
ろくがつですね。
いやあ、ろくがつですね。
ごがつというひびきとは、そのことばからうけるいめーじががらりとちがいます。
もえいずるとかはなさきほこるとかかぜかおるとか、さわやかさかんがごがつにはありますからね。
あめのおおいきせつですが、それはそれでまたろくがつならではのふぜいというものです。
そういえばあなたはむかしからあめがすきだといっていましたね。
そうなんです。よくわからないんですがこうこうせいのころからすきでした。
なにかものがたりとか、しとかはいくやうたのなかにおもいでがあるんではないんですか。
そのきっかけはよくおぼえていないんです。
きっとこころにのこるふかいできごとがあったんでしょう。
あめはさまざまなひょうじょうをみせてくれます。
あめをあらわしたうつくしいことばもかずおおくありますよ。
わたしもいぜんそれらをじしょでしらべてすべてかきだしたことがあります。
あなたらしい。
むかしのひとびとのせんさいなかんせいで、じょうちょゆかたかにそしてからふるにあらわされています。
えにもよくえがかれているじゃないですか。
あめのえというと、ひろしげのごじゅうさんつぎの「しょうの」などがおもいだされます。
ああ、かさをさしてさかみちをいそいでかけていくようすをえがいたあれですね。
じぶんがそのばにいるようなりんじょうかんがあります。
みよしえいじの「あめ」といううたもありましたがしっていますか。
ふるいですね。「あめにぬれながらたたずむひとがいる…」といううたでしょう。
ろくがつついたち、きょうからころもがえです。
そういえばあなたはねくたいをしていませんね。
このごじせいでうからすーつとねくたいをやめ、くーるびずでいきます。
いいことですね。
でも、まだしょうじきはださむいです。
だんだんにでしょう。
ほら、みちゆくせいとさんたちもしろいっしょくですよ。
わたしたちもきもちをきりかえていきましょうか。
毎年、この時期にチャイブは咲く。
一つ脱いで後ろに負ひぬ更衣 (松尾芭蕉)


