サクラウツギ(桜空木) ~あれこれやと五月尽~
- 2016/05/31(Tue) -
サクラウツギ161

桜色の花。
名もサクラウツギ。
いつもはいくつも見られるのに。
ひとかたまりだけ。
今年の空気が合わなかったのか。
好不調の波は花にもあるのだろう。

五月が行く。

 過去を思わず。
 未来を思わず。
 今を思い、今を生きるこそなり。
 只今、今時が一生なり。

そんな言葉を思い出しつつ、私の五月が終わる。

    ねばならぬもののみ増えて五月尽   (加藤瑠璃子)

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サルナシ(猿梨の花) ~花は実になる~
- 2016/05/31(Tue) -
サルナシ162

猿梨の独特の風味が好きである。
一口サイズで、食べやすい。
盛られた皿の上からあっという間に減っていく。
これは秋の話である。

葉の中にのぞく白い花。
それがその猿梨の花。
今年も花いっぱい。
それだけ実りも楽しめそうだ。

   五月空真白くのぞき木曽の駒嶽   (橋本多佳子)

サルナシ163

サルナシ161
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イチゴ(苺) ~不耕起栽培?~
- 2016/05/30(Mon) -
イチゴ160

苺を収穫する。
大きさも形も不揃い。
でも甘さは十分。

畑はすべて鍬で耕している。
畝ももちろん鍬を用いて立てる。
ずっとずっとそうしてきた。

ところが、中に一箇所だけまったく耕さない場所がある。
それが苺。
基本的には植えっぱなし。
ほとんど手を掛けない。
時々する適当なばらまきの肥料やりと土よけの籾殻まきと手で抜く草取りだけ。
苗を新らしく植えなくも、毎年新しいランナーが出て自然に増えていく。
窮屈そうだが、自然に古いのは淘汰されているようだ。
つまりほとんど何もせずの楽々いちご園である。
でもこうして毎年何度も収穫できるからありがたい。
いわゆる不耕起栽培を実践しているのではない。
ただなんとなくこうして今日に至っているというだけのことである。

秋には一面の楚々たる紅葉、冬には姿を消し風雪に耐え、春には愛らしい白花の競演、夏に喜びの実を付けるを繰り返す。
見かけと違って、意外な程苺は強い。

私は農薬は一切使わない。
だから畑仕事の途中、ちょっと一休みと、一つ二つ三つ苺を採ってはその場で口にしたりもする。
安全だからというわけでもないだろうが、鳥もよく啄みに来ている。
半分囓られた苺を見ては嬉しくもなったりする。
どれだけ可能かは知らないが、この場所だけは今後も耕さず、苺の本来持っている力に任せて育てようと思っている。

  青春のすぎにしこゝろ苺喰ふ (水原秋櫻子)

イチゴ162

イチゴ161
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シャクヤク(芍薬) ~足の痛み~
- 2016/05/30(Mon) -
芍薬(紅)163

急に足に痛みが出た。
病院へ行った。
座薬と飲み薬をいただいた。
効いた。
だいぶ楽になった。

体も心も歳とともに衰えていくこと。
反射も感性も鈍くなっていくことも。

動かしていこう。
働かせていこう。
ぼちぼちと。
できることをできる範囲で怠りなく。

  芍薬に身の一箇所を意識せり   (鳴戸奈菜)

芍薬(紅)161

芍薬(紅)162
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ジャーマンアイリス(German iris・ドイツ文目) ~虹のごとくの彩り~
- 2016/05/29(Sun) -
ジャ-マンアイリス160

多彩な色のジャーマンアイリス。
目移りする程、楽しませてくれる。

同じアヤメ科であってもやはり和物とはどこか一味違う。

スパッ、スパッと切ってそのたっぷりを花瓶に挿す。
香りも広がり、部屋が華やぐ。

   アイリスを見ゆる一眼にて愛す (日野草城)

ジャーマンアイリス169

ジャーマンアイリス168

ジャーマンアイリス167

ジャーマンアイリス166

ジャーマンアイリス165

ジャーマンアイリス164

ジャーマンアイリス163

ジャーマンアイリス162

ジャーマンアイリス161
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キショウブ(黄菖蒲)  ~同期会~
- 2016/05/28(Sat) -
キショウブ163

