テンニンギク(天人菊・Gaillardia) ~来年のことを~
- 2016/10/31(Mon) -
テンニンギク2161

「次は来年の2月12日」。
そんな予定の連絡。
手帳を開くが、2月のページはなく書き込めない。

書店に出掛ける。
新しい手帳が並んでいる。
これまで同様に、使い慣れたT社の毎年のを購入する。
なかなか別のに乗り換えられない。
変化を忌むのと、同じものへの安心感からだろう。
早速2月12日の欄にそのイベントを書き入れる。

年末までのことを少しずつ意識し始めたこの頃だった。
しかし、すでにずっと先のことにまで意識を持って準備しているのもいる。
できることから。
早め早めに。
少しずつ。
一つずつ。

新しい手帳には次はどんな予定が記されるのか。
記された予定は確かにあるのか。
先のことは分からないが…。
ふと浮かぶ。
「一日一生」

天人菊に蜂。

  怠りて過ぐ十月の真澄かな  (斎藤玄)

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イソギク(磯菊) ~山里に磯の名の菊~
- 2016/10/30(Sun) -
イソギク161

早朝はまだ少し雨が降っていた。
朝食を済ませる頃には、だいぶ青空が広がってきた。
出掛ける頃には爽やかな風も吹き、小春日和の様相となる。
家人を伴い、案内を頂いた画家の個展を観に行く。
車を走らせ1時間弱、林の中にあるギャラリーが会場。
400号ほどの人物をモチーフにした3点の大きな作品を中心に壁面いっぱいに並ぶ。
花がメインの20点ほどの連作には心象風景的な奥深い物語性がある。
最近は人物を中心に描いている中央でも活躍する知人だが、珍しくコンテで描く風景スケッチなども。
裸婦スケッチは約20点、省略した面表現で大胆に力強く立体感が表現されている。
選び抜かれた総数100点ほど、どれもに心惹かれる。
奥様と共にいらっしゃった知人の作家には作品の一つひとつを解説していただいた。

心洗われる美しい秋をたっぷり詰め込んで外に出る。
優しい金風が吹くたびに木々からははらはらと葉が舞い落ちる。
二つのアルプスの山なみを左右に見る道を返し、家路につく。

大きな株となって黄色い小菊が咲いている。
磯菊。
その名が示す通り、本来は温かい海辺で咲く花である。

    秋日和山里に咲けり磯の菊 (あや)

イソギク162

イソギク163

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『収穫』(紙細工)  ~茜色の中に~
- 2016/10/29(Sat) -
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 家族揃っての稲刈り。
 黙々と一つひとつを手で刈り取っていく父と母。
 藁縄で束ねる兄。
 妹と弟はそれを受け取り稲架に掛ける。
 一枚の田をようやく終わる。
 案山子作りは祖父と祖母。
 顔にはへのへのもへじ。
 気がつけば空は茜色。
 稲架の端には麦わら帽子。
 片方の稲の先には赤とんぼ。
 そして腰を下ろす土手には彼岸花。

「秋のができたで、持って行くけど、居(お)るかな」
叔父からいつものように電話。
趣味で制作している紙細工が仕上がったというのだ。

折々の季節の風物詩や情景、生活行事に関わっての作品を作って届けてくださる。
「道が空いていていつもより早く35分ほどで着いたんだに」と。
藍色の縮緬風呂敷の包みを解いて出してくれた箱には「収穫」の文字。
昭和の稲刈り風景。

制作にまつわる話などを小一時間。
「だんだん目がだめになって、細かいのが出来なくなってな」と、90にも近いお歳。
いやいや、その意欲と繊細な手仕事、とてもかなわない。
初めて耳にした“へへののもへじ”の話も。
「私達は“へのへのもへじ”と言って書いていましたけど…」
「あれ、“へへののもへじ”じゃないかな、そう思っていたがな」
調べるとどうやら両方の言い方があるらしい。

