セミ(脱け殻と穴) ~長い年月を土の中で過ごして~
- 2017/07/27(Thu) -
蝉の穴171

4時10分。
いつもの様に机を前にする私の耳に。
カナカナカナカナ…。
そう、蜩が2匹。
輪唱のように、一つが鳴けば、一つが追いかける。
音の高さは微妙に違い、その重なりがまたいい。
まだ薄暗い夏の朝。
いい時間、いい響き。

そして読み、書き、目を通すうちに辺りは明るくなる。

庭に陽も差す。
いくつもの蝉の穴。
歩を進めればいたるところに。
二つのそばにはアブラゼミの脱け殻。

辺りの木々を見渡す。
ある、しっかり葉や枝に脚を掛けて。
アブラゼミに、ヒグラシに、ニイニイゼミのが。
長い年月を暮らした土の中から出てきたのかと労いたくなる。
さても地下の暗闇から地上の光にすぐに目はなれるものなのか。

大声で好きなだけ自由なリズムで歌え。
短い命に許された特権だ。

   空蝉やひるがへる葉にとりついて (高野素十)

蝉の穴172

アブラゼミの脱け殻17
         アブラゼミの脱け殻
ヒグラシの脱け殻17
         ヒグラシの脱け殻
ニイニイゼミの脱け殻17
         ニイニイゼミの脱け殻
アブラゼミの脱け殻172
         アブラゼミの脱け殻2
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コガタスズメバチ(小型雀蜂) ~取らなければ~
- 2017/07/23(Sun) -
コスズメバチの巣171

一昨日のことだった。

剪定していた。
剪る庭木の中から10数匹の蜂が飛んでくる。
じっとして去るのを待つ。
どこかに巣があるようだ。
伸びきった徒長枝を剪っていく。
さらにもっと多くの蜂が出てきて激しく飛びかう。
身を低くし、静かにしている。
何蜂か分からないが、巣のありかを確かめなくては危険だ。

反対側に回る。
あった。
バレーボールほどの丸い巣。
その大きさと模様などからスズメバチのもののように思える。
庭で初めて見る。
数匹が巣の周りにとまっている。
アシナガバチより大きい。
出入り口には常に監視役が一匹、顔だけを外に向け辺りを見張っている。
困った。

作業をやめ、家に戻って調べ、蜂の種類を確かめる。
庭木に営巣することや巣の特徴からコガタスズメバチだということが分かる。
名前は小型とついてはいるが、普通の蜂に比べてかなり大きい。
性質はとてもおとなしく、攻撃性はないということで、本来は駆除する必要もないとある。
剪定する際に、巣が揺すられてその刺激に怒ったようだ。
そこは、頻繁に作業をする場所のそばにある。
何かの拍子に刺されるおそれがある。
取らなければ…。
巣を取るには早朝か夕方がいいとされる。

翌朝5時、意を決し、帽子と着衣に刺されぬようそれなりの防護をし巣に向かう。
まず巣の周りの枝をできるだけそっと払う。
それでも出入口からは数匹ものが飛び出してくる。
間をおいて落ち着かせながら処理しやすいように枝を切り落とす。
そして駆除スプレーを一気に噴射。
わっと多数の蜂が巣穴から勢いよく出てきて、そこはまさに蜂の巣をつついた様相。
素早く逃げる。

2分後、近寄ってみる。
巣の周りには蜂はいない。
しかしまだ生きているのが近くにいるかもしれないと用心しつつ近づく。
戻ってこないうちにと、巣が付いている枝を剪る。

土の上に置く。
巣は薄い最中(もなか)の皮で作られたようにもろい。
少し触るだけで崩れる。
何層にもなった巣の中には幼虫が蠢めく。
一匹の蜂が力なく巣の外にいる。
フウーッ、うまくいった。
緊張が徐々にほぐれる。

辺りに明るさが増し、完全防備に包まれて体は蒸れる。
覆いを脱ぐ。
部屋に持って行き、見せる。
「大きい~。すごお~い。この蜂の子、食べられる?」
「やめておこう」

