ジャーマンアイリス(German iris) ~せいとん~
- 2011/05/31(Tue) -
ジャーマンアイリス

5月が終わる。
明日からは衣替え。
しかしまだ肌寒さが続く。
衣服の入れ替えをしなければならないのだが。
どうやら一気に半袖というわけにはいきそうもない。
かといって、そうそう先送りするというわけにもいかない。

こんな折、ふと本居宣長を思い出す。
昭和3年に発行された文部省「修身」(巻三)の一文だ。
今で当てはめると小学三年生用の道徳の教科書であろうか。
書架にある。

  第六 せいとん

本居宣長はたくさんの本をもつてゐましたが、いちいち本ばこに入れてよくせいとんしておきました。
それでよるはあかりをつけなくても、思ふやうにどの本でもとりだすことが出来ました。
宣長はいつもうちの人にむかつて
「どんなものでも、それをさがす時のことを思つたならばしまふ時にきをつけなければなりません。
入れる時に少しのめんだうはあつてもいりようの時に、はやく出せる方がよろしい。」と
いつてきかせました。

こうして昔は子どもたちを躾け、生活の仕方を教え、正しい生き方を導いた。
まさに身の修め方である。
私もこの仕事に就いた時、先輩からは常に机の上と抽斗の中の整理整頓を心がけるように言われた。
いつなんどきでも、どこに何があるかわかって目をつぶっても取り出せるようにと。
その教えは今でも身についている。

色とりどりのジャーマンアイリスが次々に咲く。
あやめや杜若とはその豊かな彩りや花容、そして大きさ高さがまるで違う。
毎年増え続け、そして先日もまた新しい色が4株仲間入りした。
数えてみれば40~50ほどになっている。

   色濁し川の流れる5月尽   (文)

せいとん

ジャーマンアイリス  
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コデマリ( 小手毬) ~深みにはまる思ひかな~
- 2011/05/30(Mon) -
こでまり  

評議員会も無事終了した。
今後の運営方針を決定する重要な会議だった。
県下各地から数十人の代表者が集まって、それぞれの意見が述べられる。
これまでの審議の経緯や4月の総会までの見通しについて、細部にわたり質疑が出される。
そして事務局の提案に対し、いくつかの対案が出される。
原案通り、修正可決、予算案の承認…と、17の議事を終えたのは予定より30分も早かった。
議長の任を終える。
ホットする。

松本ではクラフトフェアが行われていた。
興味はあったが、会議の疲れも多少あって帰路を急いだ。
雨の高速を一路南に向かう。
あの辺りが仙丈だろうと思う方向を眺める。
今夏、登る予定だ。
色を茶色く濁した天竜は、川幅いっぱいに増水して暴れるように流れている。
土砂災害等の被害が出なければいいがと思いつつ、インターを降りる。

家に着くと、東京上野の馴染みの古書店から目録が届いていた。
さっそく開いて自分の研究に関わるものなど、三点を注文した。
楽しみである。

コデマリが咲いている。
雪柳に似た白い小さな五弁花だ。
それが20数個まとまり、球状の房となって咲く。
古名の鈴懸(すずかけ)はその丸い花姿を鈴に見立て、懸崖のように枝垂れて咲くのに因むのだろう。

関東甲信越もいつもより早い梅雨入りである。

    青梅雨の深みにはまる思ひかな  (石川桂郎)

こでまり 

こでまり
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シャクヤク(芍薬・Chinese peony) ~雨に佇む花の貌~
- 2011/05/29(Sun) -
芍薬 

台風が近づいている。
雨が降り続く。
庭の草花も違う表情になる。
たとえばそれは思索的であったりする。
濡れた芍薬もまた何か偲ぶ貌となる。
古き名では貌佳草(かおよぐさ)とか。
その美しき容貌。
げに。

   左右より芍薬伏しぬ雨の径 (松本たかし)

シャクヤク 

芍薬
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ミツバツツジ(三葉躑躅) ~迷うなと小鳥たちの声~ 
- 2011/05/28(Sat) -
ミツバツツジ 

