ダイモンジソウ(大文字草) ~十月という響き~
- 2023/10/01(Sun) -
大文字草051

大文字草はその名の通り、花びらが「大」の文字のようになって咲く。

それぞれを見れば、左右の払いの長さが揃わなかったり。
全体の字形の均衡が整わなかったり。
ではあるけど、どれもこれも個性的な「大」でいい。
その中に小さなアリさんが遊んでいた。

私が大文字草を初めて庭に入れたのは2008年の10月下旬。
熊谷守一記念館に行った折、休憩した店先に並んでいたのを購入したものだった。

   十月という響きに風もうっすらと色づき私も背中のスイッチを入れている (居山聞涛)

大文字草052 - コピー

大文字草053

大文字草054

大文字草055
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ヒガンバナ(彼岸花) ~そして九月も終わる~
- 2023/09/30(Sat) -
彼岸花0521

中庭にも彼岸花がある。
部屋から外に目を向ければガーデンテーブルのそばに見える。

ちりちりと反り返る花びら。
上向きに曲線を描いて伸びる蕊。
それらいくつもの花が重なりあって咲く品ある佇まい。

アートガーデンのは10日ほど前に咲いて、すでに茎は切られてもうない。
その近くでは新たににたくさんの花茎が地面の上に出てきている。
同じ花でもある場所によって咲く時期がずれるのが面白い。
もともとはいずれもが一つから球根分けで増えたファミリーなのに。

   秋とは名ばかりの希なる暑さに包まれたままで今年の九月が終わる (居山聞涛)

彼岸花0522

彼岸花0523

彼岸花0524
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ヒャクニチソウ(百日草) ~まだしばらくは~
- 2023/09/28(Thu) -
百日草0521

百日草が咲きだしたのは一月ほど前のこと。
それから少しずつ花の数も増えた。
華やかさはないが、親しみをかんじさせる花だ。
その名の通り、秋進む中でもまだしばらくは咲いてくれることだろう。

ラジオからは懐かしいエンニオ・モリコーネの曲が流れた。
耳を傾けて聞いていた。

   小学校の花壇に咲いていたのを思い出しつつ少年になって百日草を見ている (上武旋転子)

百日草0522

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百日草0524

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クリ(栗・丹沢)  ~それにも猛暑の影響が……~
- 2023/09/25(Mon) -
栗051

実りの秋です。
毎朝、栗も収穫です。

でも、それにも今夏の希なる猛暑の影響が現れています。
一つは葉がかなり落ちて隙間が多く、向こう側の景色が見られることです。
いつもならぎっしりの青々とした葉に囲まれて実が生ります。
二つ目は実りの数が少ないことです。
昨年に比しておよそ3分の1くらいでしょうか。
家人が言っています。
「今年は皆さんに多くは配れそうもないね」と。
子ども食堂に届けたり、友人に送ったり、あるいは知人たちも拾いに来ていたのですが。

鬼皮を剥きました。
渋皮も剥きました。
それはずっとずっと私の仕事です。

   落ちて毬からこぼれ出す艶やかなる栗の実拾う棘の痛さも楽しき朝 (居山聞涛)

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カリフォルニアポピー(花菱草) ~わずかですが~
- 2023/09/24(Sun) -
カリフォルニアポピー0521

わずかですが、カリフォルニアポピーが咲いています。
5月から7月初旬頃に賑わっていました。
何か思い出したようにひょいと顔を出したくなったのでしょうか。
花の端境期ですので、こうして少しでも彩りを添えてくれるのはうれしいことです。

16℃の朝です。
日の出時刻もだいぶ遅くなりました。
心も少しずつ秋の装いに替えていきましょう。

   花菱草の花言葉に「私の願いを叶えて」とあって今に何を願うと私 (居山聞涛)

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リコリス・スプレンゲリー(Lycoris sprengeri) ~これから個展を見に行くの~
- 2023/09/21(Thu) -
リコリス・スプレンゲリー051

30℃超えの日が続いていて、きのうは彼岸入り。
昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言うが、はたしてどうか。

彼岸花の横ではスプレンゲリーも。
それは花びらの先端を青く染めるリコリス。
その色調の変化は日本画で描かれたような趣。

庭を掃いていたら、お洒落した穂波さんが野菜を持ってきてくださった。
「これから妹と新井さんの個展を見に行くの」と言って。
中には大きなゴーヤが三本と茄子が五つ入っていた。

   落ち葉掃きするイヤホンからは軽ろやかで切ない『セプテンバー』が流れている (居山聞涛)

