シラヤマギク(白山菊) ~入れ替わる背景~
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- 2016/08/29(Mon) -
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![]() 菊の姿もぽつぽつと。 背の高いシラヤマギク。 花びらは少なく、不揃いで、隙間がある。 それぞれが自由気ままに咲いている。 葉は広い。 根元の葉は掌ほどに。 野趣の味わい。 はなびらの欠けて久しき野菊かな (後藤夜半) ![]() ![]() ![]() ![]() |
ニラ(韮・二文字) ~みんな楽しそう~
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- 2016/08/27(Sat) -
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![]() ニラが星形の白い花を咲かせる。 伸びる細い茎の先に花火のように。 さまざまな昆虫がやってくる。 その小さな花の上を楽しそうに次々に渡り歩く。 それぞれが身に纏う色や形が絵の点景となり、見ていて和む。 そこは彼女や彼たちにとっては憩いの広場のようだ。 数本を剪って鶴首に挿す。 齢かな摘みて眺むる韮の花 (河原枇杷男) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
スペアミント(spearmint) ~朝の訪れ夜の訪れ~
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- 2016/08/26(Fri) -
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![]() 目にも違いが分かる。 朝の訪れが遅くなってきたのを。 夜の訪れが早くなってきたのを。 肌でも確かに感じる。 朝の風の心地よさを。 夜の風の涼やかさを。 こうして、そっと、そおっと入れ替わっていく。 ゆらぎつつひそやかに。 白い穂状の花はスペアミント。 草の戸の残暑といもふきのふけふ (高浜虚子) ![]() ![]() ![]() |
アンネのバラ(薔薇・Souvenir d'Anne Frank) ~百舌の高鳴き~
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- 2016/08/24(Wed) -
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![]() キチキチキチキチキチキチ…。 朝くから届く甲高い声。 モズがいるのは栗の木のてっぺん。 今年は早い訪れ。 八月も下旬。 知らぬ間に秋が少しずつ聞こえだす。 そしてまたアンネのバラも咲く。 われありと思ふ鵙啼き過ぐるたび (山口誓子) ![]() |
ツルムラサキ(蔓紫) ~暑さもそろそろ収まる頃というか~
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- 2016/08/23(Tue) -
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![]() 毎年のツルムラサキ。 丈夫で栽培に手間が掛からない。 なにより長期にわたって、収穫できるのがいい。 その肉厚の葉のぬるっとした独特の食感が好き。 ピンクの花を付けている。 丸い花は花弁がない。 花もまたおいしい。 黄蝶が留まる。 カサルスのセロ聞えくる処暑の朝 (堀島濤平) ![]() ![]() ![]() |
タイム (Thyme) ~雨乞いでもしたくなる~
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- 2016/08/19(Fri) -
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![]() 天気予報を見ては雨マークをチエック。 空を見上げては雨雲探し。 ラジオには雑音が入る。 近くに雷雲があるらしい。 でも降らない。 同じ県内でも北部や東部はかなり降ったらしいが。 「降らせてください」 タイムにはミツバチがやってきた。 静脈の浮き上り来る酷暑かな (横光利一) ![]() ![]() ![]() |
ハギ (萩) ~風立つ~
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- 2016/08/18(Thu) -
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![]() 萩が枝垂れて咲く。 色は薄紅から桃紅、そして淡紫へのやわらかなグラデーション。 字の形声に「秋」を忍ばせる。 花言葉には「思案」「柔らかな心」などと。 夜の窓辺には虫の音が届く。 コロコロコロ…、コオロギか。 日中は暑くとも、目にも耳にも、そして心にも少しずつ季節が進む。 風立つや風にうなずく萩その他 (楠本憲吉) ![]() ![]() |
トマト (蕃茄) ~雨に願いを~
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- 2016/08/17(Wed) -
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![]() 信州の子どもたちの夏休みは短い。 お盆がすんだばかりだが、今日で終わりだという。 宿題はすんだかしら。 しばらく雨がない。 乾く。 そろそろ欲しい。 トマトは元気に育つ。 トマト挘ぐ手を濡らしたりひた濡らす (篠田悌二郎) ![]() ![]() |
オカトラノオ(丘虎尾) ~♪白い色は恋人の色♪~
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- 2016/08/12(Fri) -
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![]() 丘虎尾が庭に顔を出す。 穂状になる小さな白い花は数㍉ほど。 下から順に開いていき、花数が増すにつれ、花穂は徐々にその先を傾けていく。 逞しい虎の尾というより愛らしい小猫の尾の感。 虎の尾を一本持つて恋人来 (小林貴子) ![]() ![]() ![]() |
ホオズキ(酸漿・鬼灯) ~紙風船のように~
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- 2016/08/11(Thu) -
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ルリタマアザミ(瑠璃玉薊) ~叔父が「持って行くかな」と言ってくれて~
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- 2016/08/03(Wed) -
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![]() 大雨洪水警報が発令されていた。 激しい降りだった。 横の川は土色に濁り、ドドドーッと不気味な音を立てて勢いよく流れていた。 夕方には解除された。 家の周りを確認するが、何事もなくほっとする。 部屋には叔父からいただいた瑠璃玉薊。 夜空に浮かぶ花火のよう。 水音の消えては生れあざみ咲く (稲畑汀子) ![]() ![]() |