  「窓の一角から」  坂村眞民

  迷うな
  迷うなと
  空の一角から聞こえてくるこえがある
  いましがた飛んでいった
  小鳥たちのこえであろうか

ごがつもそろそろおわりますね
そうですね。
ごがつはわたしのいちばんすきなきせつなんですよ。
まえにもそんなことをいっていましたね。
そらのいろ、やまのいろ、かぜ…このときだけのおもむきがありますし。
くさもきもはなもむしもとりもみんないっせいにですものね。
「やあこんにちは」「げんきだったかい」とたがいのごあいさつのこえがきこえてきそうです。
きがつけばもうなつがすぐそばにきているんですね。
あちこちでつゆいりだそうです。
ことしのなつはどうなんでしょう。
そういえばきょねんはものすごくあつかったですよね。
たいへんななつでしたよ。
にゅーすをきくとことしはいろいろがしんぱいになります。
どうなるんでしょう。
そういえばてんらんかいがあったんじゃないですか。
ええ、おかげさまでぶじおわりました。
ことしはどんなさくひんをしゅっぴんしたんですか。
くすのきのもくちょうでわかいじょせいぞうです。
さいきんきのさくひんがおおいですね。
そうですが、またげんてんにかえってそぞうもしてみたいとおもっています。
いちねんかんつぎつぎとつくるんですね。
それがわたしじしんのはしらのひとつですし、じぶんへのやくそくですから。
ああ、おむかえがきましたよ。
きょうのかいぎはじかんがかかりそうですね。
それぞれにおもわくとたちばがありますからね。
まとめるのもたいへんですね。
なんとかうまくしんこうしなくてはとおもいます。
すむーずにいくといいですね。
ではいきましょう。

   木の影がゆらゆらゆれる5月尽  (文)

ミツバツツジ

ミツバツツジ  
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クレマチス(Clematis・フェアリーブルー) ~野の花は自分の美しさを知らない~
- 2011/05/27(Fri) -
クレマチス

まだ5月だというのに各地から梅雨入りの便りが届く。
今年は例年よりも早い雨の季節の訪れとなりそうだ。
土の下では草木の根が喜び微笑んでいることだろう。

フェアリーブルーという薄い青紫のクレマチスが咲いている。
あまり日当たりの良いところではない玄関脇の庭だ。
帰宅するとちょうど迎えてくれる位置にある。
風に揺れて静かに咲くクレマチスを見ていて、藤原審爾の言葉を思い出した。
「野に咲く花は、自分の美しさを知らない。だから、いっそう美しい」
人もそうかも知れない。
そして「人は同時に二つの人生を生きることはできない」とも。

   樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ  (日野草城) 

クレマチス 

クレマチス  
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ミヤマカイドウ(深山海棠) ~ナホバの祈り~
- 2011/05/26(Thu) -
深山海棠


少し前のことになる。
休日にたまたまつけたテレビの中のこと。
広大な自然を背景に素敵な歌が流れる。
大地に住むナホバの人たちに脈々と受け継がれてきた歌だ。
自然と共に生きてきた彼らは自然を畏れ、自然を崇拝する。
自然から得た智を、代々親から子へ子から孫へと伝えていく。

  美の中を歩く
  私の前方ではすべてのものが美しい
  私の背後ではすべてのものが美しい
  私の頭上はすべてのものが美しい
  私の周囲はすべてのものが美しい
  美の中を晴れやかに私は歩く

  美の中を歩く
  前方の美とともに歩く
  背後の美とともに歩く
  頭上の美とともに歩く
  足下の美とともに歩く
  私の歩みは美とともに終わる
                      (「ナホバの祈り」から)

そしてナホバの老人は次の言葉を静かに語って聞かせる。
「わたしたちは“死”を見つめないし、“死”について語りません。」
「その瞬間まで生きているのだから、今を感謝して、祈りながら美しく生きるのです」と。

自然に感謝し、自然と共に生きるという人間の原点。
人は自然の中の「小さな一つ」に過ぎないという自覚。
今、この世相だからこそ染み入る。

深山海棠に白い花。

    君の瞳にみづうみ見ゆる五月かな    (木下夕爾)

深山海棠  

深山海棠 
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バラ(薔薇・ゴルデルゼGoldelse') ~ロココ美の容~
- 2011/05/25(Wed) -
ゴルデルゼ 

