
「正」という文字は「一」と「止」からできている。
正しいことをするには、一時立ち止まって考えて動くということだ。
いつだったか忘れたが、誰かが画面の向こうでそう話していた。
なるほど、事を起こす前には、はやる気持ちを抑えて、構想を再度確かめることが必要だろう。
熟慮に熟慮を重ね、念には念を入れよである。
急いては事を仕損じる。
「討ち入り」も大石の緻密で周到な計画の基になされたものだった。
話は「正」の文字に戻る。
辞書によれば「正」の本来の解字は「一」と「止(あし)」の会意である。
「止」は「足」の形の象形とある。
つまりは「正」は、足が目標の線をめがけてまっすぐに進む様を表す。 (藤堂明保編 「漢和大辞典」より)
小さな目標、高邁な目標と様々あろうが、そのゴールに向かってひたむきに歩むことが「正しい」ということなのだろう。
なかなか、色々な誘惑もありすぎて、脇目も振らずに一直線にというわけにはいかない。
しかし、自ら決めたことについてはその思いに背かないよう努力して歩んでいきたい。
もっと身を軽くしよう。
山茶花の明るき日和たまはりぬ (稲畑汀子)