割烹で同期会があった。
幹事だった。
毎年行っているが、5月は初めてだ。
同じ職業に就いた同じ歳の仲間が集う。

案内の往復葉書には「今の心境、状況」を、創作熟語あるいは一文字で表す宿題が出されていた。
返信葉書に記されたその語がまとめられ、一覧表となって配布される。
誕生日の順番にその内容に触れつつ近況報告をする。
介護、趣味、ペット、健康、仕事、旅、家族、孫のことなどなど。
  念願だった47都道府県すべての旅を終えた、百名山の70峰を踏破した…。
  石焼き釜を作った、白内障を手術して奥さんの皺がはっきり見えるようになった…。
質問が飛び交い、話題が深まり盛り上がる。

次々に運ばれる料理はどれもが美味しい。
予定のコースが終わった後、「店主からのサービスです」と、全員に殻付きの大きな生牡蠣が振る舞われる。

こうして2時間半、来年の3人の幹事を決め、締めとなる。
不思議な縁で結ばれた25名(女性8名)の仲間達。
アルコール抜きの私だが、その気が置けない雰囲気は好きである。
1年後の再会を約束してそれぞれ帰路に就く。

家に灯りがともっている。
4日間の都会の旅を終えた家人も帰っていた。

   あやめ咲く野のかたむきに八ヶ岳   (木村蕪城)

キショウブ161

キショウブ164

キショウブ166

キショウブ162
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ヤマボウシ(山法師) ~花はどれ?~
- 2016/05/27(Fri) -
ヤマボウシ163

ひらひらと。
白い花がひらひらと。
山法師の花がひらひらと。

でも、ほんとの花はその中の丸い小さなかたまり。

ひらひら。
白い蝶のように。
ひらひら。

山法師の白い花がひらひら。

    風音を過客と聞けり山法師   (鈴木鷹夫)

ヤマボウシ164

ヤマボウシ162

ヤマボウシ161
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シャクヤク(芍薬・氷点) ~朝陽を受けて~
- 2016/05/26(Thu) -
氷点164

朝、庭に出ると芍薬に朝陽が射していた。
たっぷりと重なる白い花びらは少しばかり陽の色に染まっている。
蕾は紅色で縁取られ、開くにつれその色を隠していく。
優雅でいて繊細でもある。

午後からは雨の予報という。
多くの花びらは打たれて散るのかも知れない。

   そろひ咲く白芍薬よ朝の庭  (阿部ひろし)

氷点163

氷点162

氷点161
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セッコク(石斛) ~土の上で咲いた~
- 2016/05/26(Thu) -
セッコク162

このセッコクを手に入れたのは確か数年前のことだった。
植える場所は霞桜の又にした。
それからずっとそこで咲いてくれていた。

この花が咲くのを見て、私は去年次のように記していた。

  そうでした。
  そこにあるのを忘れていました。
  カスミザクラの幹が分かれるところです。
  樹皮が取れ、少し洞もできているところです。
  セッコクが花を咲かせていました。
  薄いピンクが二輪です。
  目立たないところに目立たない花。
  でもそこが一番のお似合い。
  それぞれにそれぞれの居場所。

   石斛や桜の洞のはざまかな (あや)

今年三月、大きくなりすぎた霞桜を伐り倒した。
到底、自分の手に負えるものではないので森林組合に委ねた。
二日がかりで切り株の姿になった。

そう、伐る前に霞桜から移動させ、福寿草のそばに植えたのである。
それがこうして土の上で咲いた。

少し元気がないように見えるのは、本来の居場所でないからなのだろう。
もともと着生蘭であるこの花にとって、一番生き生きできる環境はやはり木の上。

庭を見渡した。
渋柿にかっこうの又がある。
咲き終わったら、そこへ移してあげよう。

セッコク161
2015/5/21 霞桜の上で咲く石斛
セッコク152

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ナツロウバイ(夏蝋梅) ~葉陰にあって~
- 2016/05/25(Wed) -
ナツロウバイ162

木漏れ日の中の白い花。
ふんわり膨らむ黄色い蘂。

ナツロウバイは葉陰が似合う花。

静かでおしとやかではずかしがりやで。
そんな感じ。

花の色は少しずつ薄いピンク色に移る。

  咲くときはいつも葉陰の夏臘梅  (あや)  

ナツロウバイ161

ナツロウバイ165

ナツロウバイ164

ナツロウバイ163
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カルミア(Kalmia ) ~花を前にすると~
- 2016/05/24(Tue) -
カルミヤ161

カルミアが咲く。
パラソルを逆さにしたような可愛い形の花だ。
加えて蕾も、昔懐かし金平糖のようで。

隣の市では3日連日、真夏日を記録したという。
そんな日でも健気に咲く花たち。
そして爽やかにしてくれる。
「優しさ」とか「穏やかさ」とかにも。

  好く化粧ひ好く着こなして日傘さし   (高浜虚子)