暖房の欲しい肌寒い朝だった。
県の中北部の山には雪が降ったという。
先日は30度を超える暑さだったというのに。
この時期は気象が定まらない。
服も一気に夏用にチエンジとはいかない。
しばらくはどちらにでも対応できるようにしておく必要がありそうだ。

いくつかのバラも咲き出した。
彼女らにとってもいい季節を迎えている。
八重の淡いクロームオレンジ色のバラはゴルデルゼ(金のエルゼ)。
勝利の女神ヴィクトリアに因んだ名を持つドイツ生まれのバラ。
ふんわりやわらかな咲き姿がいい。
味わい深いその色にも惹かれる。

そのそばでは根元だけが残った枯れ木姿のものが3本ほどある。
もう生命を失ったと思っていたそれらに新らしい梢が少し伸びているの見つけた。
ああ、まだ生きている。
引き抜いて片付けようと思っていただけに、とても嬉しい。
大事に世話しよう。

   ロココ美として極まれる薔薇もあり (京極杞陽)
 
ゴルデルゼ

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ラナンキュラスゴールドコイン(Ranunculus 'Gold Coin')
- 2011/05/24(Tue) -
ラナンキュラスゴールドコイン 

たくさんの黄金色が木の下に。
大きさは2~3㎝。
芯に少しの緑色の丸い八重。
名は'Gold Coin'(金貨)。
ランナーを伸ばしては毎年その生育範囲を広げる。
日向、日陰、半日陰といろんな場所で元気に咲く。
寒さにも強く、かなり丈夫。
この信州の冬をも易く乗り越える。
和名には八重金鳳花。
ニコニコにしてくれる可愛い花だ。

   陽を返す八重黄金の樹下の花   (文)


ラナンキュラス ゴールコイン 

ラナンキュラスゴールドコイン  

ラナンキュラスゴールドコイン
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ジャーマンアイリス(ドイツアヤメ) ~葉にそよぐ雨蛙かな~
- 2011/05/23(Mon) -
ジャーマンアイリス

久しぶりの雨となった。
植え付けて間もない夏野菜にとっては恵である。

花は濡れる。
花は心地よさそうだ。
雨蛙も濡れる。
雨蛙も嬉しそうだ。

ジャーマンアイリスに雨粒。
紫露草に雨蛙。
私に傘。

   雨蛙飲まず食はずの顔をして  (右城暮石)

アマガエル 

ジャーマンアイリス 

アマガエル  
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アヤメ(菖蒲) ~花と花の間さびしき~
- 2011/05/22(Sun) -
あやめ 

あやめですね
あやめです
いいいろですね
あやめいろです
わのふぜいですね
えのせかいです
ふすまえでみたことがあります
あれはこうりんのかきつばたずびょうぶですね
いずれあやめかかきつばたですか
かきつばたもそろそろです
そういえばびじゅつかんでしゅんそうのあやめずもみたことがあります 
ふるくからおおくのえしやかじんはいじんのこころをとらえてきたはなです
しゃきっとしたたちすがたがすてきです
きものすがたのじょせいにもみえます
いいですね
ことばはいりません
そうですね
しがつのさくらごがつのあやめでしょうか
みているとにほんじんをじかくさせます
はなはかたらずしてしめすのです
わかるきがします
さあ、あつくならないうちにりんごのてきかをおえましょう
そうですね
いただきました

     花と花の間さびしき花あやめ   (大井雅人)

あやめ

アヤメ
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エピデンドラム(Epidendrum) ~樹々の色深し~
- 2011/05/21(Sat) -
エピデンドラム  

   くちをとぢ    山村暮鳥

   くちをとぢ 
   めをみはれ
   ぜんしん
   ちからのこぶ
   はるのあさ
   あめあがり
   しつとりとぬれたみちを
   はだしで
   しつかり
   しつかり
   ふみしめて
   あるけ
   つよきにんげん

ぼちょうさんへ
「くちをとぢ」というところがむずかしいんです。
「めをみはれ」がなかなかできないんです。
「ちからのこぶ」がちいさいんです。
「はだしで」とおもうんですが、くつのせいかつになれすぎました。
「ふみしめて」あるきたいのですが、かるすぎるあしはこびです。
「つよきにんげん」からはまだまだほどとおいわたしです。

