クリスマスローズ(Christmas rose) ~くしゃみと鼻水と~
- 2023/03/11(Sat) -
薄緑のクリスマスローズ051

今の時期とは思えないほどに気温が上がった。
庭作業をした。

部屋に戻った途端、くしゃみ、くしゃみ、くしゃみ。
加えて鼻水もたらりたらりで鼻をかむ。
眼も痒い。
「まさか……」
マスクをしていたのに、まずいではないか。

葉色に近い薄緑色のクリスマスローズも咲く。
中には赤紫の斑。
蕾は薄緑と赤紫を半々にして包む。
目立たないがその味がいい。

   なぜ卑しい鳥の字なのか鵯が毎日来て蝋梅の花を食べている  (居山聞涛)

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アートガーデン(『花のフェスティバル』) ~『町内一斉土手焼き日』~
- 2023/03/06(Mon) -
花のフェスチバル0

『町内一斉土手焼き日』だった。
越冬害虫駆除や果樹の剪定枝焼却を目的としている。
あわせて各家庭では庭作業で出た剪定枝などを焼く。
私はマサキとピラカンサの枝をアートガーデンに運び、『花のフェスティバル』近くのスペースで燃やした。
穏やかな日和で風もほとんどなく、火を焚くにはいいコンディションだ。
一時間半ほどで火はほぼ消え、大方灰になった。
念のため水を掛けて終える。

   チューリップの芽を見つけた穏やかな日土手焼きの白い煙が上がる   (上武旋転子)

花のフェスチバル1

花のフェスチバル2

花のフェスチバル3

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雛飾り(紙細工) ~「季」を楽しむ~
- 2023/03/03(Fri) -
ひな祭箱

今年もまた「ひな祭」と書かれた箱を出す。

中には叔父の手になる小さな紙細工の雛飾り。
お雛様は3㎝、屏風の高さは10㎝、雛壇の幅21㎝。
男雛、女雛、右大臣に左大臣。
膳と菱餅、橘、桜に雪洞の一揃い。
女の子はいないが、飾ってともに「季」を楽しむ。

春三月。
約束通り、もう少し温かくなったらお招きしよう。

   頭に幼い唄をリピートさせつつ「季」の雛を飾る  (上武旋転子)

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オオサカフユザクラ(大阪冬桜) ~太枝を伐る~
- 2023/02/22(Wed) -
大阪冬桜の伐採051

大阪冬桜はおよそ十一月から十二月にかけての寒い頃に咲く。
そして少し休んでまた春四月にも咲く二季咲きの白い八重桜である。

その幹元に近いところの太枝を伐った。
張り出して横に広がっているのが気になっていた。
ほんとは一月に伐る予定だったが延びてしまった。
すっきりした。
それをさらに短く切って片付けるのに少し時間がかかった。
陽が差す中だったので少し汗をかいた。

   犀川ではコハクチョウの北帰行が始まっている私は冬桜の太枝を伐る  (上武旋転子)

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大阪冬桜202204011
                                   2022年4月1日
大阪冬桜202204012
                                   2022年4月1日
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ツグミ (鶫) ~木の仕事~
- 2023/02/21(Tue) -
鶫2202

少しだけ木の仕事をした。

ライラックの徒長枝を切ったり。
源平桃を剪定して形を整えたり。
小径に張り出す姫楮の枝も。
雪柳の頭は抑えて。

鹿児島紅梅が一輪咲いている。
蝋梅の花は昨日より多くなった。

柿の木では鶫が枝をつついている。
皮の中にいる虫でも食べているのだろうか。

   香りがいいからと妻も剪ってきた蝋梅が和室にある  (居山聞涛)

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ケンチャヤシ(Kentia palm) ~「雨水(うすい)」~
- 2023/02/19(Sun) -
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目覚めればしっかりの雨。
雪ではなく。
どうやら一日ずっと。
「雨水(うすい)」の節気どおりに。
地に潤いをあたえ一段と植物に活動を促す。

部屋にはケンチャヤシ。
20数年経つが十分に元気。
幾度か切って繁りを抑えつつ今に。

知人から読書の日々だとメールが届く。
新たな発見があったとやや興奮気味に。
さて私は……。

   冬別れの今朝の太い雨音目覚めの茶の色も濃く  (上武旋転子)

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クリスマスローズ(Christmas rose) ~眼科の定期検診~
- 2023/02/16(Thu) -
クリスマスローズ2151

