藝館だ。
それがさる成人の日、この何年も前からの行きたい見たいの思いがようやく叶った。

新宿から渋谷に出て、井の頭線に乗り換え駒場東大前駅で降りる。
西口から閑静な住宅街を7分ほど歩けば、いかにも一昔前の佇まいを見せる白壁の大きな建物が目に入る。
道を挟んで対になるように左に西館、右に本館が建つ。

大きな引き戸を開くとそこは広い石敷になっており、その先の黒光りする上がり框で靴をスリッパに履き替えて入る。
10時の開館時間を少し過ぎたところで入館したが、すでに10数人の靴が並んでいた。
あとからも人の姿は途切れることなく、ことに外国人の姿が目立つ。
彼らもまた柳の主導した民藝運動の奥深さを知って訪ね来るのだろう。

「順路は特にありませんのでご自由にお好きなところからご覧下さい」と受付の方からの案内。

バーナード・リーチ、河井寛次郎、濱田庄司、棟方志功、芹沢銈介等々、斯界の巨人たちの作品が贅沢なほどずらり並ぶ。
その充実した所蔵品や展示等は様々に得られる情報から頭にはイメージ化されてはいたが、目の前にしてただ息をのむばかり。
「この作品なら飾りたいわ」
「こっちの方が形がいい」
連れ添う家人達は口々に軽薄な評価をしては見ている。
ほとんどが人間国宝級だということは微塵にも頭にはない。
「うちにもこんないいのが欲しいね」
何を言っているのだろう、作家の質とレベルが丸っきし違うということは、お金の問題でもあることに気づいていない。
そうした会話に少しの恥ずかしさを覚え、いくぶんの距離を置いて先を進む。

あの作品この作品に触れてその感想を記したいのだが、なにせ館内は撮影禁止。
目を凝らして内なるシャッターを切って頭のファイルに収めるしかない。

二階には壺屋焼の金城次郎の作品や平良敏子の格子文芭蕉布など、沖縄の工芸家の作品も並ぶ。
「うちにも金城次郎の作品があったよね」
「そう、魚のやつね」
よく覚えていたもんだ。
たしかに魚文の小壺が一点、昭和51年頃手に入れたと記憶している。

作品を撮れないので、窓の外の壺のある風景をシャッターに収めることにした。
その風情がまたよく、いい絵になる。
全体を見終え階下に降りて、今一度第1室「柳宗悦の仕事」を見る。

靴に履き替え門を後にした時家人がぽつりと言う。
「良かったね。気に入った。また来よう」
そう、何時の日か、西館も観覧できる水曜か土曜の日にあらためて来ようと思った。
所蔵品は言うまでもないが、登録有形文化財の建物や微に細に技を駆使した家具調度品に触れるだけでもその再訪の価値はある。

新宿に戻り、蕎麦のある店を見つけて入る。
それぞれ違うのを頼む。
会計を済ませて、外に出て10歩ほど歩を進めたほぼ同じタイミングで言葉を口にする。
「美味しくなかった」
「だめだったね」
きれいな店で客も多かったのにと、首を傾げる。

高速バスに乗って家路に就く。
諏訪辺りはかなりの雪が降ったようだ。
着けば留守していた家の庭にも多くの雪が地を覆っていた。

   一月の汚れやすくてかなしき手   (黒田杏子)

日本民芸館4

日本民芸館6

日本民芸館1

日本民芸館2
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クラーナハ展 ~「ホロフェルネスの首を持つユディト」~
- 2017/01/10(Tue) -
クラーナハ99

“たまには都会の空気でも吸おう”そう思って二泊の旅に出た。

最初に足を運んだのは上野の国立西洋美術館『クラーナハ展』。
少し風があり肌寒さを感じさせる曇りの日だったが、多くの人が訪れていた。
チケットは事前に手に入れてあったので並ばずに入ることができた。
音声ガイドを頼み会場に踏み入れる。

クラーナハのすべてに魅了される展覧会だった。
そしてその企画構成もまた素晴らしい。
彼ををリスペクトする多くのアーチストの作品が並行して展示されており、クラーナハの魅力を更に引き立てる。
たとえばピカソの版画「ダヴィデとバテシバ」の第一ステージから第九ステージまでの一群。
クラーナハとピカソの融合に足が止まり惹きつけられる。
森村泰昌のセルフポートレートやレイラ・バズーキの絵画コンペティション、さらにはマン・レイ、マルセル・デュシャン等々。
それらの多視点での発想と多様な表現性にも驚嘆させられる。

90点を超える作品の中でやはり一番の存在感は「ホロフェルネスの首を持つユディト」。
元になった史実や背景は省く。

着飾った美しい女性が手に持つのは男の首。
それは自らの手で切り落とした敵軍の司令官ホロフェルネス。
祖国のために淡々と計画を実行しただけと、さも何事もなかったかのように前方へやわらかな視線を落とす冷静な表情のユディト。
一方、ホロフェルネスの白目を剥いた不気味で無機質な死顔。
そこには善と美と官能に権力と支配と醜悪との対比を思わせる。

