キク(赤菊) ~番付の文字の大きさ~
- 2015/10/31(Sat) -
九州場所番付15

11月8日から始まる九州場所の番付表が送られてきた。
高校卒業後に入門して2年半の彼からである。
新たな番付では、長くとどまっていた序二段からようやく三段目となった
書かれる文字が少しだけではあるが、大きくなっているのが嬉しい。
先々場所から部屋の名を冠した新たな四股名を師匠からいただいた。
その期待に応えて奮起した結果の昇格といえる。
入門して直後の序の口からの番付表をこうして毎場所届けてくれる律儀な彼である。
厳しく激しい稽古の中、心技の鍛錬をこつこつと積み重ねて精進し、さらに番付の文字が大きなることを願う。

赤い菊が咲く10月の終わる日。

   よく続く菊の日和の一と日かな   (高浜年尾)

赤菊152

赤菊153

赤菊151
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ヤツデ(八手の花) ~言葉遣いは心遣い~
- 2015/10/30(Fri) -
ヤツデの花151

“言葉遣いは心遣い”
昨日読んでいた本の中に見つける。
そう。
確かに。

ことばは力。
ひと言の勇気づけ。
ことばは心。
ひと言のあたたかさ。

八つ手の花が咲いている。
一つひとつは小さな白い花。
それが丸く集まって毬のように。
花びらは愛らしく反り返り、蕊は元気に外に突き出す。
ヤツデの花は楽しい花だ。

   みづからの光りをたのみ八ツ手咲く  (飯田龍太)

ヤツデの花152

ヤツデの花153

ヤツデの花154
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イソギク(磯菊) ~海辺から山辺へ~
- 2015/10/29(Thu) -
イソギク151

黄色い菊は磯菊。
1センチにも満たない小さな菊。
もともとその名が示す海辺の花。
関東付近の太平洋の風が育てると。
それが山国、海のない内陸の庭に咲く。
うまく適応している。

海育ちから山育ちへ…。
私の人生のよう。

  山里に磯の名を持つ菊咲けり   (あや)

イソギク152

イソギク153
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キク(黄菊) ~それは母の名~
- 2015/10/28(Wed) -
黄菊151

 ♪今も聞こえる あのおふくろの声
  僕に人生を教えてくれた やさしいおふくろ♪

菊が咲く季節。
色も形も大きさもいろいろだが、私はどの菊も好き。
そしてそれは母。
菊の花は子どもの頃からずっとずっと母の花だった。

空界の人となって12月で7年。

菊の花が咲く私の秋の空には郷愁を誘う男のバラードが流れる。

   次の世のしづけさにある黄菊かな (浅井一志)

黄菊152

黄菊153
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ピラカンサ(Pyracantha・タチバナモドキ) ~それぞれに歳を重ね~
- 2015/10/27(Tue) -
ピラカンサの実154

同期会があった。
同じ年度に職に就いた仲間達の会である。
年に一回開く。
いつもは20人ほどの参加があるが、今回は15人と少ない。
男性11人、女性4人。
その髪、顔の皺、着るもの…。
回覧される返信用の葉書は近況報告も兼ねているが、欠席のやむなき事情も記されている。
アルコールが運ばれ、会が盛り上がる。
いつものように温かいウーロン茶で通す私だが、場の酔いには同じ気分で加われる。
母親の介護のこと、地区の役員のこと、現在の仕事のこと…。
2ヶ月ほど人間関係で悩み苦しんだという友人。
相変わらず話の中心に自分を置く仲間。
いつもながらに聞き役に回る控え目な彼。
3月の個展に向けて熱い思いを語る元同僚。
孫のことや子どもが結婚した喜びを報告し合ったり。
白内障の手術をしたら視力が1.5に回復したと皆にも早めにするがいいと勧めたり。
どこどこの病院がいいとか、良くないとか、危ないとか。
母親を送り、その悲しみと思い出をしみじみ語る君。
去年もやり合った二人は今年も同じように泡を飛ばしている。
そしてお開き。
次回の幹事は…。
酒の回った歴史家の彼が手を上げ、私と隣の彼女を指名し3人でやると。
半ば強引だったが、拍手があって決定。
いいだろう。