6ヶ月ごとの眼科検診。
視力は左右とも前回と同じで良好を保つ。
右目に白濁が広がりつつあるのが確認される。
「現在生活に不都合はないようですので、手術についてはもう少し様子を見ましょう」とやさしく丁寧な助言。
次は8月半ば。
進行しないように自分で可能なケアを。

クリスマスローズが咲き始めている。
ここらでの開花は通常今の時期。
ゆえに、“バレンタインローズ”とか“スプリングローズ”の名で呼ぶのもいいかなどとも。
多くは下向き。
そんな控え目の様も好き。

   届いた過去最高額の電気料金一つ二つ三つ庭に春の彩りのふえてうれし (上武旋転子)

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メジロ(目白) ~卒業アルバム~
- 2023/02/09(Thu) -
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高校の卒業アルバムを開いた。
ふと、あることを確かめたくなって。
最初のページはギリシャ建築の柱にも似た正門。
そして様々な行事のカットが続く。
後半に各クラスの集合写真と一人ひとりの顔写真。
各学年10クラスある大人数の学校だった。
私は3年9組。
確かめは済み、必要なことは分かった。
しかし、中に収められているコトやヒトの大部分は記憶の輪郭が曖昧となっている。
3年間共に過ごした様々な色と輝きの青春がそこにはあったはずなのだが。
少しの感慨と余韻の時に浸り、また寝室の本棚に戻した。

ピチュピチュピチュと彼岸桜にメジロ。
このところほぼ毎日のようにいろいろな木に来てくれる。
多くの場合、複数や群れで来るが今回は一羽だけだった。
鳥もたまには仲間から離れて一人になりたい時もあるのだろう。

   桜枝に目白来て物思いにふける冬日和  (上武旋転子)

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クリ(栗・丹沢) ~季節外れの栗ご飯~ 
- 2023/02/06(Mon) -
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「栗の皮を剥いて」という。
栗は昨秋も多くの収穫があった。
そしていろいろな料理にしていただいた。
また知人や友人達に届けたり、拾いに来てもらった。
その残りをいくつかの袋に分けて冷蔵庫で保存してあるらしい。

調理はもちろん家人がするが、その前段階の皮剥きなどは長年私の仕事である。
結構手間がかかるし力が要るし、ある意味テクニックも必要で私がやった方がよほど早い。

今回は栗ご飯にしてくれた。
長い冷蔵の割には栗そのもの風味はちゃんとあって味わえた。
次に頼まれるのはいつの頃になるか。

   クリスマスローズが二輪咲いた庭を雉鳩がつがいで歩いている  (居山聞涛)

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レオパ(レオパードゲッコウ・豹紋蜥蜴擬・ひょうもんとかげもどき) ~ありがとう~
- 2023/02/05(Sun) -
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                                  2019年2月10日                          

立春の昨夕、レオパが天命を全うした。
約十七歳。
人の年齢にすればおよそ卒寿頃だろうか。
2年ほど東京で過ごして、信州に来たのは2008年。
それから生活を共に15年の歳月。
今年に入ってからなかなか食事を摂ろうとしなかった。
だんだんに瘦せ細っていった。
いよいよお迎えの時だと覚悟してその準備をしてはいた。
朝、動きがゆっくりとなった。
そして家族に見守られて静かに息を引き取った。

一人じゃ淋しいだろうと7年前にはレオコを同居させた。
二人は睦まじく過ごした。
動かなくなった冷たいレオパのそばに居る彼女の表情はいつもと変わらない。
何が起きているのかきっと分かっていない。

新しい白いハンカチを出してくるんだ。
「埋葬はどこにする?」
「柘榴の木の下がいい」
「そうだね、場所がはっきりわかったほうがいいね」
「実が生るたびに思い出せるし」

私達はレオパロスでしばらくは淋しくなるだろう。
一番密着度の深かった家人はひとしおに。
なにせエプロンのポケットに入れて料理などしていたのだから。
朝の挨拶に手に持って「おはよう」のチューをしていたのだから。

赤い舌を出してペロペロ水を嘗める愛らしい姿。
一生懸命に脱皮する様はなんともユーモラスで。
時には彫刻のモデルにもなった。
なつっこい穏やかな性格だった。

喋らないけど通じ合っていた。
みんなのアイドルだった。
家中が癒やされた。
君のつぶらな瞳は忘れない。
レオパ、ありがとう。

   掌に乗る小さな命は逝った大きな微笑みとやさしい灯だったレオパと15年  (上武旋転子)