  をうをうと蜂と戦うや小百姓   (村上鬼城)

コスズメバチの巣172

コスズメバチの巣173

コスズメバチの巣174

コスズメバチの巣175

コスズメバチの巣176

コスズメバチの巣177
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イチジク(無花果・ドーフィン) ~まず一つ採って~
- 2017/07/20(Thu) -
無花果171

色付き始めた大実のイチジク。

一つ採ってみる。
軟らかく重みもある。
よさそうだ。

まずはお仏壇に。
冷蔵庫に一日入れておく。

半割してデザートに。
しっかりつまっている。
その色艶、見るからに美味そう。

甘い。
みずみずしい。

「鳥に食べられないように網掛けたら?」
「…様子を見て早めに採るようにするよ」

  いちじくのけふの実二つたべにけり (日野草城)

無花果172

無花果173
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ニガウリ(苦瓜・蔓茘枝・ゴーヤ ) ~毎年作るもの~
- 2017/07/16(Sun) -
苦瓜170

畑で作る野菜は年によって多少の入れ替わりがある。
去年豊作だったからとか、初めてつくって美味しかったからとか。
うまく実らなかったとか、料理にしてあまり好まれなかったとか。
体に良いと言われるとか、今ブームになっているとかだったりで。
でも、毎年欠かせない定番のはもちろんいくつもある。
苦瓜もその一つで、畑の顔としては一番長い。
「毎年作りすぎ。半分でいい」と言われつつも。
そしてこ当然のこと食卓にはそれがのぼるるわけだが、必ずしも家族みんなが好みというわけでもない。
その独特の苦さに含まれる栄養価が夏ばてを解消してくれる健康野菜であるとの消極的な賛同にほかならない。
今年もまた収穫できるようになってきた。

   苦瓜といふ悶々のうすみどり  (坂巻純子)

苦瓜171

苦瓜172

苦瓜173

苦瓜174

苦瓜175
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ハタケ(畑・夏野菜の収穫) ~総合検診~
- 2017/07/12(Wed) -
夏野菜の収穫171

総合検診だった。
指示に従って順々に検査を受けていく。
血圧測定で初めて高血圧の領域に達す。
加えて体重が3㎏も減っている。
何かおかしいが、どこも痛みや体の不調を感じていない。

データを元に医師の診察。
続いて保健師の助言。
「どこか悪いところとか気になるところはありませんか?」と問われる。
答える。
「体はそうでもありませんが、一箇所だけ前から気になるところがあります」
「何か自覚症状があるんでしょうか」
「ええ、頭が悪いんです」
「……、フフフフ。ご冗談を」

夏野菜もいろいろ収穫出来るようになってきた。

    馬鈴薯の顔で馬鈴薯掘り通す (永田耕衣)

アスパラ171

ズッキーニ171

カラーピーマン171

ジャガイモ171
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ビワ(枇杷) ~えっ、なんだこれは!~
- 2017/06/27(Tue) -
ビワ444

枇杷が実って、先週から少しずつ採っては食卓に乗せていた。
毎日数個ずつ、季節からのプレゼントを味わう。
品種は“田中”、二階の窓からももぎ取れるほどの高さになる。

それは昨日の朝のこと、いつものように日課の庭掃きをしようと箒を持った時だった。
一瞬、目を疑った。
“えっ、なんだこれは!”
枇杷の木の下には実が食べられたあとの袋状になった外皮が散乱している。
種は残っていない。
それも含めて丸ごと飲み込み、皮だけを吐き出したようだ。
こんなことをするのは一体だれ?ナニモノ?
前日の夕方までは何ら変わったことはなかった庭である。
すれば、夜間、私達が寝静まった頃にやって来て木に登り食べていたのだろう。

考えられるのはハクビシン。
木に登る、夜行性、甘い果実が好き…、状況証拠は揃う。
片付ける地面の袋は100近くあった。
それにしても一晩でそれだけとはすごい食欲だ。
いくら美味しいからといって、人間には無理の話だ。

