ノギク(野菊) ~純愛の頃~
- 2014/10/24(Fri) -
野菊141

庭には野菊がたくさん顔を出す。

野菊はかざらない。
野菊はありのままにさく。

  民子は分けてやった半分の野菊を顔に押しあてて嬉しがった。二人は歩きだす。
   「政夫さん……私野菊の様だってどうしてですか」
   「さアどうしてということはないけど、民さんは何がなし野菊の様な風だからさ」
   「それで政夫さんは野菊が好きだって……」
   「僕大好きさ」                             (「野菊の墓」の一節)

その昔、私にも政夫の時があった。

   足元に日のおちかかる野菊かな (小林一茶)

野菊142

野菊143
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アルストロメリア(Alstroemeria) ~定價 三圓八十銭の言葉~
- 2014/10/23(Thu) -
アルストロメリア1023

時々、昔の本を取り出して読む。
そしてそこにある言葉に心打たれたりして、ひとり安穏となる。

  「ある畫の讃」

  人見るもよし 
  人見ざるもよし
  我は咲くなり

 花は人に見られる為にさくのではあるまい。しかしいい花を咲かせたいという意思は何處かにあるだろう。
 それは花は知らない。草は知らない。自然は知らない。
 だから花は自分の花を美しく咲かせるのに不熱心だと言ふことにはならない。
                                          (武者小路実篤  『美術論集』より)

自分は…。

一雨ごとに気温が下がっていく。
体は温もりを欲する。
アルストロメリアに雨粒が残る。

    あきさめはぬれたる花を記憶せり  (小沢青柚子)

美術論集2

美術論集5
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コガキ(小柿・豆柿) ~信濃の秋~
- 2014/10/22(Wed) -
小柿141


あれはなんの実ですか?
ああ、あれはこがきです。
コガキ?
ええ、ちいさいかきということです。
へえ、ちいさい柿ねえ。
まめがきともいうようです。
豆柿?
これもまめほどのちいさなかきということでしょう。
食べられるんですか?
もちろんです。
ちょっと一つ貰ってもいいですか?
いやいや、いまはまだしぶいです。
いつ頃が食べ頃なんですか?
あとひとつきほどするといろがくろくなってくきます。そうするとあまくなります。
じゃその時に味わわせて下さいね。
いいですよ。またよってください。

   柿うましそれぞれが良き名を持ちて  (細谷喨々)

小柿142

小柿143
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キク(フウシャギク・風車菊) ~秋の届きもの~
- 2014/10/21(Tue) -
黄菊141

知人からアップルパイが届く。
箱を空けると手紙が添えてある。
 甘いのが好きかどうか…
 お口に合いますかどうか…
大きな四角いパイが6つ。
それぞれ富士と紅玉で作ったとある。

版画をしている彼女。
「オンナ」と「ネコ」と「ハナ」をモチーフに。
独創的な作品を公募展などに発表し続けている。
知己を得てから30年余。
こうして長く繋がりを保ってくれるありがたさ。

秋が進みゆく。
風車菊が咲いている。

  たそがれてなまめく菊のけはひかな  (宮沢賢治)

黄菊142
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ピラカンサ(Pyracantha・タチバナモドキ) ~柿色の実~
- 2014/10/20(Mon) -
ピラカンサ78

クロームイエローの実。
小さな柿のよう。
それはタチバナモドキの実。
そのうち鳥たちが冬の食事として啄みにやってくることだろう。
人が食べても、美味いのかどうなのか。
試してみたい気もするが。

近くでツッ、ツッ、ツッと聞き慣れた声がする。
姿は確認できないが、あれはジョウビタキ。
今年もはるばる北の大地からやってきてくれたのだ。
いつもの年なら3月まで居てくれる。
楽しみがまた一つ増えた。

   鳥渡る思ひ遥けくをりにけり  (星野立子)

ピラカンサ79
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モズ(百舌・鵙) ~いい声~
- 2014/10/19(Sun) -
モズ2

キッキッキッ。
歯切れの良い高い声が響きます。
その方向に目を向けます。
やはりいました。
桜の枝に留まっています。
雌の百舌でした。

彼女は私を見下ろします。

 もっときみのうたをきかせてくれないかなあ。
 ン?ナニ?
 ナンダッテ?
 きみのうたがききたいんだよ。
 ワカッタワ。
 ハイデハモウイチドドウゾ。
 キッキッキッ、キッキッキッ。
 いいこえだねえ。
 ウフフ、モチロンヨ。

♪百舌が枯れ木で鳴いている
♪おいらはわらをたたいてる

♪モズが桜で鳴いている
♪私はパソコンたたいてる

   われありと思ふ鵙啼き過ぐるたび   (山口誓子)

モズ3

モズ4

モズ1
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ノコンギク(野紺菊) ~野菊の…~
- 2014/10/18(Sat) -
ノコンギク10181

野菊が好き。
どこかできいたせりふ。
素朴で飾らなくて。
そしてきみのようだなんて。
楚々として清らかで。
つんで、さあとささげるなんてね。

あぶが留まってる。
のどかだ。

歌おうか。

かぜにさわさわ さくはなは
のんのんのぎく あいのはな
つんであなたに ささげます
あなたのかみに さしましょう

   野紺菊一日家を忘れゐる  (北沢瑞史)

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