2008年8月16日1
                                  2008年8月16日 
2014年12月15日
                                  2014年12月15日 
2017年12月17日
                                  2017年12月17日 
2019年12月4日1
                                  2019年12月4日 
2020年1月3日2
                                  2020年1月3日 
2020年3月29日
                                  2020年3月29日 
2020年12月28日2
                                  2020年12月28日 
包まれたレオパ
                                 2023年2月4日 

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鬼やらひ(追儺) ~『季節飾り』~
- 2023/02/03(Fri) -
鬼やらひ0

小さな季節飾りが十七箱ある。
どれも叔父の手作り。
細かなところまで丁寧に拵えてある。
おりふしに合わせ飾って楽しむ。

二月は節分飾り。
『鬼やらひ』の文字と千代紙を貼った箱にも叔父の心が。
中には定番のアイテム。
金棒と青鬼赤鬼。
朱塗りの台に桝豆。
柊鰯とお多福さん。
毎年揃え並べてもう何年も。
そうそう、「春になって暖かくなったら招きします」との約束だった。

さて今日は豆の用意してくれるのだろうか。

   「過去のすべてを受け入れて今をありのままに生きなさい」と書いてある本を閉じる  (居山聞涛)

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鬼やらひ2

鬼やらひ3

鬼やらひ4

鬼やらひ箱
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ナンテン(南天の実) ~一月は行く~
- 2023/01/31(Tue) -
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葉を紅くした南天。
実の多くは食べられて果柄だけ。
わずかに残る艶やかな赤。
小さいのに豊か。

知人が転んで腰椎にヒビとの報。
「キャンバスは届き、さあこれからというのに」と。
その後いかがか。
早めの快癒を祈る。

見上げる空は澄んで青い。
一月は行く。

   長く感じた今年の一月「過去を思わず未来を思わず」と言い聞かせ  (上武旋転子)

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ジョウビタキ(ふくら尉鶲) ~旧友からの電話~
- 2023/01/27(Fri) -
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昨日は今季一番の冷え込みだった。

高校時代の旧友から電話があった。
直接会って話をしたのは7年前の5月。
それ以来ということになる。
「頼みたいことがあって」と。
役に立てるのならと応じた。
彼が求めたモノをすぐに箱詰めして宅配便で送った。

ジョウビタキがいる。
常よりまるく膨らんで見える。
彼らも内側の羽毛に空気の層を作って今の厳しい寒さから身を守っているのだろう。
人がダウンを着るように。

   友から電話来てベータやVHSの話互いにレコードは未だ捨てられずと笑い (上武旋転子)


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スパティフィラム(Spathiphyllum) ~包むようなやさしい形の白い花~
- 2023/01/26(Thu) -
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私の部屋のテーブルの上には数年前に購入したスパティフィラムがある。
艶やかな緑の葉と白い花(苞)の取り合わせが美しいと。
でも咲いたのは買ったその年のみ。
以後は葉だけの姿。
株は2倍ほどの大きさになって成長しているのに。
なぜ?。
花が咲くための肥料不足か、それとも日光が足りないのか。
これまでも気をつけてきたつもりではある。
よくわからない。
今年こそ包むようなやさしい形の花にお目にかかれるといいのだが。

   「記録的な」という言葉どおり強烈に冷える静かにして温まっている  (居山聞涛)

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サザンカ(山茶花) ~山茶花はなぜサザンカか~
- 2023/01/22(Sun) -
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『山茶花はなぜサザンカか』(外山滋比古著)という随筆集がある。
一つの文章はどれも2頁で完結し、それが78篇収められている。
発行年からしておよそ30年ほど前に購入したと思われる。

本のタイトルにもなっている『山茶花はなぜサザンカか』については次のように解説する。
 山茶花という名自体が誤り。
 「山茶花は実はつばきの花なれども、古来、誤用し来れり」(『言泉』)
 「本来は茶梅と書くのが正しい」(平凡社『俳句歳時記』)
 古くはサンサカ、あるいはサンザカであった。
 それが「変化」し「転じて」サザンカになった。
 これは「音位転倒(メタセシス)」の例だと考えられる。