ハンドルを握りながら帰途に着く夜空には大きな月があった。
朝は冷えるか…。

小さな柿色の実はピラカンサ。
鳥たちの好物。
ツッツッツッ…聞き慣れた声。
今年も尉鶲がやってきたようだ。

   秋の朝烏の首をかしげをり  (出口誠)

ピラカンサの実151

ピラカンサの実152

ピラカンサの実153
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カツラ(桂) ~落ち葉から届く香り~
- 2015/10/26(Mon) -
桂151

今、庭の北側は綿菓子のような甘い香りがする。
それは桂の落ち葉が広げる香り。
樹に残る葉もだんだんに地面に落ちてその香りを届けてくれるはず。

桂の葉はハートの形。
寄り添うような2枚を見つけて嬉しくなる。

心地よい気分に浸りながら私は掃く。

  天上の声聞かるゝ秋うらら   (野田別天楼)

桂152

桂153

桂154

桂155

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サルナシ(猿梨・コクワ) ~小さな自然のキウイ~
- 2015/10/25(Sun) -
サルナシの実151

2㎝ほどの長球形の実が蔓に並んでぶら下がる。
下を見るとすでに大分落ち始めている。
「もういい頃よ。早く食べて」。

6月の初め、猿梨には白い5弁が咲いた。
そして秋、花は時間をかけて緑色の実になった。

長靴に履き替え、収穫籠を肘に掛ける。
下から受けるようにして両手の素手で優しく包み取る。
ちょっと力を入れるとぽろぽろ落ちてしまうのだ。
20分ほどで籠はいっぱいになった。
今年も豊作。

家に入り仕分ける。
やわらかいもの、すこしやわらかめのも、少しかためのもの、かたいものの4つに。
つまりすぐに食べられるものから、しばらく置いておける物の順に。
早速、洗ってティータイムに。
「あま~い。やめられない止まらない…って感じね」と、去年と同じ言葉。

   猿梨の籠にあふれる秋日和 (あや)

サルナシの実152

サルナシの実153

サルナシの実154

サルナシ1563
2015年6月3日
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ミヤマカイドウ(深山海棠の実) ~ヒッチハイクの青年~
- 2015/10/24(Sat) -
ミヤマカイドウの実151

家人を迎えた帰り道、コンビニの前でスケッチブックに行き先を大きく書いた青年が立っていた。
「ヒッチハイク?」、一瞬逡巡し、通り過ぎたあと、20㍍ほど行って車を止めた。
小さなバックを背に小走りに近づいてきた彼、「乗せていただけますか?」
もう家は目の前だったが、その目的地はそう遠くはない行き先だったので、「どうぞ」と。
神奈川から朝早くに出て、トラックと乗用車6台に乗せてもらってきたのだそうだ。
秋の紅葉の風景写真を撮るのが目的だと言う。
学業のこと家族のことなどを話してくれる中、30分ほどで目的地へ着く。
大学1年生という彼、来年の春には母の実家のある大分までヒッチハイクで行く計画も立てているとか。
言葉遣いも丁寧で、礼儀正しい好感の持てる青年で、私たちにとってもちょっとした秋の思い出になった。

深山海棠の実も赤く染まってきた。
長い花柄の先にある姿はサクランボにも似ている。
一つ取って口に含む。
ちょっとの酸味。
大体において小さくて、人が食べるだけの果肉をそなえていない。
この林檎のような色合いの小さな実、かわいさを目で味わうだけの方が良さそうだ。

遠くの山に目をやりつつ、私もカメラを持って高原の紅葉を収めたくなった。

   誰彼もあらず一天自尊の秋  (飯田蛇笏)

ミヤマカイドウの実152

ミヤマカイドウの実153
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ユウゼンギク(友禅菊) ~秋のどか~
- 2015/10/23(Fri) -
ユウゼンギク151

菊の季節。
手入れのない庭にも、少しずつ。

友禅菊も。
青紫の小菊。
いい色。
好き。

ヒラタアブも翅を休める。
君も好き?

