シャクヤク(芍薬・Chinese peony) ~雨に佇む花の貌~
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- 2011/05/29(Sun) -
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![]() 台風が近づいている。 雨が降り続く。 庭の草花も違う表情になる。 たとえばそれは思索的であったりする。 濡れた芍薬もまた何か偲ぶ貌となる。 古き名では貌佳草(かおよぐさ)とか。 その美しき容貌。 げに。 左右より芍薬伏しぬ雨の径 (松本たかし) ![]() ![]() |
ジャーマンアイリス(ドイツアヤメ) ~葉にそよぐ雨蛙かな~
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- 2011/05/23(Mon) -
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![]() 久しぶりの雨となった。 植え付けて間もない夏野菜にとっては恵である。 花は濡れる。 花は心地よさそうだ。 雨蛙も濡れる。 雨蛙も嬉しそうだ。 ジャーマンアイリスに雨粒。 紫露草に雨蛙。 私に傘。 雨蛙飲まず食はずの顔をして (右城暮石) ![]() ![]() ![]() |
ボタン(牡丹・Japanese tree peony) ~花に暈ある如く~
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- 2011/05/16(Mon) -
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![]() 幾重にも重なる花びら。 色調は花芯に向かって白から淡紅色に移る。 その中に無数の黄色い蕊がのぞく。 この花にこの葉ありと、その調和もまた美しい。 これは日本画の世界。 木漏れ日の中で時間は立ち止まる。 五月も半ばの昼下がり。 牡丹(ぼうたん)の花に暈ある如くなり (松本たかし) ![]() |
シャクナゲ(石楠花) ~つつましく無心に~
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- 2011/05/14(Sat) -
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![]() 今年も咲いたんです。 去年も一昨年も咲きました。 石楠花の花です。 素敵な色の花です。 来年も咲くのでしょうか。 いえいえ、先のことはわからない世の中になってしまいました。 今日の花は今日だけの花です。 つつましく…です。 無心に…です。 空の深ささびし石楠花さきそめし (角川源義) ![]() ![]() |
イカリソウ(錨草) ~生まれかはりて星になれ~
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- 2011/05/12(Thu) -
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![]() 木陰に錨草です。 淡紫色の四弁の花です。 名の通り、錨そのままの形です。 船から降ろすように下向きです。 見逃しそうな花です。 山育ちの花たちは静かです。 控え目です。 自分の居場所で一途です。 そんなひっそりと咲く花たちの季節でもあります。 碇草生まれかはりて星になれ (鷹羽狩行) ![]() ![]() |
ハナカイドウ(花海棠) ~海棠に乙女の朝の素顔~
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- 2011/05/09(Mon) -
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![]() 少女がほんのり頬を赤く染める。 顔をうつむけて恥ずかしげに。 もちろんそこにはもうひとり。 恥じらい。 顔を赤らめる。 婉曲なことば。 思いを秘める。 待ち続ける。 たとえば一昔前の小説に登場する乙女たち。 垂れて咲く花海棠を見ると、そんなことなどを思う。 海棠に乙女の朝の素顔立つ (赤尾兜子) ![]() ![]() |
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