さて生垣の赤い山茶花はまだ咲いている。
ところどころには茶色くなったまま残った花や蕾も。

   チューリップ咲いたと一月の花便り目に見えて日脚は伸び  (居山聞涛)

山茶花はなぜサザンカか

山茶花はなぜサザンカか2

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ビデオテープ  ~笑われるかもしれない~
- 2023/01/19(Thu) -
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これを見て「えっ、まだ持っていたの」と笑われるかもしれない。
片付けていたのは一つの本棚にぎっしりと収まっていたビデオテープ。
何年にもわたって録画したもので、きれいにプリントアウトされたタイトルが背に貼られる。
ジャニス・ジョプリンやウッドストックなど、市販のものもわずかに混ざっている。
手に取ればどれもこれも懐かしい。
そのすべてを焼却処分にしようと。
全部並べて数えたら434本あった。
燃えるゴミの袋に整え入れて9つになった。
一つの袋でもかなりの重量となる。
一度に出すと迷惑になるだろうから、数回に分けて出すことにする。

もちろんビデオデッキもあってまだ使えるが、当然処分する。
空いた本棚は分解して出そう。

家人は旅からまだ帰ってこない。
夕食はレストランで牡蠣フライ定食にした。

   朝一番のお茶を飲もうとして座った途端に湯呑みを倒した絨毯が濡れた  (上武旋転子)

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ビデオテープの処分4

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オタフクアジサイ(お多福紫陽花の冬芽) ~「髪を切って」と~
- 2023/01/16(Mon) -
お多福紫陽花の冬芽051

「髪を切って」という。
年に何度も頼まれる。
美容院に行ってちゃんとしてもらえばと思うのだが。
予約も要らないし、好きな時間にできるし、気楽だしお金も節約できて……ということなのだろう。

全体を短くカットし、最後にうなじにレザーを当てて終了。
鏡を後部に回して仕上がり状態を見せる。
「OKで~す。ありがとうございました」  
およそ30分。

逆もあるかと言えばそれはない。
私はずっと近くの理容店を利用している。
だいぶ伸びてきた。
今日行くことにしよう。

オタフクアジサイも芽を膨らめている。

   こむらがえしで目が覚めた痛い冬の朝だった  (上武旋転子)

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2022年7月20日のお多福紫陽花041
                                   2022年7月20日
2022年7月20日のお多福紫陽花042
                                   2022年7月20日
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山村暮鳥詩集 ~鉛筆で書く~
- 2023/01/15(Sun) -
独唱

昨日は弱い雨が長く降っていた。
寒の時期だから本来なら雪なのだろうが、三月頃の気温になったらしい。
空気が乾燥した日が続いていたのでいい湿りとなった。

毎日鉛筆で本を書き写す。
ものによって2ヶ月から半年ほどかかる。
正確にはいつからだったかは忘れたが、もう何年にもなる。
今は色褪せた文庫の『山村暮鳥詩集』。

書いていると家人が顔を出して「卵を溶いて」という。
ここ数日、夕食に連続して茶碗蒸し。
どうしたんだろう。
嫌いではないのでいいけど。
楽なのかな。

   蜜柑をむいて静かな雨の1月14日だった (居山聞涛)

冬の辞

沈思と榲桲

鉛筆と詩集

山村暮鳥詩集1
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サルノコシカケ(猿の腰掛)~木材腐朽菌~
- 2023/01/13(Fri) -
サルノコシカケ051

山茱萸の太い幹にサルノコシカケがあった。
一昨年に出ていたのとほぼ同じ場所だ。
サルノコシカケは木材腐朽菌で幹の内部に胞子が侵入し、樹木を内側から腐らせる。
材質は木と同化してとても固く、手では剥ぎ取ることはできない。
道具棚から木槌を持ち出して、2度3度叩いて落とした。
それでも形は崩れずきれいなまま横たわっている。
胞子が飛散し、ほかの木に影響を与えてはいけないので焼却した。

室内履きを買いに出かけた。
4店目で気に入ったのが見つかった。
毎日履くのだから、見た目も履き心地もいいのが欲しかった。
早速下ろして履いている。

    新しい室内履きを下ろして足が喜んでいる  (上武旋転子)

サルノコシカケ052

サルノコシカケ053

サルノコシカケ054

サルノコシカケ055
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コブシ(辛夷) ~伐る~
- 2023/01/12(Thu) -
辛夷を切る1