今夜も来るのではたまらないと、いそいで残りの実をすべて収穫することにした。
まだ籠いっぱいにあったので一安心。
さっそく知人や義姉にお福分け。

来年は油断しないようにしなければ。

   枇杷の実を空からとつてくれしひと (石田郷子)

ビワ414

ビワ789

ビワ793

ビワ811

ビワ816
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サルナシ(猿梨・こくわ) ~「注意して下さい」と~
- 2017/06/14(Wed) -
猿梨の花171

スピーカを通して役場から広報が流れた。
 
 役場産業観光課から熊の出没情報についてお知らせします。
 本日、旧〇〇小学校付近で熊が出没したとの情報がありました。
 危害を与える恐れがありますので十分に注意してください。
 熊を見かけましたら役場産業観光課までお知らせ下さい。

そこの廃校のある地は天竜川を挟んで対岸にある。
町内では過去に2度ほど、もっと近いところで出たこともあった。
山の生きものたちと人がうまい具合に共存できればいいのだが。

畑の猿梨に白い5弁の花が咲いた。
秋にキウイフルーツを小さくしたような甘い緑の実になる。
猿がよく食べることからその名が付いたと聞く。
それは熊も好物という。

  六月やおほかた白き果樹の花 (鷹羽狩行)

猿梨の花172

猿梨の花173

サルナシの実151022
                                       秋の実り
サルナシの実151024
                                       秋の収穫
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イエローベリー(yellowberry) ~「おいしいね」~
- 2017/06/09(Fri) -
イエローベリー170

イエローベリーを少しずつ摘む。
デザートとして並べる。
「おいしいね」

僕は一粒。
残りは君。
僕はいつでも育てる人。
君はいつでも食べる人。

かの女流歌人にならえば。
“摘み苺 君が美味しいねと いったから 6月9日は 苺記念日”。

  青春のすぎにしこゝろ苺喰ふ  (水原秋櫻子)

イエローベリー171

イエローベリー172

イエローベリー173 - コピー

イエローベリー175


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ワイルドストロベリー(Wild strawberry) ~小籠に摘んで~
- 2017/06/05(Mon) -
ワイルドストロベリー171

ワイルドストロベリーを摘みました。
赤く熟してきたのです。

人差し指の先ほどの小さな野苺です。
でも甘いんです。
それに芳しいんです。
デザートにしました。

あっという間に器が空っぽになりました。

  太陽のひかりこまかく苺摘み (鷹羽狩行)
 
ワイルドストロベリー172

ワイルドストロベリー173

ワイルドストロベリー174

ワイルドストロベリー175

ワイルドストロベリー176
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ナシ(梨) ~花付けから一月が過ぎ~
- 2017/05/28(Sun) -
梨の摘果171

梨の花付け(受粉作業)をしたのは4月下旬。
それから約一月が過ぎ、木には葉も茂り、白い可憐な花は姿を小さな丸い実に変えた。
摘果をする。
かたまる数個の中から、形や大きさを見極めて一つを選び、他を摘みとる。
栄養をそれに集中させることで、膨らみ、大きさを増し、良質の果実となる。

幸水、豊水、二十世紀の3本の細い苗木を植えたのは18年ほど前だったか。
今では素人栽培ではあるが、それなりの収穫を得られるようになった。
“蒔かぬ種は生えぬ”ではないが、木も植えればいずれ実りを結ぶものである。

この先は虫や病気との闘いであるが、私は消毒をしない。
農薬を使わず、土の力、木の生命力、自然の力にまかせている。
時々見ては可能な限り手で処理する。
こうして楽しみながら、秋の実りを待つ。

夏も近づく。

   夏めくや庭土昼の日をはじき  (星野立子) 

梨の花20170426

梨の摘果172

梨の摘果173
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サクランボ(桜ん坊・桜桃)  ~連敗から脱出~
- 2017/05/25(Thu) -
サクランボ171

ここ数年の連敗からなんとか脱出できた。
相手は、不意を突く貪欲な鵯とじわじわ責め立てる“山の神”。
実るサクランボの収穫を廻って繰り広げられるバトルの事である。

赤くなってきたなあと眺め、もう少し熟すのを待とうと、一日二日おけば、それはすべて鵯のものとなってしまう。
そして神様は、実のすっかりなくなった木を見てはきつい言葉を発する。
「ネットをかけないからよ」「鵯のために育てているようなものよね」「今年もダメかあ。食べた~い」
録画の映像が再生されるように、こうしたことが毎年繰り返されていたのである。