時計を見て、「次の作品ができたらまた持って来る」と席を立たれる。
安全運転を願いつつ見送る。

深まり行く秋の素敵な贈り物。

   稲刈れば小草に秋の日のあたる  (与謝蕪村)

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収穫2

収穫5

収穫4
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ハナミズキ(花水木) ~紅葉を見せるのは~
- 2016/10/28(Fri) -
ハナミズキ1621

読書週間だという。

本に向き合ってみよう。
重厚な中味を敬遠する頭になってはいるが。
近頃手に入れたのは『RODIN』。
みんなはどんな本を読むのだろう。

ボチボチと紅葉の話題も届く。
花水木は他の木々よりも早く色づきを見せる。

  紅葉(こうえふ)にあたらしき紺空にあり  (伊藤敬子)

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干し柿作り ~秋の日の一コマ~
- 2016/10/27(Thu) -
干し柿162

渋柿を採って。
渋柿の皮を剥いて。
剥いた渋柿を紐に吊して。

そんな作業が好きな私。
今年は少なめに。

これからの朝霧と天日が白い粉を吹く甘い干し柿にする。

白鳥湖にはコハクチョウもやって来たと言う。

秋の風物詩もいろいろ届く。

   干柿の金殿玉楼といふべけれ (山口青邨)

干し柿161

渋柿2162

渋柿2161
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ハマギクとノギクのレリーフ(浜菊・野菊) ~やってきのは~
- 2016/10/26(Wed) -
浜菊823

寒かった。
暖房を入れようかどうか迷った。
県北では初霜だと伝えていた。

大根に土を寄せた。
畑仕事のあとの脚は冷えていた。

ツッ、ツッ、ツッ。
ツッ、ツッ、ツッ。
耳を傾ける。
それは何年も聞き慣れた声。
もしかしてと、急いで辺りを見渡した。
いた。
3月に伐り倒した桜の大きな切り株の上。
雄の尉鶲(ジョウビタキ)。
尾を上下にゆっくり振る姿が愛らしい。
10月も下旬、そろそろ現れるかと心待ちにしていた。
この時期になると、毎年北の大地から来てくれる。
雌の姿も早くみたいものだ。
三月までは、短くリズムを刻むその声を聞かせてくれる。

ダウンのベスト、ジャケットを出す。
長靴も冬用に替えた。

   一羽来てすぐ一羽来て尉鶲  (坂本宮尾)

ハマギク824

浜菊821

野菊825

浜菊822
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サルナシ(猿梨・コクワ) ~小さな実り~
- 2016/10/25(Tue) -
サルナシの実161

サルナシもそろそろかなと触ってみる。
多くはまだ形も良くしっかりとした肌を保っている。
一番の甘みとなるのは実がやわらかくなり、少し皺を寄せる頃。
目と手で確かめつつ、いい頃合いのを少しだけ採った。

籠から取り出し、一つ二つを口にする。
すると「ジャムにしようよ」と。
私は生食が好きなのだが、ここは好みが違う。
ゆずるのがいい。

来週には全部採るとしよう。

   妻の手に木の実のいのちあたたまる  (秋元不死男)

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サルナシの実163

サルナシの実164
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バラ(白薔薇) ~落ち葉が作る感傷と白い薔薇と穴を掘る私~
- 2016/10/24(Mon) -
白薔薇162

畑に穴を掘る。
直径は約60㎝、深さは40センチほど。
生ゴミを埋(い)けるため。
前の穴が容量一杯になった。
そのうち土の中で分解され肥料に。
年間、何回かのこうした作業。

木々から落ちる葉も増す。
残る葉は感傷を誘い、地にある葉も深い思いを引き寄せる。

白い薔薇は、まだ咲く。

   夕風や白薔薇の花皆動く (正岡子規)

白薔薇161

生ゴミ
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サンシュユ(山茱萸の実・秋珊瑚) ~穏やかな秋日和にゆるりの心日和~
- 2016/10/23(Sun) -
サンシュユの実161