毎春には白い辛夷の花。
7~8メートルほどの高さで。
ひらひらとしたそのやさしさ。
好きだった。

一月の枝には多くの花芽があり、それらは三月も末になると開く。
でもそれを昨日伐った。
去年、見納めにすると決めた。
あれやこれやを総合的に判断して伐るのがいいと。

家側に倒れないように伐倒方向を決める。
その側の幹にチェーンソーで45°の楔形の受け口を入れる。
反対側から幹に直角に追い口を切り込む。
狙い通りの方向に倒れた。
幹を短く三本に切る。
枝を払い片付ける。
思いのほかスムーズに捗った。

もう庭でコブシの白い花を見ることはないがそれでいい。
離れたところの姫辛夷と白木蓮は伐らずにずっと残す。

   仰ぎ見ればひらひらやさし辛夷ある空に母の顔浮かぶ  (上武旋転子)

辛夷を切る2-1
                                      
辛夷を切る3

辛夷を切る4

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                                   2022年4月6日
辛夷044
                                   2022年4月6日
辛夷043
                                   2022年4月6日
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ハクモクレン(白木蓮の冬芽) ~「少しばかりだけど」と~
- 2023/01/05(Thu) -
白木蓮の冬芽051

夕方5時過ぎに版画家の友人が訪ねてきた。
そして玄関で提げていた袋を差し出して言った。
「これ鹿の肉。昨日近所の猟師さんが仕留めて、捌いて持ってきてくれたので、少しばかりだけどどうぞ」と。
「わ~、珍しいものをありがとう。どうやって食べるのがいい?」
「煮てもいいし、たたきでもいいけど、焼いて食べるのが一番かな」
「分かった。そうする。上がってお茶を飲んでいって」
「こんな時間だから帰る。またあらためて。じゃ」と踵を返した。

早速、夕食に半分をいただく。
肉は濃い赤色。
レア感で焼く 。
思いのほかやわらかく、牛や豚とは違った食感。
家人も「臭みもなくて美味しいね」。
食後「とても美味しかったよ」とメールを送った。
彼とは学生時代からの長い付き合いになる。

木々にも冬の営みが見える。
白木蓮にたくさんの花芽。
やわらかな毛が覆う。
咲くのは三月下旬頃になるか。

   友人がくれた鹿肉を夕食に正月四日  (上武旋転子)

白木蓮の冬芽052

白木蓮の冬芽053

白木蓮の冬芽054

202204031白木蓮
                                   2022年4月3日
202204032白木蓮
                                   2022年4月3日
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初詣(正月二日) ~心澄ませ新たなる思いを~
- 2023/01/03(Tue) -
2023初詣1

昨日初詣に出かけた。
毎年決まった古刹に。
家を出たのは8:30。
車を走らせておよそ30分で着く。
時間が早いこともあってか、比較的すいている。
破魔矢とお守りを納める。
参拝者も少なめで、杉の参道をスムーズに進む。
各所にはまだ雪が残っている。
階段を上がって本堂に。
心澄ませ新たなる思いを胸に手を合わせる。
順路に従って降りる。
三重塔の脇を下って鐘楼の横に出る。
今年も打鐘は禁止となっている。
新しい破魔矢とお守りを求める。
駐車場を出る頃には車の列ができていた。

   心澄ませ内なる思いを人に見せず語らず手を合わせる初詣  (上武旋転子)

2023初詣2

2023初詣3

2023初詣5

2023初詣4
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初日の出 ~神々しさに祈り願う~
- 2023/01/02(Mon) -
2023初日の出1

元旦、展望の利く高台の小さな公園へ。
そこがここ数年、初日を拝む場所。
すでに10数台の車。
正面に南アルプスの山並み。

山際が少しずつ明るくなる。
7時18分、一角が強く光る。
そして昇る。
神々しい。

しばらく祈り、願う。
まぶしい。

周りの車が動き出す。
私も帰路に就く。
清々しい。

   昨日と同じ朝陽なのに初日はどうしてこうも神々しいのだろう  (居山聞涛)

2023初日の出1-2

2023初日の出2

2023初日の出3
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元日(令和五年) ~何回目の卯年~
- 2023/01/01(Sun) -
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目覚めて新(あら)たしき年の今朝。
さても何回目の卯年。

玄関に松鶴屏風。
前に対の獅子頭。
その両側に白兎。

よりよくあれ。
よりよくなれ。

   喜びも悲しみも去年(こぞ)に置いて年明く  (上武旋転子)