秋のどか。

  菊うらら翅あれば出て飛ばぬなき  (篠田悌二郎)

ユウゼンギク152

ユウゼンギク153

ユウゼンギク154

ユウゼンギク155
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コガキ(小柿・豆柿・信濃柿) ~秋のお届け物~
- 2015/10/23(Fri) -
小柿153

茶朱色の小さい実がなっています。
大きさは1センチを少し超えるほどのマメガキです。
小さくてもちゃんと柿の形なんです。
渋柿ですので、今はそのままでは食べることはできません。
あと半月ほどし、霜が降りる頃なるとその色は黒紫色に変わります。
それが甘くなったことの印、そうすると収穫です。
小皿に盛ると、ちょっとしたデザートになります。

秋はいろいろな実りの小包を配達してくれます。

   豆柿をこころみて渋大いなり  (皆吉爽雨)

小柿152

小柿151
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キク(菊の花) ~赤い花白い花~
- 2015/10/22(Thu) -
赤い菊15

  赤い花つんで あの人にあげよ
  あの人の髪に この花さしてあげよ
  赤い花 赤い花 あの人の髪に
  咲いてゆれるだろう お陽さまのように

  白い花つんで あの人にあげよ
  あの人の胸に この花さしてあげよ
  白い花 白い花 あの人の胸に
  咲いてゆれるだろう お月さんのように     (赤い鳥 「赤い花 白い花」 )

いわゆるフォークとかニューミュージックが好きである。
歌われる強いメッセージ性であったり、ピュアな内なる思いであったり、ありふれた日常だったり…。
美しいメロディーや、歌いやすいリズムやテンポ…。
青春が染みこんだ曲調…。
聞き取りやすい発声…。
体全体の細胞が無条件に反応する。

昨日流れていた「赤い花白い花」もそんな歌。
歌詞を大事にして歌い上げる澄んだ声。
ボリュームを少しあげて聞く。
あの頃を思い出したりしながら。

十月も下旬、庭の陽だまりには赤い菊と白い菊。

   今日はまた今日のこゝろに菊暮るる  (松尾いはほ)

白い菊15

赤い花白い花楽譜1
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サツマイモ(木彫甘藷) ~黄色い皿の上~
- 2015/10/21(Wed) -
サツマイモ制作1

甘藷を掘ったのは10月10日だった。
その後まとめて籠に入れられたそれはなかなか減っていかない。

そしてまた彫った。

いくつか手に取りながら、サツマイモの形がよく表れているのを一つ選んだ。
材は朴(ホオ)。
ぎりぎりの線で木取りしたあと、彫刻刀で彫りに入る。

大きな面を見て平刀で荒彫りする。
常に全体の量感や動勢を意識しながら大きく大きくとらえていく。
時々鉛筆で線を入れたり塗りつぶして、塊の大きさや面の流れを確かめる。
ライトを当てると、できる陰影によって彫りの深さや高さの凹凸感がクリーヤーになる。
丸刀を使って徐々に角を落とし丸みを出していく。
細部の表情を小丸刀や淺丸刀を使い分けて表す。
表面にいくつかある小さな凹みは極細印刀と極淺丸刀を使い分けて形を作る。
尾の部分は折らないように弱い力で慎重に刀を進める。
全体が彫り終えたところで、刀痕の調子に統一感を持たせる。

着彩はポスターカラーを用いる。
混色してサツマイモのメインの色を作る。
ところどころに濃淡の変化を付けて完成。

できた作品を黄色い皿に乗せて「はい、どうぞ」。

   ほの赤く掘起しけり薩摩芋  (村上鬼城)


サツマイモ制作2

サツマイモ制作3

サツマイモ制作4-1

サツマイモ制作4-2

サツマイモ制作5

サツマイモ制作6

サツマイモ制作7

サツマイモ制作8

サツマイモ制作9

サツマイモ制作10
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ノギク(野菊) ~やさしい野菊~
- 2015/10/20(Tue) -
野菊151

   秋の日ざしを あびてとぶ
   とんぼをかろく 休ませて
   しずかに咲いた 野辺の花
   やさしい野菊 うすむらさきよ  (童謡「野菊」より2番)