いろいろな木の実の色も加わる。

艶やかな赤は山茱萸の実。
楕円の形がグミに似る。

いつもの年に比べてほんの僅か。
多い実りもあれば、少ないときも。
その時々の体調と環境に合わせ、うまく調節して生きている。

見るからに美味しそうで、食べたくなるが…。
味わうのは目だけのほうがよい。

穏やかな秋日和。

    さんしゅゆの実のすきとほる山日和  (山本杜城)

サンシュユの実162

サンシュユの実163

サンシュユの実164
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ノコンギク(野紺菊) ~野菊のある庭~
- 2016/10/22(Sat) -
ノコンギク160

やさしい野菊。

淡い恋物語の野菊。

秋の庭に野菊。

ヒラタアブも。
小さな虫たちも。
野菊が好き。

秋のひだまり。
心もひなたぼっこ。

   野紺菊一日家を忘れゐる  (北沢瑞史)

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ノコンギク162

ノコンギク164

ノコンギク165
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バラ・カクテルのレリーフ(秋薔薇) ~「あきそうび」という響き~
- 2016/10/21(Fri) -
カクテル192

飲み会のお誘いがあった。
年長の方が多く、立場的に気兼ねする会。
夜に弱く、併せてアルコールとあまり親しくしていない私。
丁寧にお断りした。
歳のせいか、そんなことが苦手になってきた。
「不義理な奴だ」と声が聞こえてきそうだが。
最近は疲れないことを優先する。

秋の薔薇には少しの淋しさともの悲しさがある。
少なくて小さくなって、でも深みがあって。
私は「あきそうび」というその響きが好き。

カクテルをレリ-フに。

   秋薔薇に袖垂れ去ぬる懺悔僧   (菅裸馬)

カクテル190

カクテル189

カクテル191
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マルバルコウ(丸葉縷紅) ~風邪をもらわぬように上手く着こなす~
- 2016/10/20(Thu) -
マルバルコウ161

この時期、朝夕と日中の寒暖の差で着るものに迷う。
油断していると、「ハアックション」となる。
一枚羽織ったり脱いだり、袖をまくったり。
戸惑う体をうまくコントロールする。

考えてみれば対人関係も同様なことが言えるかもしれない。

熱くなったりするのを、優しく仰いで冷ましたり。
冷えそうになるのを、思いを廻らせて温かくしてやったり。
疑心暗鬼の心や突き刺すような言葉を、感情を抑え丁寧に解きほぐしてやったり。

発する言葉も、うまく薄着にしたり重ね着したりする。
自分の心を制御しつつ、様々な考えを持つ人々に合わせるにはそれなりのエネルギーはいるが。

土手にはマルバルコウも咲く。
朝顔を小さくしたような濃朱色の花である。

  秋の日のつかれは老に狎(な)るるとき  (橋本夜叉)

マルバルコウ162

マルバルコウ163
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シーラス(Cirrus)  ~秋の雲と彫刻展~
- 2016/10/19(Wed) -
彫刻展139

青空の高いところにいくつもの絹雲があった。
それは平刷毛を軽く当て、さっと引いて巻き上げたような美しい形だった。

30分ほど車を走らせ創造館に着く。
彫刻展の搬入と展示作業である。
総数70点ほど、それぞれの作家の人間性と表現性が並ぶ。
私は旧作の頭像2点を出品。

疲れた。
家に着いてからも節々が痛かった。
特に腰。
「もう若くはないさ」と体が私に囁く。

  どちら見ても山頭火が歩いた山の秋の雲  (山口誓子)

想

沁
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フジバカマ(白花藤袴) ~おや?~
- 2016/10/18(Tue) -
白フジバカマ161

花梨の下に白花藤袴。
捩れた紐のように花糸が伸びる。

大部はまだ蕾。
その中にちょっと違う色のが一つ。
そう思って目を近づけるとそれは花蜘蛛。
擬態にも見えてかわいい。

朝霧が広がっていた。
秋が加速する。

  想ひごとふと声に出づ藤袴  (永方裕子)