正月玄関飾り052

正月玄関飾り053

正月玄関飾り054
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『子どもの正月遊び』(叔父の紙細工) ~今日の日記は~
- 2022/12/31(Sat) -
紙細工正月041

毎年のことだが、叔父手作りの紙細工「子どもの正月遊び」を飾る。
男の子の凧、独楽、竹橇。
女の子の毬、羽子板と羽根。
それに寒椿も添えられる。
微細にわたって丁寧な作り。

遠い昭和の話、私も実際に凧を作って揚げ、やはり肥後守で独楽を拵えて仲間と遊んだ。
もしここに独楽があるのなら、今でも投げて引き戻し掌の上で廻すことができるのではないか。

さて大晦日。
来るは「兎年」。
今日の日記は丁寧にきれいな字で締めくくろう。

   おおみそかという響きに生きた一年が早送りのコマで流れている  (居山聞涛)

紙細工正月042

紙細工正月043

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『富士松原』と『菩薩像』 ~叔父からの電話~
- 2022/12/30(Fri) -
久保田米僊・富士松原

叔父から電話があった。

「干し柿がさっき届いた。ありがとう。みんなかわりないかな」
90過ぎの一人暮らし。
「春になって陽気が良くなったらうちへおいでなんしょ」
「私の方でお迎えに上がりますので、我が家へおいでいただいて、食事しながらゆっくりお話ししましょう」
「そうかな。じゃあ楽しみにしているで」
以前は自ら運転して40分ほどの道のりをよく訪ねてこられた。
数年前に免許を返納して以来、外出はあまりされてない様子。
季節ごとの紙細工や園芸を楽しみ、俳句や短歌なども嗜みつつ豊かに過ごされる。
「ようやく年賀状を書き終わったとこな」とも。
それも手作りのステンシルの多色版画で。
いろいろにおいて器用である。
7分ほどの会話は明るくはっきりとした口調で安心した。

久保田米僊の『富士松原』を掲げる。
そして菩薩像も。
   
   新年準備もすんでお茶が美味しい外では鵯が蝋梅の花芽を食べている  (上武旋転子)

月光菩薩
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『墨竹』(木村武山) ~新年準備~
- 2022/12/29(Thu) -
木村武山『竹図』041

朔太郎に「竹」という詩がある。

 光地面に竹が生え、青竹が生え、
 地下には竹の根が生え、
 根の先より繊毛が生え、
 かすかにけぶる繊毛が生え、
 かすかにふるへ。
 かたき地面に竹が生え、
 地上にするどく竹が生え、
 まつしぐらに竹が生え、
 凍れる節節りんりんと、
 青空のもとに竹が生え、
 竹、竹、竹が生え。

一年を通しての青々とした生命力。
節とともに上へと伸びるたくましさ。
そして折れぬそのしなやかさ。

床の間の掛け軸を木村武山の「墨竹」に替えた。
絵に陽が反射する。

   寒中も色褪せず竹のある折々の節があるからこそ高く伸び  (居山聞涛)

木村武山『竹図』042

木村武山『竹図』043
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クロホオズキ(黒鬼灯)  ~ガタガタゴトゴト ガタゴトガタゴト~
- 2022/12/14(Wed) -
黒鬼灯2041

黒鬼灯は夏から晩秋まで爽やかな青い花を咲かせていた。
今は稜のある袋になり淡い茶や黒い色で並んでいる。
毎年こぼれ種でたくさん出てくる。

先日来訪された彫刻家のY先生はそれを見て、「自分の家ににもほしいので分けていただけますか」とおっしゃった。
それで中にたくさんの細かな種が入っているその袋を三つ取って差し上げた。
その手を上に向けそっと包むようにして嬉しそうな顔で持ち帰られた。
昨日お礼の手紙が届いた。
ご自宅は台東区谷中。
私も何度か訪ねたことのある朝倉彫塑館の屋上彫刻が見えるところだとお聞きしている。

今朝は風が強い。
ガタガタゴトゴト ガタゴトガタゴト。
雨戸がぶつかる。
ビュー ガサガサガサザザザザー。
木がこすれている。

   雨戸の揺れてぶつかる大きな音で目が覚めた3時40分新聞を取った  (居山聞涛)

