バラ(秋薔薇・あきそうび) ~ものは壊れ人も…~
- 2017/11/18(Sat) -
秋薔薇171

チェーンソーが動かなくなった。
スタータノブを何度引いても始動しない。
ナンジャモンジャノキを伐ろうと思ったがやめた。
業者に修理を依頼した。
見た結果、部品が破損していて取り寄せになるという。

カメラが作動しなくなった。
電源が入らない。
バッテリーを充電して試みたが、まったくダメだ。
カメラ専門店に持って行った。
分解修理が必要でメーカーに送らなければ直らないという。

このごろいろいろなものが壊れる。
あるいは壊す。
身の回りにそんなことの連鎖。

形あるものはいつかは…。
心身は時が経てば必ず…。
そう、自分を見てよく分かる。

多くの木が葉を落とす中に赤い薔薇が咲く。
秋薔薇(あきそうび)、そのもの静かな思慮の姿。

  朝ごとに秋深くなる木草かな  (角川源義)

秋薔薇172
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ナンテン(白実南天)  ~偶然の再会~
- 2017/11/17(Fri) -
白実南天171

洗車のため行きつけのガソリンスタンドに立ち寄った。
「中でお待ちください」と言われ、休憩室の椅子に腰掛けた。
と、ガソリンを入れ終わった白い車からジーンズ姿のすらりとした女性が降りて早足で入ってきた。
そして私に近寄り、「〇〇…ですよね」と声をかける。
30半ば頃。
「わかります?」と。
2,3秒巡らせる。

「中藤さん?」
「そう。うれしい。覚えててくれて」
「その笑顔でわかった」
「さっき見た瞬間、多分そうだと思って急いで降りて来たの」
「ずいぶん久しぶり。懐かしい」
「仕事の途中です。隣の〇〇村に嫁に来て、そこに家を建てて暮らしています」
「もう子ども3人もがいるんですよ」

22年ほど前、私が県の最南端地に赴任していた際、借りていた住宅近くにその家族は住んでいた。
当時彼女は中学一年生だった。
いつもニコニコした明るくて愛らしい子だった。
それ以来の再会。
互いによくも間を置かずに思い出せたものである。
「皆さんはお元気?」
「ええ、兄も妹も家を出て、この近くで暮らしています」
「そうか、では揃って遊びにきてください」
「声をかけて、一緒に伺います」
住所と電話番号を書いて渡した。

「これからまだ仕事がありますから」
「必ず行きますね」と言って、にこやかにガソリンスタンドを出て行った。
それにしてもほんの1分でも違っていたなら逢えなかっただろうこの偶然。
おもしろいものである。
いつになるかは分からないが、その日を楽しみに待つとしよう。

白南天の実がなっている。
房のところどころが欠けているのは、毎日声を聞かせてくれる尉鶲かもしれない。

   歳月はいま急流や実南天 (北登猛)

白実南天172
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マンサク(満作の黄葉) ~喪中葉書が届く頃~
- 2017/11/16(Thu) -
マンサク黄葉171

喪中葉書が届いた。
見覚えのある筆字で宛名が書かれたあった。
裏を返せばやはり30年ほど前の上司からだった。
しかし、首を傾げた。
差出人が奥様との連名だったからだ。
挨拶文に目を通した。
亡くなられたのはご長男だった。
私より若かった。
余白に青いペンで「膵臓癌でした」と添えてあった。

庭の満作が葉を黄色く染めている。
ところどころには虫喰い穴がある。
春に向けて花芽が小さな顔を出している。

  黄落や或る悲しみの受話器置く (平畑静塔)
 
マンサク黄葉172

マンサク黄葉173

マンサク黄葉174

喪中葉書171
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イソギク(磯菊) ~秋冷の花と虫~
- 2017/11/15(Wed) -
磯菊2171

磯菊に虫たちが遊ぶ。
彼らは無心にしたいことをする。

今が一番。
前後裁断。
今に集中。

こんな小さな花でも口吻が挿す蜜は甘いのだろうか。

  身にしむやほろりとさめし庭の風  (室生犀星)
 
磯菊2172

磯菊2174

磯菊2173 - コピー
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ドウダンツツジ(灯台躑躅)  ~誰が私を…~
- 2017/11/14(Tue) -
ドウダンツツジ紅葉170

週間予報を見れば最低気温にマイナスの日も表れる。
去る秋と近づく冬。
隣り合う二つの季節。
見える聞こえる感じられることさまざまに。

新しい暦も届いた。
心持ちも穏やかな侘びから研ぎ澄ます張りへ。

ドウダンツツジは葉を深色に染める。

  晩秋の誰が私を暖める   (高澤晶子)

ドウダンツツジ紅葉171

ドウダンツツジ紅葉172

ドウダンツツジ紅葉173

ドウダンツツジ紅葉174
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クロ(柘榴の実) ~このあぢはひをたれとかたらん~
- 2017/11/13(Mon) -
石榴の実172

石榴の花が咲いたのは7月の初めだった。
紅一点の鮮やかな朱。
それからおよそ4ヶ月、花は実になった。

数日前に割れた。
果皮をYの字に三分割して。
中には瑞々しいルビーのような赤い粒。
蕊の数だけがそうなのだろう。

少しの酸味とやさしい甘味の実。

それを光太郎は木で彫り、次のように歌に詠み、そして智恵子が縫った白絹の袱紗に筆で認めた。
  ざくろの実ははなやかにしてやヽにがし このあぢはひをたれとかたらん
彼の「柘榴」は、常は智恵子のその愛と温もりの袱紗で包まれていたという。

私がそれを初めて見たのは昭和61年の5月、銀座のセントラル美術館『the光太郎・智恵子展』だった。
今年は私も木彫にする…、二人を追体験するというわけではないが。

   くれなゐの泪ぎつしりざくろの実  (和田知子)

石榴の実171

石榴の花171
                                   2017年7月6日
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イチョウ(銀杏落葉) ~迷うまま年月が過ぎ~
- 2017/11/12(Sun) -
銀杏黄葉177

昨日は風の強い日だった。
木々の葉が吹き散らされる。
銀杏も抗えず。

「銀杏の樹、伐ったら?」
そう家人に言われたのは三年前の落ち葉掃きをしていた時だった。
思案した。
一年延ばし、二年延ばし今日に至っている。
その間ギンナンはたくさん生った。
冬の、正月の料理に重宝であった。

そして今年、いつもの様に美しい黄葉姿の銀杏の樹。
眺めていて気がついた。
ギンナンを一つも見ることができない。
下にも落ちていない。
不思議だ。

甦る「伐ったら?」の声。
伐るべきか伐らざるべきか。
年明けに結論を出そう。

  黄葉して思慮ふかぶかと銀杏の木   (鷹羽狩行)

銀杏黄葉171

銀杏黄葉172

銀杏黄葉173

銀杏黄葉176
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