
蝉もいつやらその声が少なくなり、夜は秋虫が時を告げるかのように草むらで奏でる。
朝、キリギリスが庭で遊ぶのを見て捕まえ、部屋に入れた。
その胴に比して長い角度のある脚と前に伸びた触角の形態が面白い。
昔読んだイソップを思い出しながら、しばらく童心に返って眺める。
そろそろ秋の七草という言葉が語られ、耳に入る頃となった
葛がまるでニューロンのように庭先へ伸びてくる。
その芳香のある紫紅色の花はそれなりに美しさもある。
しかし、その強健な繁殖力を放任すればとんでもないことになる。
下の川から這い上がってくるのだが、これはとても困る。
ほっとくわけにはいかないので、様子を見て時々、大鎌でその蔓を切らなければならない。
情緒ある秋の七草とは言え、葛については花だけなら味わいもしようが、他は遠慮願いたい。
葛粉、葛湯、葛根湯…その有能な資源植物として、あるいは薬効は承知はするが…。
葛の英名は「[kudzu‐vine](葛という蔓植物)」、そのままである。
兎追ひし山こそ思へ葛の花 (所山花)