FMを聴きながら作業をしていた。
秋の唱歌の特集が組まれたいた。
子どもの頃歌った歌や昔聴いた曲など、懐かしい歌詞とメロディーが次々に流れる。
唱歌は自分の時を遡らせ、記憶やイメージの場所へと移動させ、郷愁と哀愁にいざなう。
歌われる情景が浮かびくる心地よさの中で、手にも穏やかな気持ちが集中して仕事も捗った。

庭のところどころにもさりげなく「野菊」が咲いている。
アブだろうか、二つやってきて仲良く遊んでいる。
“きれいな野菊 やさしい野菊 あかるい野菊…うすむらさきよ”

   いつまでも野菊が見えてゐて暮れず  (黛 執)

野菊152

野菊に虫
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ビワ(枇杷) ~目立たない花…~
- 2015/10/19(Mon) -
枇杷の花151

秋はいろいろな木々が実を付ける。
春から初夏にかけて花を咲かせた後の姿である。

違えて、深まる秋から冬にかけて花を咲かせるのがある。
枇杷だ。
白い小さな綿玉のような蕾は徐々に褐色に染まっていく。
その砥の粉色の綿毛に覆われた蕾が開くと、白い五弁の花びらが顔を出す。
蕊の色も苞や萼の毛と同じ色をしているのも面白い。
この枇杷の花、咲いたばかりであるが、この先空気が冷え冷えとする歳の暮れまで長く咲き続ける。

花としての色や形には主張の乏しく、そこにその花あるとは知られずほどの淋しげな花ではある。
しかしそれらは半年の後、日射しが強くなる頃には味わい得る甘い実を付けてくれるのである。

  生花に事欠く頃や枇杷の花  (賀瑞)

枇杷の花152

枇杷の花153

枇杷の花154

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ニシキギ(錦木) ~紅葉する前の剪定~
- 2015/10/18(Sun) -
ニシキギ151

ニシキギはその名の通り、紅葉が美しい。
三大紅葉樹にもあげられるほど、真っ赤に染まる様は見事である。
この頃の冷え込みで庭のも少しずつ色づき始めた。

だが、切ることにした。
柿の木の下の生け垣の数本を。
隣家へ大きくせり出すようになったからである。
迷惑を掛けてはいけないと前から気になっていた。
これからが一番の時期ではあったが。

半分の高さに揃えられてすっきした。
終わった頃には、霧が漂っていた庭にも朝陽が射し込んできた。

小山になった枝の片付けを手伝いつつ家人は言う。
「焼芋するときに燃やすといいね」

  錦木のつめたき色となりにけり  (髙田正子)

ニシキギ150

ニシキギ152

ニシキギ153
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ナツメ(棗) ~目に耳に深まる秋~
- 2015/10/17(Sat) -
ナツメ150

安曇野の犀川白鳥湖にコハクチョウが姿を見せたという。
遙か遠くシベリアからの飛来である。

季節を体で感じて行動に移す鳥たち。

家から望む塩見にも冠雪が見られる。
ナツメの実も色を濃くしている。

朝ごとに、夜ごとに秋は深くなっていく。

   深秋の身に纏ふもの濃き色に (来栖かをる)

ナツメ151
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サザンカ(山茶花) ~秋はいかめし 秋はなつかし~
- 2015/10/16(Fri) -
サザンカ127

  父のごと秋はいかめし
  母のごと秋はなつかし
石川啄木は秋をこう詠んだ。(『一握の砂』)

「いかめし父」も「なつかし母」もすでに居ない。
しかし、秋になると子どもに戻る自分が時々ひょいと現れ、父と母を思い出したりする。
セピアの映像となってあの頃が映し出されたりする。

山茶花が咲く頃となった。
父も母も花が好きだった。

  つましく暮らし山茶花のうすべに (兼崎地橙孫)

サザンカ510

サザンカ526

サザンカ469
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サンシュユ(山茱萸の実・秋珊瑚) ~実の透きとおる~
- 2015/10/15(Thu) -
山茱萸実151