白フジバカマ162

白フジバカマ163
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フユウガキ(富有柿) ~秋の日には~
- 2016/10/17(Mon) -
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週末は秋らしい良い天気が続いた。
青空と澄んだ空気に心までがクリーニングされる気がする。

庭の高いところからは相変わらず百舌の声。
時々熟柿を狙って現れる鵯の姿。
集団でやってきた四十雀は李の中でおしゃべり。

秋はいい。

どこかで詩人が書いていたように。
こんな日は時間を止めて、口を大きく開いて、青い風を吸い込んで。
少年のように「お~い」と大きな声を空に投げたくなる。

白い秋、朱の秋、秋は色もいい。

私は木に登って富有柿を採った。

   柿うましそれぞれが良き名を持ちて  (細谷喨々)

富有柿162

富有柿163
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ミゾソバ(溝蕎麦) ~長閑な秋の時、小さなものたちと~
- 2016/10/16(Sun) -
ミゾソバ161

小さな溝蕎麦の花が家の水辺でたくさん咲いています。
つやつやとした蕾と花はそれぞれに薄紅色を先だけに施します。
可憐です。

蜜蜂が留まります。
花を次々に移ります。
楽しいのでしょう。
他にも瑠璃小灰蝶など、いろいろな昆虫が遊びに来ます。
ずっとそこに腰を下ろして、眺めていたい気分です。

秋の長閑なひだまりです。

「純情」…、溝蕎麦の花言葉です。

   みぞそばの信濃の水の香なりけり (草間時彦)

ミゾソバ160

ミゾソバ0162

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ミゾソバ165
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コムラサキシキブ(小紫式部) ~サルが…~
- 2016/10/15(Sat) -
キムラサキ161

早朝のバスで東京へ出掛ける家人を乗せて家を出た。
空気はかなり冷え肌寒く、車内に暖気を送る。
走らせて一つ目の信号を右折したところで、道に動く物が。

「あっ、サル、サル、サル…」。
徐行する。
身を屈めるようにした彼は手に何かしらを抱えている。
そこは山栗のあるところ、きっとその実を拾っていたのだろう。
見ると、道上の斜面にもう2匹がこちらを見下ろしている。
きっと家族だ。
家からおよそ250㍍ほどを過ぎた場所。
こんな近くで見たのは初めてのことだ。

以前、家の葡萄のほとんどを何物かに取られたことがあった。
「もしかすると葡萄を取ったのもサルかもしれないね」
助手席で家人がふと思い出すように話した。

5分もしないうちに、高速バス停に着く。
町場より一段高いそこら一帯は今時期を迎えている梨と林檎の果樹園が広がる。
何気なく辺りを見渡す。
サルはいなかった。

家に戻り、落ち葉を掃く。

コムラサキは艶やかないい色である。

 冷たしや式部の名持つ実のむらさき  (長谷川かな女)

コクラサキ162

コムラサキ163

コムラサキ164
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ニンジンのレリ-フ(人参) ~夏畑の片付け~
- 2016/10/14(Fri) -
人参レリ-フ161

夏畑の片付けもだんだんに進める。

取り残してあった人参も。
抜くとどれもが小さい。

細かい葉とやわらかな茎と逆円錐形のその形。
レリ-フにするのも面白い。

構成は土も加えたイメージで。
色は人参らしさが出るまで丁寧に何度も塗り重ねる。
ん~ん…、まっ、いいことにしよう。

「虫も入れるとよかったかもよ」と声がかかる。

  人参を人参色に洗ひあげ  (小島花枝)

人参162

人参161

人参163

人参レリーフ162

人参レリーフ163
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セキヤノアキチョウジ(白花関屋の秋丁字) ~うつむきしまま風に揺れて~
- 2016/10/13(Thu) -
セキヤノアキチョウジ161