黒鬼灯2042

黒鬼灯2043

黒鬼灯2044

黒鬼灯2045

黒鬼灯192

黒鬼灯191
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カシワバアジアイ(柏葉紫陽花の紅葉) ~発芽玄米餅のお土産~
- 2022/12/12(Mon) -
柏葉紫陽花の紅葉041

落葉樹の多くは枝と幹だけの姿になった。
柏葉紫陽花もわずかな葉だけの淋しい様に。

幾日か前までは毎朝竹箒を手にしていたが、このところその出番もだいぶ減った。
何も考えず、ただひたすら掃き、集め、捨てる。
それは私の生活の中の楽しい時間となっていた。

義姉がお土産だといって2種類の発芽玄米餅をくださった。
北信方面へ出かけてきたらしい。
初めて見る。
古代米も入っている。
どんなんだろう。
正月にいただこう。

   水面の光がゆれる冬の川は澄んでいる水底の石を一つ拾った  (居山聞涛)

柏葉紫陽花の紅葉042

柏葉紫陽花の紅葉043

発芽玄米餅1

発芽玄米餅2
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中国現代芸術家の作品展 ~岩茶のおもてなし~
- 2022/12/11(Sun) -
円室ギャラリー1

それは先日のこと。

友人のK君は小諸の自宅を出て岡谷から高速に乗ってやってくる。
待ち合わせ場所は伊那インターを出てすぐのスーパーの駐車場。
10:30、ほぼ予定通りの到着。
「中国現代芸術家の作品展」が行われているギャラリーはそこからおよそ10分弱と思われる。
私が先導する形で向かうことに。
アクセス道路を東に向かって下り、天竜川を渡る。
竜東線に突き当たり、そこを左折し北に向かう。
場所は大きな家具店の裏手付近だと言われていた。
その近くに車を止めてオーナーのTさんに電話を入れる。
「これから道に出ます」と。
すぐそばの家から笑顔の男性が出てきた。
「遠くからようこそおいでくださいました」
初対面である。
まずはその場で互いに自己紹介。
来日して18年経つという中国河南省出身の彼は、流暢な日本語を話す。
日本人の奥様と結婚され、この地に住宅を購入し、そしてその敷地内に新たにギャラリーを設置。

案内されてギャラリーに入る。
和風の室内は2間に仕切られている。
壁、床、畳、間仕切りの漆喰などのギャラリーの内装のすべてを一人で手がけたのだという。
展示スペースは20畳ほどとさほど広くないので作品数も少ない。
でも一つ一つに味がある。
銅板に文字を刻した作品や抽象的な銅版画がメインの展示。
作品の配置や見せ方、照明などに細やかな工夫がなされている。
すべてが作家の作というのではなく、Tさんご自身の手によるものもコラボとしていくつか。
その一つ、縦長の古い金属の器に黒いぬばたまが挿してあったのにもセンスを感じる。
それらの素材や表現の意図などを説明してくださる。
全体を見終わったところで「お茶を淹れますからどうぞお座りください」とテーブルに促される。

小さな円卓には中国式の茶道具一式が用意されていた。
「これは中国の岩茶(がんちゃ)です。独特の香りがしますので嗅いでください。」
少し黒っぽい茶葉を鼻に寄せるとなるほどたしかにこれまで知っている茶の香りとは違う。
展示作家のことや中国現代アートの話をしながらも彼の手は茶の準備の為に常に動いている。
何度も湯呑みや急須に入れては空けてを繰り返す。
小さな器に淹れて「さあ、どうぞ」と差し出しされたのは5分ほど経ってからだった。
岩茶を一番美味しく飲むにはどうやらこうした手順と時間が必要らしい。
一杯目を飲み干すと、「器に残る香りを嗅いでください」と。
そして2杯目、3杯目も「それぞれの段階での香りと味を楽しんでください」と。
丁寧な言葉遣いと穏やかな話ぶりに誠実な人柄がうかがえる。

そして12時近く、それぞれ連絡先を交わす。
「ではこれで失礼します。ありがとうございました」
駐車場を出る時、腰を折って見送ってくださる。
どこまでも丁寧な方である。

私達はインター近くまで戻り、それぞれ蕎麦とソースカツ丼を食べた。

   現代美術との新たな出会いと楽しいひとときを過ごし伊那の蕎麦の美味しい師走 (上武旋転子)

円室ギャラリー2

円室ギャラリー3

円室ギャラリー4

円室ギャラリー5

円室ギャラリー6

円室ギャラリー7

円室ギャラリー8
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