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リコリス・スプレンゲリー053

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リコリス・スプレンゲリー055
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バラ(薔薇・ピンクノックアウト) ~艶を感じさせて~
- 2023/09/20(Wed) -
秋のピンクノックアウト051

ピンクノックアウトに花三輪。
それは芳香のする薔薇。
去年もほぼ同じ頃に。

今年も6月初めに多く咲いた。
そして秋の開花では少し小振りになり、花数も少ない。
どこか艶を感じさせて。

このところ百舌が毎日来て喋ってくれる。
美声ではないが、楽しくなる。

   人それぞれ言う薔薇は棘があるけど美しいと美しいけど棘があると百舌よおまえはどう思う (上武旋転子)

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ヒガンバナ(彼岸花) ~「曼珠沙華、いいねえ……」と~
- 2023/09/19(Tue) -
彼岸花051

いくつかのまとまりとなってヒガンバナが咲いている。

それはほかの花にはない不思議でゆかしい佇まい。
全体を見ても一つでも部分でも、どれもどこも味わい深くて。
そして上に向かって湾曲する蕊はいつも感嘆を誘う。

先日、知人がやってきた時それを見て「曼珠沙華、いいねえ……」としみじみ。
たしかにこの花は日常から少し離れた時に置いてくれる感じがする。

   大学2年一人訪ねた当尾の里に広がる彼岸花今なお追懐する  (居山聞涛)

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キクイモ(菊芋) ~蟷螂君がいましたよ~
- 2023/09/18(Mon) -
菊芋051

その高さは2㍍は超えているでしょうか。
手の届かない高いところでキクイモが咲いています。
ヒマワリにも似た黄色い花です。
枯れ向日葵に白い大理石の「森の子」のそばです。
おやおや、蟷螂君がいましたよ。
和みます。

芋の収穫は毎年11月にします。
それを家人は漬物にしてくれます。
その少し土臭さのあるコリコリとした独特の食感が好きです。

   外の秋自分の中の秋静かに時が進みものをみつめ言葉を選ぶ秋 (上武旋転子)

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アメリカフヨウ(アメリカ芙蓉) ~二度目の開花~
- 2023/09/17(Sun) -
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アメリカフヨウに二度目の開花。
そのやわらかな濃いピンクの大きな花は例年通りに盛夏の7月下旬に咲いた。
そして終わった。
なのに九月にまたおなじような姿で現れて。

テレビのニュースが伝えていた。
農作物がいつもと違うと。
栗が、葡萄が、松茸がおかしいと。
もう色づいていいはずの紅葉の名所で知られる山もまだ青々とした緑のままだと。
昨日はここらでも34.8℃もあった。

石楠花は葉焼けしている。
百舌が鳴いている。

   ただただにひたすら草を抜く吾も槃特になれるか (上武旋転子)

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オミナエシ(女郎花) ~秋の野風に~
- 2023/09/15(Fri) -
女郎花051

フジバカマのそばにはオミナエシもある。
茎頂に黄色の小さな花を集めて咲く。
ところでそれには女郎花の字が充てられる。
なるほど美しい女性のしなやかな立ち姿、そんな感じにも見える。

ただ一つ、これは部屋の飾りにはあまりよろしくない。
花盛りになるとかなりきつい匂いがするから。
いにしえの佳人を思い浮かべつつ、秋の野風に揺れるを眺めるのがいい。

   風立てば痩身の人のしなのごとくゆるく揺れて女郎花 (居山聞涛)

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女郎花054

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フジバカマ(藤袴) ~黄揚羽が来て蜂も来た~
- 2023/09/14(Thu) -
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フジバカマも咲き出す。
それは少し変わった姿。
筒状の花びらより捩れた糸のように伸びる蕊が目立つ。
美しいというより何か惹きつける繊細な魅力がある。

黄揚羽が来た。
蜂も来た。

   揚羽蝶のとまる藤袴を古歌を読むように静かに見ている (居山聞涛)

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コスモス(秋桜) ~秋のいろいろ~
- 2023/09/12(Tue) -
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ツクツクボウシの大きな声。
ミンミンゼミも負けじとまだ元気に。
モズは毎日のようにやってきて。
アシナガバチがまた巣を作っている。

アートガーデンにはコスモスが立つ。
隣には終わりのヒマワリ。
次郎柿には青い実がふくらむ。
それには白い石の森の子も数個。

アカトンボが目にふえて9月も中旬。
私は草取りが続く。
昨日は4箇所を蚊に刺された。

近くの田んぼでは早くも稲刈り。

   青草広がる秋庭を思案すればつくつくぼーしツクツクボーシみーんミーンみん (居山聞涛)