そしてまた、その時がやってきた。

昨日、朝早くから鵯の賑やかな声。
これはいけない。
先手を打たなくては。
外に出てみれば、今年は鵯に加え、椋鳥までもが啄んでいる。
とにかく急いで取れるだけ取る。
高く手の届かないところは無理しない。
色の濃さで選り分けなどせずにひたすらに。
ところどころは枝を切る。
1時間弱、なんとか速攻で全体の2割(?)程度を。
久しぶりの勝利。
で、あとは彼らに。

「サクランボ、取ってきたよ」
「わあ、こんなたくさんのは何年ぶりかしら」
「高いところのはやめにした」
「落ちると困るし、これで十分」
今年は、カミサマからのいつもの嫌みや皮肉はない。
ここも完勝。

爽やか気分。
ほくそ笑む。

   幸せのぎゆうぎゆう詰めやさくらんぼ  (嶋田麻紀)

サクランボ172

サクランボ173

サクランボ174

サクランボ175
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カリン(花梨) ~巣は除去する~
- 2017/05/21(Sun) -
カリンの花171

椿の木の周りを一匹のアシナガバチがゆっくり飛んでいた。
気温の上昇とともに蜂の活動も活発になり始める。

テラス屋根の桟に止まった。
見ると、巣があった。
巣作り最中の女王蜂だったようだ。
巣はまだ3㎝ほどの径で小さい。

そこは日常頻繁に通る所。
過去には、1年に2度も刺されたこともある。
せっせと子育ての場を築く彼女には申し訳ないが、安全のため取る。
巣の除去はだいぶうまくなった。

カリンに一輪の胴吹き花が咲いている。
枝を賑わせていた他の花たちはとっくに散ってしまったのに。
なぜ今頃なんだろう。

  蜂の巣に気附かぬふりをして通る  (京極高忠)

アシナガバチ女王
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ネギ(葱坊主・葱の花) ~見る楽しみもあるが…~
- 2017/05/19(Fri) -
葱170

丸い形の花がある。
虫たちがさかんにやってくる。
匂いに誘われて?
味?
それはたくさんの小さな花が集まってできた葱坊主。
揃って並ぶ立ち姿はなかなかのもの。
でもこれもきょうでお終い。
みんな取る。
楽しむ虫たちには悪いが。

  数群れて遊びを知らず葱坊主   (鈴木淑生)

葱171

葱172

葱173

葱174
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ルバーブ(rhubarbe・食用大黄) ~私も夏服を出して~
- 2017/05/06(Sat) -
ルバーブ171

ルバーブが大きな葉を茂らせる。
成長が早く、葉周りも1㍍ほどの大きな株になるので、3年前に畑の土手に移した。
蕾がだんだんその被りを解き、細かな集まり花も咲き出す。

このルバーブは元々義姉からいただいたもの。
ジャムにするといいといってくださった。
それから4年目になる。
今年も作る。

北海道では31度を超えたという。

   噴水の玉とびちがふ五月かな (中村汀女)

ルバーブ172

ルバーブ173

ルバーブ174

ルバーブ175

ルバーブ176
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コゴミ(屈・草蘇鉄) ~草の香りとぬめりと~
- 2017/04/29(Sat) -
コゴミ170

家の周りにあるコゴミ。
今が採り頃、食べ頃。
ゼンマイのようなクルクル頭を摘む。

採りたてを小鉢に。
草の匂いとほどよいぬめり。
口に運べば一味違う食感。
少ししかないからうれしい野の恵み。
ほんの僅かなこの時期だけの贅沢。

「いただきます」
「ごちそうさまでした」

  ものゝ芽にかゞめばありぬ風すこし  (久保田万太郎)

コゴミ171

コゴミ173

コゴミ172

コゴミ174
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ウコギ(五加木) ~革の手袋~
- 2017/04/22(Sat) -
五加木171