三月、山茱萸は黄色い小花をびっしり咲かせた。
それは春黄金花と名付く。
十月、山茱萸は艶やかな赤い楕円の実になった。
それは秋珊瑚と名付く。

木々はそれぞれの季節に合わせて1年を同じサイクルで過ごす。
強風、雷雨、旱天、大雪、雹霜…にかかわらず、黙々淡々と。

「不平や不満を言っては感情の波に流されるのは人だけだね…」

今年もいつものように茱萸(グミ)にも似たその実を取って口に運んでみたが、やはり美味いものではなかった。

   さんしゅゆの実のすきとほる山日和  (山本杜城)

山茱萸の実152

山茱萸の実153

201503270春
2015年3月27日 山茱萸の花(春黄金花)
201503270春2
2015年3月27日 山茱萸の花(春黄金花)
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マリーゴールド(marigold) ~爽秋の庭~
- 2015/10/14(Wed) -
マリーゴールド403

庭にはまだマリーゴールドです。
セセリチョウが口吻を伸ばし花の奧に突き刺します。
蜂もやってきて脚をすりすりしています。
見ると黄色の中に一輪の淡紫の花です。
ペチュニアのようです。
風が種を運んでくれたのでしょう。

そんな10月も半ばのひだまりです。

隣家の風鈴が鳴っています。
 
   怠たりて過ぐ十月の真澄かな  (斎藤 玄)

マリーゴールドとセセリチョウ2

マリーゴールドとセセリチョウ1

マリーゴールドと蜂

マリーゴールド・ペチュニア
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ハナミズキ(花水木の実) ~体力は…~
- 2015/10/13(Tue) -
花水木の実150

体育の日、町民運動会があった。
プログラムにはユニークなネーミングの多彩な種目が用意されている。
私は地区対抗大玉神輿リレーに参加した。
竹棒4本を井桁に組んだ中央に大玉を乗せて運ぶ。
様々な体型に身長差の4人が微妙なバランスを取って玉を落とさないように走る。
結果は2位。

地区の役員として、1種目参加はノルマであった。
体力を使うほどでもなかったが、終わった後少し息があがっていた。
日頃の運動不足を認識した。

この頃、筋力、脚力、足腰など体力のすべてに衰えを感じる。
若い頃からスポーツ全般には自信があったのだが、この現状。
少し鍛えようと思った。

ハナミズキが赤い実を付けている。
いくつかは下に転がる。
鳥たちも早食い競争にやってきたに違いない。

   体育の日なり青竹踏むとせむ  (草間時彦)

花水木の実153

花水木の実152

花水木の実155

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ジロウガキ(木彫次郎柿) ~「こんな感じはどうだろう」~
- 2015/10/12(Mon) -
次郎柿制作151

次郎柿を彫る。
材は榀。
いつものように実物大。

角材を鋸で切る。
それをぎりぎりの線で面取りする。
およその形が見える
彫刻刀に持ち替える。
ゴム手袋を両手にはめる。
一つは材を落とすことを防ぐ滑り止めと、刀に力が入り易くするため。
もう一つは怪我防止のためである。

実の部分から彫っていく。
やわらかみのある四角っぽい丸みを意識しながら。
その特徴である側面に見られる縦の凹みは底の部分まで繋がっている。
次に軸と枝を彫る。
ここは形がシンプルでなのですいすいいく。
最後に蔕。
4枚がそれぞれに反りや捻れなど、変化ある形を作る。
その微妙な違いを小さな刀を使い分けながら彫り進める。
薄く薄く、できるだけ実際と同じ厚さにと。
途中何度も刀を研ぐ。
割れたり、折れたりすることもなくほぼノーミスで彫り終了。

着色はポスターカラーを用いる。
イエローディープ、バーミリオン、レモンイエロー、バーントシエンナを適度に混色して柿色を作る。
同様に蔕、枝と軸も何色かを混ぜ合わせて、面相筆で塗っていく。
化繊布で擦りだし光沢を少し出して仕上げる。

気がつけば右腕の肘が痛い。

   君が恋柿のへたとも思はれず   (佐藤紅緑)