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シラヤマギク(白山菊) ~背高の野菊~
- 2023/09/11(Mon) -
白山菊051

野の菊も少しずつ咲く。

李の木の下には白山菊が。
この花にはいくつかの特徴がある。
まず背が1メートルを超えるほどに高い。
それで時には支柱を添えなければ倒れてしまう。
二つは葉が広いこと。
特に下の方は大きな心形になる。
三つめは花びらの数の不揃い。
5枚もあれば6枚、7枚、8枚のもある。
隙間なくきれいに整った舌状花からはかけ離れた並びの悪い様になる。

ほかの野菊のような愛らしさはないが、野趣に富んだ味わいがあっていい。

   花びらの欠けし野菊のご愛敬頭上では鳶が弧を描く (居山聞涛)

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白山菊053

白山菊054

白山菊055
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ライラック(リラ・lilac) ~常なら、咲くのは春です~
- 2023/09/10(Sun) -
秋のリラ051

ライラックに花があります。
常なら、咲くのは春です。
今年も5月に入ってすぐでした。
葉のだいぶ少なくなってきた秋の今、どうしたんでしょう。
よく見れば薄紫の花房の半分ほどは蕾です。
満開はこれからのようです。

高原の美術館で旧友と彫刻展を鑑賞してきました。
彼を見送った後の午後の情景です。

   遠方より訪ね来し友に無花果を土産とするリラの返り咲いている日 (居山聞涛)

秋のリラ052

秋のリラ053

秋のリラ054

吉川氏作品
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ニラ(韮の花) ~二文字~
- 2023/09/08(Fri) -
韮の花021

ニラの花が咲く。
白い小さな六弁花が伸び立つ細い茎の頂にいくつも。
多年草なので放置したままで毎年こうして。
先を尖らせたその形は雪の結晶のようにも見える。

ウラナミシジミがやってきた。
ハチも。
その近くにはアリンコも乗っている。

女房詞ではニラのこと“ふたもじ”といったとか。
その昔、植えてこの花咲く様を味わい見るようになってから知ったことである。
家人は何本もを切ってまとめて活けた。

    七草には入らないけど韮も秋の季節花いろいろな虫には選ばれて (居山聞涛)

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シラハギ(白萩) ~萩にある情趣~
- 2023/09/07(Thu) -
白萩051

白萩もたくさん。
枝はたわんで地に垂れる。

離れてまとまるすべてのふわりを。
空の青に一枝を仰いで。
花一つを手に取り人想ってじっくりと見ればなおよし。

萩は万葉集で一番多く歌われている花だとか。
桜より、梅よりも。
性別、年齢層、職業や身分をも超えさまざまな人の心を惹きつけ。
わかる気がする。

   齢七十良寛の歌の想いに心馳せつつ白萩見ている涼し朝  (上武旋転子)

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ヒャクニチソウ(百日草) ~秋の形が~
- 2023/09/05(Tue) -
百日草051

ほんの少しだけ、百日草が咲いている。
同じように種蒔きした昨年、一昨年はもっとたくさん咲いていたのだが。
その名の通り花期の長い花だ。

近くでは彼岸花が数本伸び、茎頂に赤い蕾が見えている。
秋の形が少しずつ。

今日は義姉に呼ばれてお茶する日。
どんな話が聞けるか楽しみ。

   百日草のひらく朝ふと忘れし記憶返りきてうろこ雲を仰ぎ見ている (上武旋転子)

百日草052

百日草053

百日草054
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モズ(百舌・鵙) ~白い月~
- 2023/09/04(Mon) -
百舌051

昨日も涼しい内にと、早朝からの草取り。
1時間ほどで予定したエリアを終えると、時刻は6時15分を過ぎたところ。
中に入り着替えて一人のお茶時間。
読みかけだった古い「男鹿和雄展」のカタログを捲りながら。

と、庭から「キィーキィーキチキチキチキチキチ」と鳥の声。
その特徴あるリズムと甲高い声は過去に何度も耳にしているので主はすぐわかる。
部屋のガラス戸をそおーっと開いて見上げればやはりいた。
染井吉野の天辺近い枝にメスの百舌が。
しきりに鳴く。
何を語っているのだろう。
もしかしてパートナーを呼んでいるのか。

枝の間からは白い月。
秋の朝、数分の心地よい情景。

5泊6日の旅を終えて家人は今日の夕刻帰ってくる。

   秋虫の声を聞きつつただただにコスモスの下の草を抜いている朝行の如く (居山聞涛)