「五加木を切ってくれる?」

畝作りがもう少しで終わろうとしていた時に、家から出てきた家人がそう言った。
鍬を置き、枝切り鋏に持ち替えて五加木を切った。
30本ほど切り、頭を揃えて持って行った。
「この倍くらい切って」と言われた。
戻って同じくらい切った。

「葉を取って」
「畝を終わったら」

キュウリととトマト用の畝である。
連作を避けるように配置を考える。
程なくして終わった。

革の手袋をする。
普通の軍手でやると棘は抜けて指を刺す。
ひたすら枝から出たばかりの葉を外し取る。
4籠になった。

おひたしになって夕食に出たのは言うまでもない。
数日はこれがきっと続くだろう。
好きなので構わない。

「明日も切って。冷凍しておくから」

五加木は桜の樹のそばにある。
早朝に片付けよう。

  羚羊の出るといふ谿五加木摘む  (三村純也)

五加木172

五加木173

五加木174

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タラノメ(楤の芽) ~「食べられそう」~
- 2017/04/17(Mon) -
タラノメ171

鍬を置いて、休んだ。
温かいお茶を飲んだ。
畑にはいつもマグボトルを持って行く。
季節や気温に合わせてに合わせて温度や中味も変えて。

ボーッと辺りを見渡していた。

北隅の楤の木が目に入った。
ボトルを置いて、近寄った。
タラノメがいつのまにか大きくなっている。
採り頃ではないかと思った。

家の中に声を掛けた。
「タラノメが食べられそうになっているけど…」
「見に行くわ」

籠を持って出てきた。
「いいじゃない。食べられそう」
「これとあれとそれと、それからあれとそれも」と指示する。
私は手に力を入れて捻り採る。
とりあえず5個。
「夕食は天麩羅ね」

あと2、3回は収穫できそうだ。
棘が刺さったことは黙っていた。

  みつめゐてまぶしき楤の芽を摘みぬ  (加藤知世子)  

タラノメ172

タラノメ173

タラノメ174

タラノメ175

タラノメ176
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ウルイ(オオバギボウシ・大葉擬宝珠) ~今は山菜としてその旬を採る~
- 2017/04/14(Fri) -
ウルイ7045

オオバギボウシが伸びてきた。
葉はまだ巻かれたままだ。
柔らかで瑞々しい。
そして今のそれこそが旬の味覚なのだ。

庭に幾つもある株の中から、少しずつ選って切っていく。
本来はこれからの大きな葉と立ち上がるたくさんの優しい花がメインであるのだから取り過ぎてはいけない。

おひたしにして削り節をかければ、申し分ない。
うまい。
まさに旬菜感。

  草の芽の今輝くは命かな (小林康治)

ウルイ175

ウルイ181
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カツラ(桂) ~伐る~
- 2017/04/03(Mon) -
桂171

桂はいい木だ。

白緑の春芽吹き。
夏はハートの緑葉。
やわらかな秋の黄葉。
そして落ち葉の甘い香り。

色々と考えて伐ることにした。
少しの逡巡もあったが、伐った。
思いの外、難儀で時間がかかった。

地に広がる綿菓子のような香りのするハート葉があまりにもよくて、掃くのを惜しみ幾枚も手にとっては密かに本に挟んだりしたこともあった。

何かを得るためには何かを捨てなければならない。

ピーヒャラドンドンドンの音と共に大きな獅子が練っていく。

    山車(だし)曳きて田畑を覚ます春祭り   (馬場移公子)

桂172

桂173

                                   ハートの落葉
20151026.jpg
                                     秋の黄葉
20141105.jpg
                                  
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ヤブカンゾウ(藪萱草)  ~野の恵み~
- 2017/04/02(Sun) -
ヤブカンゾウ171

野からの瑞々しい恵みも届くようになる。
家の周りにはさまざまな草木の新芽も続々と。

笊に採ったのはヤブカンゾウ。
根元を少し掘り下げて白い部分を出し、土の中に刃を入れる。

おひたしにする。
香りや独特の食感があるとかではないが、癖がなく野の感そのもので好みである。
口の中でジャリッとする。
洗いが不十分だったようで葉の間に砂が残っていたらしい。