ぼちょうさんへ
あなたにちかづけるようになりたいとおもいます。
いろいろなことをしっかり「みつめ」「みきわめ」「みとおし」ていきたいとおもいます。
いろいろなものをしっかり「みつけ」「みききし」「みなら」っていきたいとおもいます。
いろいろにたいししっかり「みくらべ」「みわたし」「みかえし」てみたいとおもいます。
いつもいろいろおしえてくださりありがとうございます。

ぼちょうさんへ
えぴでんどらむというらんがことしもさきました。
ほととぎすのこえをきのうはじめてききました。
れたすがねきりむしにやられていました。
いろいろがうごくごがつです。
あなたならこのようなせかいをどのようにうたうのでしょうか。

  木々の香樹々の色深し五月下(しも)  (文)

エピデンドラム

エピデンドラム 
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スノーボール(SnowBall) ~うすうすと窓に日~
- 2011/05/20(Fri) -
ビバーナム

うすいきみどりいろのはなですね。
そうなんです、ちょっとめずらしいでしょう。
あじさいなんですか?。
いえいえ、まったくちがいます。
へー、でもよくにてますよね。
そうですね、さくじきもすこしちかいですし。
おおでまりにもにてますね。
それとちかいなかまのようですが、はっぱをみればそのちがいがわかります。
ずっとこのいろなんですか?
このはなは、これからさきすすむにつれてしろくなっていくんですよ。
ふつうはしろからだんだんにいろがついていくようになるのに、これはぎゃくなんですか。
これがこのはなのみりょくでもあるんです。
ふーん、おもしろいですね。
こうしてそとにいるとかぜがきもちいいきせつになりました。
あなたはまだながそでなんですか?
そろそろはんそででもいいですね。
あととおかもすればころもがえですし。
あしたあたりからはんそでをひっぱりだすことにしましょう。
ところで、このはなのはなことばはなんですか?
「ちゃめっけ」と「ちかい」だそうです。
あなたにぴったりですね。
あはは、はは。

   うすうすと窓に日のさす五月かな  (正岡子規) 

ビバーナム  

ビバーナム 
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オダマキ(苧環)  ~自(おのづか)らさである~
- 2011/05/19(Thu) -
おだまき

  或る時   山村暮鳥

  (略)

  さいてゐる
  花をみよ
  かうしてはゐられぬと思へ

  花をみること
  それもまた
  一つの仕事である
  それの大きな仕事であることが解ったら
  花をみて
  その一生とするもよからう

  花はおそろしい
  ほんたうにおそろしい
  なんといふ
  眞劔さであらう
  だが、またそれは
  あまりにの
  自(おのづか)らさである


おです。
おだです。
おだまです。
おだまきです。
おだまきのです。
おだまきのはです。
おだまきのはなです。
とてもいいかおしてます。
とてもいいいろのはなです
さわやかでやさしいはなです。
おだまきのはながさいています。

  をだまき草咲いてゐる筈なほも行く   (稲畑汀子)

おだまき  

おだまき 
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シュンラン(春蘭) ~素朴なる日を愛す~
- 2011/05/18(Wed) -
春蘭 

春蘭が咲いている。
咲き出してからもうひと月近くなる。
淡黄緑の花は葉に紛れて、咲いていることさえ気づかれにくい。
そしてまた、その色こそがこの花の野の趣を一層深くする。

しばらく前に墨で描いてみた。
葉は向きを変え、筆でさっと一筆にして何本も伸ばす。
六弁の花びらは筆致の太さ、長さ、それに墨の濃さを変えてチョンチョンと置くように描く。
その清楚なる姿は、水墨画のモノトーンのモチーフとしてもいい。

  春蘭を得し素朴なる日を愛す    (吉田草風)  

春蘭    

春蘭

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キエビネ(黄海老根) ~しづけさのひかりとどめて~
- 2011/05/17(Tue) -
きえびね

木陰に黄色い花がありました。
あなたの名前は?と尋ねました。
花は「きえびね」と答えてくれました。

木陰に黄色い花がありました。
少しの光が射し込んで明るくなっていました。
宝物を見つけた気分になりました。

黄色い花がそっと咲いていました。
私も静かに見ることにしました。
風も静かに通って行きました。

木陰に黄色い花がありました。
きえびねという花でした。
木陰が似合うおしとやかな花でした。

私も静かに生きたいと思いました。

   しづけさのひかりとどめてえびね咲く   (高原初子)