百舌052

百舌053

百舌054

九月三日朝の月
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ユウガギク(柚香菊・野菊) ~純愛の物語~
- 2023/09/03(Sun) -
白い野菊051

九月も三日。
そこはナンジャモンジャノキの下。
マリーゴールドの中に白い野菊。
細い茎と切れ込みのある細い葉のそれはユウガギクだろうか。
どれも似ていて私はよくわからない。

「野菊」という文字と「ノ・ギ・ク」という響きにしみじみと湧き起こる情感。
それは少年の日に刻まれたもの。
映画で見て涙した政夫と民子のかなしい純愛。
この歳になってもいくつかの場面が目に浮かぶ。

空を仰げばサーッと掃かれたような雲が何カ所かに。
高いところでは空気が入れ替わっているらしい。

   見て思い出す少年の日の映画恥じらいつつ野菊にたとえて「好き」と会話するかなしい物語の (上武旋転子)

白い野菊051-2

白い野菊052

白い野菊054
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ダルマハギ(達磨萩) ~秋思と穏やかな心~
- 2023/09/02(Sat) -
萩051

萩です。
ここへ来て一気に開きはじめました。

緑の葉と赤い花の調和したふんわりとした様に穏やかな思いになります。
ところどころに二つが寄り添い語り合うかのような様に心嬉しくなります。

良寛さんと貞心尼さんの相聞歌を思い出しました。
  秋はぎの花さくころは來て見ませ 
         いのちまたくば共にかざさむ (良寛)
  秋萩の花咲くころを待ちとをみ 
         夏草わけて又も來にけり (貞心尼)
二人が交わした歌の中でもとりわけ好きな二首です。

   萩見てふともの思い浮かぶことある一人穏やかな光る朝 (上武旋転子)

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ベンケイソウ(弁慶草) ~義経草もあるのかと……~
- 2023/08/31(Thu) -
ベンケイソウ051

弁慶草が少しずつ咲き出す。
大半はまだ蕾なので、満開になるのはもう少し。
花は小さな薄いピンクの肉厚。
それがたくさん集まってこんもりの形に。

その上にフタモンアシナガバチいる。
ハナムグリもいる。

ところで花の名にこうして弁慶草があって一人静も。
ならば義経草もあるのかと、調べてみたが出てこなかった。

   物書きて静かに過ごす一人の部屋にこおろぎの声届く涼し朝は八月尽

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ベンケイソウ053

ベンケイソウ054

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クロホオズキ(黒鬼灯) ~ツクツクボウシ~
- 2023/08/29(Tue) -
黒鬼灯051-2

庭の蝉の声は6月下旬頃からのニイニイゼミに始まり、蜩、油蝉、ミンミンゼミ。

そして今は、ツクツクボウシ。
独特のリズムと音程の抑揚とデクレッシェンドを組み合わせた少しユーモアのある調子の。
それは夏の終わりを伝える一つの象徴。
その体全体から発するかのような大きな声を味わいつつ聞く。

しばらく前からは淡いブルーのクロホオズキも。
花後には茶枯れの袋を作り。
それを採って部屋飾りにして楽しむ。

    一人の暗い朝に届く虫の音はさまざまを思い出させてしみじみとしみじみと葉月も末 (居山聞涛)

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黒鬼灯053

黒鬼灯054

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ハギ(萩・江戸絞り) ~季節のバトンタッチ~
- 2023/08/27(Sun) -
江戸絞り0521

江戸絞りは七月初め頃からの早咲き萩。
そして一休みし、また八月末頃からも咲く二度咲きの萩。
その白地に淡紅色の線模様は相変わらずやさしい。

その近くでは白萩も咲き出している。
飛ぶトンボも多くなってきた。
昨日の早朝の草取りではキリギリスも見つけた。

そろそろかな、夏と秋のバトンタッチも。

   二度咲き木萩のやさしき色模様冴えて今日は爽やかに空も晴れたり (上武旋転子)

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バジル(basil) ~二学期~
- 2023/08/23(Wed) -
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家人はバジルが好きだ。
アートガーデンに出ると、その芳香を放つ葉をだいたい数枚取ってくる。
そしてそれを鼻に寄せて深く吸い込み「ああ、いい香り」などと、気持ちよさそうな顔をする。
時折は料理の上に乗せて出してくれる。
花は小さくて白い。
だいぶ前から咲いていて、その数は少なくなってきた。
一方、葉の方はしっかりなのでまだしばらくその役目を果たしてくれそう。