小さい秋。

白い花は関屋の秋丁字。
細い茎にたくさんがぶらぶらと。
どれもが少しうつむいて。
目を凝らせば一つひとつはこぎつねのようにも。
一人眺めて、「うふふふっ」。
その姿に頬が緩む。

景色に紛れて咲くこの素朴な花に添える花言葉には「秘めやかな思い」。

  日のにほひいただく秋の寒さかな  (広瀬惟然)

セキヤノアキチョウジ162

セキヤノアキチョウジ163
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バラ(薔薇・アンネのバラ) ~白秋という時を受けとめて~
- 2016/10/12(Wed) -
アンネの薔薇2161

高い空に鱗模様。
雲の形も季節の入れ替わりを教える。

メディアは紅葉の話題を届ける。
作業をする私の脚は冷える。
この頃の体と心に感じる白秋という響き。

アンネのバラが再び咲く。
この少女色が好き。

  薔薇に付け還暦の鼻うごめかす   (西東三鬼)

アンネの薔薇2162
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ナツメ(棗) ~素朴な味です~
- 2016/10/11(Tue) -
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棗の果皮が茶色く色づいてきました。
採ることにしました。

一口サイズの楕円形です。
採りながら時々口に入れます。
薄い甘味を持った素朴な味です。
昔ながらの林檎のような食感です。

器に移します。
「さあ、どうぞ」。

  棗盛る古き藍絵のよき小鉢 (杉田久女)

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ナツメ162

ナツメ163
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アカマンマのレリーフ(犬蓼) ~一人ままごと遊び~
- 2016/10/10(Mon) -
赤まんまのレリーフ161

ところどころにアカマンマが顔を出している。
その名前と形がそうさせるのだろう、懐かしさと親しみを感じさせる花である。

そんな秋空の下の野の花をレリーフにした。
色も実際に近づける。

こんな愛らしいアカマンマの花言葉は「お役に立ちたい」。
 
  わが心やさしくなりぬ赤のまま  (山口青邨)

赤まんま162

赤まんま163
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シュウメイギク(秋明菊) ~懐かしい時が流れ~
- 2016/10/09(Sun) -
秋明菊2161

同級会がありました。
35年ぶりに見る彼がいました。
医師に特別許可を得て参加した入院中の彼もいました。
女性が半数を越えていたのには少し驚きでした。
歳を重ねた顔はみんな穏やかでした。

交わされる話は一気に少年少女に時間を巻き戻します。
あの頃の元気な顔、大人しい顔が再び現れます。
注ぎ合う中にここちよいゆる~い時間が流れます。
時々、健康のこと、今の生活の辛さや厳しさなども共有しあいつつ。

予定の2時間が過ぎ、次回の幹事の発表がありました。
千葉から駆けつけた彼の一本締めでお開きになりました。
ありがたい縁、嬉しい絆です。

秋の陽を浴びて秋明菊があります。
この白い花が私は好きです。
蝶もとまりにきました。

   憩ふ人秋色すすむ中にあり (橋本鶏二)

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秋明菊2163

秋明菊2164
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シブガキ(渋柿) ~干し柿にします~
- 2016/10/08(Sat) -
渋柿161

渋柿です。
それぞれが柿色を濃くしていきます。
だいぶ重くなり枝が撓みます。

葉も装飾を施して落ちていきます。
朱漆に油滴のような柄です。
今だけのこの柿の葉模様が好きです。

干し柿にします。
秋の私の仕事です。

鵯がやって来ました。
「やわらかくなったものはご自由にどうぞ」

  渋柿の如きものにては候へど  (松根東洋城)

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渋柿163

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サツマイモ(薩摩芋・甘藷) ~延ばされた収穫~
- 2016/10/08(Sat) -
サツマイモ7160

気持ちの良い秋晴れだった。

甘藷を掘った。
収穫の予定からからかなり遅れた。
それで大きくしてしまったようだ。
スマートでいい形の芋を期待していたが。
これでは焼芋するには太すぎる。
何事にも適期がある。

後は任せよう。

  ほの赤く掘起しけり薩摩芋  (村上鬼城)

