
カワラヒワが寄り添うように並んで枝に留まっていた。寒いのだろうか、少し体を丸めていた。
カワラヒワとは何の関係もない、早朝のラジオで聞いた話である。
羅列したメモからその文を起こすことにする。
最近の健康志向や健康ブームでは目的と手段の倒錯が感じられる。
本来、健康は健康のためでなく、人生のための健康でなければならない。
大阪フィルの朝比奈隆は死ぬ直前の二ヶ月前の93歳まで指揮を振り続けた。
朝比奈の目的は人生であり、芸術である。だからいつまでも健康でありたいのだと。
彼の健康は、一日でも多く指揮棒を振るための手段である。
「立つことが私の仕事であり、立って指揮が出来なくなったら私は引退する」と彼は常に言っていた。
どうすれば、さらに高い指揮ができるか、高められるか、それを成就するために健康を保つのである。
健康そのものが自己目的化したときに結果的に健康は挫折する。
自分が何をやりたいか、やりたいことを続けるためにに健康を保つ。
豊かな健康とは体と心のバランスなのだ。
健康のための健康でなく、豊かな人生のための健康、よりよく生きるための健康。考えさせられた話である。
朝5時36分頃に始まる「健康ライフ」、私は毎朝この番組を聞いてから勤務に出る。