キエビネ

キエビネ   
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ボタン(牡丹・Japanese tree peony) ~花に暈ある如く~
- 2011/05/16(Mon) -
ボタン    

幾重にも重なる花びら。
色調は花芯に向かって白から淡紅色に移る。
その中に無数の黄色い蕊がのぞく。
この花にこの葉ありと、その調和もまた美しい。

これは日本画の世界。

木漏れ日の中で時間は立ち止まる。

五月も半ばの昼下がり。

   牡丹(ぼうたん)の花に暈ある如くなり (松本たかし)

ボタン
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ライラック(lilac・リラ・ムラサキハシドイ) ~朝も夕べの色~
- 2011/05/15(Sun) -
ライラック

数十の花が集まり房となって咲く。
花からは淡い芳香が放たれる。
そんなライラックの花言葉はどれもが純情な思いにかかわること。

「初恋」、あれは小学校四年だったかなあ。
「初恋の味」、うーん、歌では“レモンの味”と言うけど、どうなんだろう。
「愛の芽生え」、そういえば、そんなこともあった。

ところでライラックにはこのような花言葉がどうしてあるのだろう。
よくわからないが、でもいいね。

    リラの花朝も夕べの色に咲く (阿部みどり女)

ライラック 

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シャクナゲ(石楠花) ~つつましく無心に~
- 2011/05/14(Sat) -
シャクナゲ  

今年も咲いたんです。
去年も一昨年も咲きました。
石楠花の花です。
素敵な色の花です。
来年も咲くのでしょうか。
いえいえ、先のことはわからない世の中になってしまいました。
今日の花は今日だけの花です。
つつましく…です。
無心に…です。

   空の深ささびし石楠花さきそめし  (角川源義)

シャクナゲ

シャクナゲ 
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ハナミズキ(花水木) ~わたしのはなみずき~
- 2011/05/13(Fri) -
花水木  

しろいひらひらはなみずき
そらにふわふわはなみずき
えがおがみえるはなみずき
あのひとのかおのはなみずき
あのひとのつきのはなみずき

いつもそばにいてくださいね
いつもおはなしきいてくださいね
きのうのこときょうのこと
いつもおしゃべりのわたしです
いつもわらっているあなたです

しろいひらひらはなみずき
みあげるそらのはなみずき
にこにこあなたははなみずき
いつもいっしょのはなみずき
ごがつうまれですはなみずき

ごがつのにわにはなみずき
いつもやさしいはなみずき
わたしのわたしのはなみずき

   花みづき十あまり咲けりけふも咲く  (水原秋桜子)

花水木白

花水木白 

花水木

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イカリソウ(錨草) ~生まれかはりて星になれ~
- 2011/05/12(Thu) -
いかりそう 

木陰に錨草です。
淡紫色の四弁の花です。
名の通り、錨そのままの形です。
船から降ろすように下向きです。
見逃しそうな花です。

山育ちの花たちは静かです。
控え目です。
自分の居場所で一途です。
そんなひっそりと咲く花たちの季節でもあります。

   碇草生まれかはりて星になれ (鷹羽狩行) 

いかりそう

イカリソウ   
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グミ(茱萸) ~5月のカリヨン~
- 2011/05/11(Wed) -
ぐみ


   しあわせ   東井義雄

   生きている
   健康である
   手が動く 足で歩ける
   目が見える 耳が聞こえる
   このあたりまえのことの中に
   ただごとでない
   しあわせがある


先生、私もここまで生きることを積み重ねさせていただきました。
この当然とも思えることが当然でないということを今は実感しています。
心身共に、いや人として新しい意味での歩みをしなければと思っています。
花を育て、花を見ることのできる幸せを有り難いと思えるように。
毎日三度の食事をいただけることを有り難いと思えるように。
家族がそばに居て、話し笑え合えることを有り難いと思えるように。
先生は仰っていました。
「有り難い」とは、有ることが難(かた)いことなのだと。
滅多にないこと、普通にないことが有り難いことなのだと。
それをいつしか、有る事への感謝を忘れて過ごしていたのだと反省しています。
最近、自分の傲慢さや独りよがりを感じたりします。
何でも知っているかのような驕りが見え隠れする自分を時々見たりします。
謙虚さを忘れている私です。
5月、目に映るもの全てに生き生きとした勢いと新鮮な爽やかさが見えます。
私ももう一度、「心のドック」で隅々まで点検をし、新しくスタートしようと思います。
いつか時間があれば、ゆっくり座してお話をお聞きしに伺いたいと思います。
大海の水、水の流れ、水の器、水の一滴…など水の話は今でも心に残っています。
人のために生きなければ本当に生きていることではないとも仰いました。
今はその意味を深く考えたりしています。
また、いろいろ教えてください。