さて、近くの小学校では二学期が始まったらしい。
信州の夏休みは短い。

   処暑なりというニュースでは「熱中症」「危険な暑さ」の注意を続けて呼びかけている (居山聞涛)

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タカサゴユリ(高砂百合) ~友人からの電話~
- 2023/08/22(Tue) -
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高砂百合がそれぞれ離れてそこかしこに。
見る花も立ち姿もいいのだが。

それは種によって繁殖する帰化植物。
生命力が強く野生化し、こうして庭の周りに勝手に顔を出す。
毎年抜き取っているが、同様なことが繰り返されている。
今年も花が終わったら早めに処分しよう。

先般夫妻で訪ねてくれた東京に住む高校同期の友人から電話があった。
「10月の再会を楽しみに待っているよ」と。
今度は私が訪ねる約束になっている。
ホテルに1泊してゆっくり語ってくるつもり。
たぶん栗の実りがいい頃、それを土産に持って行こう。

彼はカンツォーネ歌手。
高校から理系を得ていて大学は工学部に入り、そこを卒業して就職する。
しかしもともと好きだったという歌(声楽)の道に進みたいと心機一転音大に入り直す。
さらにイタリアへ留学し、その後歌手一筋で今に至っている。
これまでの道のりやイタリアでの生活の様子なども聞こう。
別の立場で音楽の道を歩んできたという奥様との出会いについても。

   河原鶸がヒマワリを食べていた後地面にはたくさんの種が散らばっている夏景色 (上武旋転子)

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ニワフジ(庭藤) ~二度咲く~
- 2023/08/21(Mon) -
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残暑の中、庭藤が咲いている。
ピンクと白のやさしい色合わせで。
これはいつも6月が盛りになる花。
そしてまた、こうして夏にも二度咲きする。
時には9月の場合もある。
株は通常の藤の様には蔓は伸びず、自立し枝を横に広げてこんもりする。
房も垂れるというより横に伸びる形になる。
肥料いらずの丈夫な木である。

アカトンボを一つ見た。

   なんとなくどことなく秋が隣にきているような感じがして庭を掃く (居山聞涛)

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エナガ(柄長)~外から「チュリリ、チュリリ……」と~
- 2023/08/20(Sun) -
エナガ051

外から「チュリュリ、チュリリ……」と鳥の声が届く。
聞き覚えはあるが、はてなんだったかと庭に出る。
小さな体に長い尾が特徴のエナガだった。
彼岸桜に10羽ほどいた。
ちょこまかとせわしく動く。
とまるのが垂直だったり逆さになったりで、見ていて楽しく愛らしい。

よく見ればその群れの中に一羽のヤマガラが入っていた。
それらが混群するのは知っていたが、見るのは初めてだった。
小さな鳥たちは知恵を出し、助け合って、仲良く暮らしている。

   久々に雷鳴響き渡りそれになぜか心地よさを感じている夏の夕 (上武旋転子)

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エナガ053

エナガ054

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サルスベリ(百日紅) ~半分の高さに切ろう~
- 2023/08/19(Sat) -
百日紅051

百日紅に映えの季節。
その赤い花は手が届かないだいぶ上にある。
二階の寝室に立てば、ちょうど目の高さになる。
そこから見ればその背景には横に伸びる南アルプス。

木は放任のまま伸びすぎた感がある。
蕾もまだ多い。
花が終わったら半分の高さに切ろう。

   ちりちりちりと咲く百日紅を見上げている収まりゆく青い夏 (居山聞涛)

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キキョウ(桔梗) ~紙風船~
- 2023/08/17(Thu) -
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菖蒲色、杜若色、杏色、桜色、紫苑色、萩色、薔薇色、藤色、牡丹色、山吹色、梔色……。
日本の色には花の名を冠したものが多い。
その名から、すぐに色のイメージが湧く。
桔梗色もそう。
淡い青紫と。
ある本にはそれは昔から人々に好まれた色だと解説される。
ならば、平安の女性たちがその色の着物を身につけたりしていたのかもと想像を馳せる。
今、庭の隅に咲いている。
蕾は子どもの頃の紙風船を思い出させる整った五角。
花言葉には「優しい愛情、 誠実、 変わらぬ愛」とある。
近寄り見れば、ヤマトシリアゲがボルダリングのような形で花びらにぶら下がっていた。

   夜半に小雨降ったらし庭の緑快し朝すでにミンミンゼミは鳴いて (居山聞涛)

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