小さくて若い葉のうちのしばらくは、摘んで口に楽しむことができる。
白い部分を生で味噌かマヨネーズも美味しい。

花はもちろんだが、春はこうして旬の味覚がうれしい季節でもある。

  春菜摘む籠のふちゆく天道虫  (国光勢津子)

ヤブカンゾウ172

ヤブカンゾウ173

ヤブカンゾウ174
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フキノトウ(蕗の薹) ~好きなんです~
- 2017/03/28(Tue) -
フキノトウ2171

味噌にしました。
そしてもちろんご飯に乗せて。
その香り、そのほろ苦さ。
舌も喉も喜びます。
食も進みます。
今、この季だけの妙味です。

庭ではまだまだ取れます。
あちこち適度に散らばってあります。
順次に出てきてくれます。
おかげです。

私、好きなんです、蕗味噌が。


   摺鉢の蕗味噌香る朝餉かな (奥 敏子)

フキノトウ2172

フキノトウ2173

フキノトウ2174

フキノトウ2175
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クロアゲハ(黒揚羽) ~冬の蝶に早すぎた春~
- 2017/02/13(Mon) -
黒揚羽111

尽きました。

体を仰向けにして。
だんだんと動かなくなり。
さいごは少し翅を震わせて。
標本のように広げて整え。

シクラメンの中に入ったり。
コチョウランの上で休んだり。
エアコンの横や蛍光灯の周りを飛んだり。
でも一番好きな場所はレースのカーテンでした。
外へ出たかったのかもしれません。

7日に羽化し、11日ですから、たった4日でした。
用意した砂糖水には口を付けませんでした。

赤い板の上に乗せました。
綺麗なままです。

私のエゴでした。

  凍蝶のいのちの翳(かげ)の漂へる (鈴木榮子)

黒揚羽113

黒揚羽112

黒揚羽115

黒揚羽114
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モクレン(白木蓮) ~光浴びてやわらかに~
- 2017/02/05(Sun) -
モクレン174

ゴミを出しに行った。

ゴミステーションの横ではご夫婦で梨の枝の誘引作業をしていた。
秋の収穫を見据えたこの時期にする大事な仕事。
園には少し大きめの音量でラジオが流れていた。

そぞろに庭の木々を眺めてみた。
白木蓮の蕾もやわらかく膨らんでいた。
ビロードのような光沢をもつそれは猫の毛のようにも見えた。

「芽ぐむ」「芽ざす」「芽ばる」「芽だつ」「芽吹く」「芽生える」。
それぞれが少しずつ春の幕を開きつつある。

結婚以来、ゴミ出しのすべては私の仕事である。

  美しく木の芽の如くつつましく (京極杞陽)
 
モクレン173

モクレン172

モクレン171
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ヒペリカム(Hypericum・ヒペリカムの実) ~時ともに移ろう~
- 2017/01/30(Mon) -
フユノヒメリカム171

「薔薇の芽が動き出しましています」
「そろそろ剪定しなくてはです」
そう教えてくれた。

そうか、今がいいのか。
上手に育てるコツをいまだよく分かっていない。
身支度を調えて鋏を持った。

いろいろな角度から薔薇を見た。
感覚だけで思い切りよく剪定をした。
高さや形からしてなんとなく良さそうに思えた。
これできっといいのだろう。

気温がぐんと上がってこの時期としては珍しいほどに暖かい日だった。
剪定枝を片付けた。
少しの汗が出た。

手袋を取ったら、甲に赤い筋が走っていた。
棘でひっかいたらしい。
気がつかなかった。

薔薇の横に黒くなっているのはヒペリカムの実だ。
夏には艶やかで赤も鮮やかだった。
時は姿を変えさせる。

    枯るゝ庭ものの草紙にあるがごと  (高浜虚子)

冬のヒペリカム172

冬のヒペリカム173

2016年7月 2016年7月
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アセビ(馬酔木)  ~ただじっと待つ~
- 2017/01/24(Tue) -
冬馬酔木175