   茱萸の花揺れて五月のカリヨンかな  (文) 


グミ   

グミとテントウムシ 

ぐみ  
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リンゴ(林檎) ~林檎の花に日のぬくみ~
- 2011/05/10(Tue) -
富士

「乙女が富士を眺めつつ林の中を歩く」。

映像に浮かび上がる情景を想像してみよう。
麦藁帽子を被って、ワンピースに長い黒髪…。
ああ、美しいシーンだ。
失礼、これは家の林檎3種にかけた駄洒落話。

蕾がやや赤いのが「王林」、やがては緑色の林檎に。
薄色のが「アルプス乙女」、小粒な姫林檎だ。
そしてもう一つ、残りはポピュラーな「富士」。

こんな可愛い花があの丸く甘い実となる。
果樹を育て、実らせる楽しみ。
物好きな男の遊びである。
その上、実利もあっていい。
もっとも、時間のかかる道楽ではあるが。

   花林檎枝先に空溢れをり   (上野さち子)

王林

アルプス乙女

リンゴ 富士 
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ハナカイドウ(花海棠) ~海棠に乙女の朝の素顔~
- 2011/05/09(Mon) -
ハナカイドウ    

少女がほんのり頬を赤く染める。
顔をうつむけて恥ずかしげに。
もちろんそこにはもうひとり。

 恥じらい。
 顔を赤らめる。
 婉曲なことば。
 思いを秘める。
 待ち続ける。

たとえば一昔前の小説に登場する乙女たち。

垂れて咲く花海棠を見ると、そんなことなどを思う。

   海棠に乙女の朝の素顔立つ    (赤尾兜子)
 
hナカイドウ  

ハナカイドウ
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ハナズオウ(花蘇芳) ~弥勒の指は頬にあり~
- 2011/05/08(Sun) -
花蘇芳 

木が花で埋まる。
1㎝ほどの蝶形花が直接、枝から出る。
枝の形がそのまま紅紫色になる。
葉出前に咲くのは春の花のひとつの特徴でもある。

庭を歩いていると桜桃の下に蛇を見た。
1㍍を越すヤマカガシだった。
ペロペロ舌を出していた。
冬眠から覚め、彼らもいよいよ活動期に入る。
しばらくそこでじっとしていた。
人間以外にも、もろもろにとっていい季節なのだ。

   花蘇枋弥勒の指は頰にあり  (吉田汀史)

花蘇芳  

花蘇芳   

花蘇芳
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ニワザクラ(庭桜) ~はなはいいね~
- 2011/05/07(Sat) -
庭桜

      桜    八木重吉

   綺麗な桜の花をみていると
   そのひとすじの気持ちにうたれる

はなはいいね。
いいね。
こころがろかされるかんじがするね。
するね。
すんだみずのようにこころをふかくさせるね。
させるね。
こどものじゅんなこころにひきもどされるね。
されるね。
とわずかたらずにいやしてくれるね。
くれるね。
しやものがたりのせかいにいざなうね。
いざなうね。
うつくしいとかやさしいとか…すなおになれるね。
なれるね。
はなはびょういんやがっこうみたいだね。
みたいだね。
にわざくらだね。
そうだね。
おや、ちょうがとまったね。
とまったね。
はなはいろいろなものをだまってうけとめるね。
うけとめるね。
はなはいいね。
いいね。

   ひだまりの色の静かや庭桜  (文)

庭桜 

庭桜  

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サクラ(フゲンゾウ・普賢象) ~木に花のある立夏かな~
- 2011/05/06(Fri) -
普賢象

立夏なんですって。
もうそうですか。
暦は待ったなしですね。
気温も一気に上がってきましたよ。
銀杏も芽吹いていますね。
ほら、桂も爽やか色の葉を広げています。
いたるところに木々の緑が輝いて生き生きとしています。
光を返して目に眩しいですね。
まさに青葉繁れるといったところでしょうか。