全体を見終わって、もう一度戻り再び「ホロフェルネスの首を持つユディト」の前に立つ。
焼き付ける。

クラーナハと向き合ったおよその二時間は、十分満たされたものとなった。
しばらくは剣を持つユディトの顔が脳裏から離れないだろう。
外に出るといつものように周辺は人で混雑していた。
今にも雨が降ってきそうな空模様、ホテルへの帰途を急ぐ。

  冬の空昨日につゞき今日もあり   (波多野爽波)

クラーナハ60

クラーナハ02

クラーナハ70
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シュウメイギク(秋明菊) ~冬の旅~
- 2017/01/09(Mon) -
冬の秋明菊10

私の周りにのんびりの風が吹く。

小さな丸い玉が伸びたひょろりの上で揺れる。
中から白い綿が飛び出す。
秋には赤紫の花だった。
そのあと姿。
もとを思い起こせないほどの変わりよう。
そんな冬の秋明菊。

たまには都会の空気でも吸おう。

  目つむりて己れあたたむ冬の旅  (岡本眸)

冬の秋明菊12

冬の秋明菊11

八重秋明菊(秋)
                                                                          9月30日
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ビワ(枇杷の花) ~裏口を開ければ~
- 2017/01/08(Sun) -
冬の枇杷の花90

寒気に咲く花もある。
枇杷もそう。
小さく白い5弁が集まり咲く。
褐色の綿毛をまとい。

晩秋に咲き始めた花。
そして年を越してなおも花姿を保つ。
葉も青くして。

時々鳥が来て花をこぼす。

  枇杷の木に近づけば花はつきりと   (大串章)

冬の枇杷の花89

冬の枇杷の花91
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ヤマアジサイ(冬の山紫陽花) ~冬姿のあはれ~
- 2017/01/07(Sat) -
冬のヤマアジサイ83

冬の山紫陽花。
その枯れ姿も好き。
中にくっきり浮き出る筋。
このように色を失くしてから見えるものもある。

衰相の美。
老いの美しさ。
あはれとおもしろみ。

そしてすでにそばには新芽も。

   木々の間に輝く日あり冬の草  (山西雅子)

冬の山紫陽花84

冬の山紫陽花85
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シジュウカラ(四十雀) ~両手を合わせれば~
- 2017/01/06(Fri) -
シジュウカラ222

はや、六日。

   両手の世界

   両手を合せる 
   両手でにぎる
   両手で支える
   両手で受ける
   両手の愛
   両手の情
   両手合したら 喧嘩もできまい
   両手に持ったら 壊れもしまい
   一切衆生を
   両手に抱け
              (『自選 坂村眞民詩集』より)

眞民さんの心。
眞民さんの言葉。
そんな人との関係、そんな世界の関係。
世相やニュースを耳に目にすれば、特に今年はそんな願いを強く抱く。

  なぐさみの草摘みに出る六日かな (藤田あけ烏)

シジュウカラ223
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オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢) ~今ある場所で~
- 2017/01/05(Thu) -
オオイヌノフグリ171

酉年は世の中が騒がしいなどという人もいましたが。

すべての意味において平穏である事を願いたいものです。

年のはじめから暖かな日が続いています。

大犬の陰嚢が咲いています。

今ある場所でですね。

   金色のものの減りたる五日かな  (櫂未知子)

オオイヌノフグリ172

オオイヌノフグリ174
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フユシラズ(冬知らず・Calendula) ~常に戻して~
- 2017/01/04(Wed) -
フユシラズ17145

「まだお餅でいい?」
「いいよ」

遅れて届く年賀状10枚。
明日も明後日も来るか。

四日。
動いて戻し、動かし働く。

土手には黄色い小さなフユシラズの花。
ほっこり。

  服も替え常に戻りて四日かな (あや)

フユシラズ17142

フユシラズ17144
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初詣 ~中央アルプスを眺めつつ~
- 2017/01/03(Tue) -
中央アルプス

初詣は中央アルプスを横に見る古刹。
離れて眺めると、寺の杉の先端と宝剣の尖頂が似る。
陽射しがあって暖かく、コートを脱いで杉並木の参道を進む。
いつもの年より人が少ない。
本堂へもなんなく辿り着く。
平凡な願いを胸に手を合わせる。
境内全体が静かだ。
喧噪もなく。
何だろう。
参拝を済ませ、途中にある三重塔を経て鐘楼に出る。
「本年は打鐘をとりやめ」のお知らせが昇降口に貼られる。
いつもはここで鐘を突いてから帰るのだが。
毎年の楽しみだったのに残念。
県下に大流行の兆しあるノロウイルスの影響があるのかなどと思いを巡らせる。
古い破魔矢などを寺に収め、新しいのをいただき帰路に就く。

平和な世界であってほしい。

新しい和菓子の包みを解く。

  御手洗(みたらし)の杓の柄青し初詣  (杉田久女)
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スノードロップ(snowdrop) ~きよらかにしずやかに~
- 2017/01/02(Mon) -
スノードロップ171

枯葉の中に白い花一輪。
きよらかにしずやかに。

琴の音…。

二日は何から?

  ゆるやかにとぶ鳥見えて二日かな (永田耕一郎)

スノードロップ172

スノードロップ173
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