今朝、東の空には輪郭が明瞭に月が綺麗だった。
そんな凍てつく月を見ると不思議に心が熱くなり密やかな願いをかけたくなる。
予報を見ると、寒さもここ一週間がピークだろうか。

馬酔木が赤い蕾をたわわにしている。

みんな待っている。
何もかもがじっとして。

  寒暁を覚めての息の快し (篠田悌二郎)

冬馬酔木174

冬馬酔木173

冬馬酔木172

冬馬酔木171
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ミツマタ(冬の三椏) ~一日ごとに耐えて~
- 2017/01/22(Sun) -
冬の三椏171

庭を見ます。
多くの草木は茶枯れの姿です。

三椏に蕾がついています。。
ビロードのようなやわらかな毛に包まれています。
小さな蜂の巣にも見えたりします。
これからなお時間を掛けて膨らみを大きくします。
そして色と香りを身に得ていきます。

じっと次の季節待つ姿です。
耐える日があってこそです。

  枝をさしのべている冬木  (種田山頭火)

冬の三椏172

冬の三椏173

冬の三椏174
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凍る ~草木を閉じ込める~
- 2017/01/20(Fri) -
氷171

庭から続くその先の西側。
冬枯れの景色の中。
蘆の穂が光る所。
一箇所が凍る。

離れて見て、近づいて見て、触れてみる。
氷柱のように長く伸びたり。
茨などがその氷の中に閉じ込められたり。
厳寒ならではの造型。
これが自然。

  大寒と敵(かたき)のごとく対(むか)ひたり  (富安風生)

氷172

氷173

氷174

氷175
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スイセン(水仙の芽) ~出てきた小さな姿~
- 2017/01/19(Thu) -
冬の水仙171

そこかしこに先日の雪がまだ残ります。
そして陽あたりのところどころ。
伸びる数本の小さな形が見えます。
それは水仙の緑葉です。
まだ1㎝、2㎝、3㎝…とほんのわずかですが。
昨日見つけました。

冬の語源の一つに『殖(ふ)ゆ)』という言葉があると読んだことがあります。
寄り添いかたまる水仙の姿を見てそんなことを思い出しました。

  冬晴を吸ひたきかなや精一杯  (川端茅舎)

冬の水仙172

冬の水仙173
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サナギ(真冬の蛹) ~無事に羽化するといいんですが~
- 2017/01/16(Mon) -
揚羽冬蛹4

「おや?」
葉を落としたカラタチの木に何かが付いています。
目を近づけるとどうやら蝶の蛹です。
枝に帯糸を掛けて自らを支えています。
薄緑色で二つの角のようなものがあります。
ナミアゲハでしょうか。
氷点下になる真冬の空の下での蛹化、なんとも健気です。
ちょっと迷いましたが、付いている枝を切って部屋に入れることにしました。
ほんとはそのままにして自力で春を待たせてやるのが一番だとは思いつつ。
もしかしたら羽化するかもしれないと、そんな興味と期待を持って。
しばらく子どもの気分になって見守ってみます。

  帯糸張りいのちの翳の冬蛹  (あや)

揚羽冬蛹3

揚羽冬蛹1

揚羽冬蛹2
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ホオズキ(冬の鬼灯) ~変わるその形~
- 2017/01/14(Sat) -
籠の中のホオズキ171

色形が良くて、造型にも良さそうで、オブジェにもなりそうで。
それで秋の終わりにはいつもいくつかは取っておく鬼灯。

冬さなかの庭の外れに鬼灯の茎が一つ。

あるものは袋に朱の色を少し残し。
あるものは袋の皮が剥がれて網目模様となる。
あるものの中には朱の玉が透けて見え。
あるものは底が破れて玉がこぼれ落ちる。

姿を変えたこうした冬鬼灯もまた部屋に迎え入れる。

  冬景の魅了するにも任せけり  (相生垣瓜人)

冬のホオズキ171

冬のホオズキ174

冬のホオズキ172

冬のホオズキ173
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