次郎柿制作152

次郎柿制作153

次郎柿制作154

次郎柿制作155

次郎柿制作156

次郎柿制作157

次郎柿制作158
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サツマイモ(甘藷・芋掘り) ~紅東君、待たせましたね~
- 2015/10/11(Sun) -
サツマイモ151

芋掘りをしました。
予定よりかなり遅くなりました。

慎重に三本鍬を入れます。
毎年よく芋にあてて傷つけてしまうのです。
出てきます、出てきます。
それこそ芋づる式に土の中から長い顔、丸い顔、ちょっと無骨な顔…。
全体に太めで大きめです。
もう少しスマートで形の良いうちに出してやれば良かったのですが。
やはり待たせ過ぎですね。
芋君達すみません。
そしてありがとう。

畑仕事にも秋の深まり行くを感じるこの頃です。

   るゐるゐと生きゐる藷を掘りおこす   (百合山羽公)

サツマイモ152

サツマイモ153
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ホトトギス(杜鵑草・油点草) ~まだら模様が美しい~
- 2015/10/10(Sat) -
杜鵑草150

桜の樹のてっぺんで百舌が鳴いている。

庭にはホトトギスが咲いている。
茎を湾曲させて花が並ぶ。
花びらから蕊の隅々までに赤紫のまだら模様。
揃う姿の味わい。
一つひとつの趣。

ホトトギスが咲くとそろそろ尉鶲もやってくる頃となる。

  晴れ渡る10月10日の杜鵑草  (あや)

杜鵑草151

杜鵑草152

杜鵑草153

杜鵑草154
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アキチョウジ(白花秋丁字) ~秘めやかな思い~ 
- 2015/10/09(Fri) -
アキチョウジ151

細い茎に白い花、花、花。
小さな筒状の花が横向きに咲く。
風に揺れるのはアキチョウジ。

秋が深まり、肌寒さを感じる頃。
素朴でかわいい秋の花。
「そろそろと思っていたよ」と声を掛ける。
花言葉には「秘めやかな思い」。
目立たずに、そっとそっと。

  アキチョウジ揺れて揺れれば思いは深く (あや)

アキチョウジ152

アキチョウジ153

アキチョウジ154

アキチョウジ155
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ギンナン(銀杏) ~樹を見て考える~
- 2015/10/08(Thu) -
ギンナン151

ギンナンが落ちてくる。
見上げると葉はまだ青い。

転がる実。
拾い集める。

「銀杏の樹、伐ったら?」
しばらく前からそんなことを言われていたのである。

考えてはいた。
そろそろ庭の樹々を伐っていこうと。

身のまわりを片付けてすっきりさせていく。
肉体的にもそんな年頃だから。

    銀杏を拾ひ憂きこと忘れけり  (棚山波朗)

ギンナン152

ギンナン153

ギンナン154
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ハマギク(浜菊) ~時の移り行く頃~
- 2015/10/07(Wed) -
浜菊151

白い菊は浜菊。
名の通り、もともとは海辺に咲くという。
いつの日からか山国に根を下ろし。
小さな庭の秋の顔に。

虫たちが来る。
彼らにとっては浜で山でもそこに花があればいい。

テレビは観光地の紅葉の状況を案内している。
戸隠、開田高原、白糸の滝、天竜峡…。
私は脚で時の移りゆくを感じている。

   浜菊や信濃の秋の庭裾に  (あや)

浜菊152

浜菊153
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シュウメイギク(秋明菊・Japanese anemone) ~秋、しみじみと~
- 2015/10/06(Tue) -
秋明菊150

空気も澄めば心も澄む。
時の流れも静かに秋色。

ぽつぽつと秋明菊。

長い茎の上に白い花。
円を描く黄色い蘂。
出番を待つ丸い蕾。
花は揺れる。

「秋の明るい菊」を「秋の清らかな心」で見る。

   憩ふ人秋色すすむ中にあり  (橋本鶏二)

秋明菊152

秋明菊151
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カキ(柿の収穫) ~朝の月の下で~
- 2015/10/05(Mon) -
富有柿収穫152