カルミヤ164

カルミヤ162

カルミヤ163
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シラン(紫蘭) ~知らないの?~
- 2016/05/23(Mon) -
シラン166

ねえ、この花、可愛い。
うん。
色もいい。
うん。
花びらの中に襞がたくさんあるわ。
うん。
なんて花?
シラン。
貴方も知らないの?
いや、そうでなくてシラン。
なんだ、知らないんだ。
だからシランって。
分かった、また誰かに教えて貰う。
シランだっていっているだろう
分かったわよ、知らないんでしょ。
そうでなくて、これはシランというなまえなのはななの。
冗談でしょ。
ほんと。
また、遊んでいるんでしょう。
ほんとだって。
本当なの?
シランはむらさきのらんとかくんだよ。
紫の蘭で紫蘭、へえ~、いい名前ね。
だからさいしょからシランっていっているだろう。
ややこしい言い方するからよ。
シランよそんなの。
紫蘭ね、覚えた。
はなことばは「あなたをわすれない」「かわらぬあい」だって。
ああ、素敵。これも覚えておこう。貴方も忘れないでね。

    吾知るや雑草園に紫蘭あり   (高浜虚子)

シラン161

シラン165

シラン164

シラン162
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アヤメ(菖蒲・文目) ~風趣に富んだ和の情景~
- 2016/05/22(Sun) -
アヤメ1601

立ち並ぶ菖蒲。
すくっと立つ茎の上にいくつもの青紫の花。
帯のようなたらりの花を細い緑葉が引き立てる。

そのしなやかなさを描くには日本画が相応しい。
あるいは扇や着物の「和の美」に。
油絵ではその風趣は伝わらないのではないか。

ふと、着物姿の女性が現れるような…優艶な幻想。

   衣をぬぎし闇のあなたにあやめ咲く (桂信子)

アヤメ1600

アヤメ1602

アヤメ1603
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ナンジャモンジャノキ(ヒトツバタゴ・一つ葉たご) ~繰り返せばおまじないのよう~
- 2016/05/21(Sat) -
ナンジャモンジャ165

木いっぱいにあふれる白い花。
一つひとつは細長い切れ込みのある優しい花。
毎年5月のこの花はナンジャモンジャノキ。
本来の名は“ヒトツバタゴ”。
でもナンジャモンジャノキの方がよく知られる。
通りがかりの人にもよく名前を尋ねられる。
「ナンジャモンジャノキ」ですというと、「ン?」。
冗談を言っているのかと。

ナンジャモンジャ、ナンジャモンジャ、ナンジャモンジャ…。

  乗り越えし五月の込みしスケジュール  (稲畑汀子)

ナンジャモンジャ161

ナンジャモンジャ162

ナンジャモンジャ164
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カキツバタ(燕子花・杜若)  ~想いを寄せつつ言葉を紡ぐ~
- 2016/05/20(Fri) -
カキツバタ160

旅から帰ってくると、風知草のそばで燕子花が一輪咲いていました。
花弁の一筋の模様が花姿を美しく引き締めます。
この佇まい、好きです。
数年前のこと、いにしえの歌人の心を思い出しながら、私も言葉遊びをしてみたのでした。

か  風さわやかに皐月の庭
き  木々をこぼれる光あり
つ  紡ぐ揺らぎに
は  花一輪
た  誰がために咲くや燕子花      

  杜若語るも旅のひとつかな  (松尾芭蕉)

カキツバタ163

カキツバタ162
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セイヨウシャクナゲ(西洋石楠花) ~清々しい朝~
- 2016/05/19(Thu) -
西洋石楠花163

ひんやりとした朝。

椿の新芽。
金木犀の若葉。

燕は飛び。
雀は鳴き。
山は霞む。

この朝。
この空気。

自分に声を掛ける。
「おはよう」
「元気?」
「どうだった?」

新しい思いで迎える五月の朝。
何と清々しいことか。

   石楠花によき墨とゞき機嫌よし (杉田久女)

西洋石楠花160

西洋石楠花162
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キャットミント(犬薄荷・Catmint) ~さあ、帰ろう~
- 2016/05/18(Wed) -
キャットミント162

「楽しかったわ」
「でも疲れた」
「食べて飲んで見て」
「遊び疲れね」

彼女は一期先輩。
海沿いのリゾートホテルで、同総会があり、2泊3日の旅だったようだ。
日常から解き離れて仲間たちとの生徒時代を満喫してきたのだろう。

人は時に旅するのがいい。
今を遠く離れたとき、忘れかけていた自分を取り戻したりすることもある。
あるいはこれからのことに結論を見出したりすることも。
心と体のリフレッシュはもちろんのことだ。