サツマイモ162

サツマイモ161


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ホトトギス(杜鵑草・時鳥草・油点草) ~美し妖し不思議模様~
- 2016/10/07(Fri) -
ホトトギス161
 
咲き始めたホトトギス。

花全体に大きさ、形の様々な紫斑が落とされる。
美しい。
しかし同時に、妖しさ毒々しさも感じさせる。

どれもが上を向く。
蜂がその奥に潜り込んでいた。

「秘めた思い」「永遠にあなたのもの」との花言葉。

    むらさきの後れはとらじ油点草   (後藤夜半)

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ホトトギス163

ホトトギス164
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ハマギク(浜菊) ~秋の朝~
- 2016/10/06(Thu) -
ハマギク160

朝の始まりは竹箒を持って庭に立つ。

土の上に柿の葉。
その色模様に惹かれ、1枚2枚を手に。

そこにある静かな空気。
目も耳も肌も喜ぶ。

朝陽に白い浜菊の花。
故郷は海辺だと名は示す。

  浜菊の咲くや遅々たる浦の秋  (小杉余子)

ハマギク161

ハマギク162
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レリ-フ(マリーゴールドとノギク) ~秋を切り取る~
- 2016/10/05(Wed) -
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マリーゴールドが咲き続けます。
そばではノギクも広がります。
二つの花をレリーフにしましょう。

バランスを整えてレイアウトします。
粘土に型取りして写します。
溶いた石膏を粘土の雌型に流し込みます。
1時間ほどおいて粘土と雄型を外します。
石膏雄型の汚れを洗い落とし、天日で乾燥させます。

ブロンズ風に着色して仕上げます。
ビリジャンとバーントシェンナとカーマインの3色の混色です。
化繊を使って表面を軽く磨き、立体感を浮き出させます。
はい、壁掛けができ上がりました。

秋を遊んでいます。

   秋暁や胸に明けゆくものの影  (加藤楸邨)

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キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草) ~貴婦人の如く~
- 2016/10/04(Tue) -
キイジョウロウホトトギス161

キイジョウロウホトトギスは黄色い花。
どれもが釣鐘状に下を向く。
他のホトトギスのなどのように全開しないのがまた奧床しい。
屈んで下から花びらの中を覗くと赤紫の斑紋が鏤められる。
蕊の周りには透明の小さな玉。

外からは見えない内に隠された世界。
上臈の名を持つのも頷ける。

  紫の斑の賑しや杜鵑草  (轡田進)

キイジョウロウホトトギス162

キイジョウロウホトトギス160
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ヒガンバナ(彼岸花・曼珠沙華・リコリスラジアータ) ~その造型に漂ようもの~
- 2016/10/03(Mon) -
彼岸花16201

その時節にはそれという花。
やはりただ今はと言えば曼珠沙華。

反り返る6枚の花びら。
湾曲する長い蕊。
出番を待つ蕾。
並ぶ茎の足元。

それぞれの趣と味わい。

景色のキャンバスに秋色を主調色に野山や草花が次々に描かれていく。

    曼珠沙華揺れては言葉こぼしをり   (窪信路)

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シュウメイギク(秋明菊・貴船菊) ~歳を重ねてもなお集うありがたさ~
- 2016/10/02(Sun) -
八重秋明菊163

百舌が朝早くから大きな声で鳴いている。
けたたましいという形容がぴったりのほどに。

同級会の案内が入る。
事務局を担当する幹事が脳梗塞で倒れ、入院したという。
それで連絡が遅くなったのだと。
準備に奔走してくれたらしいのだが、当然参加は不能。
早い快復を祈りたい。
これまではいつも同じ地元の温泉旅館だったが、今回初めて隣接市のホテル。
懐かしい面々との再会が今から楽しみである。

八重の秋明菊が咲いている。
秋がまた一つ進む。

  片づけて秋明菊を挿しにけり   (黒田杏子)

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八重秋明菊162

八重秋明菊164
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