気持ちのいい朝だった。
青空だった。
見上げれば白い月があった。

帽子、作業着、手袋、三脚。
さあ、富有柿収穫。
ビクを腰に木に登る。
柿の木は又が裂けやすい。
足場をしっかり確保する。
剪定鋏で一つひとつ切り取る。
ビクがいっぱいになる度に降りてコンテナに空ける。
上ったり降りたりで足腰も鍛えられる。

木守柿を数個残し、実りに感謝。
コンテナ3箱。

次郎柿に移動。
ここはコンテナ1箱。

およそ3時間半。
怪我もなく無事終了。

   空に月柿の木に私秋日和  (あや)

富有柿収穫153

富有柿収穫154

富有柿収穫151
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カキ(木彫の柿) ~「ん~ん、まだまだ」~
- 2015/10/04(Sun) -
木彫柿0

2本の甘柿がある。
一本は富有柿、もう一本は次郎柿。

富有柿の方を彫ることにした。
選んだのは少し小さめの実。

材は軟らかい科の木を使う。
いつもの手順に沿って始める。
鋸で面を大きく落としたあとは、丸刀でざくざくと。
極淺丸刀に替え、全体の丸みを出していく。
次に細枝、ここは小丸刀を用いる。
最後に蔕の部分、できるだけ実際の厚さに近づける。
割れないように折れないように慎重に慎重に。
着色して完成。

なんとか柿らしくは見えるが…。
「ん~ん、まだまだだね」
そんな胸の声が耳をかすめていく。

今日すべての柿を収穫する。
今度は次郎柿を彫ろう。

  柿うましそれぞれが良き名を持ちて  (細谷喨々)

木彫柿1

木彫柿2

木彫柿3

木彫柿4

木彫柿5
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アジサイ(紫陽花・墨田の花火) ~秋涼し~
- 2015/10/04(Sun) -
秋の墨田の花火2

昨夜のことである。
ドーン、ドーン、ドーンと、ずっしりとした重い大きな音が響く。
ガラス戸を開けると比較的近くで花火が揚がっていた。
数分の間灯りを消して眺めた。
神社の秋祭の度に花火が出る土地柄である。

庭にも一輪の花火があった。
10月の涼気の中にあるのは返り咲きの紫陽花、「墨田の花火」。

10℃を切る朝が続く。
脚が冷える。

   その次の少し淋しき花火かな  (山田弘子)

秋の墨田の花火1

秋の墨田の花火3
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キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草) ~高貴な名の花~
- 2015/10/03(Sat) -
紀伊上臈杜鵑草151

「上臈」を大辞泉で調べてみた。
「臈」は僧侶の夏安居(げあんご)修行の回数を数える語とある。
「夏安居」?これも分からない。
また調べる。
僧が、夏(げ)の期間、外出せずに一所にこもってする修行のこと。夏籠もり、夏行(げぎょう)。
そうか、「臈」は仏教用語なんだ。
どうやら「上臈」とはもともとひたすら修行を重ねた高貴な僧侶を指す言葉のようである。
1 修行の年功を積んだ高僧。
2 地位・身分の高い人。
3 「上臈女房」の略。
4 身分の高い女性。貴婦人。
5 江戸時代、大奥に仕えた上級の御殿女中をさす職名。
6 女性。特に、若い女性。
7 遊女。女郎。

黄色い花が鈴なりである。
その重さを支えきれないように花茎は湾曲する。
鐘状の花は完全に開くということなくどれも下を向く。
自分の顔をはにかみ隠すかのように。
その内側は赤紫の斑紋が散らばる。
さらに奧には濃紫色の蕊。
その周りには小さな透明のつぶつぶが見える。
覗かなければ見えない奧床しい妖しの美。

この花の名が紀伊上臈杜鵑草。
で、調べたのである。
推し量れば、その名の由来は紀伊の地で育つ貴婦人のような高貴な佇まいを見せる杜鵑草と解けばよいのだろうか。
「女性。特に、若い女性」「遊女。女郎」ともあるが…これには目をつぶって。

控え目な花と秋心を遊ぶ。

  なんとなく人恋しくて杜鵑草  (寺田すず江)

紀伊上臈杜鵑草152

紀伊上臈杜鵑草153

紀伊上臈杜鵑草154
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