さあ、帰ろう。
私も。
十分自分を確かめることができた旅から。

キャットミント161
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オーニソガラム(大甘菜・Ornithogalum) ~今日までそして明日から~
- 2016/05/17(Tue) -
オーニソガラム162

自分の思いと人の思いが噛み合わないもどかしさ。

たとえば。
引っ張り合う「優しさ」というベクトルの違い。
静かな空間にお構いなしに賑やかに飛び交う自己本位の言葉たち。
体を投げ出して疲れを取りた状況で振り回される思い出作り。
評価の目でなく、批判のメガネだけを掛けて、人、コト、ものを見る貧しさ。
オレが、自分は、私の、といつでも主人公でいたい人。

私は押し付けない。
私は押し付けられない。

こうして私は今日まで生きてきた。
そして明日からも。

オーニソガラム163

オーニソガラム161
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ラナンキュラスゴールドコイン(Ranunculus 'Gold Coin')  ~水の違い ~
- 2016/05/16(Mon) -
ラナンキュラスゴールドコイン162

居住地を離れてみると水の違いを感じる。
たとえばおふくろの味の味噌汁と妻の味噌汁の違いのように。
同じ水であっても喉を通る重さとか抜ける柔らかさとか。
微妙だが確かにわかる。
育まれる人間性も地域の水によって違うのではないかとも。

黄金色の丸い八重の花。
芯に少しの緑色。
名はラナンキュラスゴールドコイン。
'Gold Coin'(金貨)。

お金に変えることのできないものやこと。
「人との絆」や「人との結びつき」などなど。
そんなことを思う日々。

ラナンキュラスゴールドコイン163
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ツルニチニチソウ(蔓日々草)~突然の雨さえも教えてくれる~
- 2016/05/15(Sun) -
ツルニチニチソウ162

何かを見つけるために。
自分がなんであるかを知るために。
あるいは何かと決別するために。
あるいはそれさえもわからない故の自分探し。

それぞれが抱える悩みや苦しみ。
それぞれにいろいろな形で包むそれぞれの現実。

たとえば座禅のように。
たとえばお遍路のように。
今私は日々そんな思いの中で過ごしている。
そしてもう少し。

ツルニチニチソウ161
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カリフォルニアポピー(花菱草) ~訪ねてこられたご婦人
- 2016/05/14(Sat) -
カリフォルニアポピー163

白髪のご婦人が訪ねてこられた。
お見受けするに歳は80を超えておられるか。
「根橋の家内です。主人が来れないので替わってお伺いしました」と。
そして、預かった手紙を手渡された。
35年ぶりのこと、どうしても会いたかったが、静岡からの旅の帰途、急に体調を崩し入院することになったと認められてある。
そし今はて院外外出は禁止されており、会えないのが残念だと。

その中には35年前の出会いと、当時一緒に巡った場所や交わされた会話が詳細に記されていた。
私が全く失念していたことが。

奥様と30分ほどお話させていただいた。
明日には病院へお見舞いに伺い、当時のことなど振り返りながら旧交を温めよう。

   待つ胸に形なして行く花菱草  (野崎明子)

カリフォルニアポピー161

カリフォルニアポピー162

カリフォルニアポピー164
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ツルコザクラ(蔓小桜) ~胸の奥に南の風が吹き寄せる~
- 2016/05/13(Fri) -
ツルコザクラ163

まわりには懐かしい色と香りと風。

ゆったりと時間が流れる。
今と過去を重ねあわせながら。
今とこれからを。

こんな時を過ごすのは何年ぶりだろう。

しばらくはそんな場所に身を置く。

ツルコザクラ162

ツルコザクラ161
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エビネ(海老根)~出会いと縁と~
- 2016/05/12(Thu) -
エビネ2163

あるパーティが設定されていた。

大阪出身のシンガーソングライターが故郷に想いを寄せたオリジナルの歌を贈ってくれる。
彼女は白血病に加え、いくつかの病を抱えた身。
強い。
♪生きる~、生きている~
伸びやかで澄んだ声が心に染み入る。