おやおや、八重桜が咲いているではありませんか。
それは普賢象といって蕊が象の鼻のように伸びる桜です。
ああ、ほんと、面白いですね。
日本に昔からある八重桜の一つです。
へえー、日本にはいったいどのくらいの桜の種類があるんですかね。
もともとの自然種は10種類ほどらしいんです。
それからいろいろ掛け合わせて園芸種がたくさん作られていったんですか?
そうですね、今では200~300くらいはあるようです。
日本人は美を追究する達人ですからね。
その熱心さと根気強さと器用さが多くの美しい花々を生んで来たのだと思います。

あれ、あのギーッギーッの声はコゲラですね。
鳥たちにも今が一番いい季節かもしれません。

さあ、休憩はこれくらいにしてた草刈りを始めましょう。
そうしますかね。

   木曾谷の木に花のある立夏かな (岩谷滴水)

普賢象  

普賢象   

普賢象 
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サクラ(ウコン・鬱金) ~色優し端午の空~
- 2011/05/05(Thu) -
鬱金桜

この桜は鬱金。
黄緑色の八重の桜。
桜にしては色が珍しい。

ちょっと変わった桜。
普通と違う桜。
それが魅力。
個性。

桜もいろいろ、人もいろいろ。
それがまたいい。

子どもの行為を見守る風。
子どもの考えを導く風。
子どもの悲しみを抱きしめてあげる風。
子どもの決意を支える風。
子どもの背中を押してあげる風。
子どものそれぞれを受け止められる風。
大人は5月の風。

  こどもの日鬱金の桜色優し  (文)

鬱金桜 

鬱金桜  

鬱金桜   
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プルーン(セイヨウスモモ・prune) ~5月に咲く花です~ 
- 2011/05/04(Wed) -
プルーン  


プルーンの花です。
小さな白い花です。
黄色い蕊の花です。
花びらは5つです。

李にも似ています。
山桜にも似てます。
桃とは違いますね。
梅とも違いますね。
杏とも違いますね。
桜桃とも違います。

白い小さな花です。
たくさんの花です。
プルーンの花です。
5月に咲く花です。


  白花の枝にあふるる幸月(さちつき)かな    (文)


プルーン 

プルーン   

プルーン
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カタクリ(黄花片栗) ~時は巡り、季節は巡り~
- 2011/05/03(Tue) -
黄花片栗

   その多くは押し流されようとも
   蒔かれた種と働きは
   地下に滅びずに残るのだ
                   (ザメンホフ)

イボタの木の下に黄色い花が咲いています。
黄花片栗です。
庭を歩くと毎日のように、違った花が顔を出します。
花たちにとっても、輝く季節。
冬には形を地上から姿を消す花たち。
地の下で耐えた生命(いのち)はこうして色となります。

冬の後には必ず春が、夜の後には必ず朝が。
時は巡り、季節は巡り、人の世も巡る。
悲しみの後には必ず微笑みが、苦しみの後には必ず喜びが。

優しく咲く片栗の花を見て、そんなことを思ったりしています。


   かたかごの花の辺ことば惜しみけり   (鍵和田秞子)

黄花片栗 

黄花片栗  
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ヤマブキ(山吹・Japanese rose) ~葉に花に葉に花に葉に~
- 2011/05/02(Mon) -
山吹 

山吹が庭を染める。
枝は風になびいて上下する。
木漏れ日の光と影が花びらの上を揺れ動く。
明るく温かな山吹色の絵模様。
緑とのコントラストが飽きぬほどに美しい。

古(いにしえ)人もこうした山吹を愛でたのだろう。
光源氏が庵で見つけた幼い少女が纏っていたのも山吹襲。
後の最愛の人、紫の上との出会いの色だ。
素性法師も謎かけにしてその色を歌う。
 「山吹の花色衣ぬしやたれ問へどこたへず口なしにして」  (『古今和歌集』巻十九1012 )

5月が歩く。
5月が飛ぶ。
新しい五月を、今は今日の一日、一日の今日と思う。

   山吹や葉に花に葉に花に葉に  (炭太祇)

山吹  

山吹

山吹    

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