テーブルの上の料理は参加者が手作りで持ち寄ったもの。
長崎出身のアートディレクターや沖縄の工芸作家など。
多くは初対面。
一期一会という言葉。
縁がまた一つ新たに紡がれていく。
暖かさと優しさに包まれた時間はあっという間に過ぎた。
いつもの就寝時間をとっくに過ぎてホテルのベッドに横たわった私は体全体を覆う不思議な感慨でなかなか寝付かれない。
朝に届いていたのはおめでとうのメール。
誕生日だったのだ。

今こうしていられること。
私の周りにいるすべての人々へ感謝。

エビネ2162

エビネ2161
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コデマリ(小手毬) ~覚えている?~
- 2016/05/11(Wed) -
コデマリ163

やってきた彼は言うのである。
「俺、覚えている?」
思い出せない。
「やはり覚えていないかあ、無理ないよな」
そんなことがいくつも続く今日昨日。
明日もそんな言葉が私の前に立つ人からかけられるかもしれない。
これが時間が与えた現実、それは仕方ないことだ。
なにもかもそのまま昔のままであることはできない。

48年ぶりに再会するあの頃の少年がいて少女がいて。

石川啄木あるいは室生犀星の心境。
   故郷の訛り懐かし停車場の人ごみの中にそを聞きに行く・・・・
   ふるさとは遠くにありて・・・・

コデマリ161

コデマリ162
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サツキ(皐月) ~五月の風を受けながら居る~
- 2016/05/10(Tue) -
サツキ赤紫161

思い出す様々のアルバムの中に今私は身を置く。

ああ、いい風だ。
ああ、いい香りだ。
ああ、いい景色だ。

そうだ、私は今子どものころに戻っている。

夢。
現実。

過去。
これから。

今私は五月の風を受けながら、ここにいる。
ここに。

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イチハツ(一八) ~久しぶりに友と会う~
- 2016/05/09(Mon) -
イチハツ161

5月になればイチハツ。
いつもこの顔。
落ち着いた立ち姿。

今日はいそがしい。
心をなくさないように。
私もしゃきっと。
落ち着いて。
ことにむかう。

イチハツ162
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エンドウ(豌豆の花) ~風に乗って私はどこへ~
- 2016/05/08(Sun) -
エンドウ豆2

豌豆を採る。
1週間程前から収穫できるようになった。
取り立てを台所への自産自消。

花は上を薄ピンクに下は濃紫の蝶形花。
これが莢になっていく。
育ってくれてありがとう。
いただきます。

   豌豆の花の飛ばんと風の中  (勝又一透)

エンドウ164

エンドウ163

エンドウ162

エンドウ161

エンドウ豆161
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ボタン(牡丹・御国の曙) ~幸せ気分~
- 2016/05/07(Sat) -
牡丹御国の曙

御国の曙という名の白牡丹。
花びらはギザギザに縁取られる。
その中の蕊の色と形が昇る朝陽を思わせる。

中にヒラタアブ。
夢中になって蜜に吸い付く。
至福の時。

  白牡丹といふといへども紅ほのか  (高浜虚子)

牡丹にアブ

牡丹とアブ
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シャガ(著莪) ~あたためていた想いと決心とそして自己確認と~
- 2016/05/06(Fri) -
シャガ161

著莪の花が咲く。

縁に細かい切れ込みのある白い花びら。
中に青紫と淡橙色の斑点。
花柱は薄らとした色の階調。
それらが見事に調和し引き立て合う。

別に胡蝶花の名もあるという。
まさしく。
この優しい花に「決心」という強い花言葉。

ずっと抱いてきた「想い」をようやく実現させる私の五月。
遠く離れた場での10日間を自己確認の時とする。

   一隅を照らすに余り著莪明り  (後藤比奈夫)


シャガ162

シャガ163
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ボタン(牡丹・島藤) ~やわらかなグラデーション~
- 2016/05/06(Fri) -
牡丹薄紫353

やわらかに幾重もの花びら。
花芯に向かって白から淡紅色へのグラデーション。
中に多くの黄色い蕊。

水墨画なら、日本画なら…。

立夏過ぎ、木漏れ日の中の昼下がり。

   牡丹(ぼうたん)の花に暈ある如くなり  (松本たかし)

牡丹薄紫363
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アマドコロ(甘野老) ~だれも子どもだった~
- 2016/05/05(Thu) -
アマドコロ160

小さな白い甘野老。
花の先だけ少しの緑。
別名で笑(えみ)草とも。
そばによれば自ずと顔も穏やかに。

誰にも子どもの時があった。
童謡のように、兄弟で柱に背の丈を印していたことを思い出す。
大人になって失ったものも多い。

   道しるべともなく傾ぎあまどころ   (和田暖